J-WAVE SELECTION DIALOGUE RADIO~「囚われのキミは、」と13人のキャストたち

ON AIR

2023年7月30日(日)
22:00~22:54

日曜夜10時、毎週週替わりで厳選した企画をお届けするJ-WAVE SELECTIION 。
7/30(日)の放送は DIALOGUE RADIO ~「囚われのキミは、」をお届けしました。
目を使わずに真っ暗な空間を進む体験型ソーシャルイベント「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」。
この「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」チームが制作する夏の限定プログラム
リアル対話ゲーム 囚われのキミは、」が7/29(土)より竹芝にあるダイアログ・ダイバーシティ―・ミュージアムでスタート。このイベントは視覚障がいだけではなく、様々な障害や環境の中で暮らす方13人のマイノリティーがキャストとして参加します。

今回はこの公演の事前準備からスタートするまでのキャスト達のチャレンジを取材し、
54分のラジオドキュメントとして放送。マイノリティとマジョリティそれぞれが出会うとき、いったい何が起きていくのでしょうか?
ナレーションは山中タイキが担当。


DIALOGUE

【ナレーション】

レイチェル・チャン/こんばんは、レイチェル・チャンです。
日曜日の夜10時は毎週週替わりでJ-WAVEが厳選した企画をお届けする特別な時間。J-WAVE SELECTIONをお送りしています。
目を使わずに、真っ暗な空間を進む体験型ソーシャルイベント。ダイアログ・イン・ザ・ダーク。
今晩お届けするのは、このダイアログ・イン・ザ・ダークチームが制作し、昨日から始まった夏の限定プログラム、リアル対話ゲーム「囚われのキミは、」の準備から、公演がスタートするまでを取材したラジオドキュメントです。
このイベントは、視覚障害だけではなく、様々な障害や環境の中で暮らす方13人がアテンドを務めています。

マイノリティとマジョリティそれぞれが出会うとき、いったい何が起きていくんでしょうか。
公演スタートまでの1ヶ月を取材したその模様をお聞きください。

【番組タイトルコール】

J-WAVE SELECTION DIALOGUE RADIO
~「囚われのキミは、」と13人のキャストたち

【稽古の様子】

スタッフ/今ちょうど実は、体育をやっている時間でして、体育をLGBTQでいくと、ゲイのちーちゃんという人が担当して今、体育をやっています。

(みんなの声/部屋で体の一部だけを使って行う授業の風景の音が流れています)
もうちょっと!!
いえーい!!
26秒!
すごい!!(拍手)
すごい汗かいた。

ちーちゃん:例えば、部位を変えてもいいよ!よーいスタート!
みんな:がんばれー!意外と、意外とちょっと!いけたいけた!
スタッフ:22秒!
みんな:さっきより早い!

【スタジオ】

山中/山中タイキです。
これは今からおよそ1カ月前、「リアルタイムゲームⅡ『囚われのキミは、』」の開催に向けた練習風景です。
なにやら体育の授業を行っているようでしたが、今回のリアル対話ゲーム、その舞台設定は学校。このイベントではさまざまな障害や環境の中で暮らすマイノリティ13人がキャストとなって、参加者を迎え入れてユニークな授業を展開していくとのことですが、まだ顔を合わせたばかりというキャストたち。どんなふうに授業を進めていくか試行錯誤が続きます。

【稽古を終え振り返りの様子】

スタッフ:最後に、みんな絶対にやり方がわかってるはずだから、1回で46秒が26秒に短くなったじゃん!、あの時みんなで「イエーイ!」ってやって2回目ができて「イエーイ!」って、その「イエーイ!」をどんどん増やして達成感を作って、みんな一丸になってほしい。チームのきっかけ作りをしていって欲しい。結局ここのリアル対話ゲームはチームで過ごすことだから。大丈夫?
みんな:OK!
スタッフ:ほかにみんなが伝えたいことがあったりする?ここ良かったよとか!何かここ、こうしたらとかっていう、何かポイントとかもしあったら、ぜひ伝えあって!
ぐみ:はい。ぐみです。例えば、こちらからそうしてくださいっていうんじゃなくって、お客様の方から自発的にこの姿勢はどう?みたいな感じで例えば四つん這いになったりとか、なんか座ったりとか、そういうのが出てきたときに、じゃあ、どちらかと言うと、いや、それをやめさせてて、そうじゃない方向に行こうというふうに誘導した方がいいですか?
大橋弘枝:そうそうそう!そうですよ!
ぐみ:ありがとうございます。
スタッフ:ここに、「ここは体育の時間、みんな同じ体とは限らない」っていう言葉が書いてあるよね。その中で、みんなで一緒に遊べる今までにない新しいスポーツっていうことを、自分の中でしっかり唱えていかなくちゃいけないと思うから、それを忘れそうになったとき、伝えるのは私達(スタッフ)だけじゃなくてキャスト同士でも伝え合わなくちゃいけないと思うの。
だから「私はこう思う」とか、「私だったらこうする」と思うってことをもっとみんなが意見を言い合っていいはずなんだよね。だけど今は(それが)出てこないんだなあと思って、「そっか」と思った。だからもっと、どうやったらここのキャストみんながよくなっていけるかということを もっとみんなでやって行った方がいいんじゃないかなって思ってます。

【スタジオ】

山中/練習後、キャストとスタッフによる反省会の様子です。
そして音楽の授業に向けての練習では...

