
日曜の深夜。全てのしがらみから離れて
本当に「独り」になっている特別な時間。
人は誰もが不安や悩みを持っているはず。
この番組は、自分の心と対話することの大切さを伝え、
明日への活力を求める人への応援メッセージを
発信するラジオ番組です。
EVERY SECOND SUNDAY
25:00-26:00 ON AIR
人は他人と比較してしまう生き物だと思います。
人より、恵まれていると喜んだり、
人より、うまくいかないと落ち込んだり、
SNSが生まれたことで、自分を誰かと比較する機会も増えてきました。
そんな今だからこそ自分の心と対話する時間を大切にしたいと思います。
何をしたいのか、何が悩みなのか、何に希望を持つのか。
その積み重ねが幸せを感じる近道なのではないかと思います。
幸せは、自分の心の中にある。

第90回のゲストは、綱川泰典さんでした
〜 プレゼント 〜
番組初となる著書、
『暗闇ラジオ対話集-DIALOGUE RADIO IN THE DARK-』を
番組をお聴きの方の中から2名の方にプレゼントします。
ご希望の方は、この番組のサイトにある
【 MESSAGE TO STUDIO 】の欄から
番組の感想をお書き添えの上、ご応募ください。


志村:綱川さん、こんばんは。
綱川:こんばんは。
志村:お久しぶりですね。
綱川:本当に久しぶりですね。
志村:暗闇、久しぶり、どうですか?懐かしいでしょ?
綱川:本当に、今、昔に帰ったようにワクワクしながら進んできたんですけれども、やっぱりすごいなと思うのは、暗闇の中に優しさを感じるんですよね。
志村:はぁ・・・それはどんな時そう感じるの?
綱川:それは多分、自分の家とかで真っ暗にするのとは違って、やっぱり人のぬくもりを感じるんですよねまず。
志村:あー、うん、確かに本当にそう。今は綱川さんと私しかいないけれども、この今ぬくもりをお互い感じているけど、多分ね、たくさんのお客様が入っていらして、ここで助け合ったりとか、人っていいなと思う、その思いがぬくもりを残してくれているんじゃないかなっていつも思っているの。
綱川:そうですよね。本当に残るんですよね、こういったものって。だから我々が、あ、私は演奏家をやっているんですけど、コンサートの後なんかもそのホールの中に、人々の感動した心とかがずっと回って残っていくんですよね。
志村:あぁ、そっか。
綱川:素晴らしいですね、この暗闇の中の温かさと優しさっていうのは、やっぱり独特なものですね。
志村:ありがとうございます。でもそれは、当時綱川さんがダイアログのアテンドをしてくださっていた頃に作っていただいたものがちゃんと残っているんだと思います。引き継がれて。
綱川:それもすごく感じますね。
志村:でしょ?
綱川:受け継がれて、さらにその先へ育っていっているという実感も薄々と今感じ始めております。
志村:はい。リスナーの皆様からすると何のこと?って思われるかもしれないので、ちょっとご説明すると、綱川さんはフルートの演奏をなさっていらっしゃるけど、その合間というか、大体私たちはいつ出会ったんでしたっけ?うんと・・・かれこれ・・・
綱川:一番最初は、2000年とかそのぐらいまで遡って、新宿で当時不定期でされてましたよね。
志村:そうでしたね。
綱川:その時からの出会いになりますね。
志村:そう、なので、もう結構前よ?
