2008年12月31日

渡部潤一 -3- 月と日本人

今週のゲストは国立天文台の准教授 渡部潤一さんです。
「秋から冬の満月は、天の中心高く昇る。春から夏の満月は、地平線からそれほど高く上がらず南の空の低いところを動いている。」日本人は一年を通して、月を楽しむ機会も多いようです。

国によって星や月の捉え方には違いがありますが、日本人と月との付き合いは他の国と比べて、とても深いものと言えるそうです。まず、お月さまそれぞれに、月齢によって名前がついているということ。これは一部の国にもあることなのですが、日本は突出して名前が多いんだとか。朧月、薄月などの様子からついたものだけではなく、月の出を待っている様子を月の名前にしたり。

例えば十六夜、立待月、居待月、寝待月。月の出を待っている時間がだんだん長くなる様子が伝わってきますね。こういったことからも日本人は月をよく見て、愛でてきた民族といえるのではないでしょうか。歌の中にもずいぶん出てきます。そして日本的な建築で美しい庭園をもつ桂離宮などにも月見台があったり。

月には謎がまだまだたくさんあります。現在月の周りを回っている、日本の月周回衛星「かぐや」は月の残された謎を解くために、最先端の仕事をしています。「かぐや」には14種類の観測装置が積まれていて、とても高性能な観測装置。例えば月の重力は場所によって違いがあるのですが、重力が強いところの地下には重いものが埋まっているということなどの、内部構造が分かるそうです。このように色々な方面で解明を進めているそうで、アポロ以来の本格的な科学探査機のひとつとなっているそうです。月の精密な地図は、このかぐやの作ったものに置き換えられたんだそうですよ。これからも、いろんな発見がありそうです。

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2008年12月30日

渡部潤一 -2- 天文の面白さを伝えること

今週のゲストは国立天文台の准教授 渡部潤一さんです。

国立天文台で広報的な活動もされている渡部さんですが、もともと国立天文台には「広報」という部署は無かったそうです。ある日、渡部さんの奥様が、見学しようと国立天文台に来ていた高校生が守衛の人に追い返される姿を見て、なんとかしなくてはいけないとおっしゃったそうです。当時、三鷹にある国立天文台の本部では、決まった日にしか見学ができませんでした。その時に、自分も昔、福島県の会津若松で生まれた高校生で、憧れて行って追い返されていたら。。。ということを思ったと渡部さん。

まず、国立天文台を開放して、もっと多くの人に天文台の仕事を知ってもらったり、天文学のの面白さを知ってもらおうと思ったそうです。研究者としては、どうしても研究をする時間が少なくなってしまうけれど、研究は別のもっと優秀な人が進めることもできるし、アイデアを出して後輩たちに進めてもらうこともできる。
そして広報の仕事を通じて天文学の面白さを知ってもらうことも大事。
それを自分がやってみようと思ったそうです。

実際に広報の仕事を始めてから感じたことは、意外と多くの人がもともと星や天文、宇宙に興味を持っているということ。それが、学校の教科書や授業などで分かっていることしか教えてもらえないので、なんとなくつまらなくなったり、理科系が苦手な感じになってしまったりで、離れてしまっているのかもしれないと思うことがあるそうです。現在、国立天文台では見学ができるだけじゃなくて、月2回、実際に大きな望遠鏡で星を見ることができます。親子で来た人たちの中には、昔の天文少年・少女が親となって来ていて、子供より一生懸命観て、感激していたり。もう少しみんなが星を見上げることで、何かを考えてくれたらとおっしゃっていました。そこからまた、笑顔が広がりそうですね。

WEB: 国立天文台HP

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2008年12月29日

渡部潤一 -1- 天文少年から天文学者へ

今週 12/29(月)〜1/1(木) のゲストは国立天文台の准教授 渡部潤一さん。
国立天文台天文情報センター長として流星や彗星など、太陽系天体の研究をしながら広報的なお仕事もされています。

最初に渡部さんが天文学に興味を持ったのは小学生の頃。昭和30〜40年代、今のようにゲームやパソコンなど遊ぶものはあまりなく、渡部さんは星に興味を持ったんだそうです。単純に星に興味があった渡部少年が天文学に興味を持ったきっかっけはジャコビニ流星群。「雨あられのように星が降ってくる」と言われ、とても騒がれたそうです。そこで、みんなで観ようということになって、学校の校庭で空を眺めていたそうなのですが、結局、星は全然流れませんでした。

そのことが、渡部さんにとっては天文学をやってみようと思ったきっかけになったんだそうです。というのも、それまで天文学というのは何でも解かってしまっているものだと思っていたから。日の出も日の入りも月の出も月齢も。。。すべて計算でできると思っていたそうです。
それが、予測と違うことが起こる、つまり、まだわからないことがあるんだということを体験的に知ったのです。「教科書に載っていないようなことがまだあるんだ。もしかしたら、それが自分にできるかもしれない。もっと解明していけるかもしれない。」と思ったそうです。

