SAPPORO BEER OTOAJITO

SATURADAY 18:00-18:54 ON AIR クリス・ペプラーがミュージシャンをゲストに迎え、おいしいお酒を片手に音楽ヒストリーを紐解く54分!! メッセージを送る ARCHIVE X INSTAGRAM

SAPPORO BEER OTOAJITO SATURDAY 18:00-18:54 ON AIR クリス・ペプラーがミュージシャンをゲストに迎え、おいしいお酒を片手に音楽ヒストリーを紐解く54分!!

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2025.05.24 ON AIR
今週はアニメーション監督の
渡辺信一郎さんをお迎えしました。
小学校5年生の時に
衝撃的な音楽の出会いが...

最新のオリジナルアニメ
『LAZARUS ラザロ』が話題となっている渡辺さん。
クリス・ペプラーは過去に
渡辺さんが総監督を務めた作品、
『スペース☆ダンディ』にゲスト出演したことがあり、
オープニングはそんなトークからスタートしました。

渡辺さんは京都府出身で、
80年代からアニメの制作現場で働くようになり、
これまでに『カウボーイビバップ』、
『サムライチャンプルー』、『坂道のアポロン』など、
海外でも人気を集める数々の作品を手掛けてきました。
出身は京都ですが、渡辺さん曰く、
かなりの田舎に住んでいたそうで、
山の中を走り回るような
活発な少年時代を過ごしたとのこと。
「小さい頃好きだったアニメは『ルパン三世』ですね。
 いろんなシリーズがあるんですが、
 最初のテレビシリーズ。
 これが一番大人っぽい感じなんですけど、
 子どもながらに好きでした。
 どこか分からない舞台で、
 泥棒らしき大人たちがアンニュイに生活している…
 僕は田舎で育ったのが嫌だったんですよ。
 いつも、ここではないどこかへ
 行きたいっていう気持ちがあって、
 それもあってルパンも観ていたんだと思います。」

歌謡曲などには幼い頃から触れていたという渡辺さん。
小学校5年生の時に衝撃的な音楽の出会いがあったそうです。
「友達のお兄さんにレコードを聴かせてもらったんです。
 それがキッスだったんですね。
 今まで聴いていた歌謡曲と全然違うぞと。
 別の世界のものっていう感じがして、
 そこから夢中になりました。」
キッスはフェイスペイントなど、
子どもたちを夢中にさせた要因がたくさんあると
クリス・ペプラーが分析。
渡辺さんも当時、近所の小学生を集めて、
絵の具で顔にペイントをして、
キッスの真似事をしていたと明かしました。

そこからキッスの周辺アーティスト、
クイーンやエアロスミスなども
聴くようになったそう。
「キッス、クイーン、エアロスミスは
 たしか御三家って言われていましたよね。
 この3組は大好きでした。
 クイーンだと、『オペラ座の夜』というアルバムを
 1番聴いていたんですが、
 1曲目の「Death on Two Legs」
 がとにかく好きで、
 今回『LAZARUS ラザロ』の、
 もうすぐ放送される回のタイトルで
 引用させてもらいました。
 まさに“歩いてくる死”のような奴が登場するんです。」
と紹介しました。

番組の事前アンケートの
“人生を変えた1曲”という項目で、
渡辺さんが答えたのは
YMOの「TECHNOPOLIS」。
「中学2年生くらいの時ですかね。
 テレビのコマーシャルでこの曲を聴いたんです。
 そもそも人間が
 演奏しているのかどうかも分からない。
 未来から来たロボットみたいな人たちが
 演奏しているのかと、衝撃を受けましたね。
 さきほどから言っているように、
 僕はど田舎が嫌で、
 別世界に行きたいと思ってルパンを観たり、
 洋楽を聴いたりしていたんですが、
 今度はこの、未来から来たような音楽を
 追求したいって思うようになりました。」 

