2022.07.16 ON AIR
【The 1975】SHE’Sのボーカル&キーボード井上竜馬さん、ミュージック・エディターの妹沢奈美さん登場!

今週のテーマは、サマーソニックでヘッドライナーを務める、The 1975!
ゲストにはSHE’Sのボーカル&キーボード井上竜馬さん、ミュージック・エディターの妹沢奈美さんをお迎えしました。

■The 1975との出会い

グローバー:世代なんだろうな、リアルタイムなんだろうなという井上竜馬さん、初めて聴いた時って覚えてますか?
井上:2014年ぐらいだったんですけど、その時はまだサブスクとかあまり使ってなかった時代でYouTubeでアーティストをいろいろ漁ってる時におすすめで流れてきた「Girls」のミュージックビデオを観て“すっごー、なにこのバンド”って衝撃で一瞬で好きになりましたね。最初に4人がお喋りしながら“We are Not Pop Band”みたいな”俺たちポップバンドじゃねえぞ!“ってすごいロックな格好して言った後にこのイントロが流れてきて(笑)めっちゃオモロイなって思って(笑)それも含めて”なにこの面白いバンド“って思ったのが第一印象でした。
グローバー:そういう癖のある感じがハマればハマるほど魅力がありますが、ファーストタッチでやられてそこからどんどん掘っていきましたか?
井上:そうですね、そこからは上がってるミュージックビデオで曲を全部聞いてみようと思って聴いて。タワレコ行ってアルバムを買って聴いて。2枚目が出て聴いて、もう完全に“なんじゃこりゃ”ってなった流れでしたね。
グローバー:好きになったポイントってどこでした?
井上:ファーストの印象ってすごいエモーショナルな要素が強いと思ってて、僕自身が海外のピアノエモって言われるジャンルとか、エモとかエモコアとかめちゃ学生時代に聴いてSHE’Sを始めたきっかけの音楽だったんでその要素も感じられたりしたのが個人的には好きな部分だったというか、そこにプラスその時代ぐらいからすごい流行りだした感覚があるんですけど80’sのリバイバルだったりとかそういうサウンドも入ってて、なんか懐かしいような新しいようなみたいなサウンドのタイト感とかが自分が通ってきてなかった音楽やってたのですべてが新鮮で楽しかったっていうのが印象です。
グローバー:では今一番好きな曲を選んでいただいてかけたいんですが。
井上:これ考えたんですけど、今とかが分かんなくて。でも聴いた時からずっと1位にいる曲が「I Always Wanna Die」ですね。とにかく美しくて儚くって言葉も歌詞もすごく好きで、ライブで観た時も夕焼けが綺麗な時間帯にさっとこの曲が始まって泣いてしまったぐらい美しくて。なんかこの矛盾というか“いつも死にたい まあ時々”みたいなタイトルから常に矛盾が生まれてると思うんですけど、でもそれってすごい僕らの世代とか僕らよりもっと下の世代の子達にも“なんかよくわからんけどなんかわかる”っていう言葉の感覚だったりしてすごい共感を生みやすい曲やなーっていうのはずっと思ってましたね。

グローバー:妹沢奈美さんはインタビューもしますし、レコメンドするためにも様々な曲をいろんな順番で選んだりしてらっしゃいます。彼らに出会ったのはお仕事の中ですか?リスナーとして?どんな時でしたか?
妹沢:やっぱり仕事の一環だったんですけれども、さっき井上さんがおっしゃったみたいにまだストリーミング音楽を聴く時代ではなくて、それこそレコード会社さんからアルバムが出る前に音源いただいたんですね。それを聴いて本当にエモいアルバムだなと。で特にいい曲だなと思ったのが「Chocolate」っていう曲で。ただ私、実はファーストアルバムを聴いた時にはそこまでガツっとハマった訳じゃなくてピタッとハマったのはサードだったんですよ。個人的にはファースト、セカンドはすごくいいバンドですごく好きなんだけれども何かが足りないなと思っていて。それは何かな?と思っていたら声がもう少しどうにかなってたら好きなんですよね。海外ではファーストアルバムの時はそこまで評論家筋の評価は高くないんですよ。ただそれこそジェネレーションZ、Aのファンたちがすごく硬く付きましたのでそれを知ってもしかしたらこれってファンの層が変わる時を伝えるそれこそアークティック・モンキーズでも起こったしオアシスでも起こったような時代の変わり目を告げるデビューだったのかもしれないなと思っていました。
グローバー:さっき井上さんがおっしゃってたように何とも言えない言葉にならないものでも音だけじゃなくて言葉にも表してくれてたりとか、そういう世代の空気とかって特に若い時は自分たちの世代のものが本当にキラキラしてるという感覚あると思うんですが、何年か作品を重ねていって自分も年齢が上がっていって聴こえ方って変わることもありました?
井上:聴こえ方が変わるというか、僕多分1975が2コ上とか3コ上ぐらいの世代なんですけど、大人になっていってんやなってのはやっぱり3枚目で一気に社会的な問題を歌うようになったりとか、その変化はすごい感じてて自分もそういうこと歌いたいなと思ってる時期に3枚目が出て思い切っていろんなことを歌うようになったのも凄いなって単純に思いますし、やっぱり文化が日本とちょっと違うというか、日本ではあまりミュージシャンの政治的な発言とかってなんかちょっと嫌がられたりするのは絶対あると思うんで。それを平然とできる文化の違いもやっぱいいなぁと思ったりもしつつ、さっき言ったみたいに1枚目って声の部分でも割と同じ声がずっとするというか歌い方がずっと一緒っていうのはそういう感じがしてて、でもそういうバンドなんかなって思ってたんですけど、2枚目聴いて公式で上げられてる2時間ぐらいのライブ映像を観たんですけど、アルバムを出してそれを表現するっていうライブツアーを回ってる最中で1975とかマッティに変化があったんかなって僕は思ったんですよね。なんかもうそのライブの中ではすごいいろんな歌い方をして、声の使い方も変わってるってのをすごく感じて、わっ!と思ったら3枚目で全部が変化したってのはすごく感じました。
妹沢:彼らってびっくりするくらい成長していてイギリスでよく言われてたのが2枚目のジンクス。ファーストアルバムがやっぱり初期衝動が溢れていてロックバンドは一番良い作品を作る。でも2枚目どうだろう?とよく言われがちな言葉なんですけど、その2枚目のジンクスを超えたどころか3枚目4枚目と進化し続けているので凄いバンドだなぁと思います。