流れ星というのは特殊な望遠鏡などが無くても、見ることができます。毎日毎日夜空を見上げていたら何か発見があるかもしれない。それが何かの解明につながるかもしれない。その流星群の話をきっかけに、ずいぶん天文学を意識するようになっていき、そして天文学者になりたいと思ったとおっしゃっていました。

◎渡部 潤一:1960年 福島県会津若松市生まれ。東京大学東京天文台を経て、現在、自然科学研究機構国立天文台天文情報センター長・同広報室長・准教授・理学博士。専門は太陽系の中の小さな天体、彗星・小惑星・流星などの観測的研究。最新の天文学の成果を講演・執筆などを通してやさしさを伝え、さまざまなメディアにおいて幅広く活躍中。
WEB: 国立天文台HP
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2008年12月26日

SMART FRIDAY - 今年最後のSMART FRIDAY

金曜日は、首都高にやさしさを広げるプロジェクト [TOKYO SMART DRIVER] にまつわるトピックをスマドラの発起人である小山薫堂さんとご紹介します。

今夜は今年最後のSMART FRIDAY。4月からスタートして9ヶ月。

首都高のスマドラプロジェクトについても、多くのゲストの方に来ていただき、おもしろい話がたくさんありました。そしてスマート・メッセージの横断幕の募集。とてもたくさんの素敵なスマート・メッセージをいただきました。実際に会ったことはないけれど、いただいたメッセージから人柄や顔が描かれてみたり。不思議なつながっ
ている感じを覚えました。イベントもとても楽しかったです。ありがとうございました。

首都高に関する色々なところにも行きました。首都高の管制室に行ったり、ホメパトに乗ったり。身近にあるのに、全く知らなかったということに触れました。現在、レインボーブリッジが虹色にライトアップされている時間があって、25日までは東京タワーもダイヤモンドのようにキラキラしたライトアップがされていましたよね。ドライバーとして首都高を走るだけじゃなくて、色々な楽しみ方がありそうでうす。首都高全体をライトアップするキャンペーンなんておもしろそう。

先週と先々週、廃食油を回収して新しい燃料に変えるというプロジェクトをしている染谷さんにゲストに来ていただきましたが、首都高でも廃食油から石鹸を作っているんです。色々なハーブの香りがあって、パッケージも石鹸自体もエコな感じで素敵。これはまだ商品化されていないのですが、いつか皆さんのお目にかかる日が来るかもしれません。

来年もスマドラ・プロジェクトは続きますよ。
ぜひ、年末もスマート・ドライブで。

WEB: TOKYO SMART DRIVER

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2008年12月25日

高野寛 -4- 音楽のもつ力

今週のゲストは、ミュージシャンで音楽プロデューサーの高野寛さん。

今年の10月、デビュー20周年を迎えた高野さん。こんなに長い間、活動を続けていけるのは音楽から「原動力」をもらっているから。背中を押されているような気分にもなるし、音楽に人生を変えられたと思っていると高野さん。なかでもライブは「エネルギーの交換の場」。お客さんからもらったエネルギーをステージ上から外に向かって出す。そういった循環ができているライブが一番良いライブなんだとか。そうして忘れられない瞬間が生まれるそうです。

高野さんのブログにあった「今こそ音楽の出番だ!」という言葉。自分だけじゃなくて、同じような気持ちで取り組んでいる人はたくさんいると思うので、みんなで一丸になっていきたいという思いがあるそうです。音楽には、話し合ったりしてわかってもらうんじゃなくて、心の一番真ん中のところにぐっと入ってくる力があると思うと高野さん。
「1曲聴いたことで、自分の中に入ってくる」。そんな経験がある人も多いのではないでしょうか。そういう、「音楽にしかできない力を持った曲がもっと世の中に響き渡るといいと思う。音楽も世の中が良い方向に変わっていく手助けになると思う。」とおっしゃっていました。

WEB: 高野寛サイト「HAAS」


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2008年12月24日

高野寛 -3- 親子で楽しむ音楽

今週のゲストは、ミュージシャンで音楽プロデューサーの高野寛さんです。

高野さんはお子さんが生まれて、創作活動と同時に、育児も手伝っているそうです。お子さんと時間を過ごしていると、すごく楽しいと高野さん。子供と遊んでいるようでいて、自分が遊んでもらっているような気分になることもあるんだとか。そして、いろんなことを吸収していくお子さんの姿を見ていると、自分も頑張らなきゃ
と思う。すごくエネルギーをもらっているそうです。
お話と音楽を高野さんが担当されている「おさるのナターシャ」は、とても可愛らしい絵本。お子さんが生まれる前につくられたものですが、今では実際にお子さんに聴かせることもあって、お気に入りの歌になったそうです。これからも親子で一緒に楽しめるといいなと願う高野さんは、ふだん、童謡もよく歌ってあげるそうです。
くり返し歌って聴かせることで、だんだん憶えていく。そのうちに一緒に口ずさむように。。。一緒にCDを聴いて楽しむのも良いけど、やっぱり歌ってあげたり一緒に歌ったりして耳から憶えるものなのかなと思うと高野さん。会話とは違う、すごいコミュニケーションがあるんだなと気づいたそうです。