ちなみに渡辺さんのYMOの
フェイバリットアルバムは
1981年にリリースされた『BGM』なんだそう。
「TECHNOPOLIS」と打って変わって、
暗いイメージのアルバムですが、
音楽的進歩や音作りの細やかさに惹かれ、
音楽の聴き方が自体が変わったんだとか。
渡辺さんは今後コラボレーションしたい
ミュージシャンとして、細野晴臣さんを挙げており、
いつかアニメの音楽をお願いしたいんだそう。
しかし、中学時代から好きな人であるため、
なかなか簡単に頼むわけにもいかないとも話しました。

番組後半では渡辺さんの
音楽ライブにまつわるお話も伺いました。
人生で初めて観たライブとして紹介したのは、
1981年のキング・クリムゾンの来日公演。
「これはたぶん初来日だと思うんですよね。
 わざわざ電車で2時間もかけて観に行きました。
 住んでいたところが田舎だったので、
 周りにライブハウスみたいなものが
 全く無いんですよ。
 一大イベントのような感じだったので、
 印象に残っています。」
そう語った渡辺さんですが、
少し複雑な心境もあったよう。
「この時期のキング・クリムゾンは
 新しいサウンドに挑戦していた頃で、
 それがみんなイマイチよく分からなかったんです。
 ライブの最後に「太陽と戦慄」を演奏したんですけど、
 その時だけものすごい盛り上がるんですよね。
 これだよ!みたいな感じで(笑)
 新しいのもいいんだけど、
 昔の曲の方が盛り上がってしまう
 複雑な印象でしたね。」と振り返りました。

ちなみに昨年はニューヨークの
マディソン・スクエア・ガーデンで
ビリー・アイリッシュのライブもご覧になったそう。
「観客の97パーセントが女性で、
 ちょっと学校に馴染めないような
 雰囲気の子たちがたくさん。
 全員が大合唱して、
 本人の声が聴こえないくらいなんですよ。
 本当にカリスマのような存在で、
 こういう人はこれまでだったら
 カルト的な人気はあったかもしれないですけど、
 こんなにメインストリームで
 活躍するなんてすごいですよね。
 時代が産んだスターだと思います。」

この流れから渡辺さんが
フェイバリットに挙げたミュージックビデオ
ビョークの「Pagan Poetry」についての話へ。
「(ビリー・アイリッシュのようなアーティストの)
 元祖のような存在かもしれないですね。
 このMVはさらけ出しているんです。
 本当に裸で出演していて、むき出し。
 ここまでさらけ出した後、
 どうなるのかなって思っていたら、
 今は被り物とか他のものに
 変身するような方向になりましたよね。」
と語りました。

そんな渡辺さんの特に
思い入れの強い映画が
『ブレードランナー』なんだそう。
「82年のオリジナルの
『ブレードランナー』が圧倒的に好きでした。
 キャラがどうとか、ストーリーがどうとか、
 そんなことは全く関係なくて、
 そこで描かれている世界ですよね。
 やっぱりこれもルパンから続く、
 別世界に行きたいっていう気持ちがあって、
 最終的には自分で別世界を作りたい
 ということでアニメを
 作るようになったのかなって思います。
 とにかく『ブレードランナー』に
 出てくるものは全部が魅力的でした。」

番組では「大人の☆生 サッポロ生ビール黒ラベル」
を飲みながら音楽トークをしていることにちなんで、
ゲストの皆さんに「大人になった1曲」を伺っています。
この質問で渡辺さんが選んだ1曲は、
ステレオラブの「Aerial Troubles」でした。
「最近、郵便物が
 Warp Recordsというところから突然届きまして、
 前にフライング・ロータスの
 「More」という曲のMVを監督したことで
 繋がりがあったんですが、郵便物を見たら
「ステレオラブからの一方的な贈り物」
 って書いてあったんです。
 どうも世界中の人たちに送りつけていたようで、
 それがこの曲の7インチレコードでした。
 15年ぶりにリリースされるアルバムのからの曲で、
 彼らも少し大人なサウンドに変化していて、
 さらに自分も気がつけば、
 インフルエンサーみたいな感じで、
 こんなものをもらえるように
 なったんだなと思いましたね。」

