トランプ大統領は再選するのか? アメリカ最新ニュースを専門家が解説

2019年05月17日

アメリカの次期大統領選が2020年に行われますが、トランプ大統領の再選はあるのでしょうか? 米中の貿易摩擦問題なども含めたアメリカの最新ニュースを、元東京新聞ニューヨーク支局長でジャーナリストの北丸雄二さんが解説しました。

5月14日(火)のオンエア:『JAM THE WORLD』の「UP CLOSE」(ナビゲーター:グローバー/火曜担当ニュースアドバイザー:青木 理)
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■中国への関税がアメリカ国民に与えた影響

5月13日、アメリカは中国からの輸入品を対象とした追加関税第4弾の詳細を発表。これでほぼ全ての商品に関税をかけることになりました。

青木:アメリカ国内の反応はいかがですか?
北丸:トランプは、「アメリカ国民が払うのではなく、中国が関税を払うんだ」と言っています。
青木:それは間違いですよね?
北丸:間違いです。中国側が関税分を上乗せすると、輸入業者がそれを払わないといけなくなり、輸入業者の負担がかかることで(輸入業者の)購買意欲が下がります。そのため、中国が少しダンピングしていますが、それは小手先の話です。
青木:中国が払っていることにはなりませんね。
北丸:そうですが、トランプはずっと「中国が払う」と言ってます。
青木:本気でそう思ってるのでしょうか?
北丸:そうではないと思います。これが本気だったら大変です。

現在中国からの鉄鋼やアルミに関税がかけられ、すでに洗濯機で平均8千円、乾燥機で平均1万円値段が上がっています。逆に、売る側は中国に大豆を売ることができなくなり、アメリカの大豆農家が悲鳴を上げているという現状です。

青木:アメリカの中で対中脅威論を感じている人たちはそれなりに喜びそうですが、大豆を作っている農家の方たちは、トランプのひとつの支持基盤ですよね?
北丸:そうです。実際、大豆農家の方はこれまでトランプに投票していましたが、収入が40%以上落ちて、国内で大豆を売らないといけないため値下げして売っています。そのため、次はトランプに投票するか分からないという話になっています。


■トランプ大統領の支持層とは?

ところが、4月末に行われた調査では、トランプ政権の支持率がトランプ政権発足以来最高の46%を記録。これを青木は、「トランプ大統領を批判している人たちはたくさんいながらも、20%か30%かの圧倒的な底堅い岩盤支持層みたいなものがどうやらある」と分析。

青木:ずっと言われているのは、かつてミドルクラスだったものの、産業構造の変化によって食ベられなくなった地方の白人層みたいな人たちが「なんとかしてくれ」という叫びを上げているんだという見方です。これについて、北丸さんはどう思われますか?
北丸:共和党はねじれの支持層で、ひとつはいわゆる企業とかの富裕者層。これはなぜなら(政権が)減税をするから。それと同時に草の根で一生懸命生きている真面目なキリスト教保守派の福音派の人たちといった労働者層。彼らは保守的な考えを持っているので、今リベラルが騒いでいるようなLGBTQや中絶の話、女性進出といったものを快く思っていません。

北丸さんはトランプ大統領の支持層についてこのように話し、「上と下から挟み込むようだ」と表現します。

北丸:シティバンクの副社長から聞いたことがあるのですが、彼らが相手にしている顧客の約8割が、選挙のときにトランプ支持者だったそうです。
青木:なぜですか?
北丸:彼らは富裕者層ですが、そういう人たちにとって減税というのはものすごくありがたいことです。表立っては言えませんが、結構トランプを支持していたようです。


■民主党がちゃんとした候補にまとまれば勝てる

2020年の次期大統領選挙に向けて、民主党からはバーニー・サンダース上院議員や若手候補者が出馬を表明しています。これに青木は、「現職と戦えるほどの知名度と影響力のある人がいない」と印象を述べます。

北丸:21人か22人出ていますが、誰が誰だか分からないんです。「昔の名前で出ています」ではありませんが、ジョー・バイデンはオバマ政権で副大統領でした。でも、おじいちゃんです。
青木:サンダースもそうですもんね。
北丸:トランプも72歳とかでしょ? 大変なんですよ。

現状ではジョー・バイデンなど、やはり知名度のあるベテラン勢が有力だと分析する北丸さん。一方で、期待の若手候補者も紹介しました。

北丸:ピート・ブティジェッジ。インディアナ州サウスベンド市の、若手で同性愛者の抜群に頭のいい、なんだか田舎の少年みたいな顔をした人です。あとは、ベト・オルーク。
青木:先日の中間選挙でいいとこまで行ったんですよね?
北丸:テキサス州で、保守派の大統領候補にもなった共和党の上院議員、テッド・クルーズを破るんじゃないかというところまで行ったんです。
青木:若手ですごく感じのいい、爽やかな青年タイプですよね。
北丸:背も高くて演説も上手い。彼が4番手、5番手くらいにいますが、全国的な知名度はありません。それをこれからどう処理していくのか。ただ、トランプの支持率は50%を超えたことがないので、民主党の候補が本当にちゃんとした候補にまとまれば勝てますが、このままダラダラいくと有権者の人にそっぽ向かれる可能性もあります。。

そして北丸さんは、「そうなったときは、トランプさんがまた勝つ可能性は出てこなくもない」とも話しました。来年に迫ったアメリカ次期大統領選挙、どのような結末になるのか注目です。

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【番組情報】
番組名:『JAM THE WORLD』
放送日時:月・火・水・木曜 19時−21時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/
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