2020.12.19 ON AIR
【ジョン・レノン Part2】真心ブラザーズ YO-KINGさん、THE BAWDIES ROYさん登場

今週は、今年、生誕80年・没後40年の節目を迎えたジョン・レノンのPart2!
ゲストには引き続き、真心ブラザーズ YO-KINGさん、THE BAWDIES ROYさんをお迎えしました。

■ジョンのロックンロール・スピリット

グローバー:ロックンロールというキーワードで話を始めたいんです。ROYさん、ジョン・レノンのロックンロールスピリット感じるという目線で一枚アルバムを選んで欲しいんです。
ROY:いちばん聴いたなっていうのは、『ROCK’N’ROLL』。ブラックミュージック、リズム・アンド・ブルースとしてのロックンロールをジョンが“こうやって消化したんだ“みたいな。すごい勉強になるって言ったら変ですけど、影響を受けたっていうのはありますね。ビートルズ初期の頃にロックンロールカバーをいっぱいやってるんですけどあの頃とまたちょっと違うと言うか、肩の力が抜けてる感じと言うか自分がロックンロールに憧れてやってるのではなくロックンロールを自分で操ってるみたいなそういう感じがしましたね。それこそ「STAND BY ME」なんかソウルの名曲クラシックナンバーじゃないですか、あれをまた別の解釈で新たなポピュラーミュージックとして広げるって無理ですよね。
YO-KING:確かにねー、イメージあるもんね。
ROY:カバーで本物を超えるって基本無理な話だとは思うんですけど、それを平気でやる感じというか。
グローバー:「STAND BY ME」のカバーを聴くだけでもジョン・レノンが自分のモノにしているロックンロールっていうのが詰まってる。アンケートで曲単体でも好きな曲いろいろ書いてくれてる中にジョン・レノンの新しいアプローチの楽曲があってコレが好きなんだっていうのをお答えいただいてます。
ROY:そうですね、『Walls and Bridges』っていうアルバムに入っている「What You Got 」っていう曲なんですけど珍しくジョン・レノンがちょっとファンキーにソウルフルにやってるんですけど、多分スティービー的な感じでやりたかったんだと思うんですけど、でも本人はそれをパンクとかソウルっていう解釈で歌を乗せてるんじゃなくてロックンローラーのままぶちかますみたいな。
グローバー:「STAND BY ME」みたいなもんですよね、ブラックミュージックやってるんだけどロックンロールになっちゃう。
ROY:そうなんですよ。自分の手癖でいくみたいな、ギターと一緒なんでしょうね。感覚で歌えちゃうっていうジョンレノン節というかそれでどんな楽曲もやっちゃうみたいな。僕自身がソウル、ファンク大好きっていうのもあるんですけど、そこにジョンが加わった時の面白さみたいなのが好きでよく聴きました。

