ichiroさんが前回この番組のお越しになったのは、
2011年ということで、15年ぶりのご出演となりました。
改めまして、ichiroさんは1967年生まれ、
青森県出身のギタリスト。
ブルースに魅せられて、1988年アメリカに渡り、
シカゴでひたすらセッションに打ち込み、
1991年に日本でソロデビューを果たしました。
これまでに長渕剛さん、矢沢永吉さんなど、
そうそうたるアーティストのツアーに帯同し、
今年はデビュー35周年のメモリアルイヤーとなっています。
ichiroさんがギターを弾き始めたのは中学2年生の頃。
幼馴染が家でベースを弾いていたのを見たことでロックと出会い、
最初はリスナーとして楽しんでいたところ、
自身もギターを弾くようになったそう。
「その幼馴染とバンドを組んだんです。
みんな好きだったのがRCサクセションとかARBで、
よくカバーをしていました。
自分はギターが上手いか分からないけど、
覚えるのが早かったので、
調子に乗って、『これしかない!』って
思ったところはあります」
出身の青森県では、
なかなかロックが身近になく、
雑誌の情報しか得られなかったそう。
レコードを買うために13時間かけて
東京へ来ていたこともあったと話しました。
ichiroさんの兄は無線に詳しく、米軍放送を受信し、
そこからはさらにどっぷりと海外のロックに
のめり込むようになったとのこと。
「とにかく音楽を吸収していました。
その中でよく聴いたのが、キッスとエアロスミス。
それがロック、洋楽のスタートでしたね」
ロックを求めて青森から東京へ行くことと同じ感覚で、
アメリカへ渡ったichiroさん。
内装業で貯めた資金でシカゴへ行き、
現地でギターを買って、
日々セッションに取り組んでいたと振り返りました。
日本に戻り、1991年にソロデビューを果たし、
これまで長渕剛さんや矢沢永吉さん、
寺尾聰さんといった
ビッグネームのツアーに参加してきました。
自身のプレイスタイルについて、
「いわゆるスタジオミュージシャンみたいに、
何でもできるわけじゃないんです。
スタジオミュージシャンのできることが100あるとしたら、
俺は30か40ぐらい。自分にしかできないことを
やれる自信はあるけれど、
なんでもできる自信はないですね」と述べました。
前回ichiroさんがご出演された際には、
強く影響を受けたという
スティーヴィー・レイ・ヴォーンのお話もたっぷり伺いました。
今回は最近注目しているアーティストについて!
「アメリカはいつの時代も、
次々と新しいアーティストが出てきて羨ましいんですけど、
最近よく聴いているのは、マーカス・キング。
彼はブルースロック、サザンロック、ソウル、
カントリーが見事に混ざっていて、
歌い上げ方やギタープレイが抜群ですね」
さらに、女性カントリー系ソウルシンガーのマギー・ローズや、
彼女のバンドで弾くスライドギタリストの
MP・ギャノンも挙げました。
「スライドの歌心と表現力がすごくいいです。
今、一番生音を聴きたいギタリストですね。
きっとスライドに合うように
ショートスケールを選択しているんでしょうね」
さらに、インスタで見つけたというギタリスト、
トレイ・ヘンズリーについても。
「オルタネイトのピッキングが、化け物的に高速なんです。
フレーズの音のムラもなくて、だけど歌心があって、うん。
もうすごいんですよ。
桁が違うなって感じがします」と紹介しました。
「最近セッションはしてますか?」
というクリス・ペプラーからの問いに、
「5月に大阪でCharさんとやりましたね」と紹介。
尊敬するミュージシャンとして
Charさんを挙げたichiroさん。
「5月にお会いしたCharさんの雰囲気が素敵で、
すごく元気なんですよ。
普段どういうケアをしているとか、
そんな話は今までしたことなかったので、
『この人がいるから、
日本にはまだこういうシーンが残ってるんだな』
って強く感じたんです。
尊敬するミュージシャンを聞かれたら、これは即答です」
ちなみにクリス・ペプラーは
収録の前日にCharへ電話し、
ichiroさんへのメッセージを求めたところ、
返ってきたのは、
ゲゲゲの鬼太郎の目玉おやじの言い方で、
「ichiro!」という呼び捨ての一言だけ。
「30年前からずっとそうなんですよ。
意味も何もない(笑)」とichiroさんは反応し、
トークは番組後編へ向かいました。
後半はichiroさんが
今後共演してみたいアーティストのお話から。
名前を挙げたのは、
スティーヴィー・レイ・ヴォーンの兄、
ジミー・ヴォーン。
「ジミーがいたからスティーヴィーの
スタイルが出来上がったんだと思うし、
彼と接することで、自分の中でずっと
