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SATURADAY 18:00-18:54 ON AIR クリス・ペプラーがミュージシャンをゲストに迎え、おいしいお酒を片手に音楽ヒストリーを紐解く54分!! メッセージを送る ARCHIVE FACEBOOK TWITTER INSTAGRAM

SAPPORO BEER OTOAJITO SATURDAY 18:00-18:54 ON AIR クリス・ペプラーがミュージシャンをゲストに迎え、おいしいお酒を片手に音楽ヒストリーを紐解く54分!!

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2024.11.30 ON AIR
今週は、WONKから
江崎文武さんをお迎えしました。
(※「崎」は「たつさき」が正式表記)

幼い頃から両親に連れられて、
ジャズに限らず、
様々なコンサートに行ったという江崎さん。
上京して大学に通っている頃は...

福岡県出身の江崎さん。
東京藝術大学の音楽学部を卒業後、
東京大学の大学院を修了されています。
「大学院では教育工学という領域で
 研究をしていました。平たく言うと、
 タブレット端末や
 パソコンを使って教育をおこなうと、
 どのようなメリットがあるかを
 研究する場所なんですが、
 僕は幼児の音表現をデジタル端末で
 支援するということをやっていました。」
実際に幼稚園にタブレットを持って行って、
絨毯を擦る音から蛙の鳴き声に似た音を作り出して、
園児を楽しませたことがあると語りました。
「小学校や中学校に行っても、
 合唱コンクールで歌ったり、
 みんなの前でリコーダーを
 上手く吹いたりする授業がいまだに多いですよね。
 それよりも簡単にビートメイクをしてみるほうが、
 普段聴いている音楽に近いものを生み出せるので、
 楽しいんじゃないかなと思うんです。」
と音楽教育についての考えも話し、
クリス・ペプラーの興味を引きました。

研究と音楽活動を並行していた江崎さんですが、
2016年にWONKで1stアルバムをリリースし、
フェスへの出演などで多忙になり休学。
その後、落ち着いた頃に復学すると、
サポートで参加したKing Gnuの「白日」が大ヒットし、
修士論文の提出のタイミングが
紅白歌合戦と被ってしまうなど、
いつのまにか音楽の仕事への比重が増えていったとのこと。
「どちらの世界もしっかりと見ることが出来たので、
 すごく楽しかったですが、研究生活と音楽活動の
 並走は2度とやりたくないですね(笑)
 移動の車や楽屋でもずっと論文を書いていたので。」
と振り返りました。

WONKのメンバーとの出会いは、
早稲田大学のジャズ研究会だったそう。
「福岡から出てきて、周りもよく分からない中、
 ジャズが好きだったので、
『ジャズ、サークル、一番古い』で検索をしたんです。
 それで出てきたのが早稲田のジャズ研。
 行ってみたら、いろんな大学から
 腕のいいミュージシャンが集まっていて、
 その中の一人がWONKのリーダーであり、
 ドラムの荒田だったんですよね。
 仲良くなって、
 バンドに誘われて結成したのがWONKです。」

早稲田大学のジャズ研では、
チャーリー・パーカーや
マイルス・デイヴィスなどの
ジャズスタンダード曲と合わせて、
当時注目を集めたロバート・グラスパーの
曲のカバーもおこなっていたそう。
「僕は古典主義者のようなところがあって、
 最初はロバート・グラスパーの音楽は、
 分かりやすいことをやっているな、
 という印象があったのですが、
 いざ『Black Radio』という
 アルバムの曲を演奏してみると、
 楽器の演奏以外の部分にある、
 工夫のようなものに気が付かされたんです。
 ドラムのキックの音や、
 鍵盤などに音響的な操作があるっていうことが
 だんだん分かってきて、
 これはとんでもないことをやっているなと。
 そこからは自分で
 作ってみたいという気持ちが強くなって、
 グラスパーの作品はかなり研究しましたね。」

