DIALOGUE RADIO -IN THE DARK-

日曜の深夜。全てのしがらみから離れて
本当に「独り」になっている特別な時間。
人は誰もが不安や悩みを持っているはず。
この番組は、自分の心と対話することの大切さを伝え、
明日への活力を求める人への応援メッセージを
発信するラジオ番組です。

EVERY SECOND SUNDAY

25:00-26:00 ON AIR

真っ暗闇の中で、心と対話する時間を。
志村 季世恵の写真

志村 季世恵

バースセラピスト

板井 麻衣子の写真

板井 麻衣子

J-WAVE NAVIGATOR

メッセージをいただいた方の中から毎月2名の方へ
ダイアログ関連本をプレゼント!

MESSAGE TO STUDIO

番組のオリジナルPodcast 配信中

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MESSAGE

人は他人と比較してしまう生き物だと思います。
人より、恵まれていると喜んだり、
人より、うまくいかないと落ち込んだり、
SNSが生まれたことで、自分を誰かと比較する機会も増えてきました。
そんな今だからこそ自分の心と対話する時間を大切にしたいと思います。
何をしたいのか、何が悩みなのか、何に希望を持つのか。
その積み重ねが幸せを感じる近道なのではないかと思います。
幸せは、自分の心の中にある。


2024.02.11
GUEST

第68回のゲストは石川淳哉さんでした

3/10 第69回のゲストは上野美佐穂さん


〜プレゼントのお知らせです〜

ダイアログ・イン・ザ・ダークを主宰する
志村季世恵さんの著書
『エールは消えない いのちをめぐる5つの物語』を
番組をお聴きの方の中から抽選で2名の方にプレゼントします。

ご希望の方は、この番組のサイトにある
「MESSAGE TO STUDIO」の欄から
番組の感想をお書き添えの上、ご応募ください。
https://www.j-wave.co.jp/original/dialogue/message/index.html


