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STORY

2018.12.29

「小山登美夫ギャラリー」の代表、小山登美夫さん

++ Introduction ++

数々の無名アーティストを見い出し、同時代の海外アーティストを積極的に
紹介するなど、「現代アート」の普及に尽力されている小山登美夫さん。
「小山登美夫ギャラリー」の代表であり「ギャラリスト」・・・
アーティストを選び、そのアーティスト自身から出てきた「プライマリー」と
呼ばれる作品を一番最初に展示、販売されています。

「現代アート」=「現代美術」の定義について小山さんは・・・

『今生きている人によるアートということだけが基本です。
例えば日本画だから“現代美術”ではないということもないですし、
そういったジャンルによって分けるのではなくて、
大雑把に言うと今生きている人の美術でいいと思います。
分けたり差別化するのは良くなくて、自分にとっての好きなアートというのは
皆さんあると思うので、それくらいで良いと思うんですよね』。

小山さんがご自身のギャラリーを始めたのが1996年で
その当時、現代アートに関しては
アメリカとヨーロッパが圧倒的に強かったのですが、
今は中国、台湾、シンガポール、インドネシア、フィリピンといった
アジアの国々にも多くのコレクターがいて
日本のアートも購入してもらえるとか。

『美術界全体として言うと世界中が変わってきていて、
アートは言葉が無いからどこでも行けるじゃないですか。
ですからアメリカやヨーロッパ以外の国から
次々にアーティストが出てきていて・・・
そういったことから考えると
現代アートの世界地図はすごい変化しています』。



++ Until now ++

中高一貫の学校で落語研究会に所属していたという小山さんは、
その落研で知り合った美術好きの先輩二人の影響で美術に興味をもつように。
現代美術の画家ジャスパー・ジョーンズなどの本を見せてもらって
全く分からなかったけど、分からないのが面白い!と、
図書館に足を運んで多くの図版や美術史の本を見て読んでいるうちに
美術が好きになったそうです。

『その頃からギャラリーにも行っていたんですよ。
現代美術の本に載っているホックニーやリチャード・ハミルトンなどの作品は
西武美術館(現セゾン美術館)や原美術館にもあったんですけど
そういった場所かギャラリーでなければ観られなかったんですね。
それで観に行ったりして・・・高校生の頃ですよ』。

東京藝術大学の芸術学科で美術史を学び、6年間かけて卒業したあと
就職せずにフラフラして最終的にアルバイトで入ったのが「西村画廊」。
そこで舟越桂さん、中西夏之さん、横尾忠則さんといった芸術家本人が
眼の前で作品を設置する姿を見た時にはテンションが上がりまくったとか。

奈良美智さん、村上隆さんを始め多くのアーティストを見い出してきた
小山さんですが、若手の発掘について・・・

『どこまで“変態”かという感じあるじゃないですか。
それは“わがまま”ということもあるかもしれないですし、
そういった部分がポイントだったりします。あとは“生活態度”。
どうやって作品を作っていくかという過程はいろいろな人がいるので
それが一番大事なのかもしれない。
作品の出来上がりも重要だけど、
ポテンシャリティーはその奥にあったりするので
そういったものが見極められたらいいなとは思います。
何に興味があるか、
どんな人達と付き合っているかといったことも大事ですね』。

今注目しているのはニューヨーク在住のアーティスト、トム・サックス。
日本の茶道、茶会に取り組んだ展覧会「ティーセレモニー」が2019年4月に
「東京オペラシティ アートギャラリー」で開催され、
「小山登美夫ギャラリー」でも
同時期に展覧会を行うと予定だということです。

そして、小山さんが注目しているもう一人の現代アーティストは
3年前に惜しくも亡くなった画家の中園孔二さん。
18歳から25歳までの間に500点くらいの画を残していて
今年は横須賀美術館で個展が開催され、
求龍堂が製作した本も出版されたとのことで、
中園さんの作品を美術史に残したいと思っているとか。

『中園さんは30歳くらい年下の新しい世代で、
存命の時に何度か会ったことも
あるけどよく分からない・・・
彼がやっていることは面白そうだけど世代が違う。
自分とは全く違うアプローチで
美術をやっている人が出てきたという感じ・・・
それが面白かったのかもしれないですね。
現代美術は分からないものを面白がるというところもいいんですよ。
自分の感覚とか自分の好きなものとかの範囲にあるものではなく、
もっと違うものを面白がれるというのも大事かもしれないですね。
理解するのではなくて感じるということが』。

++ Right now ++

オフタイムの愉しみのひとつが土に触れることで、
ご自宅の小さな庭に生えている
雑草を抜いたり、
檸檬の木に飛んでくるアゲハ蝶の幼虫を取って飼育しているとか。

『サナギになる時というのは想像するだけでも変なんですけど
幼虫がサナギになって、
そこから蝶は結構乾いたものになるじゃないですか。
あの時に大変化が起こるわけでしょ。
この前は飛び立つ瞬間もたまたま見たりして、
そいうのは結構気持ちもいいですよ』。

今、美術的に面白い場所について小山さんは・・・

『先日行った上海は面白かったですね。
古い銀行を改装した美術館があったり、「ウエストバンド」という所には
とにかく大きい美術館がどんどん作られていたりして。
「ロンミュージアム」という美術館にはルイーズ・ブルジョアが手がけた
10メートルくらいある巨大な彫刻が天井からぶらさがっているんですよ。
今回初めてキャストした大きさらしいんですけど、
そんなサイズの作品が観られるのは日本ではありえないですから』。


++ From now on ++

近年、日本ではアートというものに対して希望をもっている人が結構いると
感じている小山さん・・・

『今、ビエンナーレとかあるじゃないですか。
新潟の越後妻有とか瀬戸内とか、
あとは愛知や横浜などで大きな展覧会が開催されて
アートって何だろうと分からない人たちも大きなイベントとしてそれを観て
興味をもつということ自体は結構いいと思うんですよね。
アートを買うというマーケットはまだまだですけど、
アーティストがやっていることを
受け入れられるような状況にはなってきていると思います。
音楽や映画は商業主義に乗らないと基本的には発表もできないですが、
アートは表現に制限がなくて、
コマーシャリズムに乗らなくても大丈夫じゃないですか。
相当にルーズな表現ができて、それは結構共感されていると感じます』。

「小山登美夫ギャラリー」の経営者としての2019年は
マレーシアやカンボジアなど
東南アジアのアーティストを引き続き手がけ、
アートフェアなどにも作品を出展して
さらに定着させたいとのこと。
また、日本人アーティストを重要なものとして
上手い形で世の中に見せていく形を
きっちり築き上げていきたいということです。

ON AIR LIST

  • JUMPIN’JACK FLASH / ARETHA FRANKLIN
  • ARTPOP / LADY GAGA
  • OVER THE RAINBOW / IZ
  • WALTZ FOR DEBBY / BILL EVANS TRIO

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