「トラブルに巻き込まれないための物件探しテクニック」


横浜の「傾きマンション」も問題になっていますが、
それ以外にも「騒音」や「迷惑住民」など
物件広告では中々、分からないコトも多いですよね。
今日は、「トラブルに巻き込まれないための物件探しテクニック」を

『訳あり物件の見抜き方』の著者・南野真宏さんに伺いました!

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・南野さんも過去に「訳あり物件」当たってしまった経験があるとか?

 騒音まみれの物件や雨漏り物件、ネズミが電気系統かじって
 しょっちゅう停電する物件など公私で色々ありますが、極め付けは、
 過去に12人が毒殺された帝銀事件の跡地に建ったマンション、
 これを知らずに借りたこと。


・そもそも「訳あり物件」とは?

 土地や建物に瑕疵、平たくいうとキズがある物件のことです。
 えてして事故物件とイコールに思われがちですが、実は大きく四種類存在します。
 一つは、今回の横浜のマンションのような建物の傾きや土壌汚染などの「物理的瑕疵」、
 二つ目は、市街化調整区域や都市計画道路指定で建築制限がある、
 或いは建築基準法に違反しているなどの「法的瑕疵」、
 三つ目は、騒音・振動・悪臭・迷惑住民・嫌悪施設といった「環境的瑕疵」、
 最後四つ目は、自殺や殺人事件が過去にあったという様な心理的瑕疵です。


・実際の例では、どんな物件がありますか?

 栃木県の物件で、私が知る限り一番インパクトのある物件なんですが、
 中古の一軒家の広告の備考欄にこう書いてありました。
 「雨漏りあり、心理的瑕疵あり(賃貸時代に借主が庭で焼身自殺)、境界非明示、
 接道義務を果たしておらず違法建築状態でローン不可」。160坪で780万円でしたけど。


・不動産屋には、どこまで告知責任があるんですか?

 宅建業法35条に説明すべきと定められている事項があります。
 具体的には登記された権利の種類や内容、物件に関わる都市計画法や
 建築基準法の概要などですが、それらを除くと、やはり業法の47条に
 「相手方等の判断に重要な影響を及ぼすこととなるもの」に関して
 故意に事実を告げなかったり嘘をついてはいけないとあるだけで、
 わりとふわっとした定めしかありません。
 判例などを鑑みて、瑕疵として現状認められていることを
 重要事項説明書に記載するなどして告知しているのが現状です。


・ネットのおかげで「訳あり物件」は隠し辛くなっている?

 確かにそれはあると思います。
 ネットで告発があったり、ネット検索で問題を発見できたり。
 ですが、ネットに出ている情報はあくまで氷山の一角に過ぎないと自覚することが大切。
 私もネットで調べたにも拘わらず、帝銀事件の跡のマンションだと
 気づかずに借りましたから。


・物件広告から「訳あり」だと読み解くヒントは?

 広告の下の方に、備考欄があって、そこにさりげなく問題となる内容が
 書いてありますので注意してみて下さい。具体的には、「埋設物あり」とか
 「地盤沈下の影響があります」とか「市街化調整区域につき再建築不可」とか。
 「厚木基地の航空機騒音があります」というのもあります
 「バルコニー側はお寺さんの墓地なので静かな環境です」
 というのもありましたね。でそんな中で「告知事項あり」
 とだけ記されているのは、大抵は人が死んでいる心理的瑕疵物件です。

・その他、物件トラブルに巻き込まれないようにするにはどうすれば?

 契約する前に「こんな物件だったら要らない」とあらかじめ伝えておくこと、
 実はこれが一番大切です。
 今回の横浜のマンションみたいに欠陥内容がはっきりして、
 売主がその非を認めるケースはともかく、普通は売主や貸主側も抗弁してきますので
 契約解除までみとめられる事例は多くないのが現状です。

 環境瑕疵や心理的瑕疵については、
 通常一般人の受忍限度内として、損害賠償すら認められないケースも少なくありません。
 要は、裁判で隠れた瑕疵、キズと見做してもらえないんですね。

 なので提唱しているのが、あらかじめそれは嫌だと言っていたじゃないかと
 争いましょうという民法95条の錯誤の意思表示を援用した考え方です。


<南野さんの本のお知らせ>

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2015年11月20日 17:00
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