2011/6/17 Aya FukudaさんのHidden Story

今週は、Lady Gagaのネイルを手がける日本人ネイル・アーティスト、Aya FukudaさんのHidden Story。

2008年。
ひとりの日本人女性がアメリカ、ニューヨークへと乗り込みました。
それまでは、東京のテレビ局でヘアメイクの仕事をしていたAya Fukudaさん。

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ヘアメイクをしてて、ネイルもすごく好きだったんですけど、でもなぜか仕事をしたくなかったんですよね、好きすぎて。

ニューヨークに来たのはちょうど20大半ばのときでして、フジテレビで、山田かつらで仕事をするのが一つ目の夢だったんですね。 それが意外と簡単にかなってしまったんで、もう一度何か挑戦してみたいなと思ったんですよね。

それで、絵をかくのとかが好きだったで、あと変わった色味を使ったりするのが昔から好きだったんで、それがどこまで自分の可能性としてあるのかなと賭けてみたくてニューヨークへ来ました。

ニューヨークでメイクアップ・アーティストとして活動を始めたAyaさん。
しかし、仕事はほとんどありませんでした。

そんなに仕事なかったです。 すごい大変でした、生活するのが。
貯金をくだいてくだいての生活で。 サロンでも、今度はビューティサロン、日本で言うと美容室みたいなところで、ネイル・アーティストとして、ジェルネイル・アーティストとして働いたりもしたんですけど、結局、私がやってるみたいな色を使ったりとか、スワロフスキー・クリスタルをのせたりするのって需要がなくて、サロンで働いてもお金を稼げないっていう日々が続いてました、去年いっぱいは。

メイクでご飯を食べて行くのが大変だったんで、サロンでネイルをして働いたんですけど、サロンの方向性も、アメリカならではのべた塗りの全然アートなんかもしない、シンプルなのをしたらお金を稼げるんだよって言われてたんですけど、オーナーから。 でもそこは折れたくなかったんで、頑固なもんで。 そんなんやったら私じゃない人を雇ってって言って。 私を雇ったんだったらジェルネイルでいろんな色を使ったのをやっていきたいって言って、頑固にも貫かせてもらいました。

お客さんはゼロ。
しかし、普通のネイルのためにアメリカに来た訳じゃない。
つい最近まで、カラオケバーでアルバイトをして過ごす日々。
転機は 意外な形で訪れました。

そこのサロンはやめたんですけど、お客さんゼロの状態で。

そのうちに、エージェンシー、小さな事務所が私を拾ってくれたんですね。
そこでもまったく仕事がなかったんですけど、たまたまひとりだけお客さんから電話が入って。 それがLady Gagaさんだったんです。

今やLady Gagaのネイルを手がける日本人ネイル・アーティスト、Aya Fukudaさんですが、ビューティー・サロンではそのアートなネイルが受け入れられず仕事ゼロ。
その後、小さな事務所に所属しました。
その事務所の社長とLady Gagaの関係者が古くからの知り合いだったのをきっかけにネイルの仕事が入ったのです。

はじめは、普通にGagaのお家に行って、Gagaの爪をエクステンションしてジェルネイルをしてあげるというのが依頼でした。 普通にお爪のメンテナンスという形で。

ジェルネイルが彼女がすごく好きで、ネイルサロンに行くのもめんどくさいじゃないですか。外に出たら大変なんでね。
家に出張で呼ぶという形が好きみたいで、それでたまたま行ったら、そこからですね。

去年の終わり、雪の日。
ニューヨークのマンションの一室で、Lady Gagaは ひとりで待っていました。

お家で、掃除してましたね、Gagaは。
ゴム手袋つけて掃除してて。 ヴァーケーションに入る前で掃除してて「いま掃除してるからちょっと待ってね」って言って、ずっと待ってましたね。

1回目は、ジェルネイルでエクステンションで長さ足して、ベージュかなんかの色に黒の逆フレンチしたと思いますね。It’s so beautiful!とか言ってましたよ(笑

それ以来、Gagaから頻繁に呼ばれるようになったAyaさん。
ある日、ひとつの提案をGagaに持ちかけます。

1週間に2回くらいの率で呼ばれるように。家に。それであるときに、あんまりアートとか知らないのかなと思って、なんかいつも同じネイルばっかりで、Gagaさまはこんなんじゃあかんやろと思って、ちょっと提案してみようと思って。
Gagaの爪に面白いアートをピュッピュッてやってあげたらすごい喜んで。 真っ赤のベースで黒の逆フレンチで、黒と赤だけでアートしてる、ブラックシャンデリアをイメージして作ったんですけど、こんなの今まで見たことなかったって言われて。

これを今度のBorn This Wayでやってくれないかって言われて、それからですね。

グラミー賞をはじめとするアウォード、雑誌の撮影、ビデオ・クリップ。
さまざまな現場で、AyaさんはLady Gagaのネイルを手がけてきました。

一番印象的だったのは、Judasのネイルですかね。ヴェルヴェットネイル。

LAに行って撮影前日の夜にメールが入りまして、明日のネイルはミーティングで決まった内容は、ヴェルヴェットネイル+ゴールドチェーンとかだけ入って。 そんなん持ってない!と思ったんですけど、結局ワードローブさんとディレクターの方から材料もらって現場でクリエイトした感じでしたね。(実際Judasのネールに関してガガはどんなコメントを?)すごい喜んでました。

アヤ、あんたはやった、あんたはやったぞとすごい喜んでくれて。
英語で言うと、もうガガ語みたいなのを連発してましたけど(笑

Gagaとともに忙しい毎日を送る、ネイル・アーティストAya Fukudaさん。
ニューヨークのサロンでお客さんがいなくても自分のネイルを曲げなかったことが、今を呼びました。

曲げずに貫き続けて良かったです。

これを日本で夢を追っている人に、みんなに一番言いたいことです。
あきらめずに自分を信じて頑張っていって欲しい。 先頭を切るわけじゃないけど、鏡になれるように「これからも日本と世界の架け橋になっていけたらイイな」と思ってます。

まさに、Lady Gagaのヒット曲『Born This Way』のメッセージのように、たとえ周囲に理解されなくても、自分の信じた道を貫く。
Aya Fukudaさんがネイルに込めた強い想いがガガの指先で踊ります。

AyaさんはNYにサロンを開店予定!詳細情報が入り次第、番組でもフォローします。
お楽しみに!

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