DIALOGUE RADIO -IN THE DARK-

日曜の深夜。全てのしがらみから離れて
本当に「独り」になっている特別な時間。
人は誰もが不安や悩みを持っているはず。
この番組は、自分の心と対話することの大切さを伝え、
明日への活力を求める人への応援メッセージを
発信するラジオ番組です。

EVERY SECOND SUNDAY

25:00-26:00 ON AIR

真っ暗闇の中で、心と対話する時間を。
志村 季世恵の写真

志村 季世恵

バースセラピスト

板井 麻衣子の写真

板井 麻衣子

J-WAVE NAVIGATOR

メッセージをいただいた方の中から毎月2名の方へ
ダイアログ関連本をプレゼント!

MESSAGE TO STUDIO

番組のオリジナルPodcast 配信中

Apple Podcast Google Podcasts Spotify Amazon Music

MESSAGE

人は他人と比較してしまう生き物だと思います。
人より、恵まれていると喜んだり、
人より、うまくいかないと落ち込んだり、
SNSが生まれたことで、自分を誰かと比較する機会も増えてきました。
そんな今だからこそ自分の心と対話する時間を大切にしたいと思います。
何をしたいのか、何が悩みなのか、何に希望を持つのか。
その積み重ねが幸せを感じる近道なのではないかと思います。
幸せは、自分の心の中にある。