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DIALOGUE

志村:クジラ(=石川さん)、こんばんは。
石川:こんばんは、季世恵ちゃん。
志村:暗闇の中に、ようこそおいでくださいました。
石川:この暗闇、何が始まるのかすごくなんかドキドキわくわくしますね。
志村:わくわくしますよね。DIALOGUE IN THE DARKって、いつ頃に初めてご体験いただいたんでしたっけ?
石川:いやもうね、できてすぐだと思います。
志村:結構もう古株ですね、本当に。
石川:古株ですか?
志村:うーんそうです。
石川:何年ぐらい前なのかな?でもあれね、僕体験したことが面白すぎて、友達を何人も連れて行っちゃった。こんな変なのがあるんだよって。広告でね、人を驚かせる入口を作るのが仕事みたいなことをしていて、あの体験は僕にとってちょっと久しぶりになんていうのかな、未知のゾーンに連れて行かれた感じがしたんですよ。だからすっげぇクリエイティブだなと思って驚いたんですね。
志村:あ、本当に。あのう、外苑前でご体験くださった時は、広告代理店のクジラだったんですよね。
石川:うん。
志村:私が知っているクジラは、ソーシャルグッドなプロデューサーをなさっているということなんですけど、それはいつ頃からなんですか?
石川:えっとね、今61歳なんですけど、もうそろそろ60歳になるなっていう58歳ぐらいのときですね、今から3年ぐらい前に・・・広告ってね、やってるとすごい楽しいわけですよ。みんなでワイワイ言って文化祭みたいにクリエイティブ作って、みんながそれを褒めてくれたり、賞を取ったり、自分のものが新聞になったり広告になったりテレビのCMになって流れたりするって、なかなか無い仕事だと思うんですね。
志村:華々しいしね。
石川:うん、すごく楽しかったんだけれども、一方的に作って一方的に伝える。いわゆるクライアントがこれを売りたいっていうものをね、大体3ヶ月ぐらいで伝える最大値を作ってくださいっていうオーダーでやる仕事をしていました。僕のクライアントはいろんな企業でした。車のメーカーだったり化粧品のメーカーだったり、外資系だったり日本の会社だったりっていうクライアントだったんですけど、今僕がやってるソーシャルグッドプロデューサーというのは、クライアントは地球だと思ってるんですね。地球が悩んでることとか、地球が解決してほしいことをテーマにする。そんな業種って多分世界で1人なんですよまだ。でもこれはね絶対流行ると思っていて、流行るというよりは増えなきゃいけないと思っている。
志村:絶対そうだ。
石川:戦争もそうだし、災害救助もそうだし、教育のこともそうだし、ジェンダーのこともそうだし、CO2のこともそうだし、いろんなものって置いてかれちゃってるんですよ。企業がそれだけをテーマにやらないでしょ?自治体もそれをテーマに人をつけているわけではないんですよ。溢れちゃってるんですよね。中間に存在するんですよね、社会課題は。だからこれね、誰かが面白くプロジェクトにして、みんなを集めて、みんなでその社会課題をやっつけていく。そんなことをやらないと、世の中は続いていかないと思ってるんです。戦争も終わらないし、災害が起きてもやっぱりみんな・・・みんな苦しんでるんですよね。そこを事前に、僕らが繋がりで愛を持ってプロジェクトを作って準備さえしておけば、いつでもスイッチが入れられるようにしておけば、すごくそこにね、立ち上がりが早くなるプロジェクトがあれば、救える命も、起きなくてもいい戦争を止めることも、きっとできるって僕は信じてるんですよね。
志村:本当にそう思います。私はクジラのプロデュースした作品の中に、戦車から花を生けてるものがあったんですよね。あれだいぶ前ですよね。
石川:2005年ですね。
志村:そうですよね。あれ見たときに、こんなことをする人いるのか!?と思ったの。このラジオをお聞きになった方も多分知ってる人いっぱいいると思うんですけど、その戦車・・あのタイトルは・・・
