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3%しかいない「ゲームチェンジャー」って? 渋谷にオープンした「EDGEof」の役割

3%しかいない「ゲームチェンジャー」って? 渋谷にオープンした「EDGEof」の役割

J-WAVEで放送中の番組『INNOVATION WORLD』(ナビゲーター:川田十夢)。4月からは金曜20時から2時間の生放送にパワーアップ! 「KYOCERA TECHNOLOGY COLLEGE」のコーナーでは、各ジャンルの第一線で活躍するイノベーターたちを講師に招き、学生向けの授業を実施。4月5日(金)のオンエアでは、渋谷から世界へ発信する 「EDGEof(エッジオブ)」Co-CEOのケン・マスイさんが登場。「EDGEof」や仕事について語りました。

ケン・マスイさんのキャリアはDJからはじまり、クリエイティブディレクター兼ミュージックディレクターとしても活躍。また、2018年に世界中のイノベーターたちと組んで起業したほか、「SPARK Neuro Japan」のCEOも務めており、すべてをイノベーティブに変えていくべく、チャレンジしています。


■「既存のものを破壊して、便利なことを提案」

「EDGEof」は2018年4月1日に正式にオープン。「タワーレコード渋谷店」のすぐ隣のビルです。

ケン・マスイ:「EDGEof」は、簡単にいえば「国際企業文化ビジネス交流会館」です。世の中を本当に変えたいと思ってる人は3パーセントいて、その人を信じている15パーセントの人が真剣についていき、残りの30パーセントはできたサービスを使って、あとの人は何もしない。我々は3パーセントの人のことを「ゲームチェンジャー」と呼んでいます。その3パーセントの人が日本に来たときに、自分が持っている能力、組織、宗教、アート、音楽などを使って何かできないかと相談できる場所として作りました。僕自身のキャリアとしては、DJをやりながら、「ap bank」(小林武史と櫻井和寿によって設立された非営利組織)というムーブメントに関わったり、音楽事業会社「烏龍舎」でいろいろなアーティストの仕事をしたり、自然光太陽発電の開発など、クリエイティブなことをたくさんさせていただいて、今があります。
川田:基本はDJだけど、扱うものが音だけではなくなっているという感覚の人という印象です。
ケン・マスイ:DJのセカンドキャリアとしては珍しいです。DJってなかなか難しい仕事なんですね。人が作ったものを自分なりにどう解釈してアウトプットするかが求められたときに、自分のフィルターが最も大事。扱うものが音楽だけではなくて、自分のなかでイノベーションがすごく大きな割合を占めてきました。
川田