番組ではゲストの皆さんに
黒ラベルに合うと思う、
おつまみをお持ちいただいていますが、
橋本さんが選んだのは「イカリ豆」。
末っ子で姉がいる橋本さんは
姉の選ぶものに昔から憧れがあり、
この「イカリ豆」も姉から勧めてもらったことが
きっかけで好きになったそうです。
「お姉ちゃんからは音楽も
いろいろ教えてもらったんですけど、
GOING STEADYだけは当時
全然分からなかったんです。
小さい頃はパンクの美学に気がつけなくて、
20歳くらいの時に改めて聴いたら、
めちゃくちゃカッコよくて、
『やっぱりお姉ちゃん正しかったわ』
って思いましたね。
今でも大好きなお姉ちゃんです。」と語りました。
橋本さんは山口県出身。
家族みんなが音楽好きという環境で育ったそう。
「母親も音楽が好きで、
毎週レンタルCD屋さんで
オリコンチャートに入っているCDを
たくさん借りてきていました。
なのであらゆるJ-POPを聴いていましたね。
もともと母親はバンドで
ボーカルをやっていたんですよ。
そのバンドのメンバーが
音楽スクールの講師もしていて、
姉弟揃って習いに行っていました。」
ハルカミライではボーカルを
担当している橋本さんが、
最初に手にした楽器はアコースティックギター。
「全然好きじゃなかったですね(笑)
今でもライブでギターを弾くこともあるんですが、
やっぱり歌っているほうが好きなんです。
ピンボーカルに憧れがありますね。」と話しました。
ちなみにハルカミライは橋本さんにとって、
初めて組んだバンドだそう。
「専門学校のクラスのメンバーで集まって、
ライブハウスをレンタルして遊ぶ、
みたいなことをうちのベースがやっていたんです。
それで僕も誘ってもらったのがきっかけ。
めちゃくちゃ下手で、
何がやりたいかも分からなかったですけど、
オリジナル曲を作って演奏しました。
誘ってくれたおかげで、
こんなに長く音楽を続けられています。」
専門学校の友人とは当時
よくカラオケにも行っていたとのこと。
「僕、昭和歌謡が好きで、
渡辺真知子さんの「かもめが翔んだ日」は
毎回歌っちゃいます。母親の影響ですかね。
今はサブスクでも調べられるじゃないですか。
それで今も聴いたりしています。」
そう語った橋本さん。
最近昭和歌謡関連で良いと感じたのは、
エレファントカシマシの
宮本浩次さんのカバーアルバム。
「痺れましたね!「異邦人」とか最高でした!
本当にカッコいいです。」と述べました。
ハルカミライとしてはSiM、
coldrainなど周りの先輩方の影響を
大きく受けていると話した橋本さん。
一方、個人的に影響を受けたバンド、
アーティストとして挙げたのは、
THE BLUE HEARTS、椎名林檎さん、
森山直太朗さん、石崎ひゅーいさんでした。
「石崎さんは「夜間飛行」を聴いて、
『なんていい曲なんだ!』と。
泣きの歌声が良いですね。
椎名林檎さんは全て究極まで
突き詰めているじゃないですか。
楽曲も衣装も演出も素晴らしいし、
大好きですね。」
THE BLUE HEARTSは
「夕暮れ」という曲に
特に思い入れがあるとのこと。
「歌詞の情熱感、そして楽器は
引き算されていてシンプル。
こんなに引き算をしているのに、
たぎってくるのはなぜなんだろうって
不思議で仕方がないです。
その不思議さや新鮮さみたいなものが
ずっと残っています。」と語りました。
過去には年間およそ、170本ものライブを
おこなっていたというハルカミライ。
機材車で全国のライブハウスを巡っていたそうで、
なかなか他のアーティストの
ライブを観に行く機会がなかったとのこと。
そんな中、橋本さんが印象に残っている
ライブとして挙げたのは、
2021年に開催された
「DEAD POP FESTiVAL」で
主催者・SiMが魅せたステージ。
「コロナ禍バリバリの時ですね。
本当は1万人くらい入る会場に
規制で5千人しか入れられない。
でも東京オリンピックの開会式には
1万人が入る予定だったんです。
それでSiMが
『俺らはルールを全部守ってやってんだよ!』
ってMCでキメて、音楽が時代と戦っている瞬間を
目の当たりにした感じがしました。
お客さんも間隔を空けて、マスクをして、
みんなルールを守った上で、
『見てるかこの野郎!』っていうのが
忘れられないですね。」と紹介しました。
橋本さんは音楽以外の作品からも
インスピレーションを得ているとのこと。
最初に挙げたのは、
漫画家・松本大洋さんの作品。
「絵ももちろん魅力的で独特なんですが、
台詞が飛んでいるというか、
会話が繋がっていないんです。
行間を読む感覚ですかね。
それがすごく好きで、
自分が歌詞を書く時も説明しすぎない、
行間を読ませるっていうところで
影響を受けています。」
続けて挙げたのは、仮面ライダーシリーズ。
「小さい頃に、
『仮面ライダーアマゾン』の
VHSが家にあって、
