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STORY

2019.10.05

大工/焼芋家 のチョウハシトオルさん

++ Introduction ++

焼き芋屋さん「やきいも日和」の運営を経て今年の春からは
個人宅、神社、お寺などの新築や改築を伝統工法で手がける工務店、
湯河原にある「杢巧舎」で働いているチョウハシトオルさん。

『“伝統”と付くと敷居が高くて皆さんは中々自分事のように思えない
という部分もありますが、昔ながらのおばあちゃん家のような
ちょっと懐かしい感じが多いですね。瓦屋根で、土壁で、柱が見えて、
あとは和室があったりする家の新築もやっています。
大工の道は飛び込んだばかりで頂が見えないくらい長いと思っています』。

手がけている建築物は釘も使うそうですが柱と梁をくっつける時は
木と木を組み合わせたほうが少し緩やかですが壊れない強さがあるとか。
昔ながらの家は土壁なのでガチガチに硬いわけではありませんが
地震の力などを吸収する役割があることが最近になって分かってきたそうで、
どちらかと言えば“耐震”ではなくて“免震”に近いということです。

『私たちが思う時間の流れとは全然違って、代々にわたって失敗を重ねて
少しずつ改良していったのが昔ながらの家造りに残っているのかなと。
昔の人が手がけてきた仕事を見て想像力で思いを巡らすのが楽しく、
謎解きみたいな感じもあってやりがいを感じています』。

施主についてチョウハシさんは・・・

『デザイン的な日本家屋が好きという方もいらっしゃいますが、
最近増えているのは環境に対する意識のある方ですね。
資材は土と木と紙で瓦は焼き物ですから家を壊すことになっても
直ぐに自然に戻る素材ですし、家が高寿命になることで50年間持つ家を
2回建てるのと100年間持つ家を1回建てるのは環境に対する負荷も違う。
そういった視点で昔ながらの家造りの手法を選ぶ方もいらっしゃいます』。

多摩美術大学で環境デザインを学んでいた頃から自分の部屋を自分の手で
素敵にリフォームして住みたいという思いがあったチョウハシさん。
その後、設計の道に進みますが自分で造ることも好きだったので
現場にも足を運んでいたとか。

現在、チョウハシさんが住んでいるのは湘南地域にある
50年前のニュータウンと言われている「二宮団地」。

『大磯からも近い「二宮団地」はエレベーターが無くて、
高齢化が進んで4階や5階は空室が増えて空室率が高くなっているので
「二宮団地」の方と一緒に若い方が住みやすく入居できるように
“セルフリノベーションOK”“原状復帰無し”という取り組みを進めています』。



++ Until now ++

多摩美術大学を卒業後、都内の設計事務所に勤務していましたが、
20代後半で会社を辞めたというチョウハシさんが「焼き芋」に注目された
“きっかけ”とは・・・

『どうしようかと思った時に自分の生まれた町や住んでいる所に関わって、
デザインを通じてその魅力を伝える仕事ができればと思うようになった時に
ふと立ち寄った農産品の直売所に焼き芋屋のおじさんさんがいて…
それがすごく気になって、焼き芋は昔からあってシンプルな調理法で
栄養価も高いと思って、20代の僕が焼き芋屋をやるとどんな感じ?
お洒落にパッケージするとどうなる?ということを実験的に試したのが
焼き芋屋を始めたきっかけですね』。

美味しい焼き芋を作るポイントは調理面で言えば火加減と焼き時間ですが、
さつま芋は収穫時から時間が経つと“味変”することに気付いたそう。

『収穫の秋から始めて段々美味しくなっていくことに気付いて調べると
芋の中のアミラーゼという酵素によってデンプン質が糖に分解され、
追熟期間中にその働きが進んで変化するので収穫したての秋よりも
1月、2月のほうが甘くなっていてお薦めです。
数年でそのことに気付いてからは自分が美味しいと思える時期だけと決めて
11月後半から3月終わりくらいまで焼き芋屋さんをやっていました』。

チョウハシさんが経営する「焼き芋日和 大磯本店」は昨シーズンで
閉店しましたが、昔ながらの壺焼き芋を作るための壺は友人に託して
現在はサポートや指導を行っているということです。

++ Right now ++

ご自身の焼き芋屋を閉めて大工の道に進んだチョウハシさんですが、
転身は“思いつき”ではなかったとか。

『急に大工を目指したわけではなくて、焼き芋屋を経営しながら
店舗の内装や住宅のリノベーションなどのデザインや大工っぽいことも
やっていました。そして調べれば調べるほど伝統的な昔ながらの手仕事をする
大工さんに魅力を感じるようになりました。
でも、中々そちらに飛び込めない中で昨年、西日本で豪雨災害があって
復興住宅を造る手伝いをしたのですが、それは新築のプレハブではなく
福島県いわき市に建っていた「板倉工法」という昔ながらの柱と柱の間に
板を落として造った災害復興住宅を移築するという話だったんですね。
“昔ながら”という部分に共通点があって・・・
そこにいらした大工さんたちを間近に感じて自分自身を問うわけですよね。
そっちの世界に飛び込むなら今しかないと思って・・・
思い立った日が、“一番最短日”なんですよね。
悩めば悩むほど時間が経ってしまうので気付いたらやるしかないです。
私は焼き芋屋さんを10年やっていましたが、今年から伝統的な仕事をする
大工の道に進みました』。





++ From now on ++

心機一転、新しい道に進んだチョウハシさんが今、考えているのは・・・

『先ずは技術を身につけることが一番身近な目標ではありますけど、
僕も今までデザインを通していろいろなことをやってきたので
昔ながらの家造りの魅力を自分なりに伝えていけるような工夫をしたり
情報発信できればと思っています。
やはり職人さんは若い頃から技術を磨いて一人前になっていきますが、
私は人生の残り時間からして到底追いつけない部分もたくさんあるので、
なにか次の世代への架け橋的なことが少しでもできればと思っています』。

現在、チョウハシさんが務める工務店「杢巧舎」の理念は
100年後に感謝されるような家造りということで、
新築から50年、100年経過しても住みたいと思えるような家を造ることが
今後の目標とのこと。

『今の家は新築の時が一番綺麗で時間とともにだんだん汚れてくというか。
でも、昔の家は木、土壁、漆喰、瓦などが年月を重ねただけ美しくなる
という良さがあると思うので、今後はそんな価値に関心をもつ方が増えて、
昔ながらの土壁や茅葺きの家が建ち並ぶ町の中でドローンが飛んでいたり
車は自動運転だったりというヨーロッパのような古い町並みとテクノロジーが
共存する日本もいいのかなと思います』。

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