STORY
「株式会社カクバリズム」の代表取締役、角張 渉さん
++ Introduction ++
在日ファンクやキセルを始めとして個性的なアーティストを抱える
インディペンデント・レーベル
「カクバリズム」の代表取締役、角張渉さん。
音源制作、営業、ライブ制作、物販制作など
アーティストが活動する上で周りにある全てのことを手がけています。
メジャーとインディーの違いについて角張さんは・・・
『レコード協会に入っているかどうかというのが一つあるんですけど、
メジャーは法務と言われている権利を永続的にフォローする良さがあって、
我々は小さな会社なので潰れたりする可能性もあるじゃないですか。
そういうデメリットはありますが、メジャーと比べるとクリアというか』。
数多くのアーティストやバンドを抱えている「カクバリズム」ですが、
契約のポイントについて・・・
『僕が好きでまた会いたいな、遊びたいなというのが理由ですね。
世間的には1万人とか2万人入ったら“売れている”ということに
なるかもしれませんけど、僕の場合は300人から500人くらい入れば
“売れている”という言葉を使ってしまうので、
毎回、300人くらい来てくれるバンドは凄いと思っちゃうんですけどね。
レーベルを始めた頃はレコード屋でバイトしていたんですけど。
夜中に友達が遊びに来て、今日買ったレコードでいい曲があったりすると
“これ聴いてよ”と聴かせて友達が“かっこいいね”と言い合うことの
延長みたいなところがあって、だからお客さんにも友達になってほしい
みたいなところがあるんです』。
++ Until now ++
仙台生まれで大学入学のために上京し、西荻窪のライブハウスで
アルバイトしていた時に銀杏ボーイズの我孫子さんと出会い、
19歳でレーベルを始めて作品をリリースしたところ
5000枚のセールスを上げ、
その売上金をもとに2001年に「カクバリズム」を立ち上げたそうです。
『今、41歳になりますが、この歳までくると音楽以外の仕事は
絶対に上手くやれないだろうという気もしますし、
学生時代に「ディスクユニオン」で働いていた時に誰もいない店内で
自分の好きな曲をかけるとメッチャ気持ち良かったんですよ。
それが今も一緒というか、趣味が仕事でもいいやと思っていますね』。
「カクバリズム」の代表として考えていることについて・・・
『今後は無理なく継続できるモデルケースを考えなければと思いますが、
同世代の人たちの生活を考えると音楽との距離が離れてきていて、
そういった人たちには何がいいのかなと考えてしまって。
新しいものをすごく聴き易い環境はできているんですけど、
流し聴きになっているんですよね。
“来たぞ〜上がるな”といったことを
40歳にも感じてほしいと思っています』。
++ Right now ++
寺山修司さんの本を読んだことがきっかけで、中学生の頃から「競馬」が
趣味になったという角張さん。その魅力について・・・
『孤独なんですよ。
馬がバンドだとすると厩舎や馬主さんも含めたチームがあって、
そこに至るドラマやロマンもあるんですよね。
馬が走り終わってレースの結果が出るとちょっと寂しい気持ちになります。
ブラッド・スポーツなので長く見ていると親の馬も知っていて、
応援している馬が上手く行かなくても未だ頑張れるよという気持ちになって、
どんな目線で見ているのか分からないけど(笑)。
大抵は貧乏な牧場や力が無い厩舎や売れていない騎手を応援しています』。
角張さんがお薦めするお気に入りは、海が見える「函館競馬場」。
焼き鳥を食べながら観戦する夏競馬が最高だということです。
++ From now on ++
2002年に「カクバリズム」立ち上げた角張さんが考える今後とは?
『iTunesが登場したのが衝撃で最初は懐疑的ではありましたが、
徐々にダウンロードになり、プラットホームをぜんぜん違うところに
作られてしまったという感覚で手も足も出ないというか…。
実はお客さんが思う以上にアーティストは曲順や曲間を考えているんです。
今後はレーベルとマネージメントの意味が問われると思っていて、
自分の音楽を売り出すことが苦手な人や自分のことをSNSで宣伝することが
できない人もいるし、よりレーベルの立ち位置が明確になってくるでしょうね』。
「カクバリズム」に所属するアーティストのリリースやライブに関する情報は
ホームページをチェックしてください。
ON AIR LIST
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