J-WAVE SELECTION / SHIMIZU KENSETSU 【DIALOGUE PROJECT BEYOND 2020】

2020年に向けて、ダイアログシリーズの活動を紹介するスペシャルプログラム。
この番組は「サイレントラジオ」と題し、YouTubeでの⼿話による同時放送を実施します。

番組の感想を送って頂いた方の中から2組4名様を「ダイアログ・ウィズ・タイム」ご招待します。
※ご招待の応募受付は終了いたしました。

  • NAVIGATOR
    別所 哲也
  • SUPPORTER
    清水建設(SIMIZU CORPORATION)
  • GUEST
    ダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパン 代表
    志村 真介

PROGRAM

ダイアログシリーズとは、
さまざまな環境での対話を通じて、
楽しみながら多様な価値観に
触れることができる
ソーシャルエンターテイメント

3つのプログラムが体験できるダイバーシティのミュージアム「対話の森®️」がいよいよ2020年、東京・浜松町の
複合施設「ウォーターズ竹芝」にオープンします。
また、今夏には2017年、18年に期間限定で開催され約1万人が体験した「ダイアログ・イン・サイレンス」、
2017年に1日限定でプレ開催した「ダイアログ・ウィズ・タイム」も東京にて開催致します。
3つのエンターテイメントの全容と、取組を別所が紐解きます。

SILENT RADIO

言葉の壁を超えた
対話を楽しむエンターテイメント
2019年7月28日22時から
ラジオと同時放送

ON AIR ARCHIVE

番組で放送した内容を
テキストでもお楽しみいただけます。

【会場:男性】
あっ 暗くなってきた

【一同】
おぉ...

【男性たち】
あっ もう何も見えないよ。でも まだ… ぼんやり

【女性】
おっ、ぼんやり?

【男性たち】
えー 見えない。あっ でも見えなくなってきた!

【別所哲也】
もし光が遮断された暗闇に包まれたら、あなたはどう生きますか?
もし言葉が通じない何も聞こえない空間に立った時、あなたはどうやってコミュニケーションをとりますか?

〔参加者たちの話し声〕

〔ベルの音〕

【スタッフ】
はい 83歳から、じゃあ次は 99歳になります。

〔参加者たちのざわめき〕

【スタッフ】
99歳の自分がどういう気持ちで人と出会って握手するのかなって...

【別所哲也】
99歳のあなたを想像できますか?99歳のあなたはどんな経験を積んでいると 想像しますか?
こんばんは 別所哲也です。
今夜のJ-WAVE SELECTIONは、見えない体験“ダイアログ・イン・ザ・ダーク”、聞こえない体験“ダイアログ・イン・サイレンス”、そして 歳を重ねる体験“ダイアログ・ウィズ・タイム”。
この3つの体験型対話を通して未来から今をデザインしていくソーシャル・エンターテイメント、“ダイアログ・プロジェクト”をフィーチャーします。
“見えない”、“聞こえない”、“歳を重ねる”。
ネガティブにとられがちなこの3つの体験を通して得られる豊かな生き方、一緒に考えていきましょう。

そして 今夜の放送は“サイレントラジオ”と題して手話による同時放送も実施しています。
こちらは J-WAVEのホームページの中にあるダイアログ・プロジェクトのページでご覧いただけます。

手話を必要としない皆さんにもご覧いただきたいです。
手話の手の動きの素敵さ、表情の豊かさを感じていただける映像になっていて、それが放送とシンクロしています。
ぜひ J-WAVEのホームページにアクセスしてください。


M: LOVE MAKES THE WORLD / CAROLE KING


【別所哲也】
今回のJ-WAVE SELECTIONはダイアログ・プロジェクトをフィーチャーしています。
まずは今夜の番組を 一緒にナビゲートして下さるお客様をご紹介します。
ダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパン代表、志村真介さんです。よろしくお願いします。

【志村真介さん】
よろしくお願いします。

【別所哲也】
1999年に日本でダイアログ・イン・ザ・ダーク、こちら初めて開催されたわけですけど、志村さんはその主催者でいらっしゃいます。
志村さん、今年で20年目、この20年の歩み、どうお感じになってますか?