2026.10.11
GUEST

第100回のゲストは、水野学さんでした

 
〜 プレゼント 〜

番組初となる著書、
『暗闇ラジオ対話集-DIALOGUE RADIO IN THE DARK-』を
番組をお聴きの方の中から2名の方にプレゼントします。

ご希望の方は、この番組のサイトにある
【 MESSAGE TO STUDIO 】の欄から
番組の感想をお書き添えの上、ご応募ください。


PHOTO


DIALOGUE

志村:学ちゃん、こんばんは。
水野:こんばんは、季世恵ちゃん。
志村:今日はありがとうございます。真っ暗の中に。
水野:ありがとうございます。
志村:だいぶお久しぶりですよね。
水野:だいぶ、20年ぶりぐらいですかね?
志村:本当にそのぐらいです。
水野:はい。
志村:初めてお会いした時に、ダイアログのロゴを作っていただきたくて、お会いしたんですよね。
水野:ありがとうございます。そうなんです。僕もまだデザイン事務所を立ち上げて、まだそんなに年数が経ってない時だったので、すごく思い出に残っているお仕事です。
志村:あーそうでしたか、ありがとうございます。
水野:ありがとうございます。
志村:今はちなみにどんな感覚を使っていらっしゃいますか?
水野:やっぱり、目をつぶるという行為は、何かに集中したい時に使っているんですよね、普段は。例えば、いい匂いを嗅ぐ時とか、美味しいものを食べた時に、思わず目をつぶってしまうとかっていう。やっぱり視覚情報以外の感覚にすごく集中したい時に、目をつぶっているんだなと、改めて思います。なので、今は、主に僕は聴覚の方に集中していると思うんですけど、聴覚を研ぎ澄ましているというか、すごく使っているなという感覚がありますね。
志村:あー、確かにそうですよね。いろんな音が、小さなノイズでも入ってきますよね。
水野:そうですね。
志村:さっき、ブラインドサッカーのボールを転がしてキャッチボールをしたんですけど、学ちゃんのボールがストレートにいい感じに転がってきて、真っ直ぐでした。
水野:僕は大学時代にラグビーをやっていたんですけど、
志村:あ、そうだったんですね。
水野:ええ、ラグビーって、どんなスポーツでもそうなんですけど、パスをする時に、どれだけ取りやすいパスを投げるかっていうのは結構大事なんですよね。なので、さっきもそれを思い出しながら、もう何十年も前のラグビーですけど、思い出しながら、できる限り取りやすいであろうパスを投げたつもりでした(笑)
志村:あー、その何十年前のご経験が、今日に活きたみたいな。本当に取りやすかった。真っ直ぐ来たんですよ。手のひらのところに・・・すごい。でも、やっぱりそれって経験ですね。
水野:そうですね。結局、僕は『センスは知識からはじまる』という本を書いているんですけど、
志村:解読しました。
水野:ありがとうございます。感覚っていう風に、人が名付けているものっていうのは、経験の数によって変わっていく。つまり、感覚っていう、例えば暗闇で、物を触るっていうことに関しても、繰り返し繰り返し何度も経験をしていくと、その感覚っていうのは研ぎ澄まされていくんじゃないかなっていう気がしました。
志村:あ、そうですよね。確かに、例えばリンゴと梨があったとしますよね。暗闇に入った時に、同じ球体なんだけれども、梨とリンゴってすぐ分かるのは、それは、手の感覚というよりはずっとその記憶があるからですものね。
水野:そうですよね。感覚って、超能力みたいなことだと思われがちなんですけど、実は感覚っていうのは、経験値の積み重ねであるということは言えるんじゃないかなと思いますね。
志村:本当にそう思います。
水野:今はどんなお気持ちでここにいらっしゃいますか?
水野:んー・・・まあ大きくやっぱり2つの感情があって、1つは暗闇というものに対する恐怖心というか、普段使っている視覚情報がない状況に対する違和感みたいなこと。一方で、普段使っていない…普段使っているけれども、強く使っていない嗅覚とか聴覚とかっていうものに関しては、やっぱりこういう風な感覚になるのは久しぶりだなというか、ダイアログ・イン・ザ・ダークを以前経験したときの感覚をパッと思い出すような、ある意味、視覚情報以外の情報の豊かさを知るということにはつながるかなと思いますね。
志村:あー、そうなんでしょうねー。私、ロゴの話をさせていただきたいんですが、初めてこんなロゴができたよっていう風に、学ちゃんから見せていただいたときに感動したことがあって、そのロゴがね、ご説明のときにお伝えいただいたんですけど、このロゴは、目が見えない人が手で触ってもわかるようになっていて、目が見えている人でも、かろうじてこのロゴはダイアログ・イン・ザ・ダークだってわかるようになっているんだっていう、それを計算してありますとおっしゃったんです。覚えていらっしゃいますか?
水野:すごく覚えています。僕はロゴを作った人間で、その形が、元の形、元の文字の形っていうのも知っているわけなんですけど、それをどこまで見えなくしても、見えるかのようなフォルムを追うことができるっていうことをかなり検証して、ご提案したことを覚えていますね。
志村:それが私たちの中では、お守りのようになっていて、文化が違うっていう、目を使っていない人たちの文化と、目を使っているような文化の人って、やっぱり違うことが起きるんですね。でもその共通点があるのが、このロゴだってふうに思って、対話をすることによって共通点を見つけていきながら、いわゆる欠けてる部分を増やしていこうって言ってたんです。
水野:なるほど。なんかその見えないっていうことが、見えるっていうことを大切にして作ったんですよね。見えない部分が見えてくるっていうこと、まあ見える部分が見えないっていうこともそうだし、見えない部分が見えるっていうことの暗闇の体験であるというふうに思っていて、それは、視覚情報に普段僕は頼って生きていると思うんですけど、その普段頼っていることの当たり前が見えなくなるみたいなことっていうのは、やっぱり暗闇に入ってみないとなかなか難しいんですけど、その見えないということが見えてないんですよね、普段。
志村:あー、そうか。なるほど。
水野:これだけの暗闇、ダイアログ・イン・ザ・ダークを経験した人はみんなわかると思うんですけど、これだけの暗闇で時間を過ごすってことが普段ない。見えないということが見えてない状態なんですよね。僕の場合は。それが暗闇になることによって、見えないということが見えてくるっていうこと。それはとても豊かであり、とても不思議な感覚を得ていく経験でもある。その不思議な感覚みたいなことをデザインで表現できないかな、というのがデザインするときの一番の考えたポイントですね。
志村:あー、なるほど・・・。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