【稽古の様子】

きゃさりん:自由に自分の好きなフレーズを、ワンフレーズ
ゲスト役複数人数で:ワンフレーズ…?
ゲスト役:どうしよう。とりあえずでいいので。あんまりいっぱい言っちゃうとまとまらなくなっちゃう。
ゲスト役:たくさん書いたら駄目なの?1個?
きゃさりん:うん、1個。
ゲスト役複数人:1個?1個?わかった。
ゲスト役:1個ってさ、文章でもいいの?
きゃさりん:文章でもいいよ。
ゲスト役:あ、文でもいいの?
きゃさりん:文でもいいよ。言葉じゃなくて。
ゲスト役:言葉はダメなの?
きゃさりん:言葉でもいいけど、うんと~例えば「青い空に」とか、でもいい。
ゲスト役複数人:「青い空に」とかとかでもいいのかぁ~。うーん・・・

【振り返りの様子】

スタッフ:これはジョニーに聞きたいんだけど、「みんな読んでみて」って言われた時に、ジョニーは「並んだことば」っていうのは読めないじゃない? なんていう言葉だと、いいのかな? 要は並んだ(コトバの)順番を、バリジョニーのためにみんな、誰か読んでって言ったの。そうすると、さっきの聞こえない人にフォーカス当たっているみたいに感じになるような気がしたのね。その時、ジョニーはどう思ったかな?っていうことを聞きたいんだけど・・・。

バリ・ジョニー:えっと、ちょっとどういう言葉がいいかっていうのは、私もまだ考え中で、誰かのために、例えば「見えない人がいるからこうしよう」とか、「聞こえない人がいるからこうしてあげよう」っていうのはあまり気持ちのいい言い方じゃないなっていうのは思いました。じゃあ、なんて言えばいいんだっていうのは、ちょっとまだ私もはっきり見つけきれてない・・・・・・。

【スタジオ】

山中/なんと、耳を使わないという音楽の授業。それをどうやって実現させていくか、キャストたちから様々な意見が出されました。
今回の13人のキャストたちは、それぞれの障害や特性、そして生活する環境も実に様々。こうして練習と反省会を積み重ねてきましたが、お互い初対面ということもあって、その方向性を合わせるにも一苦労。
7月29日の開催が迫る中、途中、こんなミーティングが行われました。

【研修の様子】

志村真介:ちょっと考えてみてね。それでもう一つ提案があるんだけど、俺が喋ってるところで、ゆうか、俺の右手はゆうかのどちら側?
スタッフ:あ~(笑)・・・それは難しい質問
志村真介:ちーちゃんに聞いてみよう。俺の右手はちーちゃんのどちら側?
ちーちゃん:僕から見て左側
志村真介:そうだよね、俺が右って言ったらみんなから見たら左側なんだよ。これって、相手の立場になれればキャストになれるんだけど、普段自分が中心だから、俺も自分が中心だから、ゆうかの右側を俺の左だってすぐに反転できないんだよね。なのでね、これミーティング出るときに一つルールがあるの。目を使ってない人と共有のイメージを持つために。俺は12時として見て時計の。そうするとゆうかは何時?俺12時。
ゆうか:6時。
そう、そうすると? ゆっとんは何時?
ゆっとん:3時。
真介:そうするとじんちゃん何時?だいたいで
じんちゃん:7か8くらじゃない?。
志村真介:そうだよね。そうするとさみんな全員に聞かなくても、どこにいるかってわかるじゃない。初め俺が伝えたことは、俺の右はゆうかの左だった。でも俺の12時は、のんちゃんにとって12時なの。ゆうかにとってののんちゃんが、例えば1時ぐらいじゃない。だから、どこにいても、みんなのポジションもそれで分かるの。これクロックポジションって言うの。時計のポジション。ただ、12時がちーちゃんになると、俺は6時だよ。だから、基準がいるってことだね。そのチームで基準さえ決まれば、全ての位置が分かる。

【スタジオ】

山中/様々な障害や特性を持つキャストを集めてお話しているのは、今回のリアル対話ゲームⅡ「囚われのキミは、」の会場となっているダイアログ・ダイバーシティミュージアム対話の森の志村真介さんです。