■アルバム『IMAGINE』

グローバー: YO-KINGさん、アルバムだとどの時期のジョン・レノンがたまらないですか?
YO-KING:ソロで言うとやっぱり『ジョン魂』か『IMAGINE』その2枚をたくさん聴きましたね。
グローバー:「IMAGINE」って言ったらおそらくこのラジオのリスナージョン・レノンの曲は知らなくても「IMAGINE」は知ってるっていうぐらい世界中でそういう曲になりましたけどアルバムとして大好き。
YO-KING:なんかふわっとしてて浮遊感があって好きですね。20年前ぐらい前に自伝的な映画「IMAGINE」もあってそのイメージも強くて、でっかいお城みたいな部屋に住んでて、なんかねファンが来ちゃうんだよね。“会わせろ”みたいなこと言ってて、それでジョンがね対応するんだよね。それでファンが “こう言ったじゃないか!こう言ったじゃないか!”って言うのに“言ってない、あれはこうだ”って。ジョンって口が達者で凄いじゃない、ひとつひとつ潰していくわけ。それでションボリすんのそのファンが。それで“分かったか?じゃあ一杯お茶でも飲んでけ”って言って飲むのよ。“これ脚本あるんですか?”っていう話じゃん、カッコよすぎて(笑)最後に優しいんだよ、ずるいんだよね。
グローバー:なんかジョン・レノンっていう人を表してるシーンですね。
YO-KING:攻撃的でもあり、でも収まっちゃうとすごい優しいみたいな。なんでしょうねあの多面性ね。
グローバー:そういう“人間、ジョンレノン”この『IMAGINE』というアルバムにはそういうものが詰まってる。
YO-KING:優しい良いアルバムっていうイメージはありますね。
グローバー:それこそ「IMAGINE」みたいな曲もあれば「How Do You Sleep?」とかシニカルな攻撃的な曲もありますけど。
YO-KING:そう、ポールに対してね。裏ジャケがヤバイでしょ。自分の顔がなんと大地になっちゃって、ポールが『Ram』で羊をやってる写真を皮肉って自分がブタをやってるっていうね、悪い人ですよ。
グローバー:ほんとLOVEだけ歌ってると思いきや、すげー悪口を友達に言いまくる曲を歌うという(笑)
YO-KING:とはいえ時々ポールとは会ってたっていうね、なんかほんとに一筋縄じゃいかないすよね。
グローバー:ROYさんはこのアルバム『IMAGINE』いかがですか?
ROY:今YO-KINGさんが言ったようにメッセージがすごい強いものたくさんあるんですけど、重くないって言うか本当にふわっと届けられるっていうか。こういったメッセージとか内容をこういう風に音楽として届けられるって凄いと思うんですよね。当時もあんまり自分の内面とかそれこそメッセージ性の強いものを自分で書いて自分で歌うっていう流れ自体がまだそんなにできてない時代だと思うんですよね。それをさらけ出してしかも押しつけるんじゃない感じで伝えて気付かせるみたいなやり方は、よく言われるシンガーソングライターみたいなものの目指す一番のお手本って言うか、そういうアルバムだと思いますね。

■日本の音楽シーンを代表するロックンローラー=THE BAWDIES ROY が選ぶ
「ロックンロール・スピリッツ溢れるジョン・ナンバー」TOP3」!!!


3位:Instant Karma! <1970 年>

ROY:これもうビートルズがもう終わる直前だと思うんですけど、プラスティック・オノ・バンド名義で“新たな自分ができるんだ!”みたいな勢いと言うか“ビートルズじゃなくてもやれるぜ”みたいなそういう勢いを感じるんですよね。実際そういう時期だったと思うのでバッ!と前に踏み出す感じがすごいロックロールの感じだと言う。また初期衝動が彼の中で湧いた瞬間なのかなと。

2位:Bad Boy <1965 年>

ROY:これはラリー・ウィリアムズのカバーではあるんですけども、もうこの歌い方は本気でロックンロールを愛してるって言うか。めちゃめちゃシャウトしてますし。
グローバー:僕多分その元の曲聴いたことない、結構違うんですか?
ROY:多分彼の中では何か変えようっていう感覚はないと思うんですよね。
YO-KING:ないよね!そのままやってる。
ROY:やってる人が違うので違いはありますけど、でも本人はそのままやってるんだと思うんですよね。
YO-KING:分かる。コピーしたつもりでも本人が出ちゃうって人はやっぱ本当の才能だと思う。自分はコピーしてると思ってんだよね。どうしても溢れちゃう。
ROY:いやぁこれはシビレますよね。

1位:Twist And Shout <1963 年>

ROY:もうやっぱり自分のやろうとしてるものを超えてしまった。このレコーディングしてる時の自分のコンディションが悪い、上手く歌えない。そこで“なにくそ!”って感覚で歌ってしまったっていう感覚が自分の思ってるものを超えたものが出てるって言う事で。結局この後もこれ以上のシャウトは超えられなかったんじゃないかなと。いちばん最高のシャウトを見せてるのがこの初期の曲。しかもさっき話した『ROCK’N’ROLL』ってアルバムでカバーをしたルーツ・ミュージックなんかはジョンが新たにポップスとして届けられるって言う形でカバーしてるものだと思うんですけど、この「Bad Boy」とか「Twist And Shout」はただコピーしてるだけなんですよ。だけど原曲を超えるっていう。だから「Twist And Shout」はビートルズの曲じゃないの?って思ってる人もしかして居ると思うんですよ。それぐらい自分のモノにしてしまってる。