WEB: 高野寛サイト「HAAS」

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2008年12月23日

高野寛 -2- みんなでつくっていく音楽

今週のゲストは、ミュージシャンで音楽プロデューサーの高野寛さんです。

現在はNathalie Wise、GANGA ZUMBA、pupaとして、さらにアーティストへの楽曲提供を通して、たくさんの人と一緒に音楽をつくっている高野さんも、最初はソロのシンガーソングライターとしてデビューしました。ベースもギターもキーボードもできたので、「1人で音楽をつくれるじゃないか。」と思っていた時期があったそうです。でも、そうしているうちに、鉢植えの植物みたいに、だんだん土の養分が無くなってきて、枯れてしまいそうになったときがあったと高野さん。その後、いろいろなところへ自ら飛び込んで行って、多くの人とセッションするようになったそうです。

もちろん弾き語りや、ソロ演奏などでも良いものはあるけれど、人と一緒に同じ時間の中で音を出しているときの化学反応など、ひとりでやっているときには気づけなかったことがたくさんあったそうです。「人はひとりでは生きていけない」ということが、音楽の中で気づいたことの1つなんだとか。

「音楽は本当は消えてしまうもの」と高野さん。今は録音できるようになったけど、本当は記録できないもの。本当はライブを演奏して、その時、その場にいる人たちだけが分かる、『一緒に分かち合える時間』がある。それが一番重要なところ。「同じときに、同じ場所で聴いている人が、同じ時間の中でそれぞれ色々なことを考えたりする。それが音楽の一番生命力の強いところだと思う。」とおっしゃっていました。

WEB: 高野寛サイト「HAAS」

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2008年12月22日

高野寛 -1- 植物園でのライブ

今週 12/22(月)〜25(木) のゲストは、
ミュージシャンで音楽プロデューサーの高野寛さん。

今年の夏は細野晴臣さんに誘われて、高知の「県立牧野植物園」の野外ステージで共演したそうです。夏の夜だったので虫の声もすごくて、あたりの「自然の音」と「演奏の音」とが完全にひとつになっていたんだとか。植物園なので、緑の青臭いような匂いと、酸素が濃いような独特の空気感。。。そこでライブをしたのはかなり印象的だったそうです。

高野さんが環境保護をアピールするライブをはじめたのは15年くらい前から。お父さんが林業関係のお仕事をされていたので、最初はその森林保護のイベントの一環だったんだそうです。音楽を通してみんなにメッセージしていくことは難しいかもしれないけれど、それが興味をもつきっかけになったらいいと高野さん。

「ライブも、派手な照明、演出があるライブもあるけれど、植物園でなんの囲いもなく自然の中でやるライブもある。どちらが良いとか悪いとかではなくて、そういうやり方もあるということに気づいていければいいし、それが間接的に音楽にも滲み出ればいいかな」とおしゃっていました。

◎高野寛:1964年静岡生まれ。1988シンガーソングライターとしてデビュー。90年代後半からギタリスト、プロデューサーとしての活動もはじめる。2001年以降、ナタリー・ワイズ、GANGA ZUMBA、pupa等、さまざまなバンドも活動している。 今年、ソロデビュー20周年。
WEB: 高野寛サイト「HAAS」
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2008年12月19日

SMART FRIDAY - 2017年の社会をみつめて

金曜日は、首都高にやさしさを広げるプロジェクト [TOKYO SMART DRIVER] にまつわるトピックをスマドラの発起人である小山薫堂さんとご紹介するSMART FRIDAY。今夜も先週に引き続き、TOKYO油田2017プロジェクトを進めている株式会社ユーズ代表の染谷ゆみさんをお迎えしてお送りします。

TOKYO油田2017プロジェクトのひとつ、家庭で出た廃食油を集めて加工してVDFという軽油にしていますが、家庭の油を回収する方法は色々な仕組みを作ってるそうです。例えば近所のおせんべい屋さんが回収ステーションに。そこに使い終わった油を持って行くと、おせんべいが1枚もらえるんだとか。そうすることで、今までおせんべい屋さんに立ち寄ることの
無かった人がお客さんとして来たり、そこでコミュニケーションが広がったりもするそうです。だから、ぜひ使用済みの天ぷら油を町の潤滑油にして欲しいと染谷さん。

現在、このプロジェクトは首都高ともコラボレーションしていて、首都高のPA内にあるレストランなどで使った油を回収したり、それを燃料にして工事車両などの燃料に使っています。今後は、首都高も一般家庭の使用済み油を集める回収ステーションになる予定です。その名も「首都高速パイプラインプロジェクト」

