2022.02.19 ON AIR
【ONE OK ROCK】koboreのギター 安藤太一さん、ライター 小田部仁さん登場!

今週のテーマは、ワールドワイドな活動を展開するロックバンド、ONE OK ROCK!
ゲストにkoboreのギター 安藤太一さん、ライター 小田部仁さんをお迎えしました。

■ONE OK ROCKとの出会い

グローバー:まずは安藤さん、kobore2005年結成、ONE OK ROCKより10年ほど後輩バンドっていうことになりますね。最初に聴いた曲どんな時どんな場面だったか覚えてますか?
安藤:僕、高校の軽音部に入るまでバンドを全然知らなくて、アジカンとかもアニメの曲とは知ってたけど…みたいなぐらいに。そんなアニソンとかばっか聴いてた中で、じゃあバンド組みます、何やるの?って言った時に初めて“これかっこいいよ”って聴かせてくれたのがワンオクの「じぶんROCK」 っていう MV を観せてもらって。 “なんだこれは?なんだ?!”と。
グローバー:それまでアジカンとかの音は聴いててもビジュアルとしてはアニメーションの映像とかが頭の中に入ってたから。
安藤:そうですね、なのでバンドというものに初めて触れたのがワンオクだったのかなという。
グローバー:そこからどんなところに惹かれていきました?
安藤:まずベースから入って、このかっこいいリフ。で、MVがもう僕的にはビックリするというか、結構コマ数多くて、あと早送りしてるのかわかんないんですけど結構カクカク動くというか、疾走感というかちょっと狂気に感じるようなとことかがもう高校生の心をこちょこちょ!ってされて。ただカッコイイだけじゃなくて最後の方に1回落ちるんすよ。“何だこれは?”みたいな。急に“神殿入ったぞ!”みたいなとこがあるんで、そういうところで“やりたい!”ってなりました。
グローバー:実際やったんですってね、ONE OK ROCKのコピーバンド。
安藤:はい、3年間やらせてもらいました。
グローバー:特に思い入れがあった曲とかありました?
安藤:「皆無」って曲ですね。僕らが高校1年生の時に2コ上の先輩がやってて、受け継ぐというか。
グローバー:あー、そういうのありますよね。文化祭とかってね。本当はワンオクの曲なんだけど先輩から貰った曲みたいな。
安藤:あ、そうなるんですよね!
グローバー:リスペクトが先輩にいちばんでかいみたいな。
安藤:そうなんですよ。これもやっぱイントロから初めての単音弾きを挑戦させてもらって。最初全然弾けなかったですね。
グローバー:ワンオクってこうなんだ、ここカッコイイなとかありました?
安藤:サビの裏でずっと鳴ってるリフレクションフレーズとか、今では考えつかないような“本当にこれでいいの?”って思っちゃうかもしれないんですよ今では。でもその頃には“あ、新しいな”というか。ずっと何かが鳴っててみたいな感じも凄いし、やっぱりそのキャッチーさと簡単なのに難しいってのが何なんだろう?と思って。今なら多分弾けるんですけどあの頃はこんなに簡単なことが難しいと思わせてくれたのもやっぱりワンオクだったのかなと。