【志村真介さん】
そうですね、1999年といいますとまだ世の中にダイバーシティという言葉がありませんでした。
暗闇のプロジェクトというとお化け屋敷しかなかったわけですね。
お化け屋敷っていうのは、人を驚かせたり怖がらせたりするものだと思うんですけど、人ってそもそも暗闇が怖くて、そしてそれを何とか解消しようとして火を使って都市を明るく明るくしてきたわけですが、

【別所哲也】
ええ

【志村真介さん】
この暗闇っていうのをもっとポジティブに、そして温かい暗闇ということを作ったこのダイアログ・イン・ザ・ダークというのは革命的な発見だと思うんですね。人類が持った。

【別所哲也】
ですねぇ。
そして1年1年回を重ねて年を重ねてきたわけですけれども、このあと番組を通して3つのプロジェクトをご紹介していきますが、その原点でもあるダイアログ・イン・ザ・ダークとの出会い、これを改めて志村さん、教えてもらえますか。

【志村真介さん】
はい。
わたくしはですね、1993年のある新聞の夕刊紙でダイアログ・イン・ザ・ダークがウィーンでやっていることを知ったんですね。

【別所哲也】
はい。

【志村真介さん】
自然史博物館を真っ暗にして、その中に森だとか都市だとか日常生活ができる空間を作り、で、数名で入りそれを案内するアテンド役が視覚障害者だという記事を見ました。

【別所哲也】
はい

【志村真介さん】
衝撃を受けまして。
その頃自分はマーケティングの仕事をしてたので、どちらかというと目に見える付加価値を生活者の方に届けてた仕事なんですけど、ヨーロッパだと目に見えない付加価値、もしくは人のつながりとかこういうことに市民の方々はお金を費やして時間を消費してるんだなということを思いました。

【別所哲也】
うん。

【志村真介さん】
で、すぐ新聞社に連絡をして、ドイツ人の発案者のハイネッケに手紙を書いて今に至ってます。

【別所哲也】
そうなんですか。
このダイアログ・イン・ザ・ダークなんですけども、用意されている体験というのはどういうものになるんでしょう。

【志村真介さん】
普段、自分たちは視覚を中心にコミュニケーションしてると思うんですけど、用意された空間は照度ゼロの漆黒の暗闇なんですね。

【別所哲也】
ええ。

【志村真介さん】
1分いても30分いても1時間いても1日いても、完全に目が慣れることのない漆黒の暗闇の中にグループで入っていきます。
で、視覚以外のあらゆる感覚を開いてそして協力しあいながら対等な対話をしていくということなんですが、その案内役が普段から目を使ってない視覚障害者なんですね。
ですが、視覚障害者の疑似体験ではなく、もっと自由で豊かな体験なんです。

【別所哲也】
実は先日、わたくしもこのダイアログ・イン・ザ・ダーク体験させていただきました。

【会場:スタッフ】
はい、皆さん 集まりました。

【参加者たち】
はい。

【スタッフ】
暗闇に入ってどうでしょうか、今の気持ち。

【別所哲也】
本当に何も見えない。

【スタッフ】
音とかどうです?皆さん。

【別所哲也】
なんか空調みたいな...

【参加者たち】
うん。

【スタッフ】
はい。

【女性】
声が左右に広がっていく感じ。

【スタッフ】
はい、そうですよね。

【別所哲也】
空間が広いってことなのかな。

【スタッフ】
なるほど!面白いですね。そんなことを確かめるために、暗闇に慣れるために、1個 ゲームをやってみたいと思いまーす。キャッチボールです。

【別所哲也】
えっ?

【女性】
暗闇でできるの?キャッチボール。

【スタッフ】
まずキャッチボールをやるってことをお伝えしておきます。じゃあ いきまーす。

〔何かが転がる音〕

【別所哲也】
はっ!

【スタッフ】
おー! ナイスキャッチ

〔拍手〕

【スタッフ】
ナイスキャッチ!

【別所哲也】
お聞きいただいてるのは、ダイアログ・イン・ザ・ダークを体験させていただいた様子なんですけど、これは暗闇の中でキャッチボールをしているところなんですけれど、いやぁ志村さん、

【志村真介さん】
はい

【別所哲也】
新鮮な体験でした。

【志村真介さん】
あぁ、そうですか。

【別所哲也】
全く暗闇ですから見えないんですけど、ボールがやって来る音が中に鈴みたいなものが入ってるでしょうか。
コロコロっと聞こえてきて。

【志村真介さん】
はい。

【別所哲也】
キャッチした時の喜び、そしてボールを触れた時の感覚。
今でも思い出されるし、ボール自体のサイズを勝手に思い込んでいた自分の、その思い込みみたいなものとも瞬時に出会うんですね。

【志村真介さん】
そうですね。

【別所哲也】
ええ。

【志村真介さん】
あのボールは、実はブラインドサッカーのボールなんですね。
目を使わなくても楽しめる仕組みのあるボールなんですけど。

【別所哲也】
うん。

【志村真介さん】
音とともに暗闇の中に入ると、声がすごく重要になるっていう感じしませんでしたか?