2017年には車の燃費が今よりもっと良くなっているはず。将来はVDFでもリッター100キロ走る車ができるかもしれません。そうなると燃料を入れるタンクも小さくすることができるし、そうすれば車体がもっと軽くなるので、もっと低燃費になりますね。2017年までにあと9年もありません。それまでに、1滴の廃食油も出さずに、すべてが資源となるように、そういった社会にしていきたいとおっしゃっていました。
WEB: TOKYO油田2017

TOKYO SMART DRIVERでは、現在、WEBサイト上で「スマートチャレンジ」を実施中!
首都高速の事故が、先月よりも減らすことが出来れば、毎月様々なプレゼントがもらえ、というもの。ぜひ、スマドラのWEBからエントリーを。

WEB: TOKYO SMART DRIVER

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2008年12月18日

吉村絵美留 -4- 絵画修復という仕事

今週 のゲストは渋谷駅に設置されている岡本太郎さんの壁画「明日の神話」の修復を手がけた絵画修復家の吉村絵美留さん。

絵画を修復する際、念頭に置くのは画家の気持ち。画家は何を狙っていたのか。どの時点で一番完成として仕上げたのか。その画家の狙いを忠実に復元していかなければいけないと吉村さん。ところが、どうしても人間なので、自分の考えや個性を出そうとしてしまうということもありえます。でもそれを一切排除する必要があるんだとか。あくまで画家のもっている個性を尊重して、できあがった段階の状態を一番良い状態として、なおしていくそうです。

極端ではあるけれど、修復した作品が50年、良い状態であってくれればいいということでした。時間が経って、自然劣化が起きてきたときに、一番最初に傷むのは修復した部分であるように。それは20年、30年後には、今よりもっと良い素材や技法が出てくるからなんだとか。そのときに簡単に入れ替えられるような素材で、付加した物は簡単に除去できるようにしているそうです。

修復家の仕事は、今、ある作品を未来へ残すこと。そのための架け橋のようなものだと思うと吉村さん。未来へ残すというのは大事なこと。優れた作品はとても多く、その優れた作品が朽ちていくよりは、それを未来の人たちもそれを味わってほしいという思いで修復のお仕事されているとおっしゃっていました。

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2008年12月17日

吉村絵美留 -3- 修復することで気づくこと

今週 のゲストは絵画修復家の吉村絵美留さんです。

絵画修復の仕事をしていると、普通に絵を観ているだけでは気づかない画家の特徴や個性に気づくことがあるそうです。その画家がどのようにして描いていたかということや、使っている絵の具や描き方など、技法的な面では、準備段階の調査によって分かることもあるそうですが、実際に手をふれて直しているときに、意外に複雑な描き方をしていると気づくこともあるそうです。例えば、水彩のきれいな肖像画だと思っていたものが、実際に調べてみると、油絵だったということがあったそうです。油絵を薄く希釈して水彩のようにして描いていたんだとか。それはものすごく立体感があるし、独特な質感、透明感が出ていたそうです。これには実際に修復作業に入るまで気がつかなかったとおっしゃっていました。

今までで一番感動したのは、着衣の婦人像。明治時代、その画家がヨーロッパに行って初めて書いた作品といわれているものなのですが、なおした跡があるし、輪郭線が変なので調べて欲しいと言われて調べたんだそうです。そして赤外線を当ててみたら、中から裸婦の像が出てきたんだとか。つまり最初に裸婦を描いて、その上にドレスを着せたというもの。
これには色々な理由が考えられますが、ドレスを着た女性でありながら、中にしっかり体が入っているという、それを表したかったのかもしれないということも感じるし、明治の頃だから、日本に持って帰ってくるときに、裸婦というのは道徳的に問題視されるおそれがあったからかもしれないとも思うと吉村さん。

こういったことは普通、美術館に行って観賞しても見ることのできないこと。それを修復作業の際、調べるときに見ることができます。そういった、ある意味では画家しか知らない部分を見て感動するというのは、あまり正しい見方ではないのかもしれないけど、とおっしゃっていました。実はこの作者はこんな人なんだよ、と絵を通じて、画家が時代を超えて語りかけてきているような、そんな気がします。

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2008年12月16日

吉村絵美留 -2- 修復に携わるときの気持ち

今週 のゲストは絵画修復家の吉村絵美留さんです。

先月、イタリアのウフィツィ美術館で、ルネサンス時代の画家ラファエロの作品「ひわの聖母」が10年におよぶ修復作業を終え、公開されました。修復するのに10年かかったということは、修復作業を始める前の調査というのがかなりされているはずだと吉村さん。どんな素材で描かれているか、汚れだけ落ちて絵の具だけが落ちないような薬品があるか、汚れの成分は何か。。。などなど。そういったことを全部分析して、一番ベストな方法を模索していかなければいけないので、調査の時間がかなりかかるそうです。そして空気中の汚れだけでなく、当時の作品のほとんどが正面を保護するために天然樹脂でできているニスを塗っていたため、空気と触れ合うとどんどん酸化して、茶色くなっていってしまいます。だから古い作品は茶色みがかった色彩をもっています。良い作品は本来、そういった余分なものは全部とらなくてはいけないと吉村さん。そうでないと、茶色のサングラスをかけて綺麗な作品を見ているのと同じことになってしまうから。