綱川:はい、もう4分の1世紀が過ぎてしまったかなっていうぐらいの。
志村:本当ですね。なので、まだ本当にダイアログが始まったばっかりの頃から綱川さんには暗闇でフルートの演奏していただきながらとか、アテンドもしていただいていて、たくさんのお客様を魅了して、私もその中の一人でもあるんですけど。
綱川:ありがとうございます。
志村:はい、でそのアテンドしてもらっているときの温かい、誘う感じの雰囲気と、 そして演奏を暗闇で聞くときのフルートの音がすごく共通しているんですよね。綱川さんって。それがすごく私は思い出に深く残っていて、今日こうやってまた別の形で演奏家としての綱川さんをお招きできて本当に嬉しいんです。
綱川:本当にとても光栄なことで、またこのような形でダイアログ・イン・ザ・ダークと関わることができるのは本当に嬉しく思っています。
志村:ありがとうございます。あれから、もうご活動の数々はSNSを拝見していても分かっているんですけれども、たくさんなさってますよね、演奏。
綱川:まあそうですね、それなりに長く続けておりますので、そういう意味ではいろんな方々との出会いから始まって、それがまた音楽を通じて身を結んでさらに発展していくような、本当にジャンルも様々やってまいりましたけれども、そういったことも含めていろんな場所で活動させていただくのはすごいありがたいなと思っています。
志村:いやー素敵ですね。ふと思ったんだけれども、綱川さんはフルートを弾くようになったきっかけってあるんですか?
綱川:そうですね、楽器を始めたのは小学校4年生なんですけれども、もともと小学校1年から音楽の授業でやるリコーダーに一人で勝手にハマってしまいまして、たまたま家にあったおじの楽器を持ち出して、テレビ番組を見ながら見よう見まねでみんなが始める3年生の頃には、もう6年生の曲まで全部演奏できてしまって、当時自分は弱視だったので、一般の学校に通う中で、他の子供たちよりも優位な部分っていうのにすごくやっぱりなんて言いますかね、自信につながったりとかして、みなさんに褒めていただくのでさらに楽器が好きになって、そんなある日リコーダーだけじゃなくてやっぱりオーケストラで活躍できる楽器をなにか演奏してみたらどうだ?ということで当時の音楽の先生に勧めていただいて、いろんな楽器を当時なんで見させていただいて、でもあんまり興味を持たなかったんですよね。いろんな楽器、弦楽器、管楽器見たんですけど、一番最後に出てきたのがフルートでございまして、一瞬で一目惚れをしまして、リコーダーって大体茶色とか黒とかそういう色ですよね。フルートはキラキラ光ってるんですよね。こんな笛が吹けたら絶対かっこいいよなと思ったのがきっかけだったので。
志村:あーそっか、その時は少し見えてたんですね。だからピカピカ光ってるのも分かってたんだ。
綱川:はい。
志村:手触りも違うしね。
綱川:そうですね。で始めてみたら今度は全く音が出なくて、それがまた悔しいんですよね。もう絶対音を出してみたいって一週間ぐらい思い続けて、また音楽室で楽器を触った時に初めてかすかに音が出まして、それでもうハマってしまったと。でその日からずっともっといい音が出したいということで、いまだに変わらずその思いで毎日を過ごしてます。
志村:あー、すごい。だって何よりも一番大事なのがフルートだってあの頃からおっしゃってましたよね。
綱川:まあそうですよね〜。自分からフルートがなくなってしまったらきっとなにも残らないのかなっていうぐらいの思いで日々送ってますね。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
志村:私からすると別世界なんですよね。憧れているというか、そういう中で生きている、暮らしている、その綱川さんの姿はいつも眩しく感じています。
綱川:ありがとうございます。でも季世恵さんもね、そういう意味では声を通して思いとか表現を伝えていらっしゃる場面も多いかと思うんですけど、私たちはその代わりに楽器の音色でお伝えしているという、そういったところでは同じ部分もあるかもしれませんよね。
志村:そっか、ありがとうございます。綱川さん、意外と私の声を褒めてくれてて、昔から。
綱川:いや、大ファンです。
志村:いやいや、ありがとうございます(笑)それでちょっと私が風邪ひいたかなって思っているような直前とか、いや、風邪ひいたかなって気がつく前に綱川さんは、季世恵ちゃんちょっと風邪ひいてない?とかっていう風に言ってくれたりとかね。すごくその仲間たちの声とかを聞く力がすごくて、仲間たちに対する配慮もすごく大きかったなって今思い出しているんですけど、なので私が風邪ひいたなって自分で気がつく前に綱川さんは気がついてて、今日早く帰ったほうがいいよとか言ってくれたんですよ。
綱川:いや本当に、別に意識してそういう感じになっているわけじゃないんですけど、やはりこうなんて言いますかね、せっかくご一緒させていただくので、やっぱり皆さんで元気に心地よく一緒にお仕事させていただきたいなとかって思うと、やっぱり、あちょっと大変そうだったらご無理しないでくださいねっていう風に感じる時があったりしますよね。
志村:ありがとうございます。それは例えばオーケストラとかで演奏するときもきっと同じかな?
