日曜の深夜。全てのしがらみから離れて
本当に「独り」になっている特別な時間。
人は誰もが不安や悩みを持っているはず。
この番組は、自分の心と対話することの大切さを伝え、
明日への活力を求める人への応援メッセージを
発信するラジオ番組です。
EVERY SECOND SUNDAY
25:00-26:00 ON AIR
人は他人と比較してしまう生き物だと思います。
人より、恵まれていると喜んだり、
人より、うまくいかないと落ち込んだり、
SNSが生まれたことで、自分を誰かと比較する機会も増えてきました。
そんな今だからこそ自分の心と対話する時間を大切にしたいと思います。
何をしたいのか、何が悩みなのか、何に希望を持つのか。
その積み重ねが幸せを感じる近道なのではないかと思います。
幸せは、自分の心の中にある。
第65回のゲストは大門小百合さんでした
〜プレゼントのお知らせです〜
ダイアログ・イン・ザ・ダークを主宰する
志村季世恵さんの著書
『エールは消えない いのちをめぐる5つの物語』を
番組をお聴きの方の中から抽選で2名の方にプレゼントします。
ご希望の方は、この番組のサイトにある
「MESSAGE TO STUDIO」の欄から
番組の感想をお書き添えの上、ご応募ください。
https://www.j-wave.co.jp/original/dialogue/message/index.html
志村:小百合さん、こんばんは。
大門:こんばんは、季世恵さん。
志村:あ、でもこんばんはっていうより、おかえりなさいですよね、デンマークから!
大門:そうですね、戻ってきたばっかりなので、確かに。
志村:時差とか大丈夫ですか?
大門:多分今のところは大丈夫なんですけど、もしかしたら後何時間か経ったら眠くなってきたりとかするかもしれません。
志村:あーここ暗闇なのでね。もしかすると気持ちよくなるかもしれないですけど。
大門:そうですね、いい塩梅で(笑)
志村:本当本当。何日間行ってたんだろう?
大門:えっとですね、私ちょっとテレビ番組に出ているので、月曜日の番組なんですよ。なので月曜日から月曜日の前に帰ってこないといけなくて、非常に短い間、本当に5泊6日、7日ぐらいの感じで行ってきました。
志村:それでギリギリ今日ですね。
大門:そうなんです。
志村:いやー、デンマークって私からするともう子供の頃読んだ童話というか、アンデルセン。
大門:そうですね。
志村:ね〜。
大門:もうデンマークで1番有名な人だそうです。
志村:あ、そうなんですか〜。
大門:アンデルセンが生まれて育った場所ですよね。親指姫とか、みにくいアヒルの子、それから人魚姫とかね。もうまさにみんな知ってるっていうか世界中の人が知ってるっていう感じですよね。
志村:それすごいですよね〜。いやどんな所だったんだろうって後から教えていただきたいんですけど・・・その前にね、私達いつ頃出会ったんだろうってさっき思ってたんですよ。
大門:うーんそうですよね、もしかしたらコロナ禍のとき?今2023年なので、2020年ですかね。
志村:そうですね、きっとね。
大門:ちょうどこの施設、ダイアログ・イン・ザ・ダークの対話の森ができた時に、私を呼んでいただいたんですね。その時にお会いしたんじゃないかなーと思います。
志村:はい、きっとそうです。私の夫の方がね、早くに出会わせていただいて。
大門:志村真介さんに。私が前の会社にいた時に、ジャパンタイムズという会社だったんですけれども、その時に対談で来ていただいたんですね。
志村:あー、そうでしたか。
大門:はい、そして記事にさせていただきました。
志村:ねー、そうでしたよね。ジャパンタイムズもすごく何かお忙しそうなイメージがあったんだけど、今も更にお忙しそうですね。
大門:そうですね(笑)今はフリーでいろんな人とお仕事をさせていただいているので、そういう意味では「何をやっているの?」って言われても「これもあれもやってます」っていう感じで、いろんなことやってますね。記事を書くっていうのもやってるんですけれども、それ以外にも大学で教えたりとか、あとは編集を手伝っていたりっていうようなこともしていて、ビジネス インサイダー ジャパンっていう会社があるんですけど、そこの編集をやったり。