吉村さんが絵画修復の仕事をしたきっかけは、吉村さんのお父さんが画家だったことから。画家はどうしても絵を描き始めて最初の頃は売れるわけもありません。それでも作品をつくるためには、大量の絵の具が必要になります。例えばお父さんは赤と黒を使った抽象画を描いていたそうなのですが、その赤い絵の具というのが非常に高価な絵の具を使っていたそうです。
合成したものだと安くあるのですが、やはり色が全然違うんだとか。良い絵の具を使いたいから、それを購入するのですが、そのチューブから赤を搾り出すときは、まるで自分の血液を搾り出す気がしていたんだそうです。どの画家もそれぐらいの気持ちで作品を描いているということを身近に感じてきた吉村さん。だから画家の有名無名に関わらず、真剣に描かれている作品が朽ちていくのはとても残念に思うそうです。「そういった作品を修復していきたい」というのが仕事を始めた最初からの気持ちだったとおっしゃっていました。
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2008年12月15日

吉村絵美留 -1- 作品の持つちから

今週 12/15(月)〜18(木) のゲストは絵画修復家の吉村絵美留さんです。

岡本太郎さんの作品の修復を数多く手がけてきた吉村さんは、先月、渋谷駅に設置、公開された岡本太郎さんの壁画「明日の神話」の修復も手がけられました。1960年代後半にメキシコで制作されてから、長らく行方が分からなくなっていた「明日の神話」。2003年に発見され、吉村さんがメキシコで見たときには埃だらけで、すごく傷んでいたそうです。それでも、その姿そのものにすごく存在感があり、「時間」を感じることもでき、とても素晴らしいものだったそうです。それとは違う良さで、現在、こうして綺麗な状態であるのも、また素晴らしいと思うと吉村さん。作品の持つ力がすごく強いので、どんな状態にあったとしても、作品の良さは変わらないのかもしれないというふうに感じるとおっしゃっていました。

岡本太郎さんの作品や、岡本太郎さん自身から受ける印象は、色々なパフォーマンスをしたり、色々な作品を創っているけれど、その根底にはすごく純粋な心があるということ。子供の頃の純粋さを失っていない、とても温かくて、柔らかいものをもっている気がすると吉村さん。

修復するためにずっと、この作品を朝から晩まで携わってきたにもかかわらず、疲れるということが無かったそうです。もちろん、肩が凝ったり、足腰にきたりと肉体的には疲れるけれども、精神的な疲れが全く無かったんだとか。その作品の持つエネルギーを、作品を観た人たちも自然と感じることができると思うと吉村さん。また、そうすると、観ている人たちのそういった優しくて柔らかい気持ちが、今度は作品に反映されるし、その場の空気にも影響を及ぼしてくるのかもしれません。

◎吉村絵美留(よしむら・えみいる) 絵画修復家 IIC (英国国際保存修復家協会)会員 CCI (カナダ保存修復協会)会員 AIC (アメリカ保存修復協会)会員 国立文化財保存修復学会会員 渋谷駅のJRと井の頭線の連絡通路に恒久展示された岡本太郎さんの巨大壁画「明日の神話」の修復作業をはじめ、数々の岡本太郎作品を手掛ける。

WEB: 明日の神話オフィシャルページ

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2008年12月12日

SMART FRIDAY - TOKYO油田2017プロジェクト

金曜日は、首都高にやさしさを広げるプロジェクト [TOKYO SMART DRIVER] にまつわるトピックをスマドラの発起人である小山薫堂さんとご紹介します。今夜はTOKYO油田2017というプロジェクトを進めている株式会社ユーズ代表の染谷ゆみさんをお迎えしてお送りするSMART FRIDAY。

「TOKYO油田2017」の「2017」とは2017年のこと。プロジェクトを始めたのが2007年なので、10年後には東京を油田に変えようという思いが込められているそうです。「東京を油田に」といっても、どこかに穴を掘っているというわけではなく、私たちが使った後の天ぷら油を回収して、車の燃料などを作るというもの。そうすれば台所1つ1つが油田のスポットになるということなんです。
1リットルの油から、0.9リットルの燃料が取れるそうです。ほとんど使えるということですね。それを捨てるなんてもったいない!ただ、1つの家庭から出る油はそんなにたくさんの量にはならないので、それを回収するルートを構築していこうというのがプロジェクトのうちのひとつ。全国で出る廃食油は年間40万トンにもなるそうです。これをすべて加工したVDFにできれば36万トンにもなるということ。実はこれから、首都高のPAなどでも回収できるようにする予定なんです。

このプロジェクトを思いついたきっかけは1992年にアメリカのバイオ燃料のことを聞いたとき。新品の油から車の燃料ができるなら、「使った後の油」廃食油でも同じことができないかと考えたんだとか。