綱川:まーそうですね、私たちは目が全く見えないので、お話ししながらっていうのもあるんですけど、音楽の現場ではより楽器の音とかも一つ参考になったりする部分もあったりして、よりもうちょっと深いところでお互いを確かめ合うというか、そういった現場の部分もあったりしますよね。
志村:そうですよね。なにかそんなことに活かされているんじゃないのかなと思ったりしていて、そうか楽器を通したらもっともっとわかるもんね。
綱川:そうですね。
志村:へー、音色がね、今日はいいぞとか、今日ちょっと大丈夫かとか、あったりするのかな?
綱川:うーんでもね、楽器の音に関してはあえて言わないですけど、やっぱりお互いにあんまり触れちゃいけないなっていう部分もあったりするかもしれないですしね。その辺はやっぱりお互い思いやりで、そこを大事にしようかなと思っています。
志村:そうすると言わずともだけども、ちょっとフォローができたりとか、少し労ることが体的にできたりとかするのがまたチームワークになっていくんでしょうね。
綱川:そうですね、ちょっと今の時期ですと、ちょっと大丈夫かなって時はホッカイロをちょっとお渡ししたりとか、そういったこともいいですし、手が綺麗な方がいいなと思った時はウェットティッシュとかを回したりとかね。まあ皆さんよくされていることですけどもね、自分にできることはやっぱりやれたらいいなって思っています。
志村:大事。そう、演奏、オーケストラで私が存じ上げてるのは、炎のコバケンさん、小林さんのオーケストラで、小林研一郎先生の「コバケンとその仲間たちオーケストラ」というオーケストラがありまして、不定期に集まっている小林先生を尊敬してやまないプロの演奏家と、それからアマチュアのベテランの方とか、あと一部私のように障害を持っている演奏家とか、そういった人たちが集まって、もともとはね、長野で行われたスペシャルオリンピックスの支援のために作られたオーケストラなんですけど、その後3.11の後は復興支援のためのキズナプロジェクトというシリーズで東北を回らせていただいたりとか、今はもう少し本格的な音楽を心を込めて皆さんにお届けしようということで、かなりグレードアップした演奏の中で皆さんに音楽を楽しんでいただくというのがありますね。
志村:そこでお役目がとてもすごいじゃないですか。
綱川:おかげさまでもう16年目とかになるんですけど、今主席のフルート奏者をさせていただいてまして、全く見えないでオーケストラで演奏するっていうのはもう昔は完全に諦めていたんですけれども、実は学生を卒業した後に、一度小林研一郎さんのコンサートを見に行くことがあって、オーケストラ諦めてたんですけど、この方のもとでいつかは一度でもいいから演奏してみたい!っていうまたオーケストラへの強い気持ちが生まれたんですよね。そこから10年ほどしまして、NHKさんの方からお話をいただいて、こころコンサートというもののメンバーに入れていただいたんですけど、そのプロジェクトが終わった後に、今度は正規のメンバーとしてぜひ一緒にやりましょうという声がけをいただいて、そこからずっと続けさせていただいてます。
志村:ね、主席になったみたいなね。すごいだって滅多に無いというか知らないんだけど、フルートで主席ってあったりするの?
