宇宙に魅せられた人たち=宇宙へ押し上げている人たち

宇宙実験の大切さとは?

国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」実験運用リーダー

原田力さん

「きぼう」日本実験棟完成時の運用管制室
(提供:JAXA)

やはり宇宙というのは地上と違う環境にあるので、その環境を上手く使うことによって色んなものが生み出されるかなと。ひとつは無重力環境なので、これによって色んな物質の挙動が違うので地上と違うものが出来る。

あるいは、そういう環境を使って、色んなものの性質を知ることよって、地上の色んなものに結びつけることが出来ると思います。具体的にはその環境問題を解決するための色んな手段、物質を作ったり、あるいは手段を得たりということですね。

太陽エネルギーが豊富なところを上手く使って、そのエネルギーを上手く地上に伝えることが出来れば、それは非常にいいエネルギー手段になりますし。

あとは医学の分野でも人間そのものが1つの実験材料ですので、その中で色んなデータを取る事によって人間がどういうものか知ることも出来て、色んな薬に繋がる研究というのも出来ます。

そう意味では、我々が今後生きて行くために必要ないろんな情報、あるいはそういうものを作るにはいいかなと。それから、宇宙飛行士がみんないますけどね、宇宙から地球を見たら、やっぱり地球はすごくきれいだし、いくら見ても見飽きない、これを大事にしようと。

やはり宇宙から地球を見る事によって環境問題にしても、地球を見てみれば、これは自分達を守る大事なものだと分かるります。

宇宙の国際宇宙ステーションの中では放射線は地上に比べたらはるかに強い。その環境の中で人間は今何ヶ月も滞在してますけれども、それ以上になるとすごく過酷な世界なんですね。でも、地上ではそれを全て守ってくれているんですね。

そういうのも分かるのも宇宙に出てって初めて分かる。つまり地球を見つめる、見直す、あるいは自分(人間自身)を見直すという意味でも宇宙というのは非常に良い環境かなと。

将来は人間が更に活動領域を広げていく。それも宇宙だと思いますので、そういう人間の今の日々の生活に直接関わるもの、あるいは自分を見つめ直すもの、それから未来を考えるものそういうところかなと思います。

日本実験棟「きぼう」のユニークな点は!?

国際宇宙ステーションプログラムマネージャー

長谷川義幸さん

ディスカバリー号の打上げ
(提供:NASA/JAXA)

きぼうの船外プラットホームってあの他の国にないので、そこに色んな地球加速センサーとかエックス線、天文とか色んなものが真空を利用したやつが置けるんですね。そこは、アメリカも権利があって使えるのとか、ユニークですね。

それと、保管庫が幸い我々にあるので今たくさんのものが、荷物がたくさんあり過ぎて置く場所にみんな困ってるんですね。まぁそこは僕らの売りなので、使う場合にはお金をとって使わせようとかですね(笑)。あとロボットアームもユニークですね。

それに日本として自慢出来るのは、やはり不具合が少ない。それは他の日本の民間企業同様、品質管理をきっちりとやって信頼度を上げたので本当にほとんど出ないんですよ。

あったとしても、すぐ直せるようにしてあるので、そこは野口さんも含め若田さんも直してくれて、それで継続出来る状態です。だから品質管理に関しては他の国は誉めてくれています。

さらに日本が情報通信産業がすごく発達をしているので、日本製のハイビジョンカメラをもってってるんですよ。民生品をちょっといじっただけ。それを宇宙飛行士がみんなが使ってます。

そういう内容の、日本のいいところの民生品のやつをどんどん上に持って行ってアピールするというのはすごくいいと思います。

日本初の女性管制官のお仕事の中身は!?

