2021.01.16 ON AIR
【The Weeknd Part2】Seihoさん、クリエイティブ ユニットAmPm登場!

今週は、The WeekndのPart2!
ゲストには、Seihoさん、クリエイティブ ユニットAmPmをお迎えしました。

■Blinding Lights

グローバー:「Blinding Lights」大ヒットしました。グラミーノミネートされない問題もあったり、でもスーパーボールハーフタイムショーやるんだ、楽しみだなって色んな話題がまたこの曲から広がってます。この「Blinding Lights」パッと聴いた時いかがでしたか?
Seiho:“「Take On Me」やん”みたいな。これはみんな思うと思うんですよね、思わせようとしてると思いますあれは。それも踏まえて当時のアメリカというかMTV感みたいなものを彼は例えばYouTubeとかTikTokであるとかSNSでどうやってアップデートして面白がるかみたいなことを意識的にやってるような気は凄いしたなって感じですね。あとシンセウェーブみたいなこの3〜4年アンダーグラウンドで流行ってきたトレンドを上手くそこに合わせつつ、世界観とかもダフトパンクとかからも引っ張ってきてるような未来感というかフューチャリスティックな部分も合わせてるからすごい引用してくる場所が上手いなみたいなのを感じましたね。
AmPm:なんかエアロビの動画がすごく流行ってましたよね、これもなんか本当にエアロビと合うのかな?って思いながら見たりしてたんですけど、でも流行ってるじゃないですか。もう“狙ってるんだろうな”としか言いようがなくて、僕も本当にポップスターによりなっていくんだろうなっていうのはアルバム『STAR BOY』からの延長線上で言うともう完全にスターダムに行くんだろうな、この曲でやるんだろうなってのはなんとなく感じました(笑)
グローバー:もう大勢ファンが居る、ケアしてる人が居る、じゃあそことどうやって遊ぼうかって遊び方がまた上手という感じがします。

Seiho セレクト、
「うわ!コレめっちゃGroovy やん!The Weeknd 最高のダンストラック」TOP3!!!


3位:Thursday

Seiho:この曲はFrank Oceanとかにも通じるグルービーさがあって、この当時はラップも流行ってたしオルタナティブ R & B みたいなもの自体が次にどの方向に向かっていくんかみたいな結構右往左往してたタイミングだったんですよね。その時ぐらいにこの曲でこういうポップな方法論があるんやなーみたいなのをすごい感じた1曲ですね。

2位:Hardest To Love

Seiho:この曲はさっきの「Thursday」とはちょっと違ってこういう“本来合わさるはずがないような曲をこう合わせられるんだな”みたいな新しい気づきというか、まぁいわゆるジャングルとかIDMみたいな物が今のヨーロッパのダンスミュージックシーンでは凄い流行ってて、でもそこはどっちかって言うとボーカルトラックとかと合わせるって言うよりかは単純にダンスミュージックとして身体的に踊るって方で流行ってたりはするんですけども、それとボーカル合わせた時に“こういうミックスの仕方が存在してるんやな”みたいなことの強度がありますね。
グローバー:今キーワードで出てきてますIDMっていうのはどういうタイプの音楽なんですか?
Seiho:インテリジェント・ダンス・ミュージックって言って80年代90年代に流行ったイギリスのWARPっていうレーベルのAphex Twinとか squarepusher がやってたような速いビート。この「Hardest To Love」もその速いビートの上でヴォーカルトラックが鳴ってて、このアルバム自体がOPNっていうWARPに所属してるアーティストがプロデューサーで入ったりとかそういうところの引用もすごい上手いし、OPN自体も“アメリカをどう考えるか”みたいなこと本人も美術的にも含めて積極的にやってるんで、そことの相性もすごい良くてこれは組み合わせとしてはすごい面白かったなって感じです。

1位: In Your Eyes [Remix] ft. Kenny G

Seiho:こんだけの笑いを届けてくれるというか(笑)それこそホール&オーツとかが例えばアメリカとかでダサいカップルがクラブに行くシーンとかでかかってたりとか、ダサいものの象徴として再生産され続けていってたものを“それって逆にかっこ良くない?”ってどうやって提示するのかっていうのは結構みんなヒップホップの人たちもやり続けてたんですけど、その中で“ケニー・Gとやってるやん!”って聴いてみた時、ケニー・Gが出てきた瞬間のもう“頭ピキーン!”みたいな(笑)
AmPm:すごい分かります、MVも凄いですけどライブパフォーマンスのビデオにもかなり出てきていてMVよりもケニー・Gの方がすごいインパクトになってるなと思って。
グローバー:リバイバルで久々に聴いたケニー・Gがやっぱり音楽的にクオリティ高いからみんなやっぱすげえ良いってなったというところも含めて。
AmPm:そうですね、レジェンド感が半端ないですよね、本当に。
Seiho:そうそう凄い。