綱川:多分世界を見ても全網でやってる人はいないですし、そもそもまずオーケストラだと楽譜を皆さん見ながら演奏しないと間に合わないんですよね。曲がどんどんどんどん来ますから。それを何とかこう全部覚えて頭に叩き込んで、例えばいまシーズンですけど、第九なんかは70分以上もある曲なんですけど、その中でかなりフルートのパートのウェイトがあるんですけど、それも全部すべて覚えて、さらにですね、今度は指揮者の音楽性がやっぱり指揮者によって全く変わってきます。小林先生の場合すごく情熱的であり繊細であり、すごく深いベートーヴェンの思いをお客様に伝えようっていう、そういう指揮をされていまして、それを例えばテンポが大きく揺れちゃったりとかいうときに、じゃあどうするかと言いますと、周りの奏者たちの息遣いを聞いたりとか、どうしても合いにくいところは隣の奏者にちょっと膝を叩いていただいたりとか、それから小林先生自体の息遣いですね、指揮を振り下ろす前の・・・(息遣いを再現)・・・今聞こえました?
志村:聞こえましたよ。
綱川:これ、こういう息遣いを聞いたり、それからこの・・・(衣ずれを再現)
志村:衣ずれね。
綱川:はい、衣ずれの音。これが聞こえてくる時もあったり、そういった本当に繊細な、少ない情報の中から自分の頭の中で計算をして、絶対このタイミングだっていうのを確定させて演奏するんですよね。
志村:そっか。タクトを持ち上げたりとかそういうことじゃなくて、それも衣ずれで出るんだろうけども、いろんな情報を判断してるんですね。
綱川:そうですね、はい。でもやっぱりすごく集中しないと演奏ができないので、やっぱり終わった後はものすごく疲れますけどね。
志村:そうでしょうねー・・・いやーそうやって、そもそも今、調和することとか演奏の皆さんとの合わせ方はわかったんだけど、楽譜を覚えたりとかするのはどうするんですか?
綱川:はい。点字の楽譜を使うんですけれども、もともと点字で作られてるわけじゃないので、点訳ボランティアさんに依頼をして、なるべく早く作っていただくんですが、夜を徹してとかってそういう作業にも関わらずやっていただいたりして本当に感謝なんですけれども、そういった楽譜を使って指先で6点をなぞりながら楽譜を覚えて、他のパートについては、全部のスコアになってしまうと点字がものすごく量が増えて、本当にギネスブックに載ってるくらいの難解さになってしまうので、また時間的な問題もあったりするので、それは他の音源を参考にしながら、ここの楽器がこう来たら自分の出番がこういう風になるよとかっていうのを、そうやって確認しながら覚えていきます。
志村:でもやっぱりそれは記憶に頼るわけだから、すごいメモリーいっぱいですね。
綱川:そうですね、本当に他のことが覚えられないくらい(笑)本当にそうですね、一生懸命覚えちゃうとなんかしばらくボーッとしちゃったりね。
志村:そう?そうか。脳がもう。
綱川:そうそう。飽和状態。
志村:すごいね。
綱川:でもね、やってるとできちゃったりするっていうのは、やっぱり人ってこういうことができるんだなっていうか、そういう力をまだまだ、もしかしたらまだできることがあるかもしれないっていつも思っちゃうんですよね。欲張りすぎちゃうと体に良くなかったりとかっていうこともあるので、皆さんほどほどにしていただきたいなと思うんですけど、まあ人のこと言えないんですけどね(笑)でも努力はすごい大事だなと思います。
志村:本当ですね。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
志村:私、綱川さんのこと長いことよく知ってるんだけど、自分のやっていく範囲だけじゃなくて、いろんなことにもアンテナを向けているのを知ってるのね。例えば、以前だけども、私がターミナルケアをしていて、それでフルートの音が大好きな人がいたんですよね。その方が演奏を聞きたいいって言ってたんだけど、なんかね、偶然にもたまたま綱川さんから連絡をもらって、僕のフルートを役立てる場所ってある?って言ってもらったんですよ。覚えてます?
