V.I.P. 第30夜・・・「真剣にやれよ!仕事じゃねぇんだぞ!」

今宵のV.I.P.は話題の映画【バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)】と
[SWITCH]特集”ジャズタモリ”の2大トピックスでお送りしました。

まずはアカデミー4部門受賞映画【バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ
奇跡)】の記者会見の模様から、ホスト役である菊地成孔さんが語る本作について…

「本作は、誰でも楽しめる娯楽映画という側面と、かつ文学的にも美術的にも
先鋭的なアートでもあるという映画史的には古くはエイゼンシュテインから
オーソン・ウェルズ、フェデリコ・フェリーニにいたるラインを本作は
継承している、非常に多角的な価値をもつ作品だと思っている。
映画批評家はもちろんのこと、アメリカでの演劇文化、ノーべル文学賞受賞者の
有名なガルシア・マルケスに代表される中南米マジックリアリズム小説。
そして合衆国の音楽史の中であらゆるカラードやミックスブランドの人達が
牽引してきたジャズミュージック。完全なドラムソロを音楽に使うなどの
マッシュの斬新さにおいて、本作はひるいなきものがあると思います。」

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ストーリーについて…

「昔、バードマンというヒーローもので天下を取ったあとに忘れられ、
壮年になってからブロードウェイの名門であるセントジェームス劇場で
レイモンドカーバーの戯曲を上演することで、人生の更新を図る主人公に、
実際にほぼ同じ目にあったマイケル・キートンを主演させるという
メタ構造によるキャッチーさ。あるいはマーベルものやハングオーバーなどの
娯楽大作に出ているスターが多数出演しているといった今作のおそらく
プロモーションのフックになるであろう煌びやかな側面が、
見終わったあとにはほとんど問題でないと思われるほどの
高い完成度を持っている。」

音楽について…

「本作に監督が音楽として選択したのはドラムソロ。演奏したサンチェス氏は
そうそうたるキャリアをもつドラム奏者ですが、本作での演奏はおそらく氏の
キャリアの中でも最も優れた演奏の一つになるでしょう。
ブロードウェイという町、タイムズスクエアという一角、その中の一つの劇場、
主人公の心の中、というふうに多層的に連なった体内という状態を
ワンショット撮影によってめぐる、一種の体内巡りの側面を持つ本作に対し、
サンチェス氏の演奏は最低音から最高音までをカヴァーするドラムセットという
楽器が、一つの世界を全て表現できる新鋭さを持った楽器だということを
観客に知らしめます。本作の際立ったみずみずしさというのは、
アートと娯楽映画が融合するということもありますが、サンチェス氏の演奏、
ドラムソロを音楽のメインに使うという判断が不可欠だったといえるでしょう。
多くの人々が画面と演奏の融合に心奪われることでしょう。」

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続いて、V.I.P.は本作でサウンドトラックを担当したドラマーで作曲家の
アントニオ・サンチェスアントニオ・サンチェスの
単独インタビューをしてきました!

Q.今回サントラを担当した事でドラム・ドラミングに関して
新たな発見はありましたか?
「ドラムソロがあんなに映画にバッチリあうなんて、
それが一番のサプライズでした!アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督から、
ドラムソロをサントラにしたコメディ映画が作りたいってきいた時は、
正直、彼は誰もやったことをやりたがる変わり者だ!そう思ったんです。
そして脚本を読ませてもらいましたが、それだけじゃ分からない事だらけで、
正直、その段階でもまだ想像つきませんでした。
なので、完成した作品を観た時に、主人公の不安な気持ちや驚異といった
感情を表すシーンで、ドラムソロが大変効果的に使われたことにとても驚き、
これは素晴らしいと思いました。」

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Q.作曲はどのようにされているのですか?
「特にきまってなくて、毎回様々な方法で作曲しています。
頭の中でドラムのグルーヴがなり続いていることもありますし、
それがベースラインの時、ピアノのコードが作曲のインスピレーションに
なることがあります。ただし、毎回大切にしているのは記憶にのこる
メロディがあること。コンテンポラリーなジャズは複雑すぎて、
どんな曲だったか覚えるのすら難しい、そんな楽曲がありますよね?
記憶にのこらないから、鼻歌でさえ歌いかえせない。
まず歌えるメロディがあること。これが私の作曲のスタイルです。」

Q.そのように記憶にのこるメロディを書くという音楽作りに影響を与えた
アルバムやアーティストは?