4歳でピアノを習い始め、
小学校低学年で出会った先生からは
クラシックだけでなく、ラテンやジャズ、
ブルースなども教えてもらっていたという江崎さん。
家でもさまざまなジャンルの音楽が流れていたそうですが、
特によく聴いたのはビートルズだったそう。
「『赤盤』と『青盤』がずっとかかっていましたね。
 僕は『青盤』の曲、特に
「Strawberry Fields Forever」が小さい頃から好きで、
 明るい曲よりも何か
 抱えているような音に惹かれていました。」

中学に入るタイミングでは、
江崎さんの人生を変えた音楽との出会いも。
「学校から帰ったら食卓に、
 ビル・エヴァンスの『Waltz for Debby』のCDが
 突然置かれていたんです。再生してみたら、
『これは自分の知っているピアノの音じゃない』と、
 雷に打たれたような衝撃があって、
『この人みたいになりたい』と感じたのが、
 音楽を真剣にやろうと思ったきっかけです。」

江崎さんはビル・エヴァンスの
どこに惹かれたのでしょうか。
「僕はハーモニーの美しさに魅力があると思っていて、
 ビル・エヴァンスより前のピアニストは、
 ピアノを管楽器のように弾くところがあったんですが、
 ビル・エヴァンスはクラシック出身ということもあり、
 ドビュッシーやラヴェルが使うような
 複雑なハーモニーを引用しながら
 トリオで演奏しているんです。
 本当に響きの美しいジャズピアニストで、
 ずっと追いかけています。」

幼い頃から両親に連れられて、
ジャズに限らず、
様々なコンサートに行ったという江崎さん。
上京して大学に通っている頃は、
生活費を切り詰めてライブに行くほど
音楽にのめり込んでいたそう。
「生活が大変だったんですけど、
 とにかくもやしとか、白米で
 空腹をしのいでお金を貯めて、
 キース・ジャレットを観に行ったりしていましたね。
 マヨネーズや醤油とかをかければ、
 お腹を満たせるので(笑)」と話し、
クリス・ペプラーを驚かせました。

そんな江崎さんが尊敬するアーティストは、
エンニオ・モリコーネだそう。
「彼みたいなメロディが書けたら、
 生涯を終えてもいいんじゃないかと思うくらい、
 本当に美しい旋律。
 「ニュー・シネマ・パラダイス」は
 彼の曲で一番最初に知ったので、
 今もよく聴いていますし、
 目覚ましにも設定しています。」
エンニオ・モリコーネのドキュメンタリー映画が
公開された際には、彼の家族とリモートで
話す機会があったそうで、
「『父は家族愛がすごい人でした。
 規則正しい生活をして、
 家族と食事をする時間を取ってくれて、
 たくさんの愛を与えてくれた存在でした』と語っていて、
 その人間性が音楽にも表れているなと。」と紹介しました。

江崎さんも現在、映画音楽の劇伴を手掛ける
作家としても活動されていますが、
映画音楽の魅力について伺いました。
「うーん、一番面白いポイントは
 作曲家が本当に作りたいものだけで
 成り立っていないところだと思います。
 坂本龍一さんもインタビューで、
『映画音楽を手がけるたびに
 一生やりたくないと思う』とインタビューで答えていて、
 監督などと対立することもあったそうですが、
 仕上がった映画を観ると、
『間違ったことは言われていなかった』と
 思うことがあるそうなんです。
 音楽以外の人との協業でしか生まれてこないものって、
 たぶんあるんだろうなって思います。
 実は、映画音楽に関して
 来年かなり良いお知らせが出来ると思います。
 今、頑張って曲を書いています。」