志村:最初はもともと完成しているダイアログ・イン・ザ・ダークの文字が、いわゆる全部整っている状態から削れていくというときに、どのくらいの割合で削っていったらということを計算なさったというのも、きっと学ちゃんはそうやってずっといろんなことを検証しながら、いろんなロゴのデザインをなさっていらっしゃるんですよね。
水野:そうですね。どこまで削ったら文字が判別できなくなるかとか、形が分からなくなるかというのは、当時やったことがなかったので、実験に近いというか、形を探りながら、確かめながら、実際に削ってみて初めてここまでは見えるねとか、ここから見えないねみたいなことがチャレンジしながらやったので、普通の文字を作るときよりもやっぱり時間がかかるというか、経験したことのない経験なので、楽しくもあり時間をかけた仕事だったと思います。
志村:ありがとうございます。時々、学ちゃんのテレビに出ていらっしゃるのを拝見していて、「くまモン」のときも物凄い色んなたくさんのくまモンがあって、可愛さ?どれが一番可愛くなるのか、言葉違うかもしれませんけど、あれも全部計算なさっていたということを記憶しているんですが、もうあれも拝見したときに、こうやって私たちのロゴもたくさん検証なさっていただいたんだと思ったときに、思わず合唱しちゃったりしちゃったんですけど。
水野:なんか先ほどお話にもあったように、感覚っていうものは経験の積み重ねであると思っているんですね。例えばさっきこの暗闇の中で竹を触らせていただいたんですけど、その竹が太いのか細いのかっていうのは、細い竹を知っているから太い竹が分かるっていう、やっぱり経験なんですよね。なので僕のデザインの仕方というのは、とにかく確認をするっていうことなんです。作って選んでいくっていう仕事の仕方をしているんですね。なので、ただひたすら作っていくっていうタイプの方もいらっしゃると思うんですけど、一方で僕は、これはあのときの何々に比べてどうなんだっていう自分の感覚を信じて、積み重ねた経験を信じて、ものを作っていくっていうやり方をしているので、すごく不器用なやり方かなというふうに思うんですけど、そういうふうにいつも同じやり方、道を歩いて完成に近づいていくっていうやり方をしていますね。
志村:そういう丁寧な学ちゃんのお仕事が今になってらっしゃるんだなと思うと、なんかもうちょっと感無量です。と言いますのは、ちょっとこう、同じだっていうふう言うのはおこがましいんですけど、ダイアログのプログラムを作るのも、すごく見えない人とずっと相談をし合うんですけど、見えない人からすると、見えてる人たちがどれくらいまでこの暗闇に着いて来てくれるのかがすごく気になるわけなんですね。そうすると、これ以上やったら難しいんじゃないかとか、いろんなことが起きてくるわけなんです。それを丁寧に丁寧に、いわゆる何回も練習してみて…っていろいろあるんですけど、もしかするとこれは似ているのかもしれない。それは見えてる人と見えてない人たちの中での、ずっと、ずっと重なっていくようなプログラム作りなんですけど、目が見えない人を理解してもらおうっていうのはすごく簡単かもしれませんけど、それじゃなくて、社会が変わっていくことをしていきたいよねっていうのが、最初の頃から、ロゴをいただいた頃から始まっていて、そこに至ったんですけど、それは多分水野さんがなさってるお仕事って、デザインで社会も変わるよってことをおっしゃってるんじゃないかなって思ったことがありました。
水野:あー、まあその、good design companyという会社名を付けたんですけど、良いデザインを作る会社という意味はもちろんあるんですけれども、一方でデザインというものは一体何なんだ?というふうに自問自答したときに、良くすることっていうふうに思ったんですよね。世の中になんていうふうに大げさな話ではなくて、AをBに変えるってなったときに、その改悪みたいな言葉がありますけど、変えたことによって悪くなってしまうっていうこと、デザインしたことによって悪くなってしまうってことは、それは僕が望むデザインではないなというふうに考えて、そういう願いを込めてgood design companyという、僕にとっては戒めでもあるというか、いつも頭の片隅にgood designであるべきことをクリアしてるかな?っていうことを確認しながら進めていくための社名でもあるんですよね。