【別所哲也】
しました。
まず暗闇の中に入った時にですね、ほんのりとまだ見える空間にまず入るんですけど、その時にはなかった真っ暗な暗闇の中に入った瞬間に感じた人の気配とか、声のトーンとか。
それが行き渡る空間の大きさみたいなものにまで感覚が広がっていくんですね。

【志村真介さん】
広がっていくんですね。

【別所哲也】
そして、この暗闇の中で私たちはもう1つある体験をしました。

【会場:スタッフ】
キャッチボールで音に慣れましたので、次もう1個、音を楽しむものをやってみたいと思うんですけれども。
ちょっと皆さん、ハチがカゴを持ってて真ん中あたりに空中なんですけどありますので、1つずつ取っていただけますか?
好きなもの。

【別所哲也】
これ何ですか?

【スタッフ】
何でしょうか。

【別所哲也】
ベル... ベル?

【スタッフ】
お!

〔ベルの音〕

【参加者たち】
あ!すごーい。

〔ベルの音〕

【別所哲也】
こちらは 暗闇の中でハンドベルを演奏するという体験。

〔ベルの音が続く〕

【別所哲也】
志村さん、これもまた一緒に入った人たちとの協力をしながらというか、それぞれ違う音程なんですけれどもこれを重ねていく楽しさがありましたねぇ。

【志村真介さん】
ありますよね。
やはり1人でするのとは全く違って、全くこう多様な人たちが1つのものを協力して作っていくという。
出来上がるとすごい達成感があるんですよねぇ。

【別所哲也】
そうなんですよねぇ。
で、こうやって今鳴らしてますけどね、1つ1つの音が伸びやかに暗闇の中に...

【志村真介さん】
広がっていく。

【別所哲也】
そうなんです、伸びていく。
音が速度を持って走っていく感じが

【志村真介さん】
見えたりしますよね。

【別所哲也】
そうなんです。
不思議なハンドベル体験をさせていただきました。
さあ、ダイアログ・イン・ザ・ダークは世界42か国以上で開催され、延べ800万人を超える人が体験をしています。
日本で参加した人からはどんな声が届いているんでしょうか。

【志村真介さん】
そうですね、さまざまな声が届いてるんですけど、今、通常スマホで視覚情報でやりとりをしてますよね。

【別所哲也】
うん。

【志村真介さん】
そしてSNSでつながってるという感覚があると思うんですけど、まずスマホを置いてリアルに人と人が出会うということってすごく重要だっていうことが分かったということを皆さんおっしゃいますね。

【別所哲也】
このダイアログ・イン・ザ・ダークの体験なんですけど、最近では企業からの注目も高くて体験型研修として活用されているという、そんな企業もあると聞いてますけど。

【志村真介さん】
はい、そうですね。
そういう企業が増えてまいりまして、組織の中にはいろんな部署があると思うんですけど、部署ごとで見えない壁って出来てる状況が多いではないですか。
ですので、それを見えない壁を取っ払いながらですね、

【別所哲也】
ええ。

【志村真介さん】
協力したりコミュニケーションをとったりするという。
例えばリーダーシップ研修とか、リーダーをフォローしていくフォロワーのあり方とか。
ダイバーシティのあり方のようなさまざまな企業の課題を暗闇の中で解決していく、そういうプログラムが増えてます。

【別所哲也】
企業が抱えるさまざまな課題も解決しているそんなダイアログ・イン・ザ・ダークですけど、今年の秋から一般の方が体験できる常設イベントになるんですね。

【志村真介さん】
そうですね。

【別所哲也】
はい。

【志村真介さん】
国立競技場の前にホテルが新しく出来ますが、その中に常設施設が入ってきまして、今度はテーマは“内なる美、ととのう暗闇。”
という、

【別所哲也】
うーん“内なる美”

【志村真介さん】
はい

【別所哲也】
“ととのう…”

【志村真介さん】
“暗闇”

【別所哲也】
“暗闇”

【志村真介さん】
外見の美しさを探究するのではなくて、自分の本来の持ってる美しさを暗闇の中で磨いていこうということなんですが、体験すると心と体がととのう、そういった暗闇を大人向けに上質な暗闇を提供しようと思ってまして。
例えば禅とかですね、マインドフルネスとか。
日本の文化とオリジナルのコンテンツを使いながら新しいサービスを提供しようとしてます。

【別所哲也】
そうですか。
三井ガーデンホテル神宮外苑の杜、こちらに常設イベントが今年の秋から“内なる美、ととのう暗闇。”
暗闇の中で研ぎ澄まされる感覚、そこから生まれる対話。
ダイアログ・イン・ザ・ダークが導く豊かな生き方。
志村さん、どんなヒントがここから得られるとお考えでしょうか。