フライト・ディレクター

松浦真弓さん

ディスカバリー号の打上げ
(提供:NASA/JAXA)

フライトディレクターの仕事の前に、フライトコントローラーの仕事の話をします。フライトコントローラーの仕事は、宇宙ステーションで仕事をする宇宙飛行士の人たちをサポートする仕事が1つ。

もう1つは筑波のフライトコントローラーの場合は「きぼう」が正常に働いている事、安全であることを常に地上から監視することが目的です。フライトディレクターはその中でチームのリーダーっていう位置付けです。

映画などでフライトコントローラーは、管制室に座っている姿が一番イメージしつきやすいと思うんですけども、実際はそこに至るまでにほとんど時間を準備に使っていて、100%の時間があればそのうちの90%は準備に使っています。

宇宙飛行士の人たちが仕事が出来るようにするためにその日のスケジュールを作る、その日の手順を作る。手順についても上手くいかなかったらどうするっていったもの全てあらかじめ準備をして、初めてそのコンソールに座るっていう残りの10%の時間になるので、準備の方が大変ですね。

準備で何をしているかというと色々あるんですが、分かりやすいところでいうと、宇宙飛行士の人とか自分たちのが使う分のそうですが手順書を作るって言う作業がかなりの部分を占めています。

その手順書にも色んな種類があって、ある特定の、ある日の、ある作業をするために手順書。その作業が上手くいかなかった場合の手順書。

特定のタスクに限定しないで例えば火事が起こったらどうしますか?とかそういった四六時中必要になる手順書とかありとあらゆる手順書を用意することになるので、全部積み重ねると数えようによっては1000を超えるという仕組みになっています。

宇宙飛行士を24時間支援する方法とは!?

宇宙飛行士健康管理グループ・精神心理支援担当

井上夏彦さん

国際宇宙ステーション(ISS)とスペースシャトル「ディスカバリー号」間のハッチオープン後、国際宇宙ステーション(ISS)とスペースシャトル「ディスカバリー号」間のハッチオープン後、合流した山崎(左)、野口(右)両宇宙飛行士
(提供:JAXA)

宇宙飛行士さんというのはみなさんテレビで見る時にはフワフワと浮かんでいる楽しい場所で作業されていると感じられると思いますが、実際は地球と比べていくつか特徴的なストレスとなるポイントがあります。

代表的なもので3つ。1つは地球とは隔たった遠い場所にある。軌道上400キロの位置にあるで、おいそれと外に出られない環境にある。

2つめは1回行ったら3ヶ月とか6ヶ月、同じ人たちと顔を突き合わせて過ごさなければいけない。それも日本人ばかりではなくて、欧米人やロシア人など異文化の人たちと暮らさなければいけないということ。

3つ目は直接的に外は真空の状態・宇宙なので何かあったときには直ぐに生命に関わる危険な環境にいると。この3点のストレッサーというものがございます。

それに対して、どうやって解消するかといいますと、地上では皆さん疲れたときには散歩にいったり、スポーツ(野球とかサッカーとかする)とかあるんですが、軌道上ではそういったことは出来ない。そのような環境で宇宙飛行士さんがストレスを溜めないようにどうするか、支援していくのが我々精神心理支援の担当の役割となってます。

具体的には、直接的に話す機会というのが2週間にいっぺんぐらい。その中では例えば睡眠の状態はいいか、作業スケジュールが過多になっていないかなどを聞いたり、テレビ画面も映りますので顔色や口調を見ながら精神心理の方でストレスが溜まっていないかというのを判断して医者と連携して、大事に至る前に適切にフォローしていこうとしております。

その他にもいくつか宇宙飛行士のストレス解消手段として先ほどの地上と遠く離れている隔離(閉鎖隔離感)というのを少なくしてストレスを下げてあげようということで、家族といつも話が出来るようと、今宇宙にはIPフォンが用意されていまして、家族と適宜空いてる時間すぐに電話が出来るようになっています。

その他、地上の主なニュース、テレビ番組・ラジオ番組、本、そういうものを提供して地上からあまり浦島太郎状態にならないように地上の情報をキャッチアップ出来るようにしています。


»インタビュー2 ─ 慶應義塾大学医学部准教授:向井万起男さん

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