志村真介(以下、真介):マジョリティとマイノリティの問題をやるわけじゃないの。みんなが明確に伝えられないと、マジョリティと分けられるとかそんなこと言ってる場合じゃないよね。だから要は、マイノリティはどんな人だと思いますか?
ふじたん:みんなが言う「普通」というカテゴリーにいない人たち。
真介:・・・ふーん、なるほど。みんなには普通が、みんなの「普通」は一つかどうかは別として、みんなが思う「普通とは違った人たち」、すなわちそれはもう少し明確に言うとどういう人?
きゃさりん:違う…人。違いがある人。
真介:うーん。概念でいうと、すごいろんな「違い」とか、「普通」とかっていうのが多分出てくると思うんだけど、じゃあ今皆さんは、ニックネームをこうシールで貼ってるんだけど、ここにもし「マイノリティ」ってシールがあったとしたら、誰に貼る?
めぐ:さっき話の中でもあったんですけど、まあ、そう…状況によって貼るシールが変わるなと思っていて、普段の生活の中では聞こえるので私はマジョリティにはなるけれども、ろうの方達と呑んだりとかする時には、私だけ聞こえたりするので、その時はマイノリティになっていて・・・。
真介:そうだよね。けっこういろんな(ことが)、考えられるよね。例えば、ボノさん※は…ボノさんの、うーん、通帳を今、ちょっと見せてもらおうか?ゼロがいっぱいあって…
みんな:ふふふ。ふふっ。(みんなの笑い声)
真介:多分、十兆円くらい持ってる。
みんな:おーー!うひゃひゃひゃ・・・
スタッフ:(笑)すごい頷いてます。
みんな:ふふふふふふ。ふふふ。(みんなの笑い声)
真介:十兆円もったボノさんは急に俺たちなんか見る目が違わない?
みんな:おぉー。ふふふふ
真介:さっきまで仲間だと思っていたボノさんがたまたま十兆円持ってるだけで・・・
スタッフ:(うひゃひゃひゃ)、すごいよ。すごい偉そうになってる。エッヘンしてる。(笑)
真介:なんかちょっと偉そうに見えたり、俺たちとは違うんだぞっていったりする。
みんな:おぉー。ふふふふ
スタッフ:頷きが深いなぁ。
みんな:ふふ。ふふふ。(みんなの笑い声)
真介:じゃあね、十兆円持ってる人?誰もいないじゃん!! ボノさんだけじゃん!
みんな:あははは。(笑)
真介:それをマイノリティっていうよね。皆さんの言い方だと。少数派だと。大切なことは今回ね、自分だけがマイノリティだとは思ってたかもしれない。この20日前までは。
でも世の中には、マイノリティだって言われて、羨ましがられる人も含めて、マイノリティなんだよ。そこをきっちりと握らないと、障害があるとか、何か形が違うとか、そういうこと”だけ”で、今回のテーマ設定をしちゃうと、障害者疑似体験になっちゃう。なので、リアル対話ゲームも、障害者の生きづらさを理解して欲しいっていうことを言ってんじゃない。
皆さんが言ったように、マイノリティは状況によって変わります。そして、立場によって変わります。様々なことで変容するんだけど、マイノリティってなんなんだろうって。その中でも生きづらさを感じてる人がいる。
※ボノさんとは、J-WAVEの番組プロデューサー。久保野さんのこと。この日は自ら音声収録に稽古場にいらしていました。

【スタジオ】

山中:練習開始から20日ほど過ぎた頃、こうしてキャスト同士の対話も行われ、マイノリティという概念について認識を深めていきました。そして実際にお客さんを迎え入れた想定で、こんなやりとりも。質問役を務めているのはダイアログ・イン・ザ・ダークを主宰する志村季世恵さんです。