【志村真介さん】
そうですね、私たちは今ここにいてもあしたのこととか来週のこととか先のことっていうふうに、なかなか今ここにいれない自分がいるんですね。

【別所哲也】
うん

【志村真介さん】
でも暗闇の中に入るとまさに今ここの目の前に人がいて、そして隣には誰かがいるというふうな、今ここを感じることができるんですね。
この体験をすると日常生活にも今ここを大切にするということができるので、これが実は人の豊かさにつながっていくんではないかと思います。

【別所哲也】
豊かな生き方とは何か、暗闇が教えてくれます。

【別所哲也】
今夜の放送はサイレントラジオと題して、手話による同時放送も実施しています。
ぜひ J-WAVEのホームページにアクセスしてください。
今夜のJ-WAVE SELECTIONはダイアログ・プロジェクトをフィーチャーしています。
お迎えしているのはダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパン代表の志村真介さんです。

さて今回は、ダイアログ・プロジェクトに改めてフォーカスする1時間。
ここからは2つめのプロジェクト、ダイアログ・イン・サイレンスについて伺っていきます。

志村さん、2017年に日本で初めて開催されたということなんですが、まずはこのダイアログ・イン・サイレンス、どんな体験なんでしょう。

【志村真介さん】
はい。
今度はですね、見えるんですが音を遮断するヘッドセットを参加者がします。

【別所哲也】
はい。

【志村真介さん】
そして、その中のルールはしゃべってはいけない。
静寂の中にみんなが入っていくんですね。

【別所哲也】
ええ。

【志村真介さん】
で、その静寂の音のない空間の中で、今度は表情とかジェスチャーとかを使って、いかにして新しいコミュニケーションを生み出していくかっていうプログラムなんですね。

【別所哲也】
はい。
参加者はどんな体験を通じて静寂の中の対話というものを経験することになりますか?

【志村真介さん】
まずですね、人と人が出会ってコミュニケーションをしていく。
そのいちばん前提として目を合わすっていうこと。
なかなか目を合わすことってないじゃないですか、日常生活の中で。

【別所哲也】
そうですねぇ。
確かに アイコンタクトを取って話すということが最近少なくなり始めてるでしょうね。

【志村真介さん】
そうですよね。
そしてコミュニケーションをするには、例えば手で表現できることを学んでいきます。

【別所哲也】
はい。

【志村真介さん】
手とともに、今度は表情。
自分も普段、感情と表情が合わないんですけど、感情と表情を合わせていくようにトレーニングしていきます。それも楽しみながら。

【別所哲也】
はい

【志村真介さん】
で、そういった手とか表情とかが普段からものすごく豊かな人って、実は音を使ってない聴覚障害者なんですね。

【別所哲也】
あぁ。

【志村真介さん】
ですので、今度の案内役は聴覚障害者が案内してくれます。

【別所哲也】
ということは、文字を書いたり手話を使ったりというような、直接的なコミュニケーションでもないということですか。

【志村真介さん】
ボディーランゲージに近いでしょうか。

【別所哲也】
はあ、なるほど。
実際にこのダイアログ・イン・サイレンスでどんな対話が生まれているのか、ここでダイアログ・イン・サイレンスでアテンドを務めるアテンドリーダーのお一人、松森果林さんのインタビューをご紹介します。
志村さん、果林さんはどんな方なんでしょう。

【志村真介さん】
そうですね、果林さんっていうのはもともと聞こえてた方なんですね。

【別所哲也】
はい。

【志村真介さん】
で、ある時から聞こえなくなったということで、彼女いわく“聞こえない世界に移住した”というふうに言ってます。

【別所哲也】
ほお。

【志村真介さん】
ですので、聞こえてる世界と聞こえない世界の両方を知ってるバイカルチャーなんです。

【別所哲也】
はい。

【志村真介さん】
ですので、両方の文化を橋渡しする。
そういう役割でこれまで彼女が活躍したのは、例えばユニバーサルデザインとか、ダイバーシティのデザインっていうのを社会の中で構築していった第一人者です。

【別所哲也】
そうなんですか。
そんな松森果林さんにダイアログ・イン・サイレンスでの印象的な対話についてお話を伺いました。

【松森果林さん】
去年のサイレンスの時に高校生の女の子とその家族が参加してくださったんですよ。
4人家族でお父様は聞こえないんですね。お母様とお子さん2人は聞こえるんですよ。
その時にお嬢さんが最後の対話の部屋で突然泣きだしてしまって、なかなか自分の言いたいことが言葉にならなくてずっと泣いていたんですけれども、でもその様子を12人のグループでずっと見守っていたんですね。