綱川:覚えてます。
志村:ありがとう。その時に病院までね、一緒に行ってもらったんですよね。
綱川:そうでしたね。
志村:そう病室まで。その時に、そのご家族が大好きだった曲があって、その曲を綱川さんに弾いてもらったんですよね。
綱川:はい。
志村:そうあの時にね、もっと自分のことをいい意味で人のためにも活かせたらいいなって思ってくださっている綱川さんのことに対して、そのノリしろの部分ってどこから来るのかな?と思うくらいに感動したんです。
綱川:あ―、そう言っていただけますとね、伺えてよかったなと思います。
志村:そう、喜んでいらっしゃいましたよね。
綱川:本当にね、すごく、確かね、手を取らせていただいたんですけど、温かみを感じたんですよね、もうすごく。それが最後になってしまったと思うんですけど、今でも忘れないですね。
志村:ロコちゃんね、お名前ロコちゃんってニックネームだったんだけど、すごく素敵な方で、名曲ですね。
綱川:うーん。
志村:はい。
綱川:じゃあ当時の感じでちょっと入れてみましょうか。
志村:あ、今、弾いてもらえるの?嬉しい。
綱川:確かその当時ね、最後に皆さんに笑顔になっていただいたラデツキー行進曲を少しだけ。
志村:あ、じゃあ私マイクを今向けますね。はい、どの辺に・・・
綱川:この辺にね・・・
(マイクのチェック)
志村:はい。
綱川:多分いいと思います。失礼します。
(♪綱川さんの演奏)
志村:(拍手)ありがとうございます。
綱川:ありがとうございます。
志村:そう、ね、ロコちゃんとそしてご家族が本当に楽しまれて、一体感なんて物足りないくらい一体感になってっていう風に、私が大切にしている友達、お看取りすることが決まっていて出会ったお友達なんですけど、そういう風な方にもこうやって時々来てくださったりして、その人の人生を応援してくれている、フルートで、そういう風なご活動とかもすごい感動したんですね。で、今はそれを綱川さんは学校とかでもなさっていらっしゃるって分かってるんですけど、どんなことをなさってるんですか?
綱川:そうですね、こちらのダイアログ・イン・ザ・ダークのアテンドを卒業した後にですね、もう一回初心に帰って、自分の音色を一から見直してみたんですよね。で、そんな時に、すごく心の底から湧いてくるものがあったんです。もっとこういう風な音を作りたいなとかって、あとはもうコロナ禍だったので、いろんなインターネットとかで世界中の素晴らしい演奏をたくさん聴くようにして、その中で原点のクラシック音楽にもう一度中心に据えて活動をしてみようと思いまして、そんな中で支援してくれた方の中で、静岡市の清水なんですけれども、フリースクール「元気学園」っていうところがありまして、そこはですね、全国からお医者さんに紹介されて、体の不調だったりとかで学校に行けない子どもたちが全寮制の中で学んでいくという、医療法人のフリースクールでございまして、そこで例えば栄養とか、それから早寝早起きの生活リズム、そして運動とかをしっかりやって、体を整えてから勉強を頑張ってもらうと。そして、その助けになるということで、例えば合唱をやったりとか、その他にリコーダーがいいんじゃないかということで、理事長先生からお声をかけていただいて、2021年から講師として週に1回、元気学園のほうでリコーダーの合奏を指導させていただくことになりまして、自分で例えば有名な曲を編曲したりとかしてね、それを今点字で入力すると五線譜になったりするパソコンのソフトがあったりして、そういったものを使って皆さんに勉強していただいて、今は40人ぐらいですかね、の、リコーダー合奏。年代は中高生ぐらいが中心なんですけど、そういった形で多分学校で演奏するレベルよりはるかに、もう4年ぐらいやってますので、すごく上手になっていますね。
志村:あー素晴らしい。