【研修の様子】

志村季世恵(以下、季世恵):(声色を低めに変えている)ぐみさん、今日はありがとうございました。
ぐみ:こちらこそありがとうございました。
季世恵:私ねもうすぐ定年なんですね。
ぐみ:はい。
季世恵:実は人事をしていて。
ぐみ:おー。
季世恵:障害のある人たちのことを雇用する立場にあるんですけど。
ぐみ:はい、はい。
季世恵:担当としてね。だけど、なかなか上手くいかないわけですね。これってどういうふうにするともっと過ごしやすくなるとか、働ける環境にあるかっていうのの、なんかこう思い、お願いありますか。
ぐみ:会社として、このLGBTQの人の差別を禁止するっていう風に例えば言ってくれると、そのLGBTQの当事者の人、安心する人が多いっていうのと、あとは味方、当事者の人を支援したり応援したりする人のこと、アライっていうんですけども、このアライっていう、アライになる、こうみんなでアライを増やそうっていうふうになってくれるといいなと思います。
季世恵:(また違う声色)私、あの実は音楽の先生になりたくて、今音大に行ってるんですね。で、でも今日ゆうかの音楽の授業、一緒にやってみて、あ、そういうふうな音楽もあるんだなと思ったんですけど、ゆうかにとっての音楽って、どんなふうなんですか。
ゆうか:私にとっての音楽っていうのは響きなんですね。
季世恵:響き。うんうんうん。
ゆうか:例えば響きって言ったら例えば太鼓をたたく時の、ドンドンドンドン。この振動。(その響き)が伝わるだけで、あ、これが音楽なんだってこう伝わるっていうものが音楽なのかなと思っています。
季世恵:へぇ。ヒントがあったら教えてくれませんか。どういうふうにするともっと聞こえない人がいた場合なんかどうしたらいいのかとかって
ゆうか:例えばこうリズムとかっていうのはやっぱり私はわからないので、そこで肩でトントントントンとかこうリズムを教えてくれたり、
季世恵:うんうんうんうん。
ゆうか:ピアノの時はこう触って、ポロンポロンポロンとかこの振動とかっていう色んな方法で伝えることって、音楽の楽しみの一つかなと思います。
季世恵:なるほどなるほど。ああ、分かりました。リズムね、そうかぁ。・・・・
きゃさりん:私達はあのアルビニズム、アルビノって言って色素がないだけなので、あの肌が白かったり髪の毛が金髪だったりとか。唯一困るのは目の、弱視になっちゃってあまりよく見えないっていうところだけが障がいとして持ってるだけです。
季世恵:今きゃさりんも弱視なんですか。
きゃさりん:はい弱視です。
季世恵:ああなるほど。そういう色素の薄い部分のために、目が弱ってしまうとかなんですかね。
きゃさりん:そうです。そうです。
季世恵:珍しいですか。きゃさりん:えっと全世界にいるんですけど、大体2万人に1人って言う確率になってるみたいです。結婚するときとかが一番、特に女の子はあのいろいろお相手が受け入れてくださらないっていうことが多くて、実際うちの姉もちょっとそれで結婚するときに、バトルしました。
季世恵:えっとそれはどういうふうな理由が一番多いんですか。
きゃさりん:どうしても遺伝性のものというふうに思われてるので、子供を産んだときにまた同じアルビノの子が出てくるんじゃないかとかっていうことで、その結婚を拒まれたりとか、うちはそういう血は入れられませんみたいなことを言われることが多いんですけど。
季世恵:ふぅーん。
きゃさりん:ただ、お相手にもその遺伝子がないと出来上がらないので。
季世恵:あっ、そうなんだ。
研修参加キャスト:知らなかった。
きゃさりん:そうなんですよ。1人で子供って作れないのと一緒で、お相手がアルビノの因子を持ってないと1人ではできないんですね。
季世恵:今日はね、「千本ノック」って言ったけど、皆さんの個性を皆さん同士が知ってもらえたらいいかなって思っての千本ノックな気持ちです。多分きっとそれぞれが研修を受けていて、いろんなことはもう知ってるかもしれないけど、もうちょっと皆さんが持っているものを出し合えた方が、いいんじゃないかなってことを直感しました。
それで、皆さんの私がこう質問したことに対しての答えって、すごく素敵だったよね、みんな本音だったじゃないですか。飾ってなかったでしょ。それぞれみんなの気持ちを出してくれると、それがキャストの成長に繋がります。
...はい、ふじたん。
ふじたん:ヒーローに質問
季世恵:ヒーローに質問。はい
大橋:はい!なんですかー?
ふじたん:えっと、私あのお母さんの立場でちょっとお聞きしたいんですけど、息子が聞こえないことでこう勉強が遅れる、遅れるとかいろいろ、あの子供のとき、そのときに、結構厳しく、こうやったんですよね。
大橋:はい
ふじたん:それで、ヒーローとお母さんの関わり、受けた教育とか、あのー何だろう、教えてもらって、こうよかったなって印象に残ってることとかあったら教えて欲しいです。
大橋:あぁ~! 確かにまさしく、親がそこは厳しかった。特に母は厳しかった。でも、まぁもちろん生まれた子供が聞こえない人っていうと、やっぱり育て方がわからない、しかも時代の背景が(今と)ちょっと違うと思う。
やっぱり、聞こえない耳で言葉を生むのはすごい大変なのよ。だから、言葉を覚えるっていうよりも感覚を覚える方の訓練が大きかったかなと思う。そうね、私もけっこうひねくれたし、親に対してもけっこう反抗もいっぱいあったんだけど、一番うれしかったというのはやっぱり親からなんていうんだろう・・・、一語一語  「なんでなんでなんで!」って(親に)詰め寄るのも多いんだけど、親としては絶対言わない言葉が一つあるの。それは「ごめんね」っていう言葉なの。
みんな:へぇ~
大橋:絶対言わないの。「それは自分が悪い」って言われるの。そしたら「ウぅぅーん!」ってなる。怒りかというかなんていうんだろう、自分の行動につながる。自分ができないんだったら、わたし自分でやる、自分でやってみるっていうのをしてれば・・・・・、それでずーっとここまできた。