言葉が出てくるまでの間、彼女を見守ったりとか背中をさすったりとか、目と目を合わせたりとかほほえみあったりとか。
そうした言葉になるまでの時間っていうのも対話の1つなんだなって思いましたし、終わったあと彼女から改めて手紙をもらって、その時の経験が自分の人生に大きく影響を与えたっていう内容でしたし、
また聞こえないお父様の気持ちにも少し気づくことができたと。
自分から変わっていきたいっていうような決意の手紙をもらったんですよ。
それがとても嬉しかったです。

例えば対話とか、または会話とか。
コミュニケーションというとどうしても音声言語で話すというイメージがあると思うんですよね。
でも言葉がなくても対話は成立すると思いますし、むしろ目と目を合わせて見つめ合うだけでもそうした沈黙を大事にする時間というのも対話の1つなんだなって私は思います。

【別所哲也】
沈黙を大切にする時間。
次の対話が始まるまでも、待つ時間さえコミュニケーションの一部である。
俳優の仕事をしてますとね、僕たちも心のセリフというか心の言葉みたいな、今、表に出てる言葉ではないもう1つの言葉。
ダブルミーニングなんていう言い方もしますけど、そういうものが実は流れてたりするわけで。
実はその心の言葉に耳を傾ける、そんな作業にもなってるのかもしれませんね。

【志村真介さん】
そうですね。
そういうことって、普段当たり前にあることなんだけれども

【別所哲也】
ええ

【志村真介さん】
感じることができない。

【別所哲也】
うん

【志村真介さん】
例えば暗闇は光を引き算していく、そしてこのサイレンスは音を引き算していく。
引き算していくことによって本質が見えてくるということだと思うんですけど。
果林さんの話を聞いてますと、例えば赤ちゃん。
まだ言語を持ってない赤ちゃんが、お母さんと何か会話してる状況が浮かんでくるんですけど

【別所哲也】
ええ

【志村真介さん】
お互いがものすごくこう、通じ合ってる感じがしますよね。

【別所哲也】
まさにそこにはスキンシップもあったり、アイコンタクトによる目と目での会話があったり。
人間らしい、あるいは動物らしいそういった対話そのものが静寂の中で成立している。

果林さんにもこのダイアログ・イン・サイレンスの可能性について伺ってみました。


【松森果林さん】
私はアテンドをして今年で3年目になりますね。
これまで2年間経験して改めて思うのは、ダイアログ・イン・サイレンスというのは自分の体の感覚とか楽しみ方がすごく広がってくることだと思うんですよ。
例えば、これまで自分が使っていなかった目とか物の見方とかそれから観察する力とか、または触ったりとか。

これまで自分が使っていなかった体の感覚。
例えば目と目を合わせるとか、それから顔の表情を使うとか。
ほほえみ合ったりとか、体を動かしたりとか。
そんなふうにして自分も知らなかった体を使うことができるという。
その可能性を発見していく楽しみというのがあると思うんですね。

自分の体にはまだまだこんな使える部分があったんだなって改めて気づきましたし、その発見の繰り返しというのがすごく面白いです。
それを参加してくださったお客様にもぜひ感じてほしいなと思っています。

【志村真介さん】
ダイアログ・イン・サイレンスっていうのは、果林さんがおっしゃってたような感覚の拡張性っていうことになると思うんですね。
これからインバウンドの方がどんどんまた日本に来られると思うんですけど、言語の違いによってやはり少し壁が出来てしまいますよね。

【別所哲也】
うん

【志村真介さん】
でもダイアログ・イン・サイレンスには多言語の人たちが同じグループで入っても通訳がいらないんです。
なので言語が違っても仲良くなれるんです。

【別所哲也】
はい

【志村真介さん】
この経験っていうのは、今いろんな社会で争いが起きてる1つの解決する新しいモデルになると思います。

【別所哲也】
そうですねぇ。
感覚を拡張する、そして同じ体験をすることで発見を一緒にしていく。
この共通の体験っていうのはかけがえがないですよね。

【志村真介さん】
そうですね。

【別所哲也】
そしてそこには、言葉を介さずに分かり合う気持ちが生まれる。
いやぁ...ダイアログ・イン・サイレンス、さらに皆さんも新たな発見とあなた自身の感覚を拡張する体験になるはずです。


M: YOU GOTTA BE / DES'REE


【別所哲也】
ダイアログ・イン・サイレンスは来月8月9日金曜日から18日日曜日までLUMINE 0 NEWoMan新宿5階で開催されます。
チケットのご予約はオフィシャルウェブサイトをご覧ください。

【会場:女性】
47です。よろしくお願いします。

【女性】
お子さんはいかがですか?