石川:「retired weapons」って言うんですね。引退した武器。武器が砲身とか、銃の銃口が真っ直ぐ向いていると弾が出ちゃうんですけど、キュッと曲げると弾はもう出ないわけですよ。そこに種を植えればお花になって、それこそ平和の種から花が咲いて種になって世界中に巻かれて、平和の花が咲くんじゃないかっていう、そんな発想なんですよね。
志村:はい。私あれ見たときに、いつか平和のことをテーマにして何かするときは、絶対この方に連絡するんだと思ってたんですよ。
石川:本当に?
志村:本当に。
石川:あー、そっかー。
志村:だからお会いできたときに、あ、ここで!っと思ったんですけどね。そう、そうやって私達の目に溜まっていくことを仕掛けていったわけじゃないですか。当時もきっとそのときは、あの頃は多分広告屋さんだったんだと思うんだけど、それを極めたときに、今度はもう地球がクライアントになったんだなと思ったときに、なんか本当にびっくりして、あ、そうなったときのクジラにお会いできたんだと思ったの。
石川:そっかそっかそっか、そうね。今会うべきして会ったって、そんな感覚をお持ちだってことですか?
志村:そうです。
石川:いやすごい嬉しいなー。ただね1個だけ季世恵ちゃんに言っておきたいのは、極めたわけでも何でもなくて、このままじゃいかんなって思って、僕自身の生き方も、人間のアップデートも、社会のアップデートも、やっぱり僕がこれ始めないと変わらないなって思ったんですよね。広告は僕じゃなくてもできるけど、これは僕じゃないとできないなって思った。で、絵本『世界がもし100人の村だったら』が世の中に出来たときにね、このときになんかやっぱり物が広がっていく、売れていくときって、なんか寝てるときにも音がする感じがしていたんです。で、ちょうどあれって、お母さんが小学校3年生の女の子に「世界が何で戦争が終わらないのか?」っていうことを読み聞かせするっていうシチュエーションを持って表現してるんです。だからすごく簡単でシンプルな絵本で、絵があって、それにひらがな、ほぼひらがなの言葉があって、小学生でも読める本にしたんですね。そんなクリエイティブを世の中にポーンと出して、それがねものすごい話題になったんですよ。広がったし、で、ちょっと待てよって。僕はちょうどそのときインテル入ってるをやってる頃で、広告で言うともう非常にそれはそれでたくさん仕事があったし、お金にもなっていたんだけれども、社会課題を解決するものを絵本にして、それが世の中のためになってるってちょっと感じちゃったときに・・・だから何年?2001年ですから、39歳のときですね、そのときに、社会課題を解決することをクリエイティブや表現することで世の中に伝えて、みんなの気持ちを変えられて、戦争がなくなったり、世の中の差別や、いろんな認識の違いで起こっていくコンフリクト、紛争とかが無くなっていくとですね、きっと僕は生きた実感を伴って自分の人生を過ごせるんだなって思ったんです。非常にエゴイズムというか、自分がどうやったら幸せになれるかっていうことを考えて、感じたのが39歳のときなんですよね。
志村:そうだったんだ。私があの絵本を子供たちに読んでたときだな。いやでも正しいエゴイズムは大事ですね。
石川:んー、わかんないんだけど・・・わかんないんですよ。『世界がもし100人の村だったら』をやっても「retired weapons」を作っても、どうやっても戦争が起きちゃったでしょ?ウクライナとロシア、それとイスラエルとガザ。ともに止まない領域にまで進んでしまう人間の仕組みですよね。これをどうやったら変えられるのかっていう問いはまだまだ続くし、言ったらすごい難しいパズルを解くっていうことなのかなと思ってるんですね。でもその解を見つける努力をしなければ、いや、僕らにはできないよ、人間にはできないんだよって諦めちゃったら、絶対できないじゃん。
志村:本当にそう思います。
石川:だからやっぱり、1人でも徒手空拳でもそのパズルを解きに行く。でもやっぱり始まりは1人かもしれないけど、みんなでね、みんなで繋がりで、愛の繋がりで、少し前に進めることができたなら、それが少しずつ広がって世界中に広がったら、戦争がなくなるんじゃないかって馬鹿みたいに思ってんの、信じてんの。だから、やり続けたいなって思ってますね。
志村:本当ですね。そう。