綱川:やっぱりなんて言うんですかね、目が全く見えない、指導者から吸収していくっていうのも一つの経験になるのかなって。これから社会に出られた時に、おそらくいろんな環境とかいろんな方たちと出会われた時にね、あー、そういえば学校にいた時に、こういう人にこういったリコーダーを習って、一生懸命練習して上手になったよなーとかって思い出してもらえたら嬉しいなって思います。
志村:本当だ・・・すごくいいと思う。大活躍ですね。
綱川:いえいえ、ありがとうございます。
志村:今のお話を伺っていると、いわゆるプロとしての演奏と、そして先生として子どもたちに教えていて、個人レッスンもなさっていると聞いているけど。
綱川:そうですね、東京と静岡の方でやっています。
志村:ね〜。って言いながら、演奏があるって聞いて私がチケット欲しいって言ったら、ごめんもう売り切れちゃったんだとかってあったりしますよね。
綱川:あー、すみません。実は12月7日の日曜日なんですけど、サントリーホールで小林研一郎さんのコバケンとその仲間たちオーケストラの第九の公演がございまして、『史上最高の第九に挑むVol.6』というタイトルなんですが、もう10月の途中で完売になってしまいまして、残念なんですけども。
志村:ね、っていうふうに、綱川さんがご出演なさるコンサートはチケットが売り切れるというのがあるんですけど。
綱川:いやそれはね、小林先生のおかげなんですけど(笑)あでも行かない方にも朗報がございましてね、YouTubeでおととしの講演の様子がいつでも無料で見られますので、よろしければ『史上最高の第九に挑む』と検索していただくと、私がたぶん真ん中らへんに映って偉そうにフルート吹いております(笑)
志村:楽しみです。ね、なのでね、じゃあ私たちは聞きに行けるというか、まだチケットが全然大丈夫だよというのは、大体いつごろだったらあるんですか?
綱川:そうですね、近場ですとね、12月23日の火曜日、夜7時から練馬生涯学習センターホールというところで、そのオーケストラのメンバーも何人か呼んでるんですけども、室内楽でクリスマスコンサートを予定しておりまして、こちらお席がいっぱいございます。
志村:なるほど。
綱川:それから来年の3月28日土曜日の午後2時から、これはですね渋谷駅からすぐなんですが、美竹サロンというところでピアニストの長澤晴浩さんと一緒にソロのコンサート企画をしておりまして、そちらもね、今チケットがまだできたばっかりなので、ぜひね、皆様に聞きに来ていただけたら嬉しいなと思ってます。
志村:私も行きます。
綱川:ぜひよろしくお願いします。お待ちしております。
志村:本当に。そんな綱川さんに伺いたいんですけど、今年はどんな年でしたか?
綱川:そうですね。今年はいろんな人たちに助けてもらった年だなーって、大きく捉えると、それを感じた1年でしたよね。困っている時に、関わった人たちがすごい親身になって助けてくださった。だから余計にいただいた分をちゃんとお返ししたいなっていう思いがあったりするので、僕ができることがあれば、やれることを一生懸命やってお返ししていけたらなって、そんな思いですね。
志村:いいですね。
綱川:能登にもね、実は今年初めてやっと行けたので、そこで穴水だったんですけども、仮設住宅の方たちにとっても喜んでいただいて、あちらの方たちからまた来てほしいというリクエストをいただいて、また1月の17日、18日と2日間かけて演奏と、そして皆さんとお話をたくさんしに伺う予定になっております。
志村:いいね、演奏だけじゃなくてお話もできるって最高ですね。
綱川:はい。
志村:うーんそうか、ね。今年本当に最後の放送になるんですね、この番組だとすると。で、今夜ね、明日ちょっと元気が出るような、そんな言葉をいただきたいんですけど、一言もらってもいいですか?