志村:あ、そうでしたか、そうだそうだ。
大門:あとJストーリーズっていう新しいメディアを立ち上げまして、バイリンガルで日本語と英語ですかね。日本の面白い技術だったり、問題解決型のことをやっていらっしゃる方を取り上げたりというようなことで、はい、ダイアログも1回取り上げさせていただきました。
志村:ありがとうございます。そういうふうに架け橋になっていらっしゃるような、世界とね、日本を繋ぐみたいなことってのをすごく感じるんですけど、でも伝えることがすごく大切なお仕事なんだなって思ってるんですけどね、でもそういうふうにお忙しくて頭をいっぱい使っていらっしゃる小百合さんが、暗闇に入るとどんなふうになるんだろうかと思って。
大門:そうですよね(笑)
志村:ね〜。
大門:なんか、最初はちょっと緊張しましたよねやっぱり。見えないから大丈夫なのかなって思うんですけど、何回か暗闇も体験させていただいたんですけど、いつも新鮮な気持ちでちょっと緊張するんですけど、入るとなんかリラックスできるっていうか、なんて言うんだろう、不思議な感覚があります。なので日常のすごく忙しかったり悩みだったりっていうのが、なんか忘れてしまうような不思議な感覚になるんですね。
志村:あ〜そうなんだ。さっき私達はブランコに乗って、暗闇の中でね。
大門:あ〜そうですね(笑)
志村:2人乗りブランコに乗って、楽しかった。
大門:なんか宇宙空間を飛んでるみたいな感じがしました。
志村:あ〜、上下がわかんなくなってくるしね。
大門:いやなんかすごいですね、暗闇でブランコになるなんて考えたこともかったし、乗ってみたら乗ってみたで本当に空飛んでるっていうか宇宙を飛んでるっていうような開放感。多分地上ではというか目の見えてる世界では感じない感覚なんだろうなって思います。
志村:あ〜そっか良かったです。そう、きっと私ね小百合さんはバランスがいいんだなっていつも思っていて、もうキャリアウーマンバリバリって感じじゃないですか。
大門:いや、そんなことないんですけどね(笑)
志村:っていうふうに思われている小百合さんがお母さんのときと、そして一緒に出かけた記憶とか全部合わせると、ものすごくバランスのいい方だなって私いつも思ってて。
大門:あー、ありがとうございます。
志村:それをどうやって・・・全部自然な感じがしていてね。
大門:あーそうですね。たまに天然って言われます(笑)
志村:本当に?そうなんだ(笑)
大門:なんかね、ちょっと堅苦しい仕事に聞こえますよね、ジャーナリストっていうと。いつも怒ってるか、いつも真剣に眉間にしわを寄せて取材してるみたいな、そんなイメージありませんか?
志村:そうそう、そんなイメージあるけど。
大門:でも確かにちょっとそういうところもあったんですよね、効率重視みたいな。急いでるから、常に電車の駅も、例えば階段も2段跳びで駆け上がってるみたいな、そんな生活を若い頃は結構してました。でも妊娠したときに結構変わりましたね。やっぱり妊娠してお腹がどんどん重くなっていくじゃないですか、それはもう、もちろん皆さんそうだと思うんですけれども、初めての感覚だったんですけど、その重くなっていくお腹を抱えながら駅の階段を上がるっていうのがすごい息が切れてしまったりとか、今までみたいに早く駆け上がれないなって思ったときに、ふって横を見たら、おじいさんがやっぱり私と同じように手すりに掴まりながら歩いてたんですね。それを見たときに、あー私ってジャーナリストとか記者って言ってるのに、こういう感覚忘れてたじゃない・・・って思ったときがあったんです。社会にはすごい、普通はこういうことなのに、これを1番理解してないといけない私が、今まで効率を重視してなかった?ってめちゃくちゃ反省しましたねその時。
志村:わー、いいお話・・・そうだったんだ・・・。
大門:はい、なのですごくいい気付きを、妊娠して出産したっていうことが私にとってはすごくいい気付きをくれたなっていう気がしています。
