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SAPPORO BEER OTOAJITO SATURDAY 18:00-18:54 ON AIR クリス・ペプラーがミュージシャンをゲストに迎え、おいしいお酒を片手に音楽ヒストリーを紐解く54分!!

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2025.10.11 ON AIR
今週は、バンドCRCK/LCKSから
小田朋美さんをお迎えしました。
様々な音楽に影響を受けてきた小田さんが
原体験となる1枚として挙げたのは...

神奈川県出身の小田さん。
東京藝術大学の作曲科を卒業され、
その後、菊地成孔さん率いるビッグバンド、
DCPRGでの活動を経て、
2015年にCRCK/LCKSを結成。
現在は、cero、UA、KIRINJIの
サポートメンバーとしても活動されています。

超難関と言われる
東京藝術大学の作曲科ですが、
小田さんが入学した際の合格者は
15人ほどだったそうです。
ハーモニーや対位法、
作曲などの試験があるそうで、
別の学科では3人しか
合格者がいなかったとも話しました。
まさに狭き門を潜り抜けた小田さん。
母親がピアノ教師だったため、
もともとはクラシックから
音楽の勉強をスタートしたそうですが、
ご兄弟はメタルミュージック、父親は昭和歌謡、
母親はジャズを聴くなどしていたため、
自然といろんな種類の音楽に
触れられる環境で育ったそうです。

そんな小田さんが初めて買ったCDは、
松任谷由実さんの「最後の嘘」。
「テレビドラマの主題歌だったと思うんですけど、
 イントロにすごく惹かれたんです。
 ソプラノサックス?から始まる感じと、
 あと子供心に、何も恋愛とか
 そんなことは全然知らないんだけれども、
 アンニュイな雰囲気がセクシーだなと。
 10歳くらいだったと思います。」

小田さんは音楽を学び始めた頃に、
楽譜の魅力に惹かれ、作曲家を目指したそうです。
「母親が、例えばベートーヴェンの楽譜を見て、
 それを弾くと、ベートーヴェンの
 音楽が鳴るわけじゃないですか。
 再現出来るのってすごいと思って、
 作曲家になりたかったんです。
 でも、それと同時に
 楽譜に書いてある通りに弾け、
 って言われるのも、
 ちょっと窮屈だっていう気持ちもありました。」

自ら作曲を始めたのは4、5歳のころ。
「音楽教室に通っていて、
 好き勝手に弾いていた
 延長線上みたいな感じでしたね。
 最初に書いたのはピエロの曲でした。
 組曲になっていたと思います。」と振り返りました。
大学在学中に音楽の肉体性に惹かれ、
歌など、自分から自然と出てきた音をもとに
作曲をしていた小田さんですが、
このエピソードから、
幼い頃から自由な作曲も
好んでいたことがうかがえます。

様々な音楽に影響を受けてきた小田さんが
原体験となる1枚として挙げたのは、
MISIAさんのファーストアルバム
『Mother Father Brother Sister』でした。
「中学時代だったんですけど、
 R&Bと言うんでしょうか?
 こういう曲を聴いたことがなかったんですよね。
 あとは大人になって知ったんですけど、
 鷺巣詩郎さんがストリングスの
 アレンジをしている曲があって、
 特に1曲目の短いインストの曲は大好きでした。
 自分が好きなストリングスと、
 それまで知らなかったR&Bのノリ、
 今まで聴いてきたものと
 違うなと思いながらも、
 ずっと聴いていました。」

番組後半では、小田さんの尊敬する
アーティストについても伺いました。
選ぶのが難しいと
前置きをした上で挙げたのは、
メレディス・モンク。
「作曲家でもあり、映画も作っていたり、
 パフォーマンスも制作していたり、
 説明が難しい人なんですが、
 なぜ好きなのかというと、
 声の可能性を拡張しているところなんです。
 普通は歌ではないと認識されるような、
 声の出し方も用いて追求している、
 言うならば“声の作曲家”のような方です。
 自分はいろんな音楽が好きで、
 なかなか一つには選べないんですが、
 この方は声をひたすら 
 追求する求道者タイプなので憧れます。」

そんな小田さんが
最近注目するアーティストは、有田咲花さん。
「映画監督の山中瑶子さんという方がいて、
 お互いに最近良かったものなどを、
 たまに送り合っているのですが、
 山中さんが有田さんの曲を
 すごく良かったと言っていて、
 聴いてみたら、今年聴いた中で、
 かなり生々しく、心に刺さりました。
 ネットで調べても
 情報があまり出てこないんですよ。
 楽曲のリアルさが本当に良いんですよね。」
と紹介しました。

