J-WAVE 81.3 FM
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STORY

2018.04.14

音楽ディレクターの伊藤一則さん

++ Introduction ++
音楽ディレクターの仕事は、
ディレクターほど日常やっていることが異なっているジャンルはないそうで、
伊藤さんの場合は、宣伝よりも制作に寄っているディレクターです。
5、6組のバンドを抱え、そのバンドが曲を作るとなった段階から入って、
曲の骨格を作るところから、なるべくコストパフォーマンスよく
レコーディングが進行するように、バジェットをコントロールしたり、
スタジオを取ったりし、レコーディングが始まったらディレクションをし、
完成に至るまで、タイムマネージングも含めてやっていくのが主な仕事。

昨今、未完成な状態でデビューが決まってしまうバンドがいる中、
そこで成熟しきってない音楽性を補ってあげることが多く、
ソングライティングや、歌手の部分、曲の部分、例えばドラムパターンなど、
そういった細かいところから一緒になって考えて作っていくのだそう。

日本の音楽は、その音楽にビジネスを持ってきた人がプロデューサーという
名前になることが多いんですが、
海外は、音楽を作った人がプロデューサーになることが多いそう。
日本のプロデューサーは作ることもやりますが、
もっと資金面など全般をおこなうのがプロデューサーと呼ばれている人と
なるのだとか。

最近、伊藤さんが担当しているのは、
「MASH A&R」というプロダクション所属の
フレデリック、THE ORAL CIGARETTES、パノラマパナマタウンというバンドを
メインに、ONE OK ROCKはレーベルディレクターとして携わっています。
伊藤さんの強みは、ジャンル的に一番多いのはロックとダンス系。
また、日本の音楽マーケットがボーカル至上主義なところがあって、
歌がちゃんとしていないと誰も聞いてくれない…
その辺では、どれだけ歌を強化できるかというところも得意なんだとか。

そんな中、フレデリックのメンバー全員から伊藤さんにコメントが届きました!

『J-WAVEをお聞きの皆さん、市川さん、そしていとかずさん、
こんばんは!フレデリックです。
ボーカルギターの三原健司です、ベースの三原康司です、
ギターの赤頭隆児です、ドラムの高橋武です。
いとかずさんがラジオに出演っていうことで…。
我々フレデリックは、いとかずさんにお世話になりっぱなしで、
いとかずさんってめっちゃ楽しいよな。
必要なときに楽しい会話もしてくれるし、必要な時に叱ってもくれるし
俺らは感謝をしきれない。
年の差はあるんやけどな、友達みたいな。気さくに接してくれるから
一緒に遊びに行きたくなる人。
服の趣味とか話したりするから、一緒にお店に行ったりしたこともあるし、
だからすごい気さくな人。オシャレ。
伊藤さんから言われて心に残っていること、心がけていること…
これは、俺は音楽の面なんですけれど、
出会った当初からフレデリックはダンスミュージックだからって
ずっと言ってくれてて、だから、ボトムが大事だし、隙間も大事っていう。
それを今までもずっと一緒にやり続けている人やと思う、変わらず。
だから俺はその言葉が一番心に残っているかな。
俺ね、自分のことじゃないんだけど、
フレデリックって基本的に割と音をとったりするのって
スムーズに行くことが多いじゃない?
珍しく少しだけ隆児くんが手こずってることがあって、
そのときに、いとかずさんが
「隆児はこんなところで手こずるギタリストじゃねぇんだよ。」
って言ってたのが、すごい残ってて、すごい愛情を感じたんだよね。
それがすごい記憶に残ってるんだよね。』

フレデリックからのコメントを聞きながら笑っていた伊藤さん。

『なんていうか、、、大人という威厳がないんでしょうね僕は・・・。
でも、上から目線一生懸命やるんですけれど、出来なくて。
なんかやっぱり作ってる人のこと考えちゃうと、、、
でもひどいこと言ってると思ってるんですけれどね結構。
「今日はひどいこと言っちゃったな」って思うんだけど、
ダメなのかなと思いながら、それでみんなモチベーション上がってくれているから
いいんだろうなと思いますけど。』


++ Until now ++
伊藤さんが初めて買ったレコードは親に買ってもらった「およげ!たいやきくん」。
音楽にハマるきっかけになったアーティストは、ピンク・レディーだったそう。
そこから宇宙戦艦ヤマトの音楽にハマり、
宇宙戦艦ヤマトの音楽は未だに“すごい”と思っているそう。
それをキッカケにジェームズボンドなどの映画音楽が好きなり、
YMOでテクノ、その後ハードロック・・・と移り変わっていったといいます。