【男性】
元気です。

【女性】
37歳で

【男性】
頑張ってます。

【女性】
うちも高学年になりました。

【別所哲也】
聞こえてきたのは今日紹介する最後のプロジェクト、ダイアログ・ウィズ・タイムの研修の様子なんです。

【会場:スタッフ】
37が終わったら次はね、48歳。
48、何か思い出してきたかな。じゃあ48いきましょう。

【別所哲也】
37歳、48歳と年齢が聞こえてきましたが...志村さん このダイアログ・ウィズ・タイムとはどんな体験なんでしょう。

【志村真介さん】
今度はですね、案内するアテンドの方が70歳以上の高齢者の方なんです。

【別所哲也】
はい。

【志村真介さん】
そして命だとか時間だとか、あとは生き方について対話をするというプロジェクトなんですね。

【別所哲也】
はい。
これは...ダイアログ・イン・ザ・ダークは視覚障害の方、ダイアログ・イン・サイレンスは聴覚障害の方、そして今お話に出てきたダイアログ・ウィズ・タイムは70歳以上の方々。

【志村真介さん】
はい。

【別所哲也】
日本では2017年3月に1日限定で特別に実施したということなんですが、そのダイアログ・ウィズ・タイム、今年再び開催されるということなんですが、今回改めて開催することになった目的はどんなところにあるんでしょう。

【志村真介さん】
前回すごい好評でして。
といいますのは、日本って世界で稀な超高齢化社会なんですね。
寿命が100年時代に入って、長寿って言われる“寿”っていうのは“ことぶき”で、幸いなことなはずなんだけれども、今ニュースを見ると高齢者が車に乗って事故率が高まっているとか、ネガティブな情報ばかりではないですか。

【別所哲也】
うん

【志村真介さん】
でもその方がレジェンドとして知恵あるものを次世代にコミュニケーション、要は対話によって伝達していく。
こういうことが今必要だと思ったので、この夏短期で開催しようと思いました。

【別所哲也】
70歳以上の方々がファシリテーター【アテンド】

今回は どんな方々がファシリテーター【アテンド】
として参加されてますか?

【志村真介さん】
実はいろんなご経験をされた方がおられて、企業で頑張って活躍なさって引退なさってる人。
あとは、小学校の校長先生だったんだけれどももっと社会と関わりたいので参加なさってる方。
もう60年も主婦をずっと続けたけれども、この経験を社会に伝えていきたいという方。
あとは 元芸者さん。

【別所哲也】
はあ。

【志村真介さん】
そして、80歳なんだけれど、今、現役の大学生。

【別所哲也】
はははっ。

【志村真介さん】
という多様な方が多いですね。

【別所哲也】
すごいですね、多様性が。

【志村真介さん】
すごいです。

【別所哲也】
そして皆さん、それぞれ時間を重ねて70歳以上の方々ということなんですが、
さあここで、このダイアログ・ウィズ・タイムにファシリテーター【アテンド】
として参加される原田 泉さんへのインタビューご紹介したいと思います。
原田さんは前回も参加されたというお一人で、現在80歳です。
まずはファシリテーター【アテンド】
として参加されることになったきっかけを伺いました。

【原田 泉さん】
息子が福祉関係に勤めておりまして、ダイアログのことを知ってまして。
“親父 ちょっとやってみないか”というような話がありましてね。
これは面白そうだなと、こういう経験はしたほうがいいだろうと思って参加したのと、もう1つはガンをね。
体験する1年ほど前にガンを患いまして、77の時なんですけども。
これはいろんなことをこれからやらないとね、積極的に。人生楽しまないと。
いよいよちょっと時間がないなというような気持ちになって。
じゃあやってみようということで引き受けたんですけどね。

【別所哲也】
息子さんからのアドバイスもあってと原田さんおっしゃってましたけれども。
そしてご自身の体験も含めてガンを患ったってことも出てまいりました。
志村さん、ご覧になった原田さんの印象ってどんな印象を受け止められました?

【志村真介さん】
初めはですね、すっごい真面目で一切笑わない。
そういう美学の方かなと思ったんですけど、アテンドするためのトレーニングとかアテンドをされていくと実に芸達者な方でして。

【別所哲也】
ええ。

【志村真介さん】
今では別所さんのように俳優に...

【別所哲也】
え!?