■もうすぐ海の日……SHE’S 井上竜馬セレクト!
暑さも吹き飛ぶ!『The 1975のサマーアンセム』TOP3!


井上:暑さが和らぐ清涼感みたいなのを個人的に求めてるのでちょっと涼しくなるようなサウンド感っていうので選びました。 

◆3位:「Girls」

井上:やっぱこの爽やかな(笑)軽快な爽やかさでちょっと風が吹くような感じですね。
グローバー:これも懐かしいようで、でも新しい響きですよね。
井上:そうですね。

◆2位:「The Sound」

井上:すごいピアノもエッジに効いてて、自分がこういうちょっとエレクトロな感じも含めたピアノが気持ちいい4つ打ちの曲作ろうかなって思ってる時にちょうどこの曲が出て、もうこの話やめようって思った曲でしたね。たぶんこういう曲って今までもたくさんあったと思うんですけど、ドンピシャで自分の中でどストライクだったのはこの曲で“うわぁ”って。
グローバー:伺いたいんですけど、妹沢さんにしろ音楽ファンって“あ、これこの曲っぽいな”ってもちろん遡ればリファレンス、本人たちもおそらく影響されてるものってたくさんあると思うんですけど、でも一応音楽ファンとしてたくさんある中で聴いていくと、バン!ときたこの音像、このビート、このメロディ、この1975の「The Sound」がエレクトロとピアノと4つ打ちの俺のど真ん中なんだよなって感じるのはどの部分なんですか?他とここが違うからやっぱりグッとくるっていうのは。
井上:この曲においてで言うと、一人だけで歌ってないというかゴスペルのみんなで歌う感じっていうのも凄いリフレインしてかっこいいし、そこに80’sのエレピとかのサウンドにプラスで今っぽいボコーダーじゃないですけどちょっと声を高くした音とかも多分に用いられたりとかその絶妙なバランス感が僕は1975が好きなところで、なんか絶対に過去の音楽とかそのルーツとかを辿ってきただけで終わらないというか絶対的に特徴がある色んな要素を混ぜこぜにすることによってひとつだけパクったら多分それはパクリなんですけど10個パクって色々ごちゃ混ぜにしながらもこうやって綺麗に消化させたらそれはオリジナリティになるんやっていうのすごく感じさせられたアーティストでもあったのでそういうところが僕は好きですね。

◆1位:「Me & You Together Song」

井上:一瞬、もうイントロ1秒で好きになった曲なんですけど。似てるっていう意味じゃないんですけどスピッツとかにも通ずるような清涼感があるギターのサウンドとか。
妹沢:あぁー、すごい納得しちゃいました。
井上:そうなんかもう一瞬で日本人好みの。これ日本人みんな好きちゃうかなって思ったぐらい(笑)
グローバー:これは妹沢さんもアンケートで「今一番好きな曲」でセレクトしてくれてますね。
妹沢:そうなんですよ、すっごい暑い日に選んだんで(笑)これだわ!みたいな。
井上:やっぱり涼みたかったんすね!夏に求める清涼感も似てることがわかりました。
妹沢:ねー。 


まだまだ続く『The 1975』来週のPart2もお聴き逃しなく!

PLAYLIST

I Always Wanna Die (Sometimes) / The 1975

Chocolate / The 1975

Robbers / The 1975

Ugh / The 1975

Me & You Together Song / The 1975


◆Spotifyにもプレイリストを掲載しています。ぜひお聴きください。

■『MARUNOUCHI WALK』でご紹介したCOTTON CLUBの詳しい情報はこちら!



■放送後1週間は右下のRadikoタイムフリーボタンでお聴きいただけます。
■SHE’Sの詳しい情報はオフィシャルサイト
■妹沢奈美さんの詳しい情報はオフィシャルTwitter

来週はThe 1975のPart2!ゲストには引き続き、SHE’Sのボーカル&キーボード井上竜馬さん、ミュージック・エディターの妹沢奈美さんをお迎えします。お聴き逃しなく!