そして実験してみたら、できたんだそうです。実はKIKIはVDFを使ったトラクターを見たことがあるのですが、排気ガスの香りが、なんと天ぷらの香りだったんです。原料の匂いを反映するそうで、天ぷらの香りだったり、から揚げの香りだったりするんだとか。これが実現したら、色々な場所で揚げ物の香りに出会えるかもしれませんね。
WEB: TOKYO油田2017

TOKYO SMART DRIVERでは、現在、WEBサイト上で「スマートチャレンジ」を実施中!
首都高速の事故が、先月よりも減らすことが出来れば、毎月様々なプレゼントがもらえ、というもの。ぜひ、スマドラのWEBからエントリーを。

WEB: TOKYO SMART DRIVER

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2008年12月11日

中井貴恵 -4- それぞれに広がるメッセージ

今週 のゲストは女優の中井貴恵さん。

「大人と子供のための読みきかせの会」を試行錯誤しながら続けてきた10年。言葉の意味を伝えるということは、とても大切であるのにすごく難しいことと中井さん。読みきかせの会ではお話を伝えた後、聞いた人たちがどう受け取るかは、それぞれの人に任せたいと思っているそうです。ただ、やることはきちんとやって、そのお話の持つメッセージは伝えたいという目標は持っているそうです。

病院などへ行くとき、そこで病気と闘っている子供とお母さんたちに、ほんの何分かでも一緒に絵本を読んでもらえたらという思いがあるそうです。

ある学校へ行ったときに、「以前、入院していて病院で聴いたけど、今回は退院して学校で聴けたんです。」と声をかけてきてくれたお母さんがいたんだとか。それは本当に嬉しかったとおっしゃっていました。こうして嬉しい笑顔がどんどん広がっていきそうですね。

WEB: 中井貴恵HP

2008年12月10日

中井貴恵 -3- 「くるみ割り人形」の朗読

今週 のゲストは女優の中井貴恵さんです。

今夜は「大人と子供のための読みきかせの会」を10年続けている中井さんに、「くるみ割り人形」の朗読をお願いしました。これは今年の10月に出版されたもので、中井さんが抄訳(長いお話を短く分かりやすく、掻い摘んで訳すこと)をしたもの。
「くるみ割り人形」。聞いたことはあっても、お話は知らないという人も多いかもしれません。
多くの人が知っているのはチャイコフスキーの音楽と、バレエのイメージ。でも実際、E・T・Aホフマンの書いた原作はとても長いんです。みんなが知らない部分を本の中に入れつつ、でもあまり長いと、読書の嫌いな子は途中で投げ出してしまうかもしれないので、少し短くして、いせひでこさんに素敵な絵を描いてもらって完成した「くるみ割り人形」。今夜はその本から一部を、チャイコフスキーの音楽とともに朗読していただきました。素敵な音色とやさしい言葉のリズム。自分で読むのとは違った絵本の世界が広がりました。

WEB: 中井貴恵HP

2008年12月09日

中井貴恵 -2- 絵本を「読んでもらう」気持ちよさ

今週 のゲストは女優の中井貴恵さんです。
「大人と子供のための読みきかせの会」で、大きな絵本に目を輝かせるのは子供たち。でも意外だったのは、お母さんたちから寄せられた「いつも子供に読む方の立場だけど、読んでもらったらすごく気持ち良かった。」という声。いくつになっても本を読んでもらうことは楽しいこと、ということに初めて気がついたそうです。

今年で10年目を迎えた「大人と子供のための読みきかせの会」。続くと思わなかったし、そもそも10年続けようと思って始めたわけでもなかったと中井さん。呼んでくれる人たちが、そして観に来てくれる人たちがいるだろうか、そんなところから始まったそうです。最初は自分たちで売り込みに行って、10校くらいの学校が呼んでくれたそうです。

そしておそらく、それで終わるだろうと思っていたんだとか。ところが、「妹の学校で観たんですけど、お兄ちゃんのところでやってもらえませんか?」とか、「うちの子供は今、病院にいるんですけど、病院には来てもらえませんか?」とか、そういうかたちでどんどん広がって続いていったそうです。
「大人と子供のための読みきかせの会」は公演料を設定していなくて、募金箱を設置しています。最初はいろいろな不安などもあったそうですが、先立つものが無いと大きな絵本を作ることもできないし、公演をする場所までの交通費も出ないと、続けることも難しくなってしまいます。今ではこの方法で良かったと思っているとおっしゃっていました。

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2008年12月08日

中井貴恵 -1- 絵本の魅力

今週 12/8(月)〜11(木) のゲストは女優の中井貴恵さん。

女優として、数多くの作品に出演されている中井さん。ここ最近は、絵本の翻訳などでも活躍されていらっしゃいます。そんな中井さんが代表を務める「大人と子供のための読みきかせの会」は、活動をはじめて今年で10年目を迎えました。活動の内容は絵本の読み聞かせ。とても大きな絵本と朗読と音楽の生演奏。この大きな3つの柱で構成されています。そして子供のためだけではなく、大人も一緒に楽しんでもらうというもの。