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志村:年始に起きた能登半島の震災もあって、戦争とは違うけど、でもやっぱり大勢の人たちが今もう本当に苦しんでるじゃないですか。で、もうさ、すぐにクジラは被災地に行って、そして状況を見て、今は素敵なトイレを届けに行ってるでしょ?なんかもう私はね、まばたきできない状態で今、クジラのことを眺めてるんですよ。
石川:そうなんですね(笑)災害ってね、止められないんですよ。
志村:そうなんですよ。
石川:ただね、起きた災害、だから能登で起きたときに能登にいなければ、能登の人を救えないのも同じなんだけど、それから「災害関連死」ってのがあるの、季世恵ちゃん知ってる?
志村:はい。
石川:ね。災害で直接死んだ人を「災害死」って言うんだけれども、災害関連死っていうのは、運よく助かったんだけれども、避難の仕方が悪かったり、健康状態を保てる仕組みの中にいなければ、やっぱり人ってすぐ体調崩れちゃうのね。本当に急に死が訪れちゃったりすることを「災害関連死」って言うんだけど、それは人の仕組みで変えられると思っていて、なのでやっぱりここの効果的なところに、自分のエネルギーとかパワーを注ぎ込みたいと思ってやってるんですね。その災害関連死の原因が、皆さん本当に意外だと思うんだけど、トイレなんですよ。安全で清潔なトイレがないと、人はね、うんちとおしっこを出せないんです。出せないとどうなるかっていうと、口から入れられないんですよ。
志村:そうだよね。
石川:みんなね、食べるのと飲むことは用意してるんだけど、トイレを用意してないんですよ。トイレめちゃくちゃ重要なんですよ。で、その自治体が全部用意することってできないから、1741自治体に1個ずつ持ってもらって、何か起きたときには終結しようぜ!っていうプロジェクトなんですよね。まだね、20自治体しかないんです。で、能登に全部行きました。全部ですよ。全部行ってくれて、支援してくれた自治体の職員がさ、もう本当にすごくて。そのトイレ19台が上手く回っているかどうか日々管理してくれて、水が足らなければ水入れてくれて・・・っていうことをやってくれたんですよね。
志村:だってその各自治体の方たちというのは、結構遠方の方もいらっしゃいますよね。
石川:そう、北海道と九州からも来てるんですね。
志村:そうでしたよね。
石川:うんうん。そんなね、日本中の自治体が、これ「官民連携」とか「コレクティブインパクト」っていう言葉を使ったりするんだけど、みんなで課題を解決していくっていう動きがちょっと注目されていて、今国もちょっと注目してくれてるんですよね。ただ目の前で起きてる僕は能登の人たちを諦めたくなくて、今能登の人たちのことを一生懸命考えて動くプロジェクトを作っています。それはね、トイレだけではなくて、トイレはもう持って行って運用し始めましたから、んっとね、現地の自治体の人や傷ついた人たちって、もう本当に今1ヶ月経ったところでめちゃくちゃ疲れてるんですよ。自治体で住民サービスをしなきゃいけない人たちも、被災者なんですよ。
志村:そう、そう、本当に。
石川:その方々を助ける仕組み、人材を現地に運ぶ。で、今インターネットの世界じゃないですか。日本中みんなでそれを分担して作業を手伝ったりして、できるんですね。それを、現地に入った人と外にいる人たちを繋いで、コネクトして、すんごい早い、すごっい丁寧で、すごっく効果的な復興事業を進めていこうと思って、今仲間と一緒にやり始めてるんですね。それはね、多分これも非常に新しい仕組みなんだけど、人口が減っている日本、自治体の職員も減っている、ただ社会課題はどんどん増えている。だからね、皆さん忙しいんです。なので事前に準備しておいて、理解しておいて、行って役に立つ人材がいれば、でその地域を事前に知っていたら、これ奇跡かって思うけど、僕らが今能登にずっと入ってるんですね、能登町っていう所に入ってるんですけど、これね、3年前に僕らの仲間が、ここの関係人口作りで入っていたんですよずっと。
志村:あ、たまたま?
石川:たまたま。だから、僕ら災害支援の人材もすごく入りやすかったんですね。志村:あーそうでしたか。
石川:はい。やっぱり繋がってるっていうことが、もう本当に心から重要だと今思ってるんですよ。
志村:繋がるの大事ですよね。
石川:繋がる、それと、今日僕もこの「LOVE IN THE DARK」?
志村:はい、今回の対話の森のテーマですね。
石川:ね、それで感じたんだけど、やっぱり愛を持ってちゃんと繋がっておくこと。世界中80億人がきちんと繋がっていれば戦争は起きないし、友好な人たち、思いのある人たちが繋がっていれば、やっぱりイノベーティブを起こせるし、1人だけでやったらたどり着けないゴールにみんなでたどり着くことができるんだと思うんですよ。
志村:本当にそう思います。
石川:だから今日改めて「DIALOGUE IN THE DARK」と「DIALOGUE IN SILENCE」両方体験してみて、いやすごいプロジェクト、これ何年やってるんでしたっけ?
志村:んとね、日本で始めて今年で25年経ちますね。
石川:あー、いやこれはねすごいなって改めて思いましたねー。
志村:ありがとうございます。LOVEにしたかったのは、これはもう日本のオリジナルのプログラムなんだけど、私達ができることっていうのはね、この場を使ってやっぱり感じてもらうことが大切なので、ロシアとウクライナのことを意識したし、そして、イスラエルとガザのことを意識したし、今はその被災地にいる方たちや応援に行ってる方たちのことをみんな全部考えながら、LOVEにしようって、そして繋がること、声を掛け合うこと、助け合うことが1番人ができることなんだよってことを伝えたかったの。だから身近なところからLOVEを感じていって、それをネットワークしていったらいいなと思ったんですよね。
石川:今日ね、暗闇の中でLOVEを探したでしょ?本当に繋がりなんだって思ったの。相手を慮る気持ちで繋がっていくことがもし世界中にできたなら、きっと戦争ってなくせるなって思ったなー・・・。
志村:うん。それをね、信じ続けたいんですよね。これを感じなくなっちゃったら続けられなくなるじゃないですか。だから信じてることが大事だし、でも絶対みんなそう思ってると思う本当は。でもどこかでちょっとこう、横に置いてしまったりするんでしょうけど、でも繋げていったらいいなと思ってる。