志村:あーそうか、本当ですね。そうするとそれが、あちらこちらに使われていきながら、それが広がっていくわけですね。
水野:そうですね、全てが良くなってるかって言われたら、それは人によってやっぱり受け取り方は違うと思うので、100%僕がデザインしたものが良くなっているかというとそんなことはないかもしれないんですけど、できる限り役割を達成していくっていうことを考えながら、思いながらやってますね。
志村:素敵です本当に。
水野:ありがとうございます。
志村:いただいたロゴをTシャツにして、そのTシャツを制服のようにしようってユニフォームにしたんですね。スタッフたちは、もちろん私たちも含めてTシャツを着させていただいているんですけど、お客様がご購入いただいたときにすごい面白いエピソードがあって、全然知らない方なんですよ、来ていただいて会場に、実はこのTシャツねって、僕がインドに行ってガンジス川のところでずっと座っていた時期があったんですって、その時に何を一番持ってたかというと、このTシャツを持ってったんですよっておっしゃって、このTシャツ着ていると、その方の思い通りに、あ、ダイアログ行ったことがあるんだね!っていう人が来たんですって、近くに。
水野:すごい。
志村:すごいですよね。そこで意気投合して友達になって、今に至ってるんだって方がいらしたんです。
水野:えーすごいですね。
志村:Tシャツをそうやって目印に使おうと思うのって、なかなかないと思うんですよね。感動してそんなこともあるんだなと思ったんですけど、デザインのインパクトというよりも、世界観がこうやって暗闇を作ってなくても伝わるんだなって思いました。
水野:大切にしていただいて本当に嬉しいです。ありがとうございます。
志村:それはもう水野さんの先程からおっしゃっていらっしゃる、お仕事の向き合い方なんだなって思いました。
水野:いえいえ、なんかだんだん暗闇に慣れてきて、話せることが増えてきたんですけど、デザインって色や形を作っていくものなんですけど、色や形を作る前に作りたいものっていうのが頭に浮かぶわけですよね。そのイメージっていうものが大切なわけなんですよね。デザインをするときに一番最初に考えるのは、言語だったり、ぼやーっとしたものだったりとかっていうふうに、初めから精緻に色や形を描けるわけじゃなくて、繰り返し繰り返し作っていく過程でどんどん形になっていくものだと思ってるんですね。それは思いとか考えとか志とか、これをこう変えたいとかこれをこう作りたいとかっていう形ではなくて、言語だったりとか強い思想だったりするわけなんですね。それはもちろん言葉で物差しになる場合があるんですけど、あくまでも抽象的なものなんですね。それを少しずつ少しずつ具象化していくっていうこと、それは目で見えるものもあれば触覚もあれば匂いがするものもあれば、様々な感覚で構成されていくものだと思うので、デザインと一言で言っても、その具象的なものをいかに抽象化から抽出していくかっていうことが大切な作業なのかなと思っていて、それを的確なものにしていくために、僕今手で、すごい手を動かしながら喋ってるんですけど、なんかその抽象的なものを具象化していくっていう作業のときに、とっても感覚っていうものを研ぎ澄ませて、少しずつ形にしていくっていう考え方がありますね。
志村:なるほど、そうなんですね・・・。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

