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2016.06.19

小林さんは、公共トイレの設計を中心に手がける、一級建築士。
1988年に瀬戸大橋が開通した際、香川県側に作った5億円の公共トイレの設計に関わった事をキッカケに、『日本のトイレ文化の改革者』として、28年にわたって活躍。商業施設、駅、公園、学校など、国内外200カ所以上のトイレの設計を手がけていらっしゃいます。
色んな人が使う、「公共のトイレ」。
設計を手がける上で、大切にされている事、工夫されているのはどんな事なんでしょう?
「設計で心がけているのは、やっぱり入ろうとしていた時に『あっ!ここのトイレだったら安心だ』と思えさせるようなトイレですね。私たちが、なんか恐ろしそうだから止めようというのは、なんかファサードでなんとなく予感しますよね。違うかもしれないんですけど、ちょっとそういう風になるので、割とオープンで、誰でも行って安全だっていう風に思わせるっていうのが、まず1つありますよね。入り口で。それから入りますと、狭っ苦しい所では、ほっとできないので、できるだけ広々とした所。トイレって狭い所しか与えられなかったりするので、だけど広く見せる工夫をどうするかってのが2つ目ですかね。だから今トイレの中は女性のトイレで言いますと、全くの個室と、手を洗う所で気持ちをしずめるたりする所と、あとパウダーで次の社会に行く時の準備をする所。社会的な装いをする所だと思いますので、その3点がスムーズに動かせるようにしながら、都会の中の泉のような場所っていう風に、なんかイメージを作ってやっていますけど。」
28年にわたって、「公共トイレ」を設計している小林さん。
たとえば、JR秋葉原駅の近くに、小林さんが手がけた有料の公衆トイレがあるんですね。天井も高く開放的な空間になっていて、「街の中の個室」として、プライバシーが確保できるスペースになっています。こちらは、1回100円で使う事ができそうです。
その他、東京駅にある大丸百貨店、湘南ステーションビル、「ラスカ」のトイレなども手がけていらっしゃいます。
現在は、都心の商業施設、公共の交通機関がメイン。
学校、病院、公衆トイレ、また地方の商業施設や交通機関は、まだまだ整備されていないそうです。
小林さんは、2020年に向けて、こんな思いを語ってくれました。
「今の人たちって海外からの観光客って団体旅行だったりだけではなく、個人で色々動いてらっしゃいますね。で商業施設や大きなビルディングの中のトイレは綺麗になってますけど、そうじゃない街場のトイレはあんまり綺麗じゃないわけで、そこら辺にもいらっしゃる可能性があるっていう事が海外の方が多くなるであろうという時に向けて、なんとか底上げしたいなという事。それから多機能トイレという国の整備が非常に充実しているので私たちもトイレを作る時は必ず多機能トイレはこれだけ作って、こういう仕様にしなさいっていう決まりがありますね。それを守らなければいけない決まりになってますから、いいトイレがドンドン増えているのは確かなんですね。だけどそれで皆さん、障害を持っている人は百人百様なので、皆さんが使いやすいかどうかっというそうではない。そういう意味では多機能トイレの更なる充実。障害を持った人たちに対する色んな充実がこれを機にできるといいなと思いますね。」
トイレに求められる部分って時代と共に変化してきている部分ではあると思いますけど、障害者の方々は普段の生活の中で、ここの場所のここに、こういうトイレがあるかな?とか、凄い本来そういう事を考えながら多分動かなきゃいけない部分も多いでしょうから、こういうトイレの配備っていうのは外国の方しかりですけど、障害を持った方にもトイレが一番、人にとって優しい場所であって欲しいなって、オリンピックに向けて増えてくるといいですよね。
設計事務所ゴンドラ