伊藤さん自身は、ピアノは習っていて、
中学生時代はブラスバンドをやっていたとのこと。
中学生の頃からドラムがやりたいと思ったそうですが、
ドラムはなかなか買えないし、置けない、ということで、
高校生になったら、学校で借りてできるんだろうなと思ったと思っていたら、
その高校が変わっていて、すでにドラマーが3人いたそう(笑)
「ダメだこれは!」と思っていたところ、「ギターをやれ」と言われたので、
ギターを担当していたのだとか。
ただ、コピーバンドだったため、それがつまらなく、
自分で曲を書きたいけど、書けないというもどかしい時代だったそう。
そのまま高校を卒業し、日本の大学に行ったときに、
バンドをやるサークルに入ったら、ギターやドラムをやり、
最後キーボードをやるようになって、
当時、アカデミー賞を受賞された坂本龍一さんに影響を受けて、
鍵盤でアカデミックな方に行きたいなと思っていたのと、
すごくストリングの音が好きで、どうすればアレンジできるのかと思い、
音楽理論を学ぶため、大学卒業後、留学してオレゴンの音楽大学へ行きます。

日本の大学と違って、ギブアンドテイクではないですが、
やったらやっただけ身につき、すごく手ごたえがあり面白かったそう。
そのまま日本に帰国しましたが、帰ってきた時代が、
日本の音楽業界のバブル末期ぐらいの時で、
「自分にはこの流行っているような曲は作れない・・・」と思って
進路を悩んでいたところ、まだその頃は、新聞の募集欄に
レコード会社の名前が載ってた時代で、そこにディレクターと書いてあって、
どういう仕事なんだろう?と思って応募したら
自分が思っているような仕事で、受かり、仕事が始まったとのこと。

++ Right now ++
プライベートのオンオフはなく、
曲に関してのインプットは、しなくてもいいのかなと思っているところがあり、
むしろ音楽以外のエンターテインメントからのインスピレーション、
「音楽ってこういうところに使われているのか」など、ライブ以外の
使われ方や需要は考えたりして行動しているとのこと。
最近刺激を受けたのは、水族館。
「イルカショーの曲ってどうやって決めてるのかな?」とか、
「どういうシチュエーションでこの曲のOK、NGを出しているのか」、
など気にしてしまうそう。
仕事抜きで、曲は、サブスクリプションで聴くことが多く、
ただ基本的に歌が沢山入っていると気になってしまうので、
歌の少ないモノの方が気持ち良く聴けるのだとか。
最近もダメだなと思いながらも、過去の80’sの曲を聴いているとのこと。
本当は新しい曲を聴かないといけないけれど…
という義務感は常に持っているのだといいます。


++ From now on ++
日本以外のマーケットへの意識は、、、
やはりYoutubeなどでボーダーレスになっていることは事実で、
昔だと海外で売れたいから英語の歌を歌うとかありましたが、
日本語の歌でも全然受け入れてくれた事象も出て来て、
あまり肩ひじ張って海外で売れるために作ることを
やらないようにしているとのこと。
とはいえ、海外が全く視野に入っていないバンドでも、基本的には
全世界で売れるようなフォーマットで作っていきたいと思っているのだそう。
そしてそれは「音符」なんじゃないかと思っていて、
歌詞は何語でも聴くし、音符の躍動感というのは、
言語関係なく全てあるんじゃないかという前提でいつも作っているとのこと。

日本と海外の一番の違いは、
CDというものの考え方なんだそう。
やはりアメリカなんかは、CDがなくなったからサブスクリプションが出てきたけど、
日本には両方あるため、取捨選択しなきゃいけない。
それって日本人は苦手で、
どっちかに絶対偏らないで、まんべんなく聞いてしまう傾向にあり、
音楽業界としては先行きが踏み込めない部分なんだとか。

音楽を通じて伊藤さんが伝えていきたいことは・・・

『あんまりそのプラクティカルとかイデオロギーとかっていうのは好きではなくて、
その辺全くプロデューサーの立場でもやるつもりはなく、
むしろ全世界的に共通のいい音楽ってこういうことなのかなっていうところは、
出していきたいと思います。』

伊藤さんの夢は・・・

『完全に個人的な話になっちゃうと、一応クラシックの音大も出てるし、
その卒業の時ってリサイタルをやんなきゃいけなかったんですよ僕の学校って。
で、50分間自分の曲の。で、プレイヤーも全部自分で集めて、
自分で曲を作って、リハーサルの仕切りもやらなきゃいけなくてみたいな。
あれ以上のことってもう音楽業界ではないんですねさすがに。
っていうところでいうと、自分のオーケストラを持って、
自分の曲を演奏することが、夢ですね。
そのためにはいっぱい知り合いを作って人脈を広げたい。
先生はやってみたいと思いますね。ただなんの先生かって曖昧で、
特に音楽の授業っていうものに関して、
たぶん今、僕がやっていることって、
これを教えれば音楽の授業が良い点採れるものではないんですよ。
っていうところで、教育なのか、趣味嗜好のほうなのかわからないですけれど、
やっぱり音楽の作る楽しみを教えるところを教えるのはすごい興味がありますけど、
なかなか雇い主が理解してくれるかわからないですけれど。』

ON AIR LIST

  • RAINING GLITTER / KYLIE MINOGUE
  • RAINY CHINA GIRL / フレデリック
  • AT THE RIVER / GROOVE ARMADA
  • YOUR SONG / LADY GAGA

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