【スタジオ】

山中/マイノリティとマジョリティ。キャストそれぞれが対話を行い、自分の中で気づきを得ることで、チームは次第にまとまりを見せていきました。

【対話の森での個別インタビューの様子】

ぐろ:知らなかったこと多いなっていうのが本当に実感です。私も手話ができないのもあるんだけれども、そういう人たちが手話で楽しく話をし始めると、もう手話で盛り上がっちゃているので、どうすればいいんだろう。でも手をたたいても音聞こえないしなぁなんて、そういうふうにね、実際的に、あ~こういう時あるの考えてなかったみたいなのはすごくあるんです。
きゃさりん:本当に私自身がいろんな色眼鏡を持ってたなっていうことを感じて、ちゃんとしなきゃとか、こうあるべきっていうものがないと思っていたけど、こんなにあったんだなって。
ちーちゃん:関わり方がわからないなあ、どうしようって思ってた…状態で参加したんですけれども、普通に友達になれたというか、ホッとするなという感じがありましたね。
ふじたん:自分がすごく積極的になったっていうのが、自分でわかるようになりました。あの~、相手のことを知りたいとか、自分のことを話したいって思ってはいたんですが、以前の私はちょっとあまりできない方だったんですけども、ゲストのみんながちゃんと聞けば答えてくれるし、必ず受け止めてくれるっていうのがあるので、こんな気持ちになったのかなと。
しらしょー:一緒にいて楽しいなと思うし、自分も何かその中で視野が広がるし、成長させてもらってるなって思っています。
じんちゃん:この稽古の期間を通して一人一人が考えていることがあたかも自分の事のように感じられ、距離感がぐっと縮まっていくのを感じました。
めぐ:うーんと…、今回のキャストのみんなと話しているだけで、いろんな気づきがあって、心が救われる部分がたくさんあった。

【研修の様子】

(拍手)
季世恵:ありがとうございます。あの、今日皆さんスタッフはね、えっとキャストじゃない人たちも大体いる、いろんな人達が多いので、この場でなくてもどんどん聞いてみて。そうすると、さらに広がっていくと思います。
ありがとうございます。今日のあの話だったどっちかっていうと、困りごとに対しての質問とかに繋がることが多かったんですね。そこからちょっと、もう1個、成長したいと思います。ありがとうございます。
研修参加者:ありがとうございました! 季世恵さんありがとうございました!

【スタジオ】

山中/皆さんありがとうございました。そしてこのたび、13人のキャストによる一つのチームが出来上がりました。

【キャストインタビュー】

ぐみ:今回「囚われのキミは、」のキャストをやっている、ぐみ。レズビアンで、レインボーの国出の百合族です。
しらしょー:見えにくいアヒルの子、しらしょーです。見えにくい中でも別に困ってるだけじゃなくて楽しい生活も送ってるんだよ、っていうメッセージも込めて。
きゃさりん:色素と色眼鏡を持たないアルビニズム、きゃさりんです。私は遺伝子性の疾患で体に色を持たない、色素を持たないです。
めぐ:手話べり大好きな聴者、めぐです。
ちーちゃん:ちーちゃんです。僕はLGBTQのG、ゲイですね。
バリ・ジョニー:目を瞑っても開けても同じ世界が見える人、バリ・ジョニーです。
ふじたん:ふじたんです。聞こえない人を育てる鉄人母ちゃんです。
じんちゃん:私は耳が聞こえない、聞こえにくいです。過去にボディビルをやっていました。
かおりん:かおりんです。聞こえない親の元で育ったコーダ(CODA)、Children of Deaf Adultsの頭文字なんですが、CODAとして育ってきてます。
ぐろ:酒の前では一番元気な筋ジス患者、ぐろです。筋ジスってみんな省略して言ってるんですけれども、進行性筋ジストロフィーといいまして、全身の筋肉が少しずつ動かなくなってしまうというような病気になります。
みこえちゃん:異世界を知っている人のそばにいるみこえちゃんです。実は私の弟が精神障害を持っていまして。
のん:のんと言います。私は低身長で、大体6歳ぐらいと同じ身長となっています。ちょこちょことよく動き回ってます。
ゆうか:ゆうかでーす! 静寂の世界で、よく笑う賑やかなワタシ。私は耳が聞こえないんですけど、小学校の時からずっとダンスをやっていました。

【スタジオ】

山中/昨日、7月29日から始まったソーシャルエンターテイメント「リアル対話ゲーム『囚われのキミは、」舞台設定はズバリ、学校。そこで繰り広げられる授業は、目を使わない美術、耳を使わない音楽、体を使わない体育など、とてもユニーク。もちろん誰でも参加することができます。ここで今回プロデューサーを務める演出家でダンサーの大橋弘枝さんです。大橋さんは生まれつき耳が聞こえませんが、唇の動きから相手の話すことを理解して会話を行っています。また、声に出して言葉を発することができますが、自分の声を聞くことはできません。

【大橋弘枝インタビュー】

大橋:「囚われのキミは、」のプロデューサーの大橋弘枝と申します。
今回はプロデューサーだけではなく、脚本も演出も行っております。
そうですね、舞台が学校になってるので、これまで皆さんが、当たり前に受けていた学校、それが当たり前じゃない学校を受けていただくということで、体験なのでそこにいろんな種類のマイノリティとマジョリティとが一緒に勉強したらどういうふうになるのかな、面白いんじゃないかなというのがきっかけで、それを作りました。

