BEST REGARDS

20221216

Letter #37 Sheila Maurice-Grey (Kokoroko)

僕が手紙を送ったのは、KokorokoのSheila Maurice-Grey。

【Sheila Maurice-Grey Profile】
ロンドンを拠点に活躍する8人組バンド・Kokorokoのメンバー。
Kokorokoは、2014年にトランペッターでコンポーザーのシーラを中心に結成。
そのサウンドは、ホーン・セクションをベースにした新世代アフロビート!
2020年には、アーバン・ミュージック・アワーズで「ベスト・グループ賞」を獲得。
グラストンベリーを始め、多くの音楽フェスでそのパフォーマンスが絶賛され、
ロンドンのジャズシーンにおいて、最重要バンドの1つになっています。

社長:
親愛なるシーラ。

ファースト・フル・アルバム「Could We Be More」リリースおめでとう。
これを聞いて、実は少し不思議な気持ちでいるんだ。

洗練されたダンサブルなアフロビートのバンド、という第一印象だったけど、
実はその奥にある、コードワークやメロディーラインにこそ
Kokorokoの魅力が感じられるんだって、気がついたんだ。

Roy AyersやDonald Byrdのようなレアグルーヴのフィーリングがミックスされている。。。
この解釈は合ってるのかな?

とにかく、アルバムを通して気持ちよく聞ける、素晴らしい作品だよ!

Best Regards, 社長

Sheila:
親愛なる社長

その解釈は合っているわ。
Roy AyersやDonald Byrdだなんて言ってもらえて、とても光栄だわ。
私自身レアグルーヴの大ファンだから!

正直なところ、このアルバムの作曲とレコーディングのプロセスは、
決して忘れることのできない経験になったわ。
これが私たちの最初のリリースになるということで、曲を作り始める前にバンドのメンバーと集まって、
アルバムをどんなものにしたいかという考えやアイデアをブレインストーミングしたの。

その結果、Kokorokoのサウンドの要となっているのはアフロビートやハイライフ、ジャズではあるけれど、
バンドとしてだけでなく、8人の個人としての私たちを体現するような音楽を作りたい、
というのがみんなの共通認識だということがわかり、そうすることになったの。

それはつまり、私たちが個々に影響を受けている、
ファンクやヒップホップ、R&B、サイケデリック、レゲエ、Patrice Rushen、The Funkadelicsなど、
様々なジャンルやミュージシャンの要素を取り入れるということだったの。

Best Regards, Sheila

Sheila:
年を重ねるごとに家族のありがたみを感じるようになっている今日この頃。

私にはサイモンという母方の弟がいてとても仲が良いの。
私が昔、弟につけたニックネームは「ベイビー・サイ サイ」。でも今そう呼ぶと嫌がるわ。
サイモンは9歳年下なんだけど、そう感じさせないし、彼の方が年上のように感じることもある(笑)。

サイモンは私と同じくミュージシャンで、偏見なしに言っても、歌とラップがとても上手よ。
彼のステージネームはPaxeなので、よかったら彼の音楽をチェックしてみて。

サイモンは、いつも私に大きなインスピレーションを与えてくれるの。
彼は11歳の時に、お小遣いを貯めて初めてギターとアンプを自分で買って、
それから、幾つかのコードを独学で学んだのよ。
その後すぐに私と一緒にTomorrow's Warriorsに参加するようになって、
Nardeydeyとしても知られるShirley Tettehからマンツーマンのギター・レッスンを受けることになったの。
私は、サイモンが好奇心旺盛で、自分の意志で楽器を学ぼうとする姿勢が好きで感心していたのを覚えているわ。

ミュージシャンであると同時にサイモンは中学校でパストラルケアの先生もしている。
カウンセリングやメンタリング、ピアサポート(同じような立場の人によるサポート)を通じて、
弱者となりうる若者たちをサポートする仕事よ。
これは、気の弱い人には簡単な仕事ではないので、私はサイモンの仕事への献身を誇りに思っているわ。
ロンドンに住む20歳の黒人男性として、これだけのことを成し遂げているのだから。

社長は、ご家族の中で、誇りに感じたり、インスピレーションを受ける人っている?

Best Regards, Sheila

社長:
親愛なるシーラ、手紙をありがとう。

弟さんもミュージシャンなんだね。
Paxeの音楽もぜひ、色々とチェックさせてもらうよ。
家族を誇りに思うことが出来るって、本当に素晴らしいことだ。

僕の人生において、父からの影響はとても大きいと思う。
ラジオDJになる夢は、父がアナウンサーだったからこそ思い描けた。
あまり家にはいなかったけれども、いないなりに色々と学んだよ。

大切な女性には、ささやかでもいいから、毎回贈り物をする、
なんていうことも言われたっけな。

音楽をやることには反対していて、いまだにライブを見に来てくれたことはないけどね。

Best Regards, 社長

【PLAY LIST】
War Dance / Kokoroko
Little Sunflower / Freddie Hubbard
Homecoming / Paxe
Glory / Sault

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