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石川:僕がやってる「助けあいジャパン」 ってね、なんていうかな・・・実を言うと顕在化する課題に立ち向かっていなくて、いつか起きる大災害のときに効果的な人材やトイレをやってるじゃないですか。そうするとね・・・なんか仕組みを作るよりは、対応力を磨く方が重要になってきたりするんですね。
志村:そっかそっか。
石川:なので、ちょっと、あー違う仕組みなんだって思ったんだけど、このDIALOGUEは毎日やってるじゃないですか。なので「DIALOGUE IN THE DARK」っていう仕組みはドイツから渡ってきて、ある日こうやってこの人とこの人が繋がって、こういうメディアがこういう形でやったから、パートナーになってくれたから、広がりがこうなったんだとか、あ、そこに佐賀県来たんだとか、すごく丁寧に積み上げた発明だと思うから、もっともっとみんなに知ってほしいし、知るだけじゃなくてやっぱりここで掴んだものがどう自分の人生、暮らしに実践できるかっていうのがとても重要な気がしますね。
志村:そうですね。私がなんか、日本で言うと鎮守の森みたくしたかったんですよ。鎮守の森って守ってる村の神社があってとか、守りがあって、そこを村人みんなで作ってくっていうのあるじゃないですか、そういうふうな形で誰もがみんな等しく尊くてね、その森を作っていこうねっていうのを集まって言ってくれることによって、この平和に関することとか、LOVEであったりとか、助け合いであったりとか繋がってくのかなと思っていて、それは鎮守の森のお祭りを見ていて、よくほらお祭りのときにパーっと紅白の垂れ幕があったりとかするんだけど、そこに1人1人の村人の名前が出てるじゃないですか、金いくらとかあるけど、あ、これだけの村人がここを支えてるんだなーと思っていて、それを見ていてね、日本はこういうふうなのがいいなと思ったんです。
石川:なるほど、なるほど。季世恵ちゃんね、今の話でもう1回話しとかなきゃって思ったことを思い出したんですけど、能登って入ってみると、今回は観光客じゃなくて、緊急時に住民の方々に判断してもらわなきゃいけない局面があったんですね。あと町長や副町長と、どうやったらこの街が本当に豊かで、防災用語で「ビルド・バック・ベター」という言葉があるんですけど、災害時よりも少しだけ良くなる街づくり。良くなろうよと!そのときにね、例えば銀座みたいになるのか、能登らしく良くなるのかっていうことを非常にやっぱり考えなきゃいけない局面があったんです。そのときにもうほんっとに勉強になったというか、え!?って思ったんですけど、能登の人たちは、本当に神様と一緒に暮らしてるんですよ。これね、行ってみないとわかんないと思うし、不思議なんですけど、12月5日、毎年ね、田んぼの神様が降りてきて、家の中に暮らし始めるんですよ。で、明けた2月9日に春になるって言って、その田んぼの神様もまた出て行くんですよ。それまでずっとおうちに居続けるんだって!
志村:各おうちにね。
石川:そう。「あえのこと」っていう言葉で表現されるんだけど、なかなかこれ、残ってる地域ってないじゃないですか。
志村:ないですね〜。
石川:うーん。でね、子供の頃に「今、神様はお風呂に入ってるよ」とか「ご飯食べてるよ」とか「寝ていらっしゃるよ」って言うと、家族がそこを邪魔しないんだって。必ず神様も夫婦でやってくるんだって。それをね、ずっと夫婦だけにしとくんだって。
志村:そうか、邪魔しないんだ。
石川:邪魔しないんだって。で、家の中に居続けるんだって。で、えっと・・・今日何日?
志村:12日。
石川:そっか。今ちょうど神様が帰って、また人間だけの暮らしになった頃なんですよとか、能登が。そんな人たちが家を空けられないとか、やっぱり能登大好きなんですね。なので、本当は今すぐもう大半の人が能登を出て、他の県や他の地域でもう1回暮らしの再建をし始めた方がいい期間なんだけど、なかなかね出られないんですよ。
志村:田の神様がいらっしゃるから。
石川:いたから、一緒に暮らしてるからこの地域で。そんな能登をね、能登の復興、少し良くなる街づくりって何なのか?っていうのを、僕は日本中の人たちに一緒に考えて欲しくて、それが人口が減ってきた、八百万の神とずっと暮らしてきた、日本人がもう1回能登から教わることなんじゃないかなって思ってるんです。
志村:本当ですね。
石川:うーん。だから・・・できたら日本のこれからのあり方を、能登の人たちと一緒にね、復興していくことによって、日本のあり方っていうのがもしかすると大きく様変わりするきっかけになるんじゃないかなと思ってますね。

