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STORY

2018.05.12

美術作家、金魚絵師の深堀隆介さん

++ Introduction ++
美術作家・金魚絵師として活躍する深堀さん。
そんな深堀さんの代表作の「金魚酒」をスタジオに持ってきていただきました!
木の枡の中に金魚の絵が描かれていて、そこに透明な樹脂を流し込み
水を表現しています。今にも金魚が枡の中で動き出しそうな作品です。

透明樹脂と言う最初はドロドロの水飴のような状態から二日経つと固まる素材を
枡の中に樹脂を1センチくらい流し込み固まるのを待ち、その上から絵を描きます。
それを何度も重ねていき、完成まで一合升で2ヶ月くらいかかるそうです。
コンピューターには出来ない深堀さんの感覚で手作りすることによって
立体的にまるで命が宿ったような金魚を描くことができます。
元々、樹脂を扱う工房で働いていたこともあり、
ある時樹脂をもう一回使ってみようかなと思い
量販店で買ってきたのがきっかけなんだとか。
深堀さんは金魚しか描かないと決めているそうで深堀さんにとっての金魚とは…

『ラーメン屋さんのラーメンであり、お寿司屋さんのお寿司であったり、
歌手の歌であったり。もうモチーフでは無いんですよ。
一つのモチーフではなくて僕の表現方法の武器でもあり言葉でもあり、
金魚というフィルターを通して言えば、僕という人間も表現できるし、
みんなが面白がってくれる。これだったら世界に訴えていけるということを
見つけたということです。』


++ Until now ++
弥富市と言えば金魚の名産地。
愛知県出身で子供の頃から弥富市の金魚を見ていたという深堀さん。
でも、子供の頃は金魚にあまり興味がなかったとか。
釣りや魚は好きで海面から下に憧れがあったとのこと。
海面が境界線で、そこから下は人間は呼吸が出来ないことに
「なんでだろう!?」と子供の頃から思っていたことや、
卒業文集には「エラが欲しい」など書いていた少年時代だったそう。
人間から見たら海の中は死の世界で、魚たちからしたら釣り上げた瞬間、
身動きがとれなくてバタバタして死んでしまうので、
魚にとってはこちらの世界が死の世界になる。
そこを行き来できないものだろうか?と考えていたといいます。
潮だまりという磯に潮が溜まっているところに釣れた魚を入れると
生かすことができて、彼らにとってはここが生きるスペースだと思って、
その感覚は今の作品にも活かされていて、
水中と行き来したいという思いからできた作品だそうです。

深堀さんは、デザインを習い大学へ行き
アートの方が好きなんじゃないかと気がつきましたが
そのまま卒業してしまいいろんな工房を点々としたこともあり、
金魚というアイディアに出会う前に、
自分に画風や作風がないことにすごく悩んだそうです。
煮詰まっている方へのアイディア打開策は、、、

『打開策も人それぞれあると思いますが、一回あまりもがかずに落ちてみるとか。
悩んでるんだったら「それはなんなんだ。その悩みとはなんだ」といくと、
絶対に底はあるので、そこさえ着けばあとはそこを蹴って水上に浮上できると
僕は信じていて、悩んであっぷあっぷしてる方が苦しいので
その苦しいのは何だとみてそこを探すというか。
そこを見つけたと思えばあとは浮上できる。』

また、子供の頃を思い出すといいともおっしゃっていました。
子供の頃に触れたものでアイデンティティが形成され、
深堀さんの場合は金魚でしたが人それぞれあると思うので
それを諦めないで見つけることが大切とのこと。

++ Right now ++
プライベートはあまりなく、寝る直前までアトリエでお仕事をしていることが
多いとのこと。
昔はコンサートなどよく行っていたらしいですが、
締切などありなかなか行けていないそうです。
リフレッシュはお子さんと遊んでいる時。
追いかけっこなどしている時が癒されるんだとか。
子供は本能で動くので人間を知るのに一番いい教科書と思ったといいます。

海外でも展覧会を行なっていますが
最初に上海で開いた時、金魚の母国なので、
ダメ出しや怒られるかなと思っていたそうですが高評価!
今にも動き出しそうだったり本物に見えたのか触ってしまったりする
お客さんもいたそう。
自分らしさを出す事によって作品に日本らしさが出ているのではないかと
おっしゃっていました。


++ From now on ++
深堀さんが「金魚酒」を生み出したのが2002年。
そこから現代アートが変わってきていると思いますが
この技法を生み出した時、普通では終わらしてはいけない広めたい、
何か答えを出したいなど思い責任感が生まれたそうです。
本当は楽したい自分もいるけど、次のまだ見ぬ表現に到達したいと思ったら
楽してはできない。
インターネットはもっと発展していくだろうし、
その反面、深堀さんのような手作業も進んでいくと考えています。
深堀さんは今の人たちの感覚について、、、

『今は4D映画とか、匂いがあったり、振動から音から…
だけど逆に言えば昔の人たちは本や落語などでその情景を思ったりして
イマジネーションが豊富で、今の人は与えられすぎて考える事を忘れているかな。
そういう意味でまた手で描くとか、
単純なものも再評価されてくるんじゃないかなという感覚があるんです。
だからもっとイマジネーションが広がるような子が
育ってほしなと思っています。』

また今後、美術作家としての目標については、、、、
宇宙に金魚を飛ばしたいんだとか。
ロケットの表面に金魚の絵を描いて飛ばしたいと語っていました。

今後のイベント
-淀屋辰五郎没後300年- 深堀隆介「追善金魚」展 
・6月8日-6月12日まで 大阪 阪神百貨店梅田店

金魚絵師 深堀隆介展 平成しんちゅう屋
・7月7日-9月2日まで 平塚市美術館
・9月15日-11月4日まで 刈谷市美術館

みなさん是非チェックしてみて下さい。

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  • ALONE TOGETHER / LEISURE
  • DOESN’T REALLY MATTER / JANET JACKSON
  • アイデンティティ / サカナクション
  • MIRACLES / CHVRCHES

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