【志村真介さん】
なりたいって おっしゃってます。

【別所哲也】
すばらしい、80歳で。

【志村真介さん】
はい。

【別所哲也】
わあ...、夢が広がりますね。

【志村真介さん】
そうですね。

【別所哲也】
新たな希望を、そして夢をお考えになり始めて現在80歳の原田さんなんですが、このファシリテーター【アテンド】
だけではなくて、77歳になられてから大正琴の演奏を新たに始められたそうです。
さあこの経験の中に原田さんがこのダイアログ・ウィズ・タイムで得られた対話にもつながるエピソードがあるようですよ。

【原田 泉さん】
実は我々が育った家庭というのはもうずっと戦前からですからね。
若い頃、音楽は自分で演奏したりしたかったんですけど、機会がなかったんですよ。
だから77歳ぐらいまであんまり音楽と縁がなかった。
で、それの反動かなんか、たまたまカミさんが大正琴をやってたもんですから。
77になってからいちばんやさしい楽器は何かなと思ったら、大正琴はやさしそうだなと。
それで、いちばんやさしいから始めたんですよ。
で、やってるうちにこれだったら曲ぐらい作れるんじゃないかとか、だんだんだんだん佳境に入ってきて、今楽しくやってます。

できればね、今80ですから。
90歳までアテンドの仕事をね、やらせてもらえたらやろうかなと。
ていうのが、うちの兄貴が90でまだピンピンしてるんですよ。
だから90じゃ別になんてことはないなと思ってますので、90歳目標にまだまだいろんな曲も、その頃には10曲ぐらい作りたいし。
ということで、いろんなやりたいこと、まだまだたくさんありますんでね。
そういう中でアテンドの仕事も楽しみながら、こちらが楽しむと体験される方も楽しんでもらえると思うんですよね。

自分が与えられるなんていうのはちょっとおこがましいので。
むしろ自分が得るもののほうが多いんじゃないかなぁと思って、それは楽しみにしてますね。

【別所哲也】
80歳になられた原田さん。
志村さん、まだまだやりたいことがあるとおっしゃってましたね。

【志村真介さん】
いいですよねぇ。
一時期はきっとガンで絶望されたと思うんですよね。
その絶望の中から自ら希望を生み出す。
このダイアログ・ウィズ・タイムに出会われて、よりこう変わられましたよね。

【別所哲也】
そうですね。
そしてなかなか若かりし頃、戦争も含めて大好きな音楽になかなか触れる機会がなく、大正琴に出会ってこれから曲を作ってみたいとかもっと演奏してみたいと思うこの意欲と、そのもう一度自分の青春時代を取り戻すきらきら輝いた声に聞こえてきました。

【志村真介さん】
そうですねぇ。

【別所哲也】
このダイアログ・ウィズ・タイム、そして ダイアログ・イン・サイレンス、ダイアログ・イン・ザ・ダーク。
3つの体験を通して志村さんが考える対話とはどんなものでしょう?

【志村真介さん】
なかなか自分のことって分からないですよね。
でも違った文化の人と遭遇して直接出会うことによって対話してるうちに自分が分かってくる。
そして違う価値観と出会うことによって、相手の考えや行動に影響されて、自分が少し出会う前よりは変化してる。
お互いが少しこう、対話によって変化してると思うんですね。
それは何が変化してるかっていうと、歳を取るともう弱っていく。
もしくは目が見えないと、どうしようもない。
耳が聞こえないと不幸だ、と思ってる一般的なステレオタイプが、見えないからこそ見えてくるとか、聞こえないからこそ聞こえてくるとか、歳を重ねるからこそ理解が深まっていく。
こういう“だからこそ”っていうことに気づいていくんですよね。

【別所哲也】
うん。
さてダイアログ・ウィズ・タイム、こちらはあさって7月30日火曜日から8月3日土曜日まで。
サイレンスと同じくLUMINE 0 NEWoMan新宿5階で開催されます。

今年のチケット応募はすでに締め切りとなっているんですが、今夜はこの番組をお聴きの方2組4名様ご招待いたします。
ご招待の日程は8月2日金曜日、午後3時30分からの回、または午後4時30分からの回となります。
各回1組2名様のご招待となります。
ご希望の方はこの番組のウェブサイトにアクセスしていただき“MESSAGE TO STUDIO”からご応募ください。

【別所哲也】
別所哲也のナビゲートでお届けしていますJ-WAVE SELECTION 清水建設DIALOGUE PROJECT BEYOND 2020。
志村さん、来年2020年、ダイアログ・プロジェクトに大きな節目が訪れるということなんですが、どんなプロジェクトが進行しているんでしょうか。

