20220819 ONAIR
8月のショートストーリー
主演はWONK・長塚健斗と長澤樹。
今週は『空想料理教室』。
「あれやる?」
「うん、お願い。」

先日、久しぶりに仕事でドイツのベルリンに言った高崎さん。
ところが、世はコロナと戦争の影響で、便数も少なく、ロシアの上を飛ぶことができず、
飛行機はおそらく北極経路で少し遠回り。往路はロンドンのヒースロー経由でなんと18時間もかかったそうです。
ただでさえ急な欠航もあるから…と欠航しがちではない会社を選んだり…と、会社選びも重要。
ヒースローを選んだのは、大きい空港だと何かあっても対応できると思ったからだそうです。
高崎「これが間違いで。」
イギリス最大の空港であるヒースローはとにかく大きい。そのうえ不親切。
ターミナルを変えるだけでとんでもなく歩かされるし、わかりづらい。
そんなヒースローで乗り継ぎで4時間半もあった高崎さんはラウンジでビールを楽しむも、
油断しちゃいけないから早めに行こうと、行動。
5つあるターミナルを移動するのにトラムという電車や、バスを利用するも、
着いたターミナルでは、違うターミナルを言い渡され、戻るにもコロナで戻りの便は運休。
高崎「50歳過ぎてこんなに走れるんだと思うくらい走りました。」
着いたと思うと、まだまだその倍は距離があったり、しまいにはゲートの「Berlin」と「Barcelona」の文字を見間違え、
汗だくになりながら間一髪危機を逃れます。
ヒースローは前も走った記憶があった高崎さん。その後、滞在中はその失敗談で盛り上がり、
「今ヒースロー60だな」などなど、何か大変なことが起こると、その単位として「ヒースロー」が使われるように…(笑)
そんなベルリンからの帰り道。細心の注意を払っていた高崎さんですが、セキュリティタイムが迫る中、
ターミナルを移動するバスがないことが発覚。ベルリンから日本を目指す乗客が他にも4,5人いたようで、
全員着いた時からパニック。もちろん誰も寄り道してないのに、間に合わない雰囲気だけが漂い。
お互い言葉を交わしているわけではないのに、気が付いたら集団行動に…遂にセキュリティーを突破したときには
変な連帯感生まれていたそうです。高崎さんも途中からみんなのこと好きになっていて、心の中で「みんながんばれ」と応援。
高崎「羽田着いたらみんなロストバゲージしてたんですよね。」
無言で「お前もか」という顔で頷きあいながら、羽田の職員さんのところに行ったそうですが、
そんなトラブルも笑い話になると思うと、実は嫌いではないという高崎さん。
金曜日に嫌なことがあっても、月曜日は普通にご飯食べてるいるかもしれない。
高崎「でも、言霊になってトラブルが来たら嫌だから、やっぱり嫌いです。」
代官山 蔦屋書店
文具コンシェルジュ・佐久間和子さんの場合

ニキシー管とは1954年に開発された、数字を表示する放電管です。
当時は電卓や空港の表示盤など世界中で数字をデジタル表示する際に使用されていました。
やがて液晶ディスプレイ等の新しい表示方法が出てくると、需要が減って1990年代には製造が終了しました。
ニキシー管は真空管の中に数字をかたどった電極があり、その周りのネオンガスが発光することで数字を表示します。
電極そのものが光るのではなく気体が光るので、数字の輪郭はあいまいで、ふわっとしていて、
ぶるぶると微かに震え見えます。そのオレンジ色の灯りの、滲んだようなたたずまいが好きで、
視界に入るとついつい見入ってしまいます。
すでに製造が終了しているので、現存するニキシー管が無くなって、この灯りを見られなくなるのも、
そう遠い話ではなさそうです。ニキシー管の灯りは、新しい技術が生まれる一方で、
そっと姿を消していく古いものたちに、労いの気持ちが湧いてくる不思議な魅力を持っています。
