SAPPORO BEER OTOAJITO

SATURADAY 18:00-18:54 ON AIR クリス・ペプラーがミュージシャンをゲストに迎え、おいしいお酒を片手に音楽ヒストリーを紐解く54分!! メッセージを送る ARCHIVE X INSTAGRAM

SAPPORO BEER OTOAJITO SATURDAY 18:00-18:54 ON AIR クリス・ペプラーがミュージシャンをゲストに迎え、おいしいお酒を片手に音楽ヒストリーを紐解く54分!!

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2025.07.26 ON AIR
今週は脳科学者の
中野信子さんをお迎えしました。
『メタル脳』という著書も書かれている中野さん。
初めて買ったCDは...

中野信子さんは東京大学の
工学部応用化学科を卒業され、
同大学院で脳神経医学を専攻し、
博士課程を修了。
その後、フランス国立研究所にて、
博士研究員として勤務したのち、
2010年に帰国し、
現在は脳や心理学をテーマに
研究・執筆をおこなっています。

「自分自身のことを知りたい」
という想いがきっかけで、
脳科学者への道を
歩むようになったという中野さん。
最初の音楽体験として語ったのは、
幼稚園の頃の思い出です。
「帰りの時間に、私一人だけ
 最後まで残ってしまったことがあったんです。
 その時に幼稚園の先生が、
 坂本龍一さんの曲をピアノで弾いていて、
 そこから集中的に
 聴くようになった記憶がありますね。」と話しました。

現在はご自身のインスタグラムにて、
ピアノ弾き語りの動画をアップされていますが、
小さい頃にはピアノを習っていたとのこと。
「ピアノは私が今、唯一やっている脳トレですね。
 ある実験があって、楽器を演奏すると、
 マルチタスクが出来るように、
 脳の一部の構造が変化するのが分かっているんです。
 トレーニングとしては非常にいいので、
 ピアノを続けている面もあります。」

『メタル脳』という著書も書かれている中野さん。
初めて買ったCDは聖飢魔IIの
『地獄より愛をこめて』だったそうです。
「ラジオをきっかけにハマったんです。
 中学生時代に深夜、
 勉強のお供に聴いていたんですが、
 デーモン閣下は喋りがとにかく上手い。
 すごい人だなと思って、
 閣下の言語化能力を味わうために
 ラジオ番組を聴いていました。」 
ちなみに後にデーモン閣下と共演した際は、
緊張してあまり話せなかったそうです。

ヘヴィメタル・バンドの中では
特にメタリカが好きだそう。
「これも中学生の頃ですが、
『メタリカが最高!』って思ってたんです。
 でも、周りとは全然話が合わなかったですね。
 男の子がちょっと聴いているかな、っていうくらいで、
 女の子は男性アイドルとかを聴いていて、
 自分だけ違う惑星に
 住んでいるように感じていました。」

スラッシュメタル系のバンドは
だいたい好きだと話した中野さん。
他にシンフォニックなメタルを奏でる
オランダのバンド、エピカなども聴いていたそうです。
「脳科学の調査では、
 クラシック好きの人とメタル好きの人は、
 パーソナリティが一致するっていう
 データがあるんです。メタル好きな人は、
 過激で暴力性があるって見られがちだけど、
 実際は内向的で静かとかね、
 自分の内面に目が向くタイプが多かったりします。」

メタリカのライブには
何度か足を運んでいるという中野さん。
「実際には行けていないけど、
 これは観たかった!っていう
 メタリカのライブがあって、
 それは2019年のエストニア・タルトゥでのライブです。
 タルトゥには日本の建築家、
 田根剛さんが設計した国立博物館があるんです。
 旧ソ連軍の滑走路跡地に建てられていて、
 美しくてかっこ良い、素晴らしい設計。
 そこでメタリカがライブ、
 もう“私得”としか思えないです。
 これは観たかったなあ。」と語りました。

日本のバンドでは他に
X JAPANも好きだったそう。
「HIDEが好きでしたね。
 亡くなったのを聞いた時は悲しかった。
 曲だと、みんながカラオケで歌う
 「Rusty Nail」はもちろん、
『ソウ4』の主題歌になった「I.V.」は素晴らしかった。
 HIDEが亡くなって、
 何年も経ってから作られた曲ですが、
 HIDEの音源がちょっと入っているんです。
 あれは痺れました。」と紹介しました。