グローバー:小田部さんは音楽をメインにしてるライターとしてメンバーへのインタビューも行なってますけれども、リスナーとして最初に出会ったのはいつでした?
小田部:大学生くらいの時だったと思うんですけど、偶然CDショップに入って、普段あんまりその時日本のロックって聴いてなくて試聴機にちょうどONE OK ROCKのCDが入ってってたんですよ。そこで聴いてみたらすごく良くて。なんか日本人離れしてるという言い方があんまりいいのか悪いのかわかんないんですけど、こういうバンド日本に居るんだなぁと思ってパッとCDを買って家でめちゃめちゃ聴き込んだっていう思い出がありますね。
グローバー:家で聴き込んで気づいた魅力って何でした?
小田部:歌詞がかなりストレートで熱が込もってるにも関わらず、あんまり湿っぽくない。カラッとしてるなって。なんか変な話、すごいストレートな歌詞じゃないですか “愛してるよ”みたいな。それがスッと入ってくる感じってあんまりその時の日本のロックには無かった気がしたんですよね。
グローバー:じゃあ音像なのか言葉選びなのかメロディなのか、言葉にするとどんなキーワードで。
小田部:なんか洋楽的な響きとか調子感があるなって。歌い方もそうだしアレンジもシンプルなんだけどその音を出すことの意味みたいなのをちゃんと考えてるっていうか。
グローバー:それこそ洋楽とか特にアメリカのロックバンドというのはそういうアプローチが多いですけれど。実際 ONE OK ROCK もアメリカに向けてというような意識もあればイギリスだとエドシーランとやって。ワールドワイドな展開を彼らもそういう意思を持ってやってます。実際あちらでも活躍してる。どんな風に見てますか?
小田部:もう規格外ですよね。とてもじゃないけど信じられないようなことをやってのけてるので。僕、ロンドンとアメリカにも何回か取材で観させていただいてるんですけど、とてつもない盛り上がりなんでちょっともう規格外すぎて何とも言い難いというところがあったりするんですけどね。
グローバー:どこが海外でもいろんな人に火を付けてるんだと思います?
小田部:やっぱりメッセージの熱さみたいなものとバンドが一丸となって向かっていくエモーションっていうのは場所を問わず伝わっていくんだなってすごく感じますよね。音からもそれが滲み出てるっていうか。それは僕が最初に「Wherever you are」を聴いた時から変わんないなってすごく思いますね。
グローバー:この日本のロックシーンを見た時にこれは日本のロック史に残る名曲だと思うものなんですか?
小田部:最初の安藤さんの選曲が渋すぎてこれを言うのちょっと恥ずかしいんですけどやっぱ「完全感覚 Dreamer」 は本当に後輩のバンドにもすごい影響を与えた曲なんじゃないかなと思うんですよ。キャッチーなギターリフで幕を開けてエモーション全開で4人の演奏が混然となって駆け抜けてく感じ。このグルーヴに引き付けられないキッズは居ないんじゃないかなと思って。

■歌詞の魅力

グローバー:小田部さんセレクト、歌詞が好きなワンオクナンバー「キミシダイ列車」セレクトのポイントは?
小田部:この質問すごい難しかったんですよ。ONE OK ROCKって本当に歌詞がいい曲が多いんですよね。結構その時期によって言ってることというかモチーフが変わってたりとかするんですけど、核にあるスピリットみたいなものはずっと変わってなくて、この曲を選んだのは聴いてる人に Takaさんが “今、ちゃんと準備できてる?”って呼びかけてる感じがダイレクトに胸に刺さってくる。ONE OK ROCKって常に何を言いたいかっていうと“自己肯定感を持って自分の意思でちゃんと人生を切り開いていきなよ”ってことだと思うんですよ。サビの歌詞“Just hold on tight, It can be all right/We take it back 取り戻すのさ/過去の自分が今僕の土台となる”というこれを一気にサビで畳み掛けて言う所って他のバンドにはできないと思うんですよね。結構ストレート過ぎていちばん初めに聴いた時はちょっとだけ抵抗があったんですよ。なんですけど、ちゃんとライブとかで観たりとかちゃんとその楽曲を咀嚼すると“本当にそうですよね!”みたいな感じになるっていうか。本当に自分次第で何でも変わり得るし、結局のところ自分の意志の力で何とかしてくしかないよな、みたいなところがちょっと強い言葉なんだけれども背中を押してくれるんですよ。すごく優しい言葉だなと思って。
グローバー:安藤さんはどんなところに歌詞の魅力感じてますか?
安藤:いいなと思って選んだのは「Nobody's Home」っていう曲なんですけど。
グローバー:これもとてもダイレクトなメッセージですね。
安藤:はい、この曲も等身大の曲でもあると思うんですよ。その中で割と全体的に見た時に“家族”とか自分が“周り見えてなかったな”ってことを歌ってて、サウンド的にはすげーロックなのに“ありがとう”とか“ごめんね”とかちょっと大人になった自分を歌ってるなと思ってて。サビとか全体的にいいんですけど冒頭の“How are you doing そんな風に言えるように時間がかかった”ってところでやっぱ年を取ってくそこがやっぱグッと来ちゃうっていうか“調子はどう?”って言えるのに、たとえば親にも昔は言えなかったかもな、みたいな。久々会うからとか自分が成長するから言える言葉であってそのストレートさとかを恥ずかしくないように言えるのってやっぱカッコイイなぁと思ってて。
小田部:この曲っていわゆるTakaさんの複雑な家庭環境とかそういう人生模様みたいなものも踏まえて聴くと、Takaさんの物語として聞こえるからそういうゴシップ的な側面もあるんだけど、いま安藤さんがおっしゃったように本当に自分の曲になるんですよね。誰も経験する過程の普遍的なメッセージなので。

■ここで番組恒例企画!
  音楽ライター 小田部仁が選ぶ!ONE OK ROCK珠玉のバラード・ナンバーTOP3!!!