志村:いやーお母さんになってもらってよかったー。それでそのバランスっていうのが・・・子育てでっていうか妊娠出産で出来上がってたんですねー。
大門:そうですね、今から考えると実はそんなこと今ふっと思って、季世恵さんに今聞かれて思い出したんですけどね。
志村:今私なんかはセラピストとしてお聞きしてると、赤ちゃんができたことによって自分のペースが乱されてしまったことが辛いとか悔しいっていう方が多いんですよ。
大門:うーん確かに、今までのようにできないっていうことですよね、自由も利かないし、でも放り出すわけにいかないしっていうところですよね。
志村:ね、その葛藤があるんだろうけれども、今のお話を伺ってると、違ったことも見れるよっていうのがわかると・・・
大門:そうですね、なんか例えば、よく雨降ったりとかしてるじゃないですか、私子供が3歳のときに、まだ足もおぼつかないようなところで傘を持ちたがるんですよね。だからもうフラフラしながら傘持ちたい持ちたいって言ってて、保育園に連れて行くときにゆっくりゆっくり歩くんで、私はもう時間がないし、雨降ってて寒いし、濡れたらいけないし、なんて思って心配してたら「ママ、雨ってどうして降るかわかる?」って聞くんですよ。で、え、それはどういうことを聞いてるんだろう、科学的なことを聞いてるのか、水が蒸発して雲になってっていうことなのかな、なんて答えようって思ってたら、私の娘がですね、あ、みゆって言うんですけど「みゆはわかるよ。あのね、お花さんがのど乾いちゃうからなんだよ」って教えてくれたんですね。
志村:わー、すごい。
大門:なんかそのときに、あ、大人の感覚で、すごく雨だし嫌だし早く次のところに行かなきゃいけないって思ってることが、なんてちっぽけなことだったんだろうっていうふうに思ってしまって、すごい気付きをくれるなって思ったことがあります。
志村:そうか〜みゆちゃん生まれてきてくれてよかった〜すごい、そう〜。
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志村:育児中ってサウジアラビアにいたんでしょ?
大門:サウジアラビアは本当に数ヶ月だったんですけれども、夫もジャーナリストなんですけれども、たまたま夫にサウジアラビアの研究所に来ないかというお誘いがありまして、でも私もジャパンタイムズで編集者の仕事をしてたので、休めないじゃないですか、夫についていこうと思っても。そうすると無理だなって思ってたんですけど、たまたまそれが育児休暇中にぶつかったんですね、子供を産んだ年だったので、そして2人で、もしかして今だったら家族で行けるかも、この1年の間なら!ということで、周りからは無謀な選択だと言われたんですけれども(笑)7ヶ月の娘を連れてですね、行きまして、私も一応研究員という形で、ジャーナリストだということを伝えたら向こうの方がぜひ研究員として来てほしいというふうに言ってくださって、で当時・・・今はね、観光できるようになって、観光ビザもサウジアラビアはすぐ出るらしいんですけれども、当時は観光を受け付けてなかったんですね。それはイスラム教の聖地であるメッカというものがある国なので、巡礼ビザというものはありますし、あとは長期間の勤務で行くときの滞在ビザみたいなワーキングビザみたいのがあるんですけれども、それ以外の観光客みたいなのは受け入れてませんと、まあ異教徒は行けなかったわけなんですね。で、ましてや女性っていうのもあって、どうなのかなと思ったんですけれども、本当に良かったと思います。子育てしながら行ったんですけれども、私女性じゃないですか。そうすると実はサウジの女性たちの話を私が聞けるんですね。男性の記者が行っても女性の世界には入れないし、見れないし、ましてや顔とかも見られないっていうか、皆さん黒いベールに包まれているというような感覚だと思うんですけれども、女性記者が来た!っていうことで、私の友達にも会って!とか、この人に会って!っていう本当にいろんな方がいろんな人を紹介してくださって、すごく楽しい良い経験になりましたね。
志村:どんなことが良かったんですか?