志村:そっか、その状態の中と、先程おっしゃっていた、あらゆるこう蓄積されたものが重なっていく感じになるんですかね、もしかすると。
水野:そうですね。最初から完璧なものが作れる人もいると思うんですけど、僕の場合は繰り返し繰り返し何度もやり直して、積み重ねて、時にはゼロに戻して作り上げていくというやり方をしますね。
志村:うーん。ゼロに戻される場合もあるんですね。
水野:そうですね。泣きながら(笑)でももの作る人にとっては、僕は結構大切なことなんじゃないかなとは思いますね。僕も泣きながらゼロに戻すんですけど、ゼロに戻すというのは作るのをやめるということではなくて、作っている過程の一仕事だと思うんですよね。なので作るっていうことの過程で壊すってことも発生していくっていうことだと思いますね。
志村:あー、いいですね。今のお話とても大事ですね。今の日本人にとって、世界中かもしれませんけど、すごく大事な気がします。あと子供たちにとっても。やっぱり完成させなきゃいけない、早く早くと思っているお子さんたち多いので、ちょっと妥協しなきゃいけなくなることを、早く覚えなきゃいけないようなことってありますよね。
水野:ありますね。
志村:でも本当はやり直したかったっていうことって、いっぱいあると思うんですけど、それを後押ししていただけるくらいな、勇気ある思いだなって感じました。
水野:本当にその通りですよね。ちゃんとしてなきゃいけないとか、完成してなきゃいけないとか、自分の不得意なこともできなきゃいけないとか、そういうことが叫ばれることがあったような気がしますが、現代、この時代になってきて、多様性みたいなことを考えたときに、やっぱり得意なことを伸ばしていくっていうことはとても大切な考え方かなと思いますね。僕も小さい会社を経営しているので、随分とスタッフに助けてもらうことが多いんですけど、スタッフのみんながこれができなきゃいけないとか、あれができなきゃいけないとかっていうのは、もちろん最低限できなきゃいけないことっていうのは存在すると思うんですけど、一方で、できないことを無理やりにやっていくっていうことをあまり強要しないほうが、その人の魅力が出てくるっていうことは大きくあると思うんですよね。得意なことを任せていくと、とってもキラキラ輝き始めて、で、これ難しいんですけど、好きなことだけだと失敗してしまうことも結構あって、得意なこと、一番理想は好きなことって得意なことっていうのが一番理想なんですけど、得意なことを担当していただくことのほうが、とってもその人が輝く回数が多いように感じますね。
志村:確かにそうですよね。
水野:なんか、不得意なことを全くやらないことを推奨してるわけじゃなくて、一度二度はチャレンジしてもいいと思うんですけど、それをできるまでやる必要はなくて、どこかでできないことをきちんとできることの時間に使っていくっていうことは、とっても大切なことかなっていう気がしますよね。
志村:うーん、大切ですね。デザインを通してかもしれませんけど、学ちゃんが願うこの社会とか世の中って、どういうふうになっていったらいいんだろうって、考えられることってありますか?
水野:いや、そんな…いいことは言えないんですけど、good design companyという社名をつけた以上、少しでも世の中の役に立つようなことっていうのをできるといいなと思っているのは確かなんですけど、それってじゃあ一体どういうことなのかっていう、全方位いいことっていうのはなかなか難しいので、例えば、お菓子のパッケージを作ったとします。お菓子が嫌いな人もいる。お菓子が売れない方がいいと思う人もいるかもしれない。だから作ったことによって、100%全ての人が満足するようなことは難しいんですが、僕はデザインというものは、誰かの願いを叶えるためのものであると思っているんですね。なので、基本的にはそれは、僕に仕事を出してくださった方に対しての回答だと思ってはいるんですけど、それだけではなくて、時には、例えば捕まりやすい電車の吊り革を作るっていうのは、普段通勤をされる方たちが少しでもストレスがなくなるようなことである。それはクライアントさんを通じて誰かの願いを叶えることであると言えると思うんですけど、その誰かの願いを少しでも叶えていけるようなことをしていけるといいなというふうに思っています。
志村:いいですね。今のその吊り革に関してみても、誰かが吊り革に掴まったら楽だなとか、そういうふうな思いがあるわけですもんね。儲けようとかだけじゃなくて、こうなったらいいっていうものがあることを吸い上げられて、ですものね。
水野:そうですね。もちろん経済活動でお金が入ってくるということを否定しているわけではなくて、それも大切なことだとは思っているんですが、それだけでなく、それ以上に大切なことっていうのも存在しているんじゃないかなということをよく考えますね。
志村:うーん、素敵ですね。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