燃え続けているものの
“何か”が確信として見える気がするんです」
「ichiroさんにとって完璧なアルバムは?」
という質問には、
ジミ・ヘンドリックスの
『The Cry of Love』を挙げました。
「ギタリストって定期的に
“ジミヘンブーム”が来ると思うんですよ。
何周も回って、結局ここに行き着くんです。
ソングライティング、アレンジ、
パフォーマンスすべてにおいて、
彼は物を創る人として
群を抜いていると思いますね」と語りました。
そんなichiroさんがこれまでに観て、
特に印象に残っているライブは、
テデスキ・トラックス・バンドの来日公演。
「コーラスのマイク・マティソンが
メインで歌った『Emmaline』という曲。
もともと知っていましたが、
まさか披露されるとは思っていなかったんです。
とても素晴らしくて、強烈に鳥肌もんでした。
近年見たライブの中ではダントツですね」
と振り返りました。
この番組では、
「大人の☆生 サッポロ生ビール黒ラベル」
を飲みながら音楽トークをしていることにちなんで、
ゲストの皆さんに「大人になった1曲」を伺っています。
この質問でichiroさんが選んだ1曲は、
ご自身のデビュー曲「Let′s Work Together」でした。
「35年経って、大人になったなって
感じさせてくれる1曲ですね。
この頃は若かったし、何も知らなかったけど、
その中で自分のマックスでやった。
振り返ると、この35年っていう年月で、
ちょっとは大人になれたかなって思います。
これはカバー曲で、オリジナルは
ウィルバート・ハリスンという人。
これをキャンド・ヒートがカバーしていて、
そのバージョンがめちゃくちゃ好きなんです。
それに自分でアレンジを加えて、
イギリスからロリーギャラガーバンドに
来ていただいて演奏したのがこの曲です」と紹介しました。
さて、ichiroさんはデビュー35周年を記念して、
8年ぶりとなるミニアルバム
『Burning Souls』をリリースしました。
8年ぶりの新曲とセルフカバーによる
全5曲が収録されています。
「元々ブルースロックが好きなんですけど、
今回はそこにブラスセクションを入れたくて、
それも自分でアレンジもしたりなんかして収録しました。
日本だとそのブルースロックって
言葉もあまり耳にしない時代になってますけど、
好きになっちゃったものだからずっとやっているんです。
こういう音楽があるんだっていうこと、
ブルースロックっていう音楽に触れる機会に
ちょっとでもなってもらえればなと、
そういう思いで作りました」
先日表参道で行われた35周年記念ライブでは、
ギターを弾くというご自身の息子と
共演を果たしたとのこと。
「俺の高校1年生の頃に比べたら
桁違いに弾けますね。
彼が音楽をやるって言うなら、
自分のことは置いてでもサポートしようかなと」
クリス・ペプラーの
「親父冥利に尽きますね。
将来は同じステージでソロを
トレードオフしながらやってほしい」という言葉に、
ichiroさんは嬉しそうに相槌を打ち、
この日のトークを締めくくりました。
ichiroさんの情報はこちらから
次回9月12日は、
作曲家/鍵盤奏者の和久井沙良さんをゲストにお迎えします。
ソロ活動に加え、Adoの世界ツアーや
Tempalayの日本武道館公演などにサポートでも参加し、
その活動の幅を広げている和久井さん。
これまでの音楽ヒストリーや、
先日リリースされたニューアルバム
『Nothing But Living』についても、じっくり伺います。
次回もぜひ、お聴きください!

ミックスナッツ&アーモンド
15年前もナッツをお持ちになったichiroさん。
今回は生アーモンドとナッツです。
黒ラベルとの組み合わせ、
間違いないでしょう!

The Well / Marcus King
Underestimate Me
/ Maggie Rose
Lost Along the Way
/ MP Gannon
Tucson / Trey Hensley
Smoky / Char
Don't Cha Know
/ Jimmie Vaughan
Freedom / Jimi Hendrix
Emmaline
/ Tedeschi Trucks Band
Let′s Work Together / ichiro
Colors of Delight
Burning Souls
One Way Ticket / ichiro
What's Going On (Live at the Isle of Wight, 08/28/70)
/ Taste
ichiroさんとのトークを受けて
クリス・ペプラーが
選んだ1曲はこちら!