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志村:本当にそうであってほしいと思います。その・・・田んぼがあって、畑があって、豊かな水があって、太陽があって、土があって、そういうふうな生き方を私達がしてきたじゃないですか、ずっとずっと前から。それを能登の人たちは今でもずっと大切に暮らしの中に生かしていて、見えない田の神様を・・・畏敬の念っていうとちょっとなんか言葉がどうなんだろう、でもそういうふうな、見えない世界の人と繋がっていくとか、そして食べ物とか、口に入れるものとか、いろんなものが全部そのようにして出来上がってるんだと思うと、なんか自分1人ではないんだと思うじゃないですか。全部が感謝になってくるでしょう?それはこう・・・なんだろう、当たり前のことなんだけど、それをこの暗闇とかでも感じてもらえたら嬉しいなっていつも思ってるんです。
石川:うーんまさにね、能登の人たちって、それを忘れてないんですよねー。
志村:そうですよね。
石川:うーん。能登町には1万5000人の住民がいて、193の地域があって、270の祭りがあるんですって。
志村:おぉすごい。
石川:いやもう本当すごいんですよ。だから地域の人たちめっちゃくちゃ仲良い。うん。あの地域の結びつきと助け合いが、今後の日本を僕は本当に支えると思ってるんですよね。
志村:そうしたいですね。
石川:いやあのマンションだっていいんです。どこにいたっていいんです。東京にいたっていいんだけど、やっぱりもう1回ね、地域の繋がり、それをきちんと取り戻さないと本当にひどいことんなるなーって思ってるんですよね。
志村:そう思うなー。本当に。あのだからね、助け合うことって大事だよっていうふうに言いたくて、暗闇の中って自ずと助け合うじゃないですか。
石川:そう、そうだね!
志村:そう。もうだからポジティブに、いわゆる暗闇って避難訓練にも使われちゃうんだけど、でもエンターテインメントとして助け合おうねとか、私達が言わなくても助け合うのっていいなとか、声掛け合うのっていいじゃないっていうのを、今のうちに知ってほしいんです。
石川:そうね・・・これ本当に日本中でやった方がいいんじゃない?季世恵ちゃん。
志村:はー・・・やりたいですね。
石川:日本中でやった方がいい。でテーマ避難訓練にしてもいい。
志村:そっか。
石川:避難訓練っていうか、災害が起きた後のシミュレーションを暗闇の中でやるって、すごく力になると思うなー。
志村:いいですね。実は、東日本大震災があった後に、東北で暮らす皆さんがたくさんDIALOGUEにいらしたんですよ。暗闇の中でもう1回、自分たちの大事なものを見つめ直そうとしてくださったんですけど、そのときは、レジリエンスとか、エマージェンシーに関するワークショップをしたんですね。だから、本当に今私達が1番大事なのは何なのかっていうのを、被災した人たちを感じながら自分たちも感じていき、さっきクジラがおっしゃっていた能登で大事にしている文化を私達にシェアしてもらえたらいいなってすごく思います。
石川:なんかね、今決めた。どっちにするかはあれだけど、まずは能登の若者がすごいのよ。すーごいいい若者8人を選んで、もう本当にここに連れてくる。もう1個は、神様ともう1回コネクトできる祭とか、なんか地域の八尾万の神様と対話できる、そういう体験の場を能登町に作ろう。
志村:いいですね。
石川:作りたい。そう思った。うん。
志村:よし。じゃあ、なんか今日すごいラジオになりましたね。新しいものも決まって。
石川:そうね。あのう、さっきも言ったけどね、社会課題って本当にもう、彼らの方がアップデートしてるわけよ。だから人がこれに対峙していくためには、新たな繋がりと新たな想像力を持って、みんなで戦う時代にしたい。なので、みんなでなんか仲間になってほしいなって思っているのね。で・・・『世界がもし100人の村だったら』の最後にね、こんな言葉があるんですよ。「もし私達が愛することで繋がったらば、この村を壊す非道な力から、必ずこの村を救うことができます、きっと」っていう。私達が信じる、愛することから始めないと、始めさえすれば、私達はまだ間に合うんだと!アップデートできるよ!って。みんなでもっといい世界を作り上げることができるんだよっていうことを言ってくれてるんです。で、この「きっと」が僕本当に好きなの。やっぱり信じるところから始めたい。なのでみんな仲間になってください。っていうことを伝えたいです。
志村:はぁー・・・みんな、仲間になってください。
石川:お願いします。
志村:今日はありがとうございました。
石川:ありがとうございます。



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