私は生まれて2歳になるかならないくらいで、聞こえないってことがわかって、そこから親の教育の方針で、やっぱり社会に出て行っても困らないようにということで口話を選んで、そしてみんなが、マジョリティが通う公立の学校に行ったんですね。そこで私だけが聞こえないって、他の人みんなは聞こえる環境の中で勉強するということは、かなり、相当きつかったんですよね。もう、先生の口を見るだけでも精一杯で。その頃の私はまだ、言葉の方の種類も少なくて、相手に言いたいことがなかなか意図が伝わらないことが多かったんですね。
だから、何ていうのかな、そのなかで「囚われのキミは、」みたいにお勉強の方法ができたら、もっといろんな面白いことを発見とか、もっといろんな人たちの関わり方ももっと交流ができたんじゃないかなと思ってたんですね。

【スタジオ】

山中/今回の13人のキャストへの演出指導を行ってきた大橋さんは、こんな風に続けました。

【大橋弘枝インタビュー】

大橋:あのー、1番最初にみんなは自分も何ていうのかな。マイノリティについて自分の口から言うことは、あんまりなかったんじゃないかなと思ったんですよね。
というのはなぜかというと、わざわざ自分のマイノリティを言う場所がなかった。(言ったとしても)友達の範囲ぐらいで、自分はこういう人なんだって言える範囲だったんですね。
ところがこの「囚われのキミは、」に関わったことによって、いろんなお客さんと出会うことで、「あっ、自分のことを知ってもらうためには、ここまで説明しなくちゃいけないんだ」っていう、気持ちがこう変わっていく。そしてそこを自分はこうであるということを自信を持ってこう言える姿が、変わってきたんだなーっていうのをすごく感じました。
それまでは自分のマイノリティについて、興味がなかったわけでもないんだけど、別に隠しているわけでもないんだけど、なんて言うのかな。「ここまで言う?」みたいな。だけど、そこまで言わないと相手の方はやっぱり伝わらないし、わからないっていうことなので、その相手がわからないことが、わかったって瞬間をみつけて、実感できたんじゃないかなと思います。

【スタジオ】

山中/J-WAVE SELECTION DIALOGUE RADIO~「囚われのキミは、」と13人のキャストたち

【音楽】

虫食いマンダラ
by.ルナパーク・アンサンブル

【キャストインタビュー】

ぐろ:得意というか強みだと思うんですが、こうやってどんどんだんだん進行していく病気なので、健常者の人と同じように生活していた期間が人生の半分ぐらい。そして病気を持って障害者として生きているのが半分ぐらいなので、どちらの気持ちもすごくわかるんですね。
なので、どっちの話にも合わせていけるというのが私の特技です。
ふじたん:私の息子が聴覚障害を持っていて、その子を育てていくということ。私は手話ができるようになりました。おかげで、手話の資格も取る事ができて、仕事の手話通訳をすることができていますそれで、離れたところへ、(たとえば)ホームと反対側のホームとでおしゃべりした後に、まだ少しお話ができたりとか、いい面があるんです。
バリ・ジョニー:私がは目が全く見えてない全盲なんですけど、私、折り紙が好きなんです。1枚の紙を模様みたいに折る、平織りって言われるようなものとかがけっこう好きなんですけど、そういう折り紙も目をつぶってできるっていうのは、ちょっと特技かなって思ってます。
かおりん:例えば私が幼かった頃は両親と町とか電車とかで手話で会話をしていると、それを見た小さな子供がお母さんに「あれ何やってるの」って聞くんですよね。でもお母さんは「見ちゃ駄目よ」って、なんか恥ずかしい見ちゃいけないものを見るというようなふうに注意をするんです。でも、最近は逆に手話を使っていると、キラキラした目で見てくれる人がいたりとか、教えてって言ってくれる人がいたりだとか、あとは慣れない手話で話しかけてくれたりとか。

【スタジオ】

山中/この時間は目を使わずに、真っ暗な空間を進む、体験型ソーシャルイベント、「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」のチームが制作し、この7月29日から始まった夏限定のプログラム、「リアル対話ゲーム『囚われのキミは、』」に注目。その準備から公演スタートまでの1ヶ月を取材した模様をお届けしています。 マイノリティとマジョリティ、それぞれが出会う時。いったい何が起きていくのでしょう。
このイベントは、様々な障害や環境の中で暮らす方、13人がキャストを務めています。
続いて聞こえてきたのは、今がちょうど1週間ほど前、開催目前となった7月20日過ぎ。本番さながらの通し稽古を終えての反省会の様子です。プロデューサー大橋弘枝さんとスタッフによるディレクションも次第に熱を帯びていきます。

