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STORY

2018.09.15

「BambooCut」の代表取締役、竹内順平さん

++ Introduction ++

竹内順平さんが代表取締役を務める会社「BambooCut」の社名は
竹内さんの“竹”=“Bamboo”とパートナー、切替遥太さんの“切”=“Cut”を
つなげたユニークなもので、業務内容は企画業。
「“伝える”をプロデュースする」を掲げて梅干しを中心に様々な商品を
開発しています。

なぜ、梅干しだったのか?

『梅干しは一応好きでしたし、何気なく食べる習慣はありましたが、
居酒屋で梅茶漬けを食べていて、
その梅干しを見た時にこれは日本の代表食なのかと。
それなら、
その梅干しについて全てを語ることができる人がいるのかといえば、
恐らく誰もいない。
知識はさて置き、まずは作っている人に会いに行こうと思い立って
紀州に行ったところ、“美味しい”と“健康に良い”という二つのことしか
教えてもらえなかったんですよ』。

梅干しの本当の魅力はその二つだけなのかと考え始めたら止まらなくなったという
竹内さんは今も結論が出ないまま旅を続けている感じだということです。

「BambooCut」が最初に企画・運営を手がけたのは「日本の梅干し展」。
“美味しい”“健康に良い”とは違う魅力が必ずあると考え、
様々なクリエーターさんに依頼していろいろな角度から見た梅干しの魅力を
表現した作品、つまり、食べない梅干しの展示会を開催。

そして現在、展開しているのが「立ち食い梅干し屋」というイベント。
『僕は東京生まれですが、東京は美味しいものが全国から集って来る場所だと
思っていたんですよ。しかし、日本各地で食べた梅干しは東京で一切見たことがない。
これは何処に売っているんですか?というものばかりで・・・
そもそも、皆んな美味しい梅干しに出会う機会が無いのではと思ったのがきっかけで、
「立ち食い梅干し屋」というイベントをやらせてもらってます』。

竹内さんを始めとするスタッフが300種類以上の梅干しを食べてきた中から
本当にお薦めしたいと思ったものを10社から14種類集め、各社にお願いし、
「BambooCut」が作った瓶に入れて商品化し、販売しているということです。


++ Until now ++

玉川大学芸術学部で舞台制作を学んだ竹内さんの趣味は
芝居、演劇、落語、歌舞伎などの舞台芸能。
舞台の魅力は音響、照明、演出、衣装などの要素が全てかみ合って
真っ黒の小屋が一つの何かになるというところで、今、竹内さんの中では
“梅干し”というキャストを使い、音響や照明を入れながら空間作りをしている
イメージがあるということです。

『舞台芸能の道に進もうと思いましたね。
父が落語家の立川志の輔で。
それで落語家になろうとして、だけど断られました。
いや、お前は違うと。
違うと言いながら自分の覚悟が無かっただけだと思うんですけど、はい』。

大学卒業後、糸井重里さんの事務所にアルバイトとして所属。
そこで様々な人と出会い、世の中には多種多様な仕事があることを知り、
それまで舞台芸術だけを意識して勉強していた竹内さんにとっては
非常に意義深い経験、体験だったそうです。

「BambooCut」は大学時代の同級生で、現在のパートナーである切替さんの
強い誘いがきっかけで設立に至ったそう。
竹内さんが糸井重里事務所を半年後に辞めることが決まったタイミングに
当時、映像制作会社に勤めていた切替さんから“何か一緒にやろうよ”と言われ、
当初は大反対したそうですが、熱心な説得に心が動いて・・・
『その時が24歳だったので、失敗しても修正が効くかなと思って
二人で貯金を全部切り崩して始めてみたんですよね』。

++ Right now ++

昨年、沖縄で初めて“スキューバダイビング”を体験された竹内さんは
海に入ったら無力で魚の世界にお邪魔させてもらいながら、
ひたすら深く深く潜ることで、陸地では体験できない集中力を感じたということで
免許を取って趣味にしたいと思っているそうです。

ただ、スタジオにお迎えした時、とても日焼けして健康的に見えたのは
ダイビングではなく、
「気仙沼漁師カレンダー」で使用する写真を撮影するために一本釣り漁のカツオ船に
乗船して2泊3日、北太平洋の上で過ごされたからだそうです。

このカレンダーは気仙沼の漁師さんのおカミさんが集まっている“椿会”の方たちが
震災1年後に今後5年間は震災が理由で自分たちのことを見てもらえるけれど、
6年経てば気にかけてもらえなくなるから、その時に自分たちの魅力を発信できる
何かを作っておきたいという思いから生まれたもので・・・

『“街の宝は何だ? 漁師だ。じゃあ漁師のカレンダーを作ろう!”という
気仙沼の皆さんのアイディアから、その製作とプロデュースをお願いされて。
1年目のカメラマンが藤井保さんから、
毎年、浅田政志さん、川島小鳥さん、竹沢うるまさん、
今年が奥山由之さんという錚々たる方々が参加されています。
“漁師を撮りたい”と思っても中々撮れないので、新しい世界を撮るきっかけとして
皆さん、そこは楽しんでくださっているようです』。



++ From now on ++

竹内さんはアナログなことをエンターテイメントな形でいろいろな人に
伝えていける人になりたいと思っていて、梅干しも“何で好きなんですか?”
と質問されても正確な言葉で言い表せない。それはとても感覚的で、
その曖昧さがアナログならではで、無くならないで欲しいと考えているそうです。

でも、それをそのまま伝えようとしても絶対に伝わらないので、
なんか楽しく伝えていく。
エンターテイメントに変えて伝えてというのが
自分の一つのやっていきたいことですかね。
それを一番大事にしたいですね。

『結局は自分がしっかり感じているかどうかだと思うんですよね。
僕が梅干しの魅力を何も感じていないのに、それを人に伝えようとするのは
無理のある作業というか・・・ まずは自分がきっちりと感じて、
それをお客さんに共感してもらえるにはどうしたらいいかを考えるというだけの
シンプルな作業だと思います。僕らには一過性のブームは作れないので、
どちらかと言えば心にずーっと残るような、思い出になるような仕事が
できたらいいなと思いますね』。

14種類の梅干しが並んでいる「立ち食い梅干し屋」は・・・
9月17日まで「コレド室町3」。
9月20日〜10月21日まで「東京ソラマチ」で開催されています。

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  • LEVITATE / TWENTY ONE PILOTS
  • CRAZY FOR YOU / MADONNA
  • だいたいOKです / 打首獄門同好会
  • BON APPETIT / SHAUN FRANK FEAT.YA-LE

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