最近気に入っている
ミュージシャンについてのお話も。
「ザ・ヴァーノン・スプリングという
 ロンドンのピアニストなんですが、
 もともとエイミー・ワインハウスのバンドで
 17歳鍵盤を弾いていたみたいなんです。
 ちょっとアンビエント的な要素が強くて、
 容赦無くエフェクターもかける人ですね。
 ちょっと聴いたことがない
 ピアノの音が聴こえるんですよ。
 ペダル踏む音とかもちょっと
 変な音になっていたりしていて。
 自分のピアノ演奏を、
 素材を作る行為だと思っているタイプの
 ピアニストなんじゃないかなと思います。」

番組では
「大人の☆生 サッポロ生ビール黒ラベル」で
乾杯していることにちなんで、
ゲストの皆さんに
「大人になった1曲」を伺っています。
この質問で江崎さんが選んだ1曲は、
ジェリー・マリガンの「Night Lights」でした。
「中学生の時に初めて聴いて、
 ニューヨークに瞬間移動したような
 気分になったんですよ。
 きっと大人になって、
 高層ビルから夜景を眺めながらお酒を飲む時は、
 こんな音がするんだろうなと。
 都会の夜のイメージの1曲で、
 今まさにJ-WAVEのスタジオから
 東京の夜景を見て、お酒をいただいて、
「Night Lights」を聴いているんですが、
 思い描いた景色が広がっていますね。
 ちょっと感動しています。」

さて、江崎さんが活動するWONKは、
4年ぶりとなるアルバム
『Shades of』をリリースしました。
今回は参加しているゲストが
かなり豪華だと話題になっています。
国内からは久保田利伸さん、
ラッパーのJinmenusagi、海外からはBilal、
T3、K-Natural、Kiefer、BewhYといった7名が参加。
江崎さんもここまでのメンバーが
揃うとは思っていなかったようで、
驚いていると述べました。
『かなり達成感はあります。
 売れるかどうか、
 セールスがどうなるかは分かりませんが、
 メンバー的にはかなり達成感があるというか、
 結成11年で学んできたものが
 全部投入できたという満足感はあります。』

12月からは全国ツアーがスタート。
東京公演は1月12日、
Spotfy O-EASTで開催されます。
「東京公演では、ゲストの皆さんにも
 出ていただけると嬉しいと思っているんですけどね…。
 会場の使い方も工夫しようと思っていて、
 皆さんが我々を囲むような感じというか、
 まだちょっと分からないですが、
 普通じゃないライブにはしたいと思っています。」
と語りました。ニューアルバムやライブの情報は
WONKのホームページ、SNSをチェックしてください。


WONKの情報はこちらから

さて、次回はシンガーソングライターの
Sincereさんをお迎えします。
今回が番組初登場となりますが、
一体どんな音楽ルーツをお持ちなんでしょうか?
クリス・ペプラーがじっくり伺います。
次回もぜひ、お聴きください。

(※「崎」は「たつさき」が正式表記)

OMIYA

たたききゅうりの梅肉和え
料理が好きなWONKのメンバーに影響され
少し料理にハマっているとのことで、
自宅で作ってきてくださいました。
程よい酸味と心地の良い歯応えが
黒ラベルにピッタリです。

MUSIC

  • Lift Off/Mic Check
    / Robert Glasper Experiment Feat. Shafiq Husayn

  • Everybody Wants To Rule The World
    (feat. Lalah Hathaway & Common)
    / Robert Glasper

  • Love Me Do / The Beatles

  • Strawberry Fields Forever
    / The Beatles

  • My Foolish Heart
    / Bill Evans Trio

  • Nuovo Cinema Paradiso
    / Ennio Morricone

  • Lust and Sand
    / ermhoi & 江崎文武

  • Strength Of A Young Man
    / The Vernon Spring

  • Night Lights (1963 Version)
    / Gerry Mulligan

  • Fleeting Fantasy / WONK,Kiefer
    Life Like This / WONK,久保田利伸
    One Voice / WONK,T3,K-Natural,Bilal
    Essence / WONK

  • Città Violenta
    / Ennio Morricone

    江崎さんとのトークを受けて
    クリス・ペプラー選んだ1曲はこちら!

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