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「 Pat Methenyからは大きな影響をうけています。彼には、ジャズ、フォーク、ポップ、
ロック…様々な音楽をクロスオーバーさせる才能があり、オーディエンスを音楽に
引き込む能力がありますから、たくさんの事を学びました。ただ私が彼と違うのは、
もう少し何が起こるか分からない即興の空間を音楽に取り入れていること。
バランスだと思うのですが、ジャズのライブだって、ロックのコンサートのようで
あってほしいと私は思っています。
感動して驚いて!一大イベントに足を運ぶ感じです。
ジャズの傾向として、ライヴにきたお客さんが良くわからないままだったり、
ミュージシャンが音楽と会話をしていない、動きがない、、見た目的に面白くない、、
そういうことがありますので、バランスが大切だと思っています。」

Q.今注目しているアーティストは?

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「オーストラリアのバンド” Hiatus Kaiyote ”を良くきいていますよ。ポップ、ロック、
エレクトロニック、ソウル、ファンク…様々な音楽の融合が本当に上手だよね。
うまくやってるよ!オリジナリティがあるし、シンガーの彼女の歌声、最高だね!」

Q.新作が映画に影響された作りになっているとおっしゃっていましが、
音楽表現に影響は?
「新作『The Meridian Suite』の「MERIDIAN」とは、架空の経線で、地球、空、
私達の体、そして心…全て線でつながっているということを表しています。
エネルギーのチャンネルやチャクラ、そういったものに関係するのですが…
最初から最後まで全てが1つに繋がった、1時間の楽曲、
そんな作品を書いてみたかったのです。
この経線は様々な場所で、いろんな形でクロスします。
ですから、楽曲の中でも、メロディやモチーフがクロスしています。
最初の方にきいたハーモニーが他の場所で、違った形で聞こえてきたり…
映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』が、
ワンショットの長回しのように、この作品も最初から最後までつながっています。
そして、そうすることで、音楽的にもジャズからロックまで、
自由に色んな表現ができたんです。これが9曲位はいった普通のALだったら、
この音楽の幅は、成立しなかったと思います。
こういうアルバムをいつか作りたいと思っていたのですが、
ようやくそのやり方が分かったのです。」

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最新AL『The Meridian Suite』が、来月リリース予定となっています。
また、オリジナル・サウンドトラック【バードマン あるいは(無知がもたらす
予期せぬ奇跡)】がリリース中です。サントラの中には、
アントニオ・サンチェスによるスコアの他、6 つのクラシック楽曲が収録。
これは映画の中で、マイケル・キートン演じる主人公が
舞台の音楽として選んだものとのこと。映画同様、注目したい1枚です!

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また映画【バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)】も絶賛公開中。
ぜひG.W.にご覧くださいね。

「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」公式HP

そして後半では、先月20日に発売された雑誌「SWITCH」の
特集『ジャズタモリ』をピックアップ!

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掲載されている楽曲の中から、3曲お届けしました!

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1.Moanin' / Art Blakey


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2.Stardust / Lionel Hampton All Stars
タモリさん曰く、ライオネル・ハンプトンのビブラフォンのアドリブがいいとのこと。


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3.TUTU / MILES DAVIS
本誌に掲載されている、タモリさんと一関にあるジャズバー「ベイシー」のマスター
菅原さんとのインタビューの中で紹介されている1曲。

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まだ発売中のSWITCHをゲットしていないという方は、
是非ご覧になってみてください!!!!

SWITCH PUBLISHING

STAFF| 05:07 | カテゴリー: