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ゲスト|guest

樹木医 和田博幸さん

プロフィール|profile

1961年年、群馬県生まれ。東京農業大学農学部農芸化学科卒業。
財団法人日本花の会主任研究員。桜の名所づくりや名所づくりのための調査、試験研究を担当。2000年に樹木医に認定され、国指定天然記念物の山高神代ザクラ(山梨県)などの調査や樹勢回復に当たっている。

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都内の桜をはじめ、日本最古の桜などを診断しているツリー・ドクター、和田博幸さんが「人との絆」を語ります。

「ツリー・ドクター〜桜と 人との絆」

日本最古の書物『古事記』にも登場する桜は、古来から日本人にとって特別な存在だった。満開の桜がみせる圧倒的な美しさに、神秘すら感じてきた。
毎年ニュースを賑わせる桜開花宣言!街がピンクに染まり始めると、人々は花見にくりだし、レジャー気分を満喫する。そんな春の象徴として愛されている桜を、一年通して見ているのが、ツリー・ドクターである。

今から27年前、大学卒業後すぐに日本花の会の職員になった和田さん。そんな駆け出しの頃に、元東京農業大学教授で理学博士の林弥栄さんから言われた「言葉」があると、和田さんは言います。それは今も和田さんの心の中に大切にしまわれています。

「山にある野生の桜は、種をつけてまた芽生えるんですけど、ソメイヨシノなど園芸品種と言われている桜は親と同じ桜は咲かないんです。同じ子孫を残すことはできない。だから人が接木をして次の世代を残していかなければならないのが園芸品種なんです。『伝統文化と同じで、これを絶やさないようにしていくことが僕らの仕事だ』って林先生から言われたことが、今も印象に残っていますね」


東京のお花見スポットの中には、地元の方々によって守られている桜がたくさんあります。
そのひとつが、中央線国立駅の桜。駅前から一橋大学に向かって伸びる大学通りに植えられた150本の桜は、開花の時期に花見客で大賑わいとなります。その桜を守り続けるために、地元の人は、和田さんからアドバイスを受けています。
「国立桜守」樹木医の間に、心の絆がありました。

「たとえば、国立桜守の方々は、自分たちで堆肥を作って定期的に桜の周りに撒いたり、お花見の時期は人がたくさん来るので、桜の根元に人が入り込むじゃないですか、それをやんわりと、入らないで下さいと伝えるために、秋に花の種を蒔くんです。
そうすると桜の咲いている時期に花が咲くので、まさかそこまで入り込むことはないでしょ?そんな工夫もしています。その人達と十数年おつきあいしてきて、向こうはわからないことは僕らに尋ねてくるし、僕らは市民活動とはどういうものなのかを教えてもらえてる。
お互いに良い関係ができているんですね。

桜の健康を維持するためには、とにかく、ずっと見続けて、その都度対応してあげることが大切なんです。
見続けることはやはり地域の人しかなかなか出来ないことなので、できればこの活動をいろんなところでやってもらいたいなと思っています。
実際に都内には、桜の維持を自分たちでやっていこうという人たちのグループが10ぐらい出来ていますね」

日本樹木医会

日本花の会

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