大門:やっぱり女性たちが、実は外から見ているとなにか抑圧されてるように見えたりしてたじゃないですか。そして私も仕事柄、結構欧米の記事を読んでその国のことを知るみたいなこともあるんですけれども、そのときにですね、やっぱりサウジアラビアの女性は虐げられていて、いつもアバヤというね、黒いベールに包まれていないと駄目だし、非常にイスラム教の戒律が厳しい国なので、運転はできないとか、いろんなことが制約されてるっていう、まあそんな話があったんですけど、行ってみたら実は違っていてというか、起業してる方もたくさんいますし、プロフェッショナルな女性がたくさん活躍してるんです。病院ではお医者さんがいたり、学校で教授がいたり、お店をやっていらっしゃる方とか、それはやっぱり男性と女性がね、それぞれ別の社会で生きてるとか、社会の中でも一応男性は男性に対して仕事を提供する、女性は女性にということがあって、女の人は女性のドクターに会って診察してもらうとか、女性は学校の先生も女性だというようなことで、ちょっとそういう意味では社会にプロフェッショナルな女性が必要だということもあって、それもちょっとどうなの?っていう人もいるかもしれないんですけれども、巨大な女子高と男子校だと思うと、あ、なるほどっていうことも結構あるんですね。
志村:なんかわかってきましたイメージ。
大門:やっぱり男子校の中に女性が入ってくと、え?っていう感じでジロジロ見られたりするじゃないですか。逆もありますよね、男子が女子高に入ってきたらキャーとかって言って。なのでそういう意味では、社会全体がそういう国だというふうに思うとですね、あんまり不思議じゃなかったりして、それはそれでいい発想の転換になったなっていう気もしました。
志村:本当だねー。今伺ってよかったです、私もやっぱり知らなかったそこまで。
大門:うーんそうですね。なので必ずしも悪いことばかりではないし、あと女子高のワイワイさってありますよね。女子だけで話すとすごくリラックスして。
志村:経験あります、私女子校育ちですから。
大門:なのでそういう場所もあってもいいのかなーって、もちろん男女一緒にいられる場っていうのはあるべきなのかなと思いますけれども、あんまりその国に対して上から目線というか、横から目線というか、自分の文化とか自分がわかってるもので、物差しとしてそれを測ってしまうっていうのは違うのかなっていうふうな経験でしたね。
志村:そうですね、正しさとかとはまた・・・文化っていうのが、何だろう、その培った文化と自分たちの知ってる正しさがまた違うことってあるもんね。
大門:そうですね。
志村:うーん。で、子育てもそういうふうな中でなさってきて、やっぱり新しい子育ても感じたのかな?女性たちの集団の中での子育てとかってのもあるんでしょうかね、きっとね。
大門:そうですね。なので、サウジの女性たちはまあ少し裕福な方が多かったので、協力して、お手伝いさんなんかもいましたけど、日本だとそうはいかないですからね。
志村:そうですね〜。そうだ本当に〜。
大門:本当に私はママ友とかパパ友とかっていう、いわゆる近所のお友達に随分助けてもらいましたし、やっぱり子育てって、私はやっぱりコミュニティっていうか、社会全体で子供を見るべきだなっていうふうに思ってるんですね。
志村:本当にそう思います。昔から伝えてるんだけど「子供1人育てるには100人の大人の力が必要だよ」っていうふうに。
大門:100人・・・なるほど・・・
志村:そう。そう思っていくと、自分だけで子育てしなくてもいいんだなって思ってくるじゃない?本当に昔はそうやって言われてたんですって。なので、100人いなかったとしてみても、30人ぐらい思い浮かばない?ってよく言うんだけど、私なんかも4人子供産んでるんだけど、もう1人でなんて全然無理で、親もだったけど、近所の方とかやっぱりコミュニティすごく大事だったんですよね。なので産めて育てたんだなと思うんだけど、これって1人で全部頑張っちゃおうと思ってるときは苦しいじゃないですか、手放せると楽になるんだなって思うんだけど、手放すっていうか、お願いしまーすっていうふうに言い合える関係って言うのかな。
