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即席麺、ほとんどの人が「正しく調理できていない」 おいしく作るポイントを専門家が語る

即席麺、ほとんどの人が「正しく調理できていない」 おいしく作るポイントを専門家が語る

そば、うどん、パスタ、ラーメンなど、日本ではさまざまな麺料理が楽しめる。日本人はなぜそこまで麺類を愛し続けるのか? その魅力を科学の視点から解き明かした『麺の科学 粉が生み出す豊かな食感・香り・うまみ』(講談社)の著者であり、工学院大学 先進工学部 応用化学科教授の山田昌治さんに話を訊いた。

【8月2日(金)J-WAVE『GOLD RUSH』(ナビゲーター:渡部 建)の「CURIOUSCOPE」】


■イタリア人と日本人ではパスタの好みが違う...なぜ?

山田さんは「イタリア人もパスタが好きだけど日本人と食べ方が違う」と話す。日本人は比較的、細いパスタを好むが、イタリア人はリングイネなどの少し平たいパスタを好む傾向がある。「イタリア人は音をたてて麺をすする文化がないので、ガシガシと食べるので噛み応えを重視する。日本人はツルツルとすするので、のどごしのよさを重視する」と解説した。

また、麺の魅力は噛んだときの風味にあると言う。たとえば、讃岐うどんはほとんどオーストラリア産の小麦が使われている。しかし、「さぬきの夢2000」などの国産小麦がより風味が強いとわかり、話題になったそう。それがきっかけとなり、山田さんは「麺のにおい」を研究しはじめたと明かす。

山田:小麦粉の独特の風味というのは、小麦粉に含まれる脂肪酸が酸化してにおいを発しているということが化学分析により明らかになりました。

山田昌治さん、渡部建

■即席麺をおいしく作る方法

手軽に食べられる「即席麺」だが、山田さんによると、ほとんどの人が正しく調理できていないのだという。

山田:たとえば、袋麺を鍋に入れて茹でた場合、すぐに麺をかきまぜてはダメです。麺にヒビが入ってしまい、食感が損なわれます。

山田さんは、触らずに作った場合、最初からかき混ぜた場合、しばらく経ってからかき混ぜた場合で違いが出るのか実験をした。結果は、しばらく経ってからかき混ぜた場合が一番いい食感だったという。「食感は数値で比較した」とも。3分の即席麺なら2分ほど経ってから優しく混ぜるのがいいとのことなので、ぜひ試してみてほしい。


■少量の水でパスタを茹でるには

パスタは大量の湯で茹でるのが原則だが、少ない水でも工夫すればモチモチの食感になる。

山田:フライパンに少量の水をはって沸騰させ、その中にパスタを入れてフタをします。そうすると、水がすぐに蒸発して、茹でるのではなくスチーム調理になります。そのため、標準の茹で時間でもモチモチとした麺を楽しむことができます。しかも、ちゃんと分析したらアルデンテになっていました。茹で水も少なく済むので環境にもいいです。

科学の視点から麺の魅力をもっと知りたいという方は、山田さんの著書『麺の科学 粉が生み出す豊かな食感・香り・うまみ』を手に取ってみてほしい。

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【番組情報】
番組名:『GOLD RUSH』
放送日時:毎週金曜 16時30分-20時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/goldrush/

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