この会を始めようと思ったきっかけは中井さんご自身が母親になったときに、絵本の素晴らしさに惹かれたことから。子供の頃に読んでいたときとは違って、親になってから読むと、子供のために読んでいたそうです。なるべく早く子供が眠くなってくれるものを、ということで選んでいたんだとか。だから最初、中井さんにとって絵本は
子供を寝かしつけるための「道具」でしかなかったそうです。

1冊の絵本との出会いで、それまでの考えがガラリと変わったと中井さん。読み終えたときに、自分も子供のときに、こういう経験をたくさんしてきたなぁというのがよみがえってきて、涙がとまらなくなったそうです。そして、絵本にも大人が受け止めるべき温かいメッセージが入っていると感じ、「絵本は子供のものだけではないのではないか。」と思うようになったそうです。それがこの会の誕生のきっかけなんだそうです。だから最初から子供と一緒に大人も楽しんでもらう会にしようと思っていたとおっしゃっていました。

◎中井貴恵:1978年、早稲田大学在学中に東宝映画「女王蜂」 (監督:市川崑)のヒロインでデビュー。数々の新人賞を受賞し、 1982年には東映映画「制覇」で日本アカデミー賞助演女優賞受賞。以 後、映画、テレビ、CF等で活躍。女優業の他に執筆でも活躍し、 数々のエッセイを出版。2008年10月にブロンズ新社から出 版されている「くるみわり人形」の抄訳も担当。

WEB: 中井貴恵HP

2008年12月05日

SMART FRIDAY - 「スマドラコース」開設?

金曜日は、首都高にやさしさを広げるプロジェクト [TOKYO SMART DRIVER] にまつわるトピックをスマドラの発起人である小山薫堂さんとご紹介するSMART FRIDAY。今夜も先週に引き続き、ペーパードライバースクール代表の関主税さんをお迎えしてお送りします。

ペーパードライバーの人や、もう一度学びなおしたいというドライバーの人に、オーダーメイドに近い形で教習してくれるペーパードライバースクール。首都高に怖くて乗れないという人のために「スマドラコース」を作ってくれたそうです。首都高からも+αの情報として、事故発生件数が多い場所などを聞いたところ、今まで思っいてたことと違うこともあったと関さん。関さんの考えていた危険な場所は新宿のジャンクションの入り口付近。過去はここでの事故発生件数が多かったそうですが、最近では料金所や料金所を終えた後の合流に気をつけたほうがいいそうです。

関さんから首都高に乗る際の簡単なアドバイスをお聞きしました。基本的にはスピードの流れに上手く乗ること。そして目的の道路に入ること。そのためには車線変更が必要になります。これが苦手という方も多いかもしれません。そういう場合、もっと意思表示をした方がいいかもしれないとおっしゃっていました。

そんなペーパードライバースクールでは、さらに新しい案があるんだそうです。それはスマドラで募集をして、毎月ひとりを「スマート・ドライバー」に徹底的に教習するというもの。これは受けてみたいと薫堂さん。でも「褒めて育てて欲しい。」とのリクエストつきでした。

WEB: ペーパードライバースクール


J-WAVEのタイムテーブルをデザインしているgood design companyのアートディレクター水野学さんは、「TOKYO SMART DRIVER」のデザイナーでもあります。

いまスマドラ公式WEBからメンバー登録すると、水野さんデザインによる新しいパンフレットが全員に送られてきますので、こちらもぜひ!

WEB: TOKYO SMART DRIVER

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2008年12月04日

勝俣悦子 -4- 心の支えになるもの

今週のゲストは海獣ドクターの勝俣悦子さんです。

勝俣さんがこだわりをもって動物たちに接していられるのは、忘れられないある人からの言葉が支えになっているから。それは勝俣さんが鴨川シーワールドに入社されたときに館長だった鳥羽山照夫さんの「すごい獣医になったな。」という言葉。当時は何年経っても修行時代で、ちっともイルカの獣医らしくならないで、診断をしても全く違う診断をしていたり。。。そういうことがずっと続いていたときだったそうです。

そのときは、そんなに褒められるようなことはしていないと思ったので、聞かなかったフリをして、「こういう処置をしてきました。」と報告しただけだったそうです。後から、どうしてそんな風に言ってくれたのかと考えると、諦めないことや粘り強く動物に接していくことなど、そういうことを褒めてくれたのかなと思うと勝俣さん。その経験から今度は勝俣さんが、新しく獣医として入ってきた人たちにも、よくできたと思ったときには、心置きなく良かったねと言ってあげられたらと思うとおっしゃっていました。それは自分が鳥羽山館長に言われた経験がすごく心に残っていて、それが心の支えになっているから。

そしてもうひとつは「このおばさん、なんでも増やしちゃうから、動物が増えちゃうんだよ。」という言葉。繁殖が好きだという勝俣さんは、昔からペンギンの人工ふ化やアシカの赤ちゃんの人工哺乳などもやったそうです。水族館生まれの動物をたくさん増やしたいという夢があるんだとか。

