2014/9/19 ハートの形プチプチのHidden Story

今週は、「プチプチ」の登録商標を持つ会社、川上産業の若き常務取締役、杉山彩香さんのHidden Story。
プチプチの川上産業株式会社

荷物を運ぶ際などに使われる緩衝材。
会社によって呼び方が違いますが、「プチプチ」という登録商標を持っているのは、名古屋に本社がある川上産業株式会社です。
その川上産業で、ハートの形のプチプチをはじめとする商品を手がけてきたのが杉山彩香さん。

学生時代からホームページ制作の仕事をしていた杉山さん。プチプチを扱う会社に入ったのは、どんな理由からだったのでしょうか?

普通だったら Web 制作会社なんかに行くと思うんですが、なぜかそこには興味がわかず、「知っているものを作っていて中くらいの規模のメーカー、真面目そうな会社に入ってみたい」という事から、東京商工会議所の会員さんだったら真面目なのでは?と思いまして。

東京商工会議所の会員リストを見て、川上産業ですので、50音順で早く見つかりまして、しかも作っているものがプチプチ、ということで、面白いなと思ったのと、そのとき当社のホームページがあまりよくなかったので、ここだったら今、求人の募集はしていないけれど、お役に立てるのではないかと思って連絡を取った、というのがきっかけなんですね。

1999年、川上産業に入社した杉山さん。
まずは、会社のホームページを制作することになりました。
それはちょうど ネットオークションが一般的な存在になり始めた時期でした。

出品するのはみんな気軽にどんどんやると思うんですけど、いざ落札された段階で、どうやって送ればいいんだ?ってなりがちで。

その時に「プチプチが欲しい。でも、どこで買える?」というお問い合わせがすごく多かったです。

当時は直接の販売がなかなかできませんでしたので、ご住所を聞いて、地方の方ですと売っている場所が近くにないという方もいらして、だったら直接ネットで販売できるようにしたいと提案しまして、ネット通販をスタートさせたわけなんですね。

それまでは 業者向けの大きなサイズのものしかなかったプチプチでしたが、一般の方向けに机の上に置いておけるサイズで簡単に切り離せるようにしたものを開発。
そして、2004年、ハートの形のプチプチが誕生しました。

丸いプチプチをハートの形にすればいいのでは?というアイディア自体は、46年前の創業のときからあったそうです。

例えば私もプチプチの会社に就職が決まりましたって言うと10人中3人くらいは「ハートとかあったらいいのにね?」って言ってくるんですね。

それくらい簡単に言うとありふれたアイディアなんですけど、今までなかったというのは、技術的に高いハードルがあったということと、じゃ作って売れるのというのを誰も真剣に考えてこなかった、というのがあると思うんですが。

私としては、ちょっと地味な業界のなかで仕事をしていくうえで、やっぱりどうしても、かわいいものを作りたかったですし、きっとそれは世の中の人もかわいいと思ってくれる、という自信もありまして。

杉山さんの「どうしてもかわいいものを作りたい」という想いから生まれた、ハートの形のプチプチ。
開発には越えなければいけないハードルがありました。

プチプチの中に空気が入ってますよね。
丸い形だと、どこにも角の部分がないんです。

ハート型だとどうしても2カ所、角がどうしても出てしまうので、そうやって角があるとそこからポリエチレンの素材の膜の部分がちょっと薄くなってしまって、そこから空気が抜けやすいということがあります。その辺も今はクリアしているんですが、意外とその辺の生産技術のハードルが高かった、ということですね。

このように、さまざまなアイディアを実現させてきた、杉山彩香さん。
2007年には、おもちゃメーカーとともに繰り返しプチプチできる「∞プチプチ(むげんプチプチ)」を作成。これがなんと 300万個を越える大ヒットとなりました。

無限にプチプチできるんですけど、リアルなプチプチ触感にこだわって作りました。

あと、この∞プチプチは50回に1回、「ワン」とかちょっと面白い音がするんですけど、これは当社のプチプチが1万個に1個ハートのプチであることをパロディにしました。音もリアルなプチプチも録音して入れているんで、なかのスピーカーからリアルなプチの音を出しています。

杉山彩香さんに最後に伺いました。
仕事をするなかで、大事にしているのはどんなことでしょう?

いろんな企画ですとか、アイディアとか、やりたいことも含めて、1歩よりも半歩くらいやってみることで結構、色々なものが見えてくる事もあると思うので、1歩よりもまずは半歩くらいでも踏み出してみるようにしてますね。

今って色々なところで情報が取れると思うんですけど、実際に体感してみるっていうか体験してみて分かることのほうが多いので、なるべくそれを心がけています。

「まずは、半歩踏み出してみる」。
それが、プチプチのプロが教えてくれた、ものづくりの極意でした。