よく観ていたんですけど、
当時の仮面ライダーって
悲しみを背負っているじゃないですか。
その感じが大好きです。」
同じ理由でゲームの
『ファイナルファンタジーシリーズ』も挙げ、
「僕はポジティブなことを歌う反面、
その裏に孤独とか悲しみがないと、
説得力に欠けると思うんです。
やっぱり誰かに希望を与えられる人って、
一度は絶望を経験したことが
ある人だと思っているので、
そういう面で影響を受けています。」
と語りました。
最近気になっているバンドについても
教えていただきました。
名前が挙がったのは、
「のっぺら」と「さらば帝国」という
2組のバンド。
「のっぺらは高円寺を拠点に
活動しているバンドで、
ボーカルの女の子が変わっているんですよ。
ライブ中も100パーセント
魂を込めて歌っていて、
音とかも外しまくるんですけど、
魂の叫びのような感じがして好きですね。
さらば帝国というバンドは、
実は会ったことがないんですが、
勝手に好きになりました。
いつかライブを観に行けたら
いいなって思っています。
昭和歌謡の雰囲気とかメロディも良いし、
松本大洋さんのような
説明しすぎない歌詞で、
考えさせられるバンドですね。」
さて、番組では
「大人の☆生 サッポロ生ビール黒ラベル」
を飲みながら音楽トークを
していることにちなんで、
ゲストの皆さんに
「大人になった1曲」を伺っています。
この質問で橋本さんが選んだ1曲は、
椎名林檎さんの「人生は夢だらけ」でした。
「ジャジーなピアノから始まって、
歌詞の内容も葛藤している女性とか
戦っている女性のイメージで、
そんな女性のカッコよさを
教えてもらったなと。
やっぱり自分は男だから
強がりたいみたいなところもあるし、
でも女の人ってこんなに
カッコいいんだなって認められた時に、
自分の人間レベルが
上がったような気がします。」
そんな橋本さんがボーカルを務める
ハルカミライは4枚目のフルアルバム
『生きるとは鼻くそくらいの希望を持つことだ』
をリリースしました。
3年ぶりのフルアルバムということですが、
今回は締め切りに追われずに、
1曲1曲に時間をかけて
詰めていった作品になったそう。
「自分の思っていること、
ワード選びも間違えないようにして
出来上がった作品です。
若い時の音源は青臭さが残って
恥ずかしいこともあるんですが、
このアルバムは5年後、
10年後に聴いても
絶対に後悔しないと思います。」
アルバムタイトル
『生きるとは鼻くそくらいの希望を持つことだ』
にはこんな想いが。
「人に期待し過ぎ、
勝手に裏切られた気持ちになって
落ち込むことがよくあったんです。
でもその人への期待を全て排除した時、
自分の中にある希望って
全然大したものじゃないと思うんです。
小さな自分の炎を大きくしていくしかない、
自分はこんなもんなんだから
やるしかない!っていう意味で
タイトルを付けました。」
そしてハルカミライは5月から
47都道府県ツアーがスタートします。
「ヨーロー劇場 2025-2026
47都道府県ワンマンツアー
-BOOGER JOE-」。
東京は5月26日、八王子RIPSにて。
「アルバムの楽曲がライブで
育っていくと思います。
来てくれる人たちと燃え上がって、
育てていくという
ツアーになるかなと思いますね。」
今後の展望についても。
「文章を書くのが好きなので、
本はいつか出したいなと思っています。
バンドとしては
ツアーをとりあえず乗り切って、
大きくなれたらなと。
前に武道館でライブをしたので、
次はアリーナとかでも出来たら嬉しいですね。」
と語り、この日を締めくくりました。
ハルカミライの情報はこちらから
さて、来週2月22日は、
シンガーソングライターの
Haruyさんをお迎えします。
2002年生まれ、
2022年にSuchmosのHSUこと
Hayata Kosugiのプロデュースのもと
デビューされたHaruyさん。
これまでどんな音楽に
影響を受けてきたのでしょうか?
クリス・ペプラーが
その音楽ヒストリーに迫ります。
次回もぜひ、お聴きください。
イカリ豆
『しょっぱくてうんめえ、です。』(橋本さん)
程よい塩加減とサクっとした豆の歯応えに
黒ラベルがすすむ、すすむ。
間違いない組み合わせです。
東京少年 / GOING STEADY
かもめが翔んだ日 / 渡辺真知子
異邦人 / 宮本浩次
夜間飛行 / 石崎ひゅーい
歌舞伎町の女王 / 椎名林檎
夕暮れ / THE BLUE HEARTS
Blah Blah Blah / SiM
ごみくず / のっぺら
喫茶夕暮れ知らず / さらば帝国
人生は夢だらけ / 椎名林檎
The Landolt C
僕たちの悲しみはどこへ行く
すっからかん
サニーブルース
/ ハルカミライ
月光仮面 / ザ・モップス
橋本さんとのトークを受けて
クリス・ペプラーが
選んだ1曲はこちら!