【反省会の様子】

(ガヤガヤした声)
大橋:例えば、「マッチョって言えば、ゲイのイメージがある?」、っていうもののほうが・・・
ちーちゃん:あー、なるほどね。質問持っていけばよかった・・・
大橋:ストレートにいった方が「ああなるほど」とすごい話しやすくなるのよ。マッチョだけといったら、普通のマッチョで終わっちゃう。もったい無いな。チャンスだなぁとおもった。もう一つ、線引きされると怖いっていう話があったじゃない?あれも、うまくゲイの話になったらよかったと思う。だから、さっき友達だったのに急に線引きされたとか、そういう経験あるじゃない?
ちーちゃん:はいはいあるある ふっふふ。
大橋:経験があるからこそ、その話に流れになってもよかったかも。あとは、最後の締めが良かった!
ちーちゃん:ほんと? やったー!!
・・・・・
(シーンが変わる)
スタッフ:なにか怒られそうになったらいい子になるっていう話をしてたじゃない?それを聞いたからこそ、あそこで多分いい子になるんじゃなくて、同級生なんだから、そのいい子のゆうかから囚われをはずしたらどうかな?
ゆうか:そう思った。すぐ外側だけで自分がいるな、 囚われている自分がいるな、ということを言えなかったことが、しまったと思って...。
スタッフ:でも、まぁ、しまったって言うよりは、あのー、今日は話せなかった。何か次に同じことが起きた時にこれを伝えることによって、ゲストにとって、いいな!いいな!と思うならば伝えたらいいんじゃないかな。必ず話さなくちゃいけない、マスト!マスト!と思えば思うほど、しまったって数がふえるんだよね、ゆうかの。それで辛くなるんだと思うの。
ゆうか:そうね。
スタッフ:だから、シャッターとムービーを押し間違えるくらいのゆうかのリラックスさがあって、その中で一緒に関われるくらいの、ちゃんと楽しめるゆうかがいて欲しいなと思った。音楽のこと、私何も問題ない。
(ここから音声がフェードアウト)

【スタジオ】

山中/学校が設定という今回の舞台はゲーム1回につき2人のキャストが参加者を迎え入れて授業を展開していきます。
言ってみれば、ここはいわゆる普通を使わない学校。

【リハーサルの様子。エントランス】

(チャイムの音)
かおりん:わ!すごい!いっぱい集まってるじゃん!
ちーちゃん:ほんとだ!みんなよろしく!みんな丸く集まってもらってもいい?

【リハーサルの様子。音楽】

ゆうか:私の名前はゆうかっていいます。みんなにとって音楽って、どんなイメージがあるかな?
ゲスト:心を伝えるもの
ゆうか:心で伝えるもの? おー!なるほど。ほかは?あ!私と話すときには挙手してから、話してくれると嬉しいな。もうひとつ、チャイムの音が聞こえないので教えてくれると嬉しいな~。

【スタジオより説明】

山中:耳を使わない音楽の授業風景。この日は耳の聞こえないゆうかさんがキャストを務めていました。そして、目を使わない美術の授業。この日はゲイのちーちゃんがキャストを務めていました。

【リハーサル。美術の様子】

ちーちゃん:このクラスでは美術の授業、なんだけど、その前に、みんなたぶん自己紹介やってきたもんね。このクラスは美術なんだけど、えぇーと、これまで普通美術の授業って今までどんなことやってきた?
ゲスト:デッサンしたり。
ちーちゃん:デッサン、あぁデッサンね、あるあるある。他は?
ゲスト/なんか形作ったりとか、粘土とか。
ちーちゃん:作ったりとかね。そうね。なんかだいたい、見てやるものが多かったと思うんだけど、このクラスの授業は目を使わない美術の授業なのね。で、何をするかっていうと、もうねさっきから気になっていると思うんだけど、この箱があるじゃない?(笑)で、この中の物を触ってその触った感じから、多分いろんな言葉が出てくると思う、お互いに。
ゲスト:おんなじ物が入っているってこと?
ちーちゃん:どうでしょう?
(一同笑い)
ゲスト:気になったんだけどね。
ちーちゃん:何が入っているか、お楽しみだね! みんな一斉に箱の中に手を入れて...。

【スタジオ】

山中/キャストと参加者が一緒に作り上げる授業。次第にコミュニケーションも深まっていきます。
ゲストA:私は、はまさん(他のゲストのこと)の話を聞いていて思ったんですけど、囚われることって悪いことなんですかね、そもそも。基準というところや、それを基準が窮屈になってるから囚われることは良くないね、みたいな話になっているとは思うんですけど。でも何かをするときに、例えば5時半に集まれじゃないけど、何かがあることでできることっていうのも、あるのかなっていうとこからすると、囚われているっていうと、やっぱり囚人の囚でもあるから悪いイメージがついちゃうけど。
そもそも囚われてるのが悪いことなんですかね?っていう。
ゲストB:どうだろうね、いい、悪いはない。
みんな:そうそう、そうだよね
ゲストB:捉え方だよね。囚われることが必要なときもあるだろうし、囚われるってなんだろう。囚われることが悪いこととか…ほかの人の意見が聞けるのはいい。
ちーちゃん:全部が悪いわけではないもんね。
ゲストB:囚われることが必要なときもあるしね。
ちーちゃん:余計な囚われっていうのはなんでかな、っていう。
ゲストB:選べるっていうことね…くにがまえに人だから。

【スタジオ】

山中/この学校の校則は、ただ一つ。それは「囚われないこと」。入学資格は誰でも、そしてここには教科書も偏差値もありません。必要なのは、あなたの想像力と感性、そして楽しむ力。
ゲストB:でも、みんながみんな同じだとつまんないなって思ってる自分がいながら、でもあなた違うよって言われると寂しいなみたいなのはあるかも。
ゲストA:寂しいくらいで済むなら全然多分大丈夫だと思う。
(一同笑い)