水野:僕の仕事の中で、熊本県の「くまモン」っていうのがあるんですけど、そのくまモンなんかは、熊本地震が起きた時に一番僕が驚いたのが、皆さん生活が大変な時だったと思うんですけど、くまモンどうしたとか、くまモン元気かとかっていうふうにSNS上で結構話題になって、くまモンは活動を休止してたんですけど、ある一定期間お休みをして復活した時に、ニュースで保育園にくまモンが回った時に、子どもたちがくまモンに飛びついてるっていう映像を拝見して、それで何かが大きく変わるってわけではないのかもしれないですけど、ほんの少しでもお役に立てたら嬉しいなという感情が起こりましたね。
志村:本当ですね。熊本の盲学校でダイアログ・イン・ザ・ダークをしたことがあるんです。なのでご縁があって、すごくよくチェックしたんです。SNSも見てたんですけど、くまモンの活躍とかも拝見していて、なんかもうすごいなって思いました。くまモン=私の中では学ぶちゃんなので、やっぱりデザインの力っていうものも…なんだろうな、熊本とくまモンが対になっているぐらいな状態ですよね。
水野:くまモンはデザインは悪いとはもちろん思ってないんですけど、くまモンの人気の秘密は絶対に僕は性格だと思っていて、性格がいいからみんなに好きになってもらっているっていうことは、いつも忘れないようにしてます(笑)
志村:そうかー。じゃあそれも対ですね。見た目と性格が一緒になっているから尚更。
水野:そうですね。見た目もかわいいはかわいいんですけど。
志村:びっくりしてて(笑)でもなんかすごいな。やっぱり人を元気にできるぐらいな、そういうデザインっていうのは、やっぱり社会とつながっていってますね。
水野:いやもうそこができるように、日々真面目に仕事はしているんですけど、少しでも、1ミリでも0.01グラムでもお役に立てれば嬉しいなとは思っているんですけどね。
志村:もう私たちはそれも本当によく自分たちの、自らがそれを知っているので、あのロゴが私たちの共通のワードになっているというか、その境目のところにあるものを大事にして広げていこうみたいな。
水野:ありがとうございます。
志村:なので、今までお聞きしたことが深く納得できて、今日良かったなと思います。
水野:いえ、もう本当にダイアログ・イン・ザ・ダークのロゴは、自分の中でもすごく思い出に残っている仕事の一つで、どの仕事もとっても大切な仕事ばかりなんですけど、その中でも特に素晴らしい活動だと思っているので、その活動のほんのちょっとのお力にでもなれたら嬉しいなという願いを込めて作ったことを覚えています。
志村:いやもうちょっとじゃないんです。私たちにとってあのロゴは、私たちの誇りなんです。こういうふうなことができているよということを、本当に言葉になるぐらいな、気持ちを表してもらえるような、そんなロゴを作っていただいたんですね。だからそれが本当に宝物です。
水野:そう言っていただけて、少しホッとしました(笑)
志村:ありがとうございます。とんでもないです。
水野:ありがとうございます。
志村:あのう、最後にいつも聞きしているんですけれども、明日は月曜日になって、明日はお休みの日ではあるんですけど、新しい週が始まるときって、ちょっと人って緊張したりとかしますよね。
水野:そうですね。
志村:新たな状態みたいな、そんなときに皆様からお言葉をいただくんですけど、よかったら学ちゃんからもいただいてもいいですか?
水野:僕はそんな素晴らしいことは言えないんですけど、僕は『銀河の一票』というドラマがありまして、その中でスナックのママ、とし子さんっていう人がいて、そのママに主人公の方が、「何のために生きてるんだろう」って嘆くんですよね。とし子さんが答えたのが「念のため」っておっしゃってたんですよ。もしかしたらまたいいことがあるかもしれないから、念のため、何のために生きてるんだろう、念のためっていうやり取りがあって、僕はそのぐらい小さいこととして捉えていいんじゃないかなって。明日が来るってことは、小さく捉えることって別に悪いことじゃないんじゃないかなって思ったんです。なので、頑張らなくてもいいし、頑張ってもいいし、大きくてもいいし、小さくてもいいし、軽くてもいいし、重くてもいいし、何でもいいんですけど、僕の中では、何のために生きてるんだろうっていう問いに対して、念のためと答えた、そのスナックとし子さんの軽さというか、心意気というか、大きくもあり小さくもあり、その感覚っていうのは、とっても大切にしたいなと思っています。
志村:ありがとうございます。すごい、いやー深い。明日ちょっと大変だと思う時に「念のため明日迎えようかな」と思ったら、すごい楽になりますよね。
水野:僕はそうですね。それで少しでも心が軽くなってくれる方がいらっしゃったら嬉しいなと思います。
志村:うわあ、なんかちょっと私、今締め切りいっぱい抱えてますけど、念のため明日迎えようかなと思った瞬間に、全然楽な感じです。
水野:本当ですよね。
志村:いやー、いいな。ちょっと念のために寝ちゃおうかなとかね。徹夜しなくていっかかみたいなことも思うかもしれないし。
水野:はい。残念ながらこれは僕の言葉ではないので(笑)
志村:でもその言葉を引き上げてくださったのが、学ちゃんだから。
水野:いえいえ、なんか僕もこの言葉に助けられることが結構多くてですね、何のために生きてるんだろう?というような重い事を考える時もあれば、誰かのためにとか、何かのためにっていうふうにやっぱり考えたりすることが多いんですけど、どうしてもそういうプレッシャーを感じることも少なくないんですけど、その時に「念のため」っていうような、これはだから念のためかどうかはどうでもいいんです。別にそれは大きな問題ではなくて、そのぐらい生きるということをとっても自然なこととして捉えていくっていうことが大切なのかなっていうふうに自分自身は考えて、座右の銘とは言えないんですけど、大切な言葉の一つとしてそばに置いてある言葉ですね。
志村:私もそばに置かせてください。あらゆるところに使えそうですね。
水野:そうですよね。素敵な言葉かなと僕は思います。
志村:いろんなところで使ってみたいと思います。私確認したいことも結構あるので、念のため確認しますとかって大事ですね。
水野:そうですね。
志村:今日はありがとうございました。本当に助かりました、今日来ていただいて。私の生きる力につながりました。
水野:本当ですか。ありがとうございます。
志村:ありがとうございました。
水野:ありがとうございます。



ARCHIVE

選んでください。

SUPPORTER

  • JR
  • 東京感動線