3位:欲望に満ちた青年団(1st『ゼイタクビョウ』)<2007年>

小田部: 実は1stアルバムは後から聴いたんですけど、最近のライブでもアコースティックアレンジとかで演奏されていて今のONE OK ROCKが演奏しても全然ハマる曲なんですよね。アコースティックアレンジで演奏された時もToruさんがソロを弾くんですけど、そのソロも渋くて凄くよくて、TakaさんのR & Bとかブラックミュージックの香るようなそういえセンスを感じる歌い方も他の曲には無い魅力があって、これが1stアルバムに入ってるなんて考えられますか?ってことなんですよ。

2位:Last Dance(4th『35xvvv』インターナショナル版収録)<2015年>

小田部:これはちょっと今聴きにくくはなってるんですよね。『35xvvv』のインターナショナル版にしか収録されてなくてストリーミングサービスでも見つからなかったんですけど。この曲も本当にいいメロディで珍しいリズムの曲ではあるんですよ。なんでONE OK ROCKには珍しくて、英語の歌詞も素晴らしいですし、プロモーションビデオが世紀末的な内容になっていて是非これは聴いていただきたいバラードのひとつですね。最近のライブでも演奏していたと思います。ONE OK ROCKがすごく面白いのはアルバムごとに明確にちゃんと向かって行く先が変わってってるとこなんですよね。この曲が収録されてる『35xvvv』とかではもう完全にアメリカというか欧米に向かって広めていこうという気持ちが出てるので、そういう意味ですごく世界レベルで見ても恥ずかしくないバラードっていう感じがします。

1位:Wasted Nights(9th『Eye of the Storm』)<2019年>

小田部:いやぁ大名曲でしょう。
グローバー:安藤さんも“今一番好きなワンオクの曲どれですか?”という質問にこの曲を挙げてらっしゃいます。
安藤:そうですね、明らかに規模感が変わったことを示した1曲かなと思ってて。CMかなんかでこれを聴いた時に最初ワンオクだって分からなかったぐらいで。すごくいい外人かな?と思って見たら“ワンオクなの?”ってなったぐらい本当に日本の規模じゃなくて世界の規模にもう居るんだなっていうところと、単純にアメリカンポップというかそういうとこも入れつつ良いとこだけを伸ばしてった曲なのかなと思ってて、本当に感動できる規模、広さと、すっごい広大な大地に自分が居るんじゃないかと思うようなサウンドとかもやっぱり最近の中ではいちばん感動しましたね。
グローバー:やっぱり自分たちが本当に感じたこととかそういったものを発信してるから強いんだとおっしゃってましたけど、小田部さん実際海外ツアーに出てあちらで空気を吸って、あちらのオーディエンスと交わした感情というのはこういう曲は産まれる大きな原動力になってるんでしょうか。
安藤:そこじゃないですかね、やっぱり目の前に居て本当に自分たちの音楽を聴いてくれる人がライブハウスごとに満員になるわけですよ、sold outになったりとかして。そういう人たちと触れ合っていく中で多分ONE OK ROCKというかTakaさんだったりメンバーの皆さんの考え方もどんどんと広がっていったと思うし、こういう曲をみんなで歌いたい、こういう感覚を皆で共有したいっていうのが生まれてきたんじゃないのかなーっていうのは想像ですけども思いますけどね。


まだまだ続く『ONE OK ROCK』来週もお聴き逃しなく!

PLAYLIST

皆無 / ONE OK ROCK

完全感覚Dreamer / ONE OK ROCK

Wherever you are / ONE OK ROCK

キミシダイ列車 / ONE OK ROCK

Nobody's Home / ONE OK ROCK

Wasted Nights / ONE OK ROCK


◆Spotifyにもプレイリストを掲載しています。ぜひお聴きください。

■放送後1週間は右下のRadikoタイムフリーボタンでお聴きいただけます。
■koboreの詳しい情報はオフィシャルサイト
■小田部仁さんの詳しい情報はオフィシャルTwitter

来週は、ONE OK ROCKのPart2!ゲストには引き続き、koboreのギター 安藤太一さん、ライターの小田部仁さんをお迎えします。お聴き逃しなく!