■ジョン・レノンの魅力

グローバー:時代を越えてくジョン・レノンの魅力、いちばんはどんなところ感じますか?
ROY:今日話してても改めて思ったんですけど、その“人間臭さ”というか、それこそロックをポップスにしたりとかリズム・アンド・ブルース、ブラックミュージックをポップスにしてしまったとか、あと音楽で世界を一つにするとかすごい偉業じゃないですか。でもその主人公は完璧なスーパースターではなくて本当に波もあるし、人の悪口も言うだろうし、そういう人間臭さが出てる。だから僕の中ではアニメの主人公だと“孫悟空”みたいなスーパー太陽ではなくアムロとかああいうちょっとも影があるんだけど、なんかこう人を惹きつける魅力があってそして自分がやらなきゃいけないって言った時にすごい力を発揮するみたいなそういう人だと思いますね。その人間臭さみたいなのとプラス彼がやってきた偉業の数々、そこがなんかミスマッチと言うか“こんな凄いことしたのにこんな人なの?”みたいな。そこが愛されてやまない理由かなって気もしますね。
グローバー:YO-KINGさんはいかがですか?
YO-KING:オープンな姿勢がすごいなと思っててプライベートもガンガン出すでしょ。あとベッドインとかさ、いろいろイベントをやってたじゃん。自分の私生活を公開することで平和になるんだったら何でもやるみたいな時期もあったじゃん。あのオープンさがすごく逆に今の時代に必要と言うかどんどんオープンになってくとは思うんだけども、それをあの時代にもうやっちゃってて今SNSがあるから透明化社会になるって言われてるけどもうあの頃やっちゃってるわけじゃん。
グローバー:そうですね、これだけSNSでみんな出しだすと今度どういう自分を出そうかってでセレクトするようになってきてジョン・レノンとかの感じとちょっと逆かもしれないですよね。
YO-KING:そうかそうか、更にね。ただジョンはオープンにしてんだけど更に隠してるとこもあるんですよ。そこも含めた器のデカさがすごかったんじゃないかなと思って。オープンにできる部分だけで世界にあれだけインパクトを与えた。その背後にもっと闇もあるだろうしそこをファンはみんな想像するしかないんですよね。
グローバー:だから今だにみんな気になってしょうがない存在なんですね。

■キャッチコピー

ROY:「ジョン・レノンとは… 未完成のヒーロー」である!
やはりヒーローって言うとまあスーパー太陽みたいなことを想像しがちなんですけど、そうではなくて不安も抱えて影もあってなんかそれを全て見せる。でも“地球にはもう彼一人しかいない”っていうような未完成さ、人間臭さみたいなモノを持ったヒーロー。

YO-KING:「ジョン・レノンとは… 世界のガキ大将」である!
不良少年=ガキ大将っていうまんまわがままし放題して、でもすごく優しくて、そのまんま世界中のガキ大将になっちゃった。ツッコミどころ満載なんだけど、そこは人間力でカバーしてみんなから愛されてるっていうね。

2週に渡るレジェンド『ジョン・レノン』ラストは「Badboy」で締められました。

PLAYLIST

What You Got / John Lennon

Jealous Guy / John Lennon

Twist And Shout / The Beatles

Sexy Sadie / The Beatles

SUN AFTER THE RAIN / THE BAWDIES

Badboy / The Beatles


■放送後1週間は右のRadikoタイムフリーボタンでお聴きいただけます。
■真心ブラザーズの詳しい情報はオフィシャルサイト
■THE BAWDIESの詳しい情報はオフィシャルサイト

来週のレジェンドはMr.Children!ゲストには、CHEMISTRY川畑要さん、長濱ねるさんをお迎えします。お聴き逃しなく!