■The Weekndが音楽シーンに与えた影響

Seiho:ウィークエンドの面白い所って弱さが内包されてるっていうか、彼は強さの象徴じゃ無いんですよね。すごい柔和な部分もあるし、この「STAR BOY」っていうタイトル付けてるところとかもある意味半分コンプレックスで半分ギャグ。STAR BOYなんやっていうのを彼は演じてる。“スターっていうフリしてるんですよね、僕”っていう照れと、でもそれは本当はスターになりたいっていう野心と、でも自分の中で“俺できるのかな?”みたいな弱さとかコンプレックスがすごい内包されてて、それが本当に今の時代を象徴してるなって言うか、それがジェンダーの話にも繋がってくるし、R&Bだったらジェンダーをどう捉えるかみたいなこともやっぱこの2〜3年はすごいトレンドで、アメコミで言うと例えばキャプテン・アメリカは別に強いヒーローの象徴では無いじゃないですか、けどもなにか一つの信念があってとかみたいな。ブラック・パンサーもそういう話なんですけども、すごいそういうことを感じるなぁという。
グローバー:今の時代ウィークエンドを通して見えてくる部分もたくさんあるということですが自分の音楽作りにこれは影響もらったなっていうところ何かありますか?
AmPm:僕はAmPmとしてはプロジェクトでやってるのでよくトラックメーカーの子達とは話をする中で言うと、数年前ですけどまさに「I Feel It Coming」は実はかなり意識というかサウンドメイクの部分をひとつ参考にしようみたいな話は出てて、今でこそちょっと昔の曲に感じる方も多いと思うんですけど僕はやっぱりそういう柔らかさというか、昔ながらなんだけど今っぽく聴かせるためにはどうするのか、ボーカルの組み合わせどうするみたいなところで実はすごい参考にさせてもらってました。
グローバー:Seihoさんはいかがですか?
Seiho:ウィークエンドから何か影響があるというよりは、これは批判的な意味じゃなくて日本の音楽を見た時にメジャーなものとアンダーグラウンドなものって対立しがちなんですよね。けどもUKもUSもどっちかと言ったらアンダーグラウンドからどうやってオーバーグラウンドに持って行くかってことが大事な訳であって、ここが対立構造になってないってことがすごい重要だと思うんですよね。だからウィークエンドの音楽を聴くと“こういう風に自分の意見を大勢の人が理解してくれるように広げていけるんや”とか例えば本当にボーカルのミックス一つにしても“こういうヴォーカルにするとアンダーグラウンドっぽく聴こえずにオーバーグラウンドぽく聴こえるんや”みたいなすごいアイディアとか勉強になる部分は凄いあって、そういうリファレンス的な部分で聴くことは凄い多いですね。

■キャッチコピー

Seiho:「The Weeknd とは“ポップスター”」である!
「ポップスター」って言うパッとした言葉ってよりかはいわゆる“”付きの“ポップスター”みたいなところが彼の重要な部分で、ポップスターを演じてる部分と自分がポップスターになりたいって部分と、しかも今はみんながポップスターになれる。だからポップスターに憧れてポップスターを見るって言うより自分がポップスターにもなれる可能性があるっていう夢を見させられてるって言う事が凄いポップスターの条件としは重要で、その部分ではウィークエンドはまだポップスターになってないってことが重要なんですよね。そこ含めて今の“ポップスター”なんだというのはありますね。

AmPm:「The Weeknd とはマイケル・ジャクソン マイナス プリンス」である!
マイケルジャクソン的な声だけじゃなくてそのポップスターを目指そうとするんだけど慣れなくて、だけどその中でプリンス的な革新的な事にすごい挑戦してるなっていうところで、逆にそこの立ち位置がいちばんいいんじゃないかみたいな。そこの立ち位置の人って今まで居なかったからある意味そこでのポップスター、さっきのseihoさんが言ったところのポップスターにハマっていくんじゃないかなって。次世代のポップスターになり得る可能性があるんじゃないかなって僕も凄い期待してます。

2週に渡るレジェンド『The Weeknd』最後は「Blinding Lights」で締められました。

PLAYLIST

The Hills / The Weeknd

Hurt You feat. Gesaffelstein / The Weeknd

In Your Eyes [Remix] feat. Kenny G / The Weeknd

Starboy feat. Daft Punk / The Weeknd

hurt you feat. Michael Kaneko&Nao Kawamura / AmPm

Blinding Lights / The Weeknd


■放送後1週間は右のRadikoタイムフリーボタンでお聴きいただけます。
■Seihoさんの詳しい情報はオフィシャルTwitter
■AmPmの詳しい情報はオフィシャルサイト

来週テーマは、Official髭男dism!ゲストには音楽ライター 阿刀大志さん、ラジオDJ 樋口大喜さんをお迎えします。お聴き逃しなく!