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2020.2.15 Sat.

第203回 スタンダップ・コメディアン:Saku Yanagawaさん

スタンダップ・コメディの聖地である、アメリカ・シカゴに拠点を置き活躍する、
スタンダップ・コメディアン Saku Yanagawaさんをお迎えしました。

http://sakuyanagawa.com

そもそも ”スタンダップ・コメディ”とは、いろんな定義がある中、
Sakuさんご自身は、”コメディアンがマイク1本で舞台に立ち笑いを生むもの”
と捉えているとのこと。

「魅力は、視点を見せる芸術だな、と思います。
 自分の目から見えたものを、自分の言葉で笑いにして伝える芸能なので、
 逆に言えば、自分と違う意見の人に出会えて、
 それを笑えるというのが最大の魅力です。」


私生活だけでなく、芸能・政治など、世の中のすべてのものに斬り込むことが
スタンダップ・コメディの特徴かもしれません。


そんなスタンダップ・コメディを本場で行う Sakuさんは、
昨年 FUJI ROCK FESTIVALにも出演されました!

「僕エジンバラで、世界一大きいアートフェスに出演したんですよ。
 その時に、フジロックの主催:SMASHの代表・日高さんがいらしてて、
 フジロックで史上最多の23ステージ立たせていただきました!
 4万人に無視されるという超常現象も起きましたね...(笑)」



もともとは、野球に打ち込む学生時代だったというSakuさんですが、
大学生の時、肘を負傷。落ち込んでいました。

そんな中、テレビで スタンダップ・コメディアンとして
20年以上現地で活躍してる日本人の存在を知ったそう。

「うわ!かっこええ!と思って、すぐFacebookで検索して、
 その人にメッセージ送って。授業サボって、
 翌日にはNYに飛んだんですよね(笑)今考えたらアホですよね〜」


NY到着後、16箇所ある劇場すべてに
”雑務をすから舞台に立たせて欲しい!” と言って回ったんだとか。

その劇場の中から、2つの劇場から許可がおり、初舞台へ。

「そのステージを見てた、シカゴのコメディアンが声かけてくれて、
 そこから、コツコツ経験積みました。
 英語は今思うと、装備一切なし!って感じでしたけど、やるしか無かったんです。
 たまたま最初のステージがウケたんですけど、
 2回目はめっちゃスベって、おじさんに缶投げられちゃいましたね(笑)」



魅了されたものへの探究心、勢いのある行動力が今に繋がっていったSakuさん。
現在でも、アメリカを拠点に
日本のユーモアとはまた違った世界で活動中です。

「日本では、家族ネタやコンビニなどの身近で起きた出来事をネタにしますが、
 アメリカでは、生活スタイルも文化もバラバラなので、
 あるあるネタは成り立たなくて、人種科学思想、宗教、政治、
 といったカテゴリーがあるんだと思います。
 ただ、ネタつくりのために 多くの事を インプットしなくちゃいけないので、
 日課で、毎朝6誌の新聞を読むようにしてます、しんどいですけど。
 スタンダップ・コメディアンは、教養を求められるので入れておかないと!」



スタンダップ・コメディは、いままでも世界中の多くの人が挑戦してきた世界です。
ただ、自分の思う ”ステレオタイプ” を自虐するというスタイルが多かったそう。

そんな中、Sakuさんは、ステージの上で日本人というアイデンティティを無くさず、
言葉を選び作品を作り上げています。

「そういう自虐って、簡単に笑いになりやすいし、
 そういうステレオタイプを打破しよう、というのも感じますが、
 このダイバーシティになった今、自分の文化や宗教に誇りを持って
 ジョークにしたほうがカッコイイのかなって思っています。
 ギリギリのところを攻めていくんですけど、たまに批判もあります。
 でもそれが仕事なので、やるしかないんです!」




アメリカで日々自分と戦い続けるSakuさんにも、
”明日を美しくするためのヒント”を伺いました。

「人の悪口は言わないようにする。
 アイツおもんないな〜とか思う時ありますよ?!
 それでもそれを言わないで... 言うとしても笑いに変えることです!」



素敵なお話、ありがとうございました!
これからも活躍に期待しています。