さて、渡辺さんの新作オリジナルアニメ
『LAZARUS ラザロ』は現在放送中です。

西暦 2052 年、天才科学者スキナーの開発した
奇跡の鎮痛剤「ハプナ」は、
実は人類を滅ぼす薬だった!
世界中から集められた
5人のエージェントチーム「ラザロ」は
スキナーを見つけ、
人類を救うことができるのか?
そしてスキナーの真の目的とは…といったストーリー。

「腰が痛いとか、頭が痛いとか、
 そういうことだけじゃなくて、
 心の悩みとか、そういうものまで
 治ってしまうような薬があったら、
 みんな飲むんじゃないかと。
 でも、そういうものに頼った結果、
 その薬は3年後に突然変異して、
 猛毒になるという。
 本当に起きそうで怖いんですけど、
 そういった設定のSF作品です。」

原作・監督を渡辺さんが務め、
音楽をカマシ・ワシントン、ボノボ、
フローティング・ポインツが手掛けていることから、
音楽ファンからの注目も集めています。
「発注するときに、ここはスローでとか、
 ここはバトルシーンとか、
 大雑把なメニューはあるんですけど、
 あとはもう自由にやっていいと。
 よそ行きの曲を作らなくていい、
 自分たちのいつもやっているような感じで
 作ってくれと発注しました。
 彼らがオリジナルアルバムと
 遜色ないような曲を
 作ってくれたのは良かったですね。
 特にボノボは『今回俺、良い曲作ったと思うんだ』
 って自分で言っていて、
 満足感がある仕事が出来たんだと思います。
 カマシも僕が以前作っていた
『カウボーイビバップ』とか
『サムライチャンプルー』を観ていてくれて、
 なかなかの気合いの入りようでしたね。」

『LAZARUS ラザロ』は、
テレビ東京系列で毎週日曜夜11時45分から放送中。
各配信プラットフォームにて配信中ですので、
まだ観ていない方もぜひ1話からご覧ください。

『別冊ele-king 渡辺信一郎のめくるめく世界』、
『渡辺信一郎の世界 『カウボーイビバップ』から
『LAZARUS ラザロ』まで』という
渡辺さんに関する著書が2冊発売予定です。
こちらも合わせてチェックしてください。

『LAZARUS ラザロ』の情報はこちらから

さて次回は、なんと12年ぶりのご登場。
GRAPEVINEから田中和将さんをお迎えします。
最近はどんな音楽をお聴きなんでしょうか?
ニューアルバム
『あのみちから遠くはなれて』のお話も伺います。
次回もお楽しみに。

OMIYA

ハンターズ 黒トリュフフレーバー
ポテトチップス

黒トリュフの芳醇な香りと
ハードな歯応えが最高なポテトチップス
黒ラベルとの相性もバッチリ!
カラーリングもいい感じ。

MUSIC

  • ルパン三世主題歌 I / 山下毅雄

  • Detroit Rock City / KISS ( From『Alive II 』)

  • Toys In The Attic / Aerosmith

  • Death On Two Legs (Dedicated To...)
    / Queen

  • TECHNOPOLIS
    / Yellow Magic Orchestra

  • RAP PHENOMENA
    / Yellow Magic Orchestra

  • お誕生会 / 細野晴臣

  • Elephant Talk / King Crimson

  • Larks' Tongues in Aspic, Part Two
    / King Crimson

  • BIRDS OF A FEATHER
    / Billie Eilish

  • Pagan Poetry / Björk

  • Blade Runner (End Titles) / Vangelis

  • Aerial Troubles / Stereolab

  • Vortex / Kamasi Washington

  • 月の光 / 冨田勲

    渡辺さんとのトークを受けて
    クリス・ペプラーが選んだ1曲はこちら!