【志村真介さん】
はい。
実は来年2020年、オリパラのあるこの東京にダイアログ・ミュージアム“対話の森”というのをオープンします。
場所は浜松町の複合施設ウォーターズ竹芝っていうのが出来上がりますが、この中に開設をします。

【別所哲也】
はい、これが新たなるプロジェクト。

【志村真介さん】
はい。

【別所哲也】
“対話の森”ですか。

【志村真介さん】
そうなんです。
ここでは さまざまな人たちが集まって楽しく対話をしていく森をつくっていこうと。

【別所哲也】
うん。
これは今までの3つの体験に加えて新たな試みが生まれてくるということになるんでしょうか。

【志村真介さん】
はい。
これまでは単独開催を20年続けてまいりましたけど、今回はダーク、サイレンス、そしてある時にはタイムをここで開催します。
ですので複数の体験ができます。

【別所哲也】
うん。

【志村真介さん】
単独の体験でもものすごくインパクトがあったと思うんですけど

【別所哲也】
ええ

【志村真介さん】
例えばダークとサイレンス、真逆の体験なので先ほどからおっしゃってる感性を広げる、そして日常に戻る。そしてまた違う感性を広げる。
そうすると体験した方がですね、体験中だけではなくて日常の、例えば企業に戻られる、家庭に戻られる、学生に戻る。
そうすると自分の半径5メーター以内の人たちとの直接的な対話が促進される。
このことによって社会をその人たちが参加者が変えていく。チェンジメーカーになれるということなんですね。

【別所哲也】
なるほど。
さあ 日本での常設の拠点が新たに出来ることで、どんな進化と成長、この先志村さんは期待されてますか?

【志村真介さん】
そうですね。
日本の約3分の1がこういう障害者とか高齢者とか、どちらかというと少し脆弱なボーナブルな人たちなんですけれども、この人たちが助けられる立場だけではなくて社会をイノベートしていく、イノベーターになっていく。
こういうことによって新しい社会での働き方が確立していく。
こういうことがこの拠点で生まれてくるんじゃないかと思います。
ですので、新しいプラットフォームというか、人が対等に出会える新しい場所。
ここで辛さではなくてお互いの楽しみとして、先ほどのようにギブ・アンド・ギブで新しい関係性がコネクトできていくといいなと思ってます。

【別所哲也】
日本初のダイバーシティのミュージアム、ダイアログ・ミュージアム“対話の森”。
現在 2020年のオープンに向けてReadyForでクラウドファンディングが行われています。
志村さん、このReadyForでもたくさんの方々からね、クラウドファンディング、ご支援頂けるといいですよね。

【志村真介さん】
そうですね。
見えないも、聞こえないも、歳をとるも、すごい能力に変えることができると思うんですね。
ただ、ただ単に見えない、聞こえない、歳をとってる状態だと人をエンターテインすることはできないので、やはりトレーニングする必要があるんです。

【別所哲也】
はい。

【志村真介さん】
ですので、この秋からアテンドスクールというのを開校しまして。
そこで見えないからこそできる仕事、聞こえないからこそできる仕事、そして歳をとってるからできる仕事をどのようにすれば高められるか、というスクールを開いていきます。

【別所哲也】
そうですかぁ。
オープンに向けた支援、皆さんぜひよろしくお願いいたします。

ダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパン代表、志村真介さんでした。
ありがとうございました。

【志村真介さん】
ありがとうございました。

【別所哲也】
別所哲也のナビゲートでお届けしてきましたJ-WAVE SELECTION 清水建設 DIALOGUE PROJECT BEYOND 2020。
見えないダイアログ・イン・ザ・ダーク、聞こえないダイアログ・イン・サイレンス、歳を重ねるダイアログ・ウィズ・タイム。
ネガティブにとられがちなこの3つの体験を通して得られる豊かな生き方のヒント、見つかったでしょうか。
今私たちは多様性のある社会を作ろうとし、いや実際にもうそこにあるわけなんですが、その存在を認めるだけでなく、実際にどうその人たちと、あるいはその環境とつながっているんでしょうか。
そして 一緒に何かを体験できているでしょうか。
その体験と対話の向こう側にそれぞれの人が何かを発見しそして何かを変えていく力を共に得る、チェンジメーカーになっていける。
そこは全ての人が対等に出会い、対等に笑い、対等に手を握り合い、そして一緒に何かを生み出していく。
それが本当に豊かに生きるヒントなのではないでしょうか。

対話の中から生まれる発見、発想、研ぎ澄まされる感覚。
社会を作るのは全ての人です。

そして全ての人がチェンジメーカーになり得る時代、対話を通した未来の社会、一緒にデザインしていきましょう。