中野さんには自分の人生を変えたと思う
楽曲も選んでいただきました。
「強いて言えばですが、
 メタリカの「One」ですね。
 これはMVがすごくて、
『ジョニーは戦場へ行った』という映画が
 モチーフになっているんです。
 戦争の影響で顔、手足も無くなった人が
 頭を振ってモールス信号にして、
 外とやりとりしようとする
 陰惨な物語なんですが、
 ”人間とは”ということを考えさせられましたね。
 直接的ではないんですが、
 人体に関わる仕事したいと思った
 1つのきっかけです。」

もうひとつ中野さんに
影響を与えた作品は映画『羊たちの沈黙』。
「あれを観てアンソニー・ホプキンスを
 好きにならない人はいないですよね(笑)
 こういう存在がいるんだっていうのを
 強烈に感じました。中学の頃に
 疎外感を感じていた自分には
 身近に感じた部分もありましたし、
 人間の心理は分析、
 科学出来るっていうのも学んだ気がします。」 

さて、番組では
「大人の☆生 サッポロ生ビール黒ラベル」
を飲みながら音楽トークをしていることにちなんで、
ゲストの皆さんに
「大人になった1曲」を伺っています。
この質問で中野さんが選んだ1曲は、
竹内まりやさんの「シングル・アゲイン」でした。
「私は結構な年齢になるまで大人になれなくて...
 分からなかったんです、人の心が。
 人の気持ちが分かるようになって
 ようやく聴くことが出来る竹内まりやさんの
「シングル・アゲイン」ですね。
『やっと本当のさよならできる』っていうフレーズ。
 踏ん切りがつくとか、腑に落ちるとか、
 決着がつくみたいなことですよね。」

そんな中野信子さんの著書
『ゾンビ化する社会 生きづらい時代をサバイブする』が
7月30日にKADOKAWAから発売されます。
こちらはメディア・コンテンツの研究者で
Vtuber「ゾンビ先生」として活躍する
岡本健さんとの共著となっています。
「映画や小説、漫画などには
 ”ゾンビもの“っていうジャンルが昔からありますよね。
 なぜみんなゾンビが好きなのかを考えると、
 我々はゾンビの作品から
 人類社会をメタ認知しているのではないかと思うんです。
 ”ゾンビもの“の映画って人間ドラマがあって、
 階級社会が描かれていたり、
 搾取されている様子があったり、
 クリティカルな問題提起があるんです。
 その様子から人間社会を
 客観的に見られるのが魅力なのではと考えました。
 そこで”ゾンビもの“の歴史を追って、
 メタ認知としての機能を分析した本になります。」
と紹介されました。
ぜひ、皆さんもお手にとってみてください。

その他、中野信子さんの詳しい情報はSNSをチェックしてください。

中野信子さんの情報はこちらから

さて、次回お迎えするゲストは、
シンガーソングライターの竹内アンナさんです。
番組初登場となる竹内さんの音楽ヒストリーを
クリス・ペプラーが紐解きます。
大人の音楽談義をお楽しみに。
そして、黒ラベルもお忘れなく。

OMIYA

ポテトチップス コンソメWパンチ
『手近に手軽に手に入る安定のうまさ。
 人間はアミノ酸と塩と油の組み合わせの前には
 無力であるということを感じさせてくれる
 パーフェクト・フード』(中野さん)

なんとも中野さんらしいコメント!
もちろん黒ラベルとの組み合わせもバッチリです。

MUSIC

  • Merry Christmas Mr.Lawrence
    / 坂本龍一

  • FROM HELL WITH LOVE / 聖飢魔II

  • Master Of Puppets / Metallica

  • Cry for the Moon (The Embrace That Smothers , Pt.4)
    / Epica

  • No Mercy / Yngwie Malmsteen

  • Enter Sandman / Metallica

  • I.V. / X JAPAN

  • One / Metallica

  • Main Title / Howard Shore
    (『羊たちの沈黙』サントラより)

  • I Wanna Be Your Slave
    / Maneskin

  • シングル・アゲイン / 竹内まりや

  • Vide Cor Meum
    (『ハンニバル』サントラより)

    中野信子さんとのトークを受けて
    クリスペプラーが選んだ1曲はこちら!