綱川:はい。本当に今思いついた言葉で恐縮なんですけど、できることでありましたらですね、聞いていただいている皆様の枕元に行って、お休みになるまでずっと語りかけて、そういうことができたら本当にいいんだろうなって思います。そして朝起きたときの爽やかな気持ちと、そういったもののお手伝いができればと思います。その一助になるかはわからないんですけど、今日のお話とか、それからフルートの音色などもぜひ聞いていただいたりして、皆様が明日を元気にスタートできるようにという、そんな気持ちでお届けできたらと思っています。
志村:そう、あ、じゃあさ、綱川さんのオリジナルの曲ありましたよね。「絆」でしたっけ。
綱川:そうですね。「絆」という曲で、元々はNHKの元プロデューサーさんのご家族の旅行がありまして、そこにお忍びでサプライズでお邪魔したことがありまして、その時に何曲か演奏した中で、まだ当時できたばっかりのメロディーをフルートで演奏したんです。そしたらプロデューサーさんのお父様が、この曲のタイトルは何て言うんだい?っておっしゃって、まだついてませんって申し上げましたら、じゃあ「絆」がいいよと。でその1ヶ月後にお父様は亡くなられてしまいまして、なので、やっぱり音楽を続けているとたくさんの出会いがございまして、その出会いへの感謝を込めてずっと演奏を続けていきたいなと思っていた中ですね、この曲はすごいことが続きましてですね、知り合いの作曲家の仲間なんですけども、ぜひこれはオーケストラにアレンジをしてあげるよっておっしゃってくださって、オーケストラバージョンが生まれたりとかですね、それから今お世話になっている、静岡でこの曲を聞いてくださった時に、とってもいいメロディーなんで、ぜひ合唱曲にしてはどうか?ということで、いいフリースクールがあるから、その子たちを紹介するから、でそれが元気学園だったりしたんですけど、その学園の子どもたちが歌詞を書いてくださって、それで混声三部合唱用にまた自分で編曲をやり直しまして、それで生まれたコーラスバージョンというのがありまして、CDも実は作っているんですけれども、その中には両方が収録されていたりします。今日はその中のオーケストラバージョンをお届けできたらなと思っております。
志村:うん、その曲をね、さっき私がお聞きした、聞いてくださっている方々に明日の朝ちょっと元気で迎えられるようにっていうのを、綱川さんできることならば枕元にお邪魔してっておっしゃってたじゃないですか、この曲をお届けしたらどうなのかなと思ったんです。
綱川:ありがとうございます。やっぱり演奏家なもので、言葉じゃなくてね、やっぱりこう音楽でお伝えできるのが一番本当のことかなと思ったりしております。
志村:はい。でこれは、今真っ暗い中で私たちはお話ししているんですけど、よかったらエントランスで、ちょっと明るいですけど、そこで弾いてもらって、皆さんにお届けできたらどうなのかなと思うんですけど、いいですか?
綱川:はい。
志村:よかった。ではね、綱川さん、今日は暗闇の中でのお話はここで終わるんですけど、なにかまだこれ言ってなかったってことあります?大丈夫ですか?
綱川:そうですね、できることならですね、皆さんと暗闇の中でまた出会えたら嬉しいなって思ったり、今日ここに来てすごく強く思いましたね。
志村:じゃあ今度は暗闇で綱川さんのライブをしましょうか。
綱川:ぜひぜひ。
志村:素敵。本当?
綱川:来年の目標の一つに置かせていただきたいと思います。
志村:うわ、最高!じゃあ約束ね。
綱川:はい、ぜひぜひ。
志村:分かりました。今日はありがとうございました。
綱川:ありがとうございます。
志村:明るい未来が見えました。
綱川:ありがとうございます。
志村:ありがとうございます。
綱川:暗闇だけに、明るい未来。いいですね(笑)
志村:いいね!(笑)
綱川:はい。
志村:お後がよろしいようで。
綱川:はい、本当にありがとうございました。