矯正して直そうとするとこれしかないですね。

ゲストA:そう自分が違うんだからそっちに合わせなければいけないじゃなくて、それを俯瞰してあれ違うんだ・ちょっと寂しいなと。間違えてる!と思うのが囚われてるってこと?こっちにしなければ!は苦しい。
ちーちゃん:そうだね。
ゲストA:でも周りのものには囚われがち。
ちーちゃん:人にどう見られてるかは気にしがちなところがあるよね。いや、面白い深い話ができたのかな?色んな気持ちを話し合っていい時間になったと思う。じゃあ次はいよいよ...(鐘の音)

【対話の森での個別インタビューの様子】

めぐ:やっぱり話す対話の時間を大切にしたいなと思ってます。そしてたくさんの方に対話することの楽しさを知ってもらいたいなと思います。
ふじたん:対応したあとって、すごくなんていうんだろう、高揚した感じというか、ほっこり温かくなる感じっていうのを体験したんですね。そういう気持ちを感じていただけたらなと思います。
しらしょー:本当のそのリアルがそこに出るから、それがお客さんと過ごすとどういう化学反応が起きるのか、伝えられるチャンスではあるかなと思っております。
きゃさりん:やっぱり今までと違った感覚が頭を使ったりとか、耳を使ったり目を使ったり、口を使ったり、体全身を使ったりして表現していく、自分の中で表現していくっていうことが、ますますしやすくなるんじゃないかなっていうふうに思います。
バリ・ジョニー:いろんな思いをしてきた「学校」っていう場所に今、もう一度入るとか、今普段学校に行ってる人もちょっと違う感覚で学校に触れるってしたときに、どんな人でも当たり前にいるのが社会だよっていうのを、一緒にそれを体感したりとか、そんなふうに思ってもらえたらいいなって思っています。
じんちゃん:一人一人、その時に経験したことを持ち帰って、それに対してこれは何なのか、どうしてなのか、どうやってやればいいのかといった問いかけをしながら、想像を膨らませてほしいなと思います。
ぐろ:物事や人っていうのは一面だけ見ればわかったような気になるんだけれども、本当は多層的で、多面性があるんだと思うんですね。そういう自分の知らない部分もあるっていうことを意するっていうことが囚われから解放されることなんだと思うんです。
みこえ:うーん、「何か」でいいです。何かをそれが具体的でなくてもモヤモヤとしたものでもいいし、はっきり「何か」あってわかることでもいいですけども、「何か」を持って帰ってもらいたいですね。

【スタジオ】

山中/ソーシャルエンターテイメント 「リアル対話ゲーム『囚われのキミは、』」は昨日7月29日に開幕し、この後、9月10日まで東京港区竹芝のダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」で開催されます。
「マイノリティとは」、「マジョリティとは」、そして私達は一体何にとらわれているのか、それに気づけたなら。と思います。
あ、もしかすると今回14人目のキャストになるのは、そう、これをお聞きのあなたかもしれません。最後に今回のプロデューサー大橋弘枝さん、そして監修を務める志村真介さんのメッセージです。

ヒーロー:なんかエンターテイメントというと、一般的に何かを発散できるものが多いじゃないですか。だけど「囚われのキミは」がやっているエンターテインメントはソーシャルエンターテインメントで、体験したことが社会に広がっていくものなので、私たちはたくさん種をまいていきたいし、種をもらいに来てほしいですね。
志村真介:「楽しい場」になるといいと思うんですよね。知らないことに出会うってやっぱりちょっと不安だし、理解できないと前のめりになりづらいと思うんですけど。マルティン・ブーバーが言っている「学ぶ唯一の方法は、出会いと対話にある」って言う通り、実際に出会っていくっていうことが楽しいと思うんですよね。自分たちはなかなか、自分のセイフティーゾーンというか、同質性の中にいるとすごく安心すると思うんですけど、自分の知らない世界・知らない人・知らない文化に出会っていくと、初めは違和感なんですよね。その違和感は学びというか成長のためにすごく良いスタートラインで、その違和感がなんだろうって考えながら、自分の知らない世界に行くと、知らない世界を知るというよりは、自分って何だろうとか、自分とその目の前に出てくる人のこれまでの関係は何もなかったのに、「あれ、ひょっとすると、その人と自分は関係あるんじゃないかな」って思う瞬間があるんですね。でも日常生活だとなかなか、その違った文化に出会うということがないので、この「囚われのキミは、」で、様々な自分とは違う人に出会っていくっていう。そういう、もうドキドキするような場になることを期待しています。

J-WAVE SELECTION DIALOGUE RADIO~「囚われのキミは」と13人のキャストたち
(「囚われのキミは、」会場の様子ガヤガヤ、チャイム)
ぜひこの夏、皆さんの登校を心からお待ちしています。
お互いの違いを超えてその先に。

ここまでは 山中タイキでした!

(会場に設置されていいる囚われとい文字パネルから「クニ囲い」を取るラストシーンの音声が流れながらフェードアウト)

<終わり>


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