大門:そうですよね、いやもうお願いしちゃっていいと思いますよ本当に。人間って、すごく1人だと弱いじゃないですか。だから大自然の中に1人だけぽつっていたら、多分いろんな野生の動物とかにやられてしまって、人類っていうのは滅びてしまうと思うんですけど、人類は知恵として集団でお互いを助け合いながら生きてきた。だから、また人類が反映してる。そういうふうな話をよく聞くんですけど、子育ても同じかなーなんていうふうに思います。
志村:本当にそうですよ〜。なので夫婦2人でじゃなくてね、1人でもなくて2人でもなくて、本当にご近所さんとかいろんな人たちに関わってもらったらいいなと思って。
大門:そうですね、本当そうだと思う。
志村:あのね、小百合さんがいろんな経験をなさってジャーナリストになっている。で、どんなことをお伝えしたいんだろうとか、どういうことに対して気を遣いながら伝えてるんだろうってこともお聞きしたいなーと思ってました。
大門:あーありがとうございます。私自身がやっぱりジャーナリスト・・・ジャーナリストっていうよりも、まず私自身が思ったのは、英語が好きだったんですね。英語でなにかコミュニケーション取れたらいいなっていうのが最初のきっかけだったんです、外国の人とか。で、コミュニケーション取れたときの喜びってあるじゃないですか、片言の英語でも通じた!とかね。それを極めたいなーなんて思ってたんですけど、大学時代にNHKでアルバイトをして、そこで報道の世界っていうのも知って・・・っていうことがあったんですけど、興味を持ったっていうのが1つあります。で、英語っていう最初のコミュニケーションツール、自分が話せたらっていうのから、だんだん英語でもっと伝えられたら世界はもう少しいいものになるんじゃないかっていう、すごく大きな夢ですね(笑)お互いが理解できれば、もっと世の中よくなるんじゃないかな、もっと伝えないと駄目だよねっていうのがあったんですね。なのでジャパンタイムズという会社は英字新聞だったんですけれども、英字新聞に入って英語で記事を書くなんてちょっと難しいかも!と思ったんですが、いろいろ紆余曲折というか、もちろんたくさん挫折もありましたけど、いろんなことで日本語で取材をして日本でこんなことが起こってるよっていうことを海外の人に伝えるっていうのも、ある種私のジャーナリストの経験の中でミッションになって行ったのかなーっていう気がしています。
志村:あー、そうでしたか。
大門:はい、やっぱりお互いを知らないと壁ができるというか、誤解ができて、そしてそれがどんどん発展していくと、戦争になってしまうとか、差別に繋がったりとかですね、あると思うんですけど。
志村:今ね、そうだもんね。
大門:なので会社ではいろいろ経験させていただいて、政治だったり経済だったり、いろんな社会の問題だったり、いろいろ取り上げさせていただいたんですけれども、なかなか日本の事象を海外の人に伝えるって難しいところもありますよね。
志村:いやそうでしょうねー。
大門:なんか理解してないと、その意味っていうのが伝えられないとかですね、あと日本人として当たり前だと思ってることが海外の人には当たり前じゃなかったりっていうことがあったりするんですね。例えば、自衛隊っていうのをミリタリーって訳してしまうと、違うかなーとか。なにが違うの?とかですね。まあ1つ1つ学校の仕組みだったり、それから男性と女性の関係、結婚とかいろいろあると思うんですけれども、やっぱり一言では誤解を生んでしまう。だから丁寧に、まあ自分も理解しなきゃいけないし、それを丁寧に言葉にして伝えるっていうのも大事なのかなーっていうふうに思ってます。
志村:確かにそうですよね。たった一言が違った方向に行く場合もありますものね。
大門:そうなんですよねー。
志村:私コロナ禍の時に、小百合さんが発信なさっているニュースを聞くのが1番私にとっては良かったんですね。Clubhouse。
大門:音声メディアのClubhouse。
志村:そうそう、で、なんか情報が偏っていってしまってるような気がしていって、今もそうな気はするけど、そこに小百合さんの番組を聞くことによって今何が起きてるのか、コロナ以外にも。コロナもそうだけど、その中で他のことも動いてるってことを知りたかったので、小百合さんのとこに行っていればなんか私の欲しいものがもらえるって思ってたんですよね。
大門:嬉しいですそれ・・・はい。
志村:そうやってね、どんなときでも本当は伝えようと工夫すれば伝えられるんだなっていうのも知ったんですよね、小百合さんの行動を見たときに。で、今私達って知らないことがたくさんある気がするんだけど、例えば今この時代に起きていること、それはどういうふうに感じていらっしゃるのかなって思っていて、それもお聞きしたかったんです。