有田さんの楽曲には綺麗なものだけでなく、
いびつなものが残っていると分析し、
一方で、自身は何でも綺麗にしようと
してしまう節があると話しました。
その流れから、AIが作る音楽の話題へ。
AIが作るものに、
いびつさは残せるかという小田さんの疑問に、
クリス・ペプラーは
「YouTubeで見るAI動画はとてもいびつだ。」と回答。

小田さんはAIが作る音楽に関して、
「私もAIが作った音楽を聴いて、
 それがAIなのか、
 判定できるか分からないかもしれませんが、
 やはり作る喜びや
 ワクワク感は大事だと思うんです。
 今、私が何かを作るという時には、
 今日起きたことや、今日会った人など、
 生きている中でいろいろなものが繋がる面白さ、
 そこに面白みを感じているので、
 そういう意味では、AIを使って
 “それらしい”音楽を作ることには、
 今のところ喜びは感じません。」と語りました。

さて、この番組では
「大人の☆生 サッポロ生ビール黒ラベル」
を飲みながら音楽トークを
していることにちなんで、
ゲストの皆さんに
「大人になった1曲」を伺っています。
この質問に小田さんが選んだ1曲は、
ダイナ・ショアが歌う
『I've Got You Under My Skin』でした。
「高校生か大学生の時に聴いたのですが、
 この曲はフランク・シナトラさんや
 ヘレン・メリルさんなど、
 いろいろな方が歌っていますよね。
 でも、ダイナ・ショアさんのバージョンは
 他と比べて、ものすごく
 “いけない恋”の匂いがするんです。
 自分の恋愛と重ねることはありませんでしたが、
 不実な恋の気配に大人を感じました。
 ピアノとボーカルだけの
 デュオという構成にも色気を感じます。」

小田さんがボーカル/キーボードを担当する
CRCK/LCKSは、10月15日に
セカンドアルバム『まにまに』をリリースします。
各メンバーが様々なフィールドで活動しており、
多忙のなか、フルアルバムとしては
6年ぶりの1枚となります。
「コロナ禍も明けて、
 みんな忙しくなり
 会えない時間が多かったので、
 遠隔で曲作りを進めました。
 メンバーが同じ日に集まるのではなく、
 それぞれ自宅から
 作業を進めることもありましたね。
 会わない間に変化したお互いのバイブスを、
 リアルにアルバムにできたら良いなと思って、
 楽しんで作りました。
 みんなをミュージシャンとして
 本当に尊敬していて、
 一人ひとりの強みが出たアルバムになったと思います。」

11月からは全国ツアーもスタート。
仙台公演を皮切りに、
東京でのファイナル公演は
12月8日(月)にSpotify O-EASTで開催されます。
「バンドとして
 あまりライブができていなくて、
 去年の12月以来なので、
 ほぼ1年ぶりになるんです。
 みんなで一緒に音を出すこと自体が楽しみですし、
 お客さんにも絶対に
 楽しんでもらえるライブにするので、 
 ぜひ来てもらえたら嬉しいです!」

その他、CRCK/LCKSの情報はホームページ、
SNSなどをチェックしてください。

CRCK/LCKSの情報はこちらから

さて、次回は3人組音楽グループ、
ODD Foot Worksからラッパーの
Pecoriさんをお迎えします。
近年は、Number_iへの歌詞提供や
プロデュースでも注目を集めるPecoriさんは、
これまでどんな音楽に
影響を受けてきたのでしょうか?
次回もぜひ、お聴きください。

OMIYA

DEMEL サワークッキー
以前ライブの差し入れでいただいた時、
普通の甘いクッキーかと思って
食べたらしょっぱくて、
裏切られ感と美味しさが同時にやってきて、
乾杯ビールとの相性も抜群でした!
こういう音楽を作ってみたいです。(小田さん)

MUSIC

  • 最後の嘘 / 松任谷由実

  • つつみ込むように… (DAVE"EQ3"Dub Mix)
    Never gonna cry! strings overture
    陽のあたる場所
    / MISIA

  • Road to Rio / Miss Lyon’s (Reels)
    / Toyota Ceili Band

  • Desafinado / Stan Getz & João Gilberto
    Feat. Antônio Carlos Jobim

  • Skeleton Lines / Meredith Monk

  • 素直に慣れたら。/ 有田咲花

  • I've Got You Under My Skin
    / Dinah Shore

  • レンタル神様
    Tiny mirror
    真空パック / CRCK/LCKS

  • The Jungle Line / Joni Mitchell

    小田さんとのトークを受け、
    クリス・ペプラーが
    選んだ1曲はこちら!