それが少しづつ現実になっていって、アシカやアザラシ、イルカやシャチも生まれるようになってきて、そのことを鳥羽山館長はそういう言葉で褒めてくれたのかなと思うと勝俣さん。あまり褒めてくれる人じゃないけど、心の温かさは伝わってくる人。そんな温かさのこもった言葉は強い心の支えになりそうですね。

WEB: 鴨川シーワールド

2008年12月03日

勝俣悦子 -3- ちいさなサインも見逃さないために

今週のゲストは海獣ドクターの勝俣悦子さんです。

動物たちのちょっとしたサインを見逃さないように、毎日こまめな往診を欠かさず、1頭ずつに日誌をつけている勝俣さん。イルカの治療はとても難しくて、「もしかしたらダメかもしれない。」と思うことも。それでもたくさんある日誌の中から、アイデアや経験を生かして、どうにかして助けていきたいという気持ちがあるそうです。
「できることは諦めない」という勝俣さんの強い思い。大変なことなのに、それでも続けていけるのは動物たちが好きだから。どれだけ努力をしても大変なことではない。天職だったと思うと勝俣さん。
勝俣さんは動物たちの獣医として健康管理をしていますが、普段、動物たちといつも触れ合っているのは担当の飼育員、トレーナーの人たち。獣医とトレーナーが信頼しあっていないと、情報の交換がうまくいきません。なので、人と人とのつながりがとても重要になってきます。
だから勝俣さんはいつも冗談を言って、和ませているそうです。
その中で「実はこういうことがあったんだ。」というような話になることも。そうすると「それはこういうことかもしれないから、みんなで注意しようね。」というような話につながります。動物相手の仕事といっても、世話をしているのは人間たちなので、人間同士のコミュニケーションが1番の鍵になってくるとおっしゃっていました。

WEB: 鴨川シーワールド

2008年12月02日

勝俣悦子 -2- イルカとの出会い

今週のゲストは海獣ドクターの勝俣悦子さんです。

日本における海獣飼育の草分け「鴨川シーワールド」で、海獣ドクターのパイオニアとして活躍されている勝俣さん。幼い頃から動物が好きで、迷うことなく獣医の道へ進まれたそうですが、「海獣」に興味を持ったのは獣医大学在学中。
帰宅途中の新宿駅で、改札口近くにイルカが2頭、高いジャンプをしている写真のポスターを見たとき、「イルカっていいな」と思ったそうです。そのポスターが鴨川シーワールドのものだったんだとか。そこからの行動は早くて、ある日、学校へ行くふりをして家を出て、そのまま鴨川シーワールドへ行った勝俣さん。そこで初めてイルカを見たそうです。そしてパフォーマンスを観てとても感激して、その日にあった3回のショーを全て観たんだそうです。
そして、意見などを書く紙に「獣医の卵で、イルカについて知りたいので本を紹介してください。」と書いて置いていったそうなのですが、すると、飼育員の方からお手紙をいただいて、本の紹介とともに「実習をしたいならできますよ。」と書いてあったそうです。閃きのようなきっかけで素晴らしい出会いをしたんですね。

WEB: 鴨川シーワールド

2008年12月01日

勝俣悦子 -1- 海獣ドクター

今週 12/1(月)〜4(木) のゲストは海獣ドクターの勝俣悦子さんです。

「鴨川シーワールド」で31年間、イルカやシャチ、アシカなど海獣のお医者さんとして活躍されています。

イルカやアシカなどにはまだ解っていないことがたくさんあるので、一緒に生活して、学びながら、その中で獣医大学で習ってきたことを応用して健康管理や治療をしているそうです。

水族館には大きく4つの役割があるそうです。1つめは楽しむため。鴨川シーワールドではシャチのパフォーマンスが人気で、それを観たくてまた来てくれるお客さんが多いんだとか。2つめは社会教育。水族館にいる動物たちはどんな動物たちで、どんなところに住んでいるのかということなどを楽しみながら学んでもらうという役割。3つめは種の保存。

現在、とても残念なことに、絶滅していっている動物がたくさんいます。そういった動物を絶やさないようにするために、最近では水族館の大きな役割となっているそうです。そして4つめは調査や研究。動物たちから色々なことを調査したり、研究をしたり。ただ楽しむために行っているような水族館にもこんなに様々な役割があるんですね。

◎勝俣悦子:1953年東京生まれ.日本獣医畜産大学獣医学科卒業後,1977年に千葉県の鴨川シーワールドに入社。ベルーガ(シロイルカ)の飼育担当を経て,シャチ,イルカ,セイウチ,アシカなど海獣類の健康管理に従事する。日本における本格的な海獣医師としては女性第1号であり,現在では海獣医師の世界の第一人者として知られる。2003年にはバンドウイルカの人工授精に研究者などの協力を得て日本で初めて成功。2005年に「飼育海生哺乳類の繁殖に関する研究」で獣医学博士号を取得。

WEB: 鴨川シーワールド