大門:そうですよね。やっぱり知らないっていうことが人を不安にさせたりとか、それによって敵対心っていうのかな、敵対心を持ったり、さらに不安を煽る人が出てきたり、そして対立になったりっていうのもすごいあると思うんですよね。お互いが本当は隣同士で、戦う必要はないのに、なにかのボタンの掛け違いでとか、それから相手をやはりリスペクトする、知るっていうこと、知ってリスペクトするっていうところが欠けてしまうと、とんでもないことになってしまうような気がするんですね。だから、今メディアがガザの地区でこんなに大変になってますっていう話を流すと共に、イスラエルの被害に遭った人たち、ご家族が人質に取られてる人たちっていうのを、やはりその人たちの話も聞く。双方の話をやっぱり伝えて、皆さんがどう思うか。お互い憎しみ合うだけじゃ駄目だよっていうのを、なにか解決策を見出せればいいなっていう、なんかそれの解決策の糸口になるようなことを、やっぱり本当はメディアがやるべきことなのかなというふうに、今のね、この世界の状況を見ながら感じるんですけどね。
志村:本当ですね。
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志村:あのね、ふと思い出したんですけど、樹木希林さんと私親しかったんですけど、樹木さんのご近所でね、よく兄弟喧嘩をしてる子達がいたんですって。とにかく殴り合いじゃないけどすごかった。路上で始まっちゃったのかな、それで慌てて希林さんが、もう靴も履いたか履いてないかわかんないぐらいの状態で飛び出して行って、それでボコボコにしてしまっているお兄ちゃんの方を抱きしめたんだって。
大門:えぇ!?はぁー・・・
志村:自分だって殴られちゃうかもしれないじゃない?でも抱きしめて「わかるよ、わかるよ、あなたの気持ちわかるよ」って言ったんだって。
大門:いやー、すごい話ですね。
志村:そう、それでそれを私に話してくれたんだけど、「私にも荒ぶるものがあるからわかるんだ」っておっしゃったんですよ。
大門:なるほど・・・樹木希林さんは自分も照らし合わせて見てた部分もあったのかなー。だからわかるよ・・・知ってたらね、そういうことがあるってわかったら、どういうふうにしてもらったら相手が落ち着くかっていうのもわかりますもんねー。
志村:うーん。多分それは、争いの種は誰にでもあって、私にもきっとあるんですよね。だって大事な人たちが、家族がとかいなくなってしまったりしたら、仕方ないと思えないじゃないですかね、誰でもね。それが、でも自分にもある。そのときに何とかしてやりたいとかっていう気持ちが。それをどうやって考えていくのかっていうのが祈りであったりとか、知恵であったりするんじゃないかって話に落ちていくんだけど、希林さんとの対話の中で。
大門:・・・なるほどねー。
志村:なので、それは行動を起こせる人ってやっぱりすごいなと私は思ったんですよね。もうだって亡くなる癌の末期だったときですね。
大門:あーなるほど・・・。
志村:うん。それでも行動を起こすって大事で、いけない人たちを決めつけるんじゃなくて、どうしてそうなっちゃうんだったっけ?っていうのを考えながら動くのが、やっぱり外の人間なのかなって思います。
大門:えー素敵ですねー。やっぱりそういうのを本当に行動に移せるかどうかっていうのも1つ、変わってくることなのかなって思いますね。あと今思い出したんですけど、さっき私デンマークから帰ってきたって言ったじゃないですか、で、デンマークでの今回の旅の目的っていうのは、取材でもあったんですけれども、デンマークに面白い学校があるんですね。「フォルケホイスコーレ」っていう、ちょっと聞いたことないかもしれないですけど(笑)これってデンマークの国民学校とか市民のための学校っていうふうに言われているもので、きちんと法律でフォルケホイスコーレの法律っていうのがあるんですね。フリースクールとかそういうのも一緒になってる法律なんですけれども、学業とかを学ぶのではなく、まあもちろん専門性を持った学校っていうのはいくつかあるんですけれども、むしろ大人が学び直したりとか、それから学生さんでも大学生なんかはそのまま大学にずっと行ってそのまま就職するというよりは、ギャップイヤーって聞いたことあります?
志村:知らない。
大門:ギャップイヤーって言って、結構海外の人は1年間お休みを、例えば学業から1年間お休みを取って世界を旅するとか、なにか自分の見聞を広めて自分を見つめ直したり、将来どうしたいかとかっていう、まあそういうことをやる人が結構いるんですけれども、そういうギャップイヤーのときに行くような学校で、そこが全寮制なんですよ。だからそこの学生さんたちと、もう本当に食べるのも寝るのも一緒に4ヶ月とか6ヶ月とか1年とか過ごすことになって。
志村:すごい、じゃあジェネレーションギャップもそこで感じるんですね。
大門:そう、いろんな違う人が集まって生活することによって、国も違うし、年齢も違うし、そうすると、いさかいとかも起こるらしいんですよね。それを一切先生はタッチしないで、自分たちで話し合って解決してくださいって。その場合に違う人がいるんだけれども、どうやったら折り合いをつけられるかとか、あの人がこれ嫌だ!例えば部屋の使い方だったり、シャワーの使い方で髪の毛が落っこってたりとかね、いろいろあると思うんですけど、じゃあどうしたいの?っていうことを言うことと、逆にどうしてもらったら私はとりあえず折り合いをつけられるのか。なにかそのすり合わせを、例えば日本人の人ってあまりしないじゃないですか、あまり言わない。でもそういうことをやることによってお互いの共通点を見出せたりするっていう、なんかそういう、それを含めての学校って言うんですかね、面白い学校、70ぐらいあるんですよデンマーク全体で。
志村:あ〜そう、日本もそういうの欲しいな〜。
大門:ね。そんな中でやっぱり将来何をやっていくかとか、自分はコミュニティに対して何ができるかとかですね。すごいそんなふうに事を学んだり、お互いにディスカッションしたりすることによって自分の求めてるものとかがわかるっていう、すごい学校がある!ということを聞いて行ってきたと。
志村:すごい、自分とは関係ないからってのはないですね、そうすると。
大門:そうですね。日本の方もいましたし、海外から来てる人も、もちろんデンマークの方も。デンマーク人の人がほとんど、何割だっけな?6割とか7割ぐらいいないといけないんですね、政府から補助金が出てて。でもすごい面白いコンセプトだなと思いました。
志村:いいですねー。いや、素敵なところから本当おかえりなさいですね。
大門:ありがとうございます。なのでそういうのを日本でもやりたい!っていう人も何人かいて、今回一緒に視察に行った人もそんな人がいまして。なのでそんな学校ができてきたら日本も面白いことになるなーなんて思っています。
志村:入学したいです。本当に。わ、今日すごくいいお話を伺いました本当。
大門:ありがとうございます。
志村:あのね、いつもこの番組、最後にリスナーの皆さんに向かってね、明日、今日もう月曜日になったばかりなんだけれども、なにか元気が出るような言葉をいただいてるんですけど・・・
大門:なるほど・・・そうですね。なんか私、中国語でも勉強していてですね、1つすごく私が好きな言葉があるんですね。それは「上善水の如し」っていう言葉なんです。日本酒の名前にもあったかもしれないですけど(笑)「水っていうものが1番いいものだよ」っていうことなんです簡単に言うと。この水っていうのがなんでいいのかっていうと、もちろん嫌なことを水に流すっていうのもあるんですけど、形を持たないんですよ、水って。だからどんな器にもフィットする。やっぱり形があるとゴツゴツして人とぶつかったりとかありますよね。でも水だったらどんな器にもフィットできるし、お互いに。なんかそういう人間関係っていうものの基礎になるかなーなんていうふうに思ってて、もしなにか辛いことがあったらもう水に流すし、それでも水ってすごいパワーを持ってるし、それから上から下に流れるんですね。川とか見てるとそうだと思うんですけど、その流れる間に岩の間を通ってどんどん養分を吸収して行くんです。だから自分もどんどん栄養をもらって豊かになるし、流れることによって水が大地に流れてその土地を豊かにする。なんかそういう感じなので、なんだろう、人との関係性もそんなふうに考えると面白いかなーって思います。
志村:本当だねー。
大門:まあなので、もちろんね、元気が出ない人もいるかもしれないけど、少し水になるとか、あとはそうですね、辛いことがあったら・・・寝ちゃう?(笑)私は寝て、明日の朝になってると少し元気になってる。まあそんなことも太陽の光を浴びるとね、あるかなーなんて思ったりもします。
志村:あー大事ねー。ありがとうございます。お日様を浴びて、お水に流し、自分を褒めて!はい。
大門:はい。
志村:いやー、今日は本当ありがとうございました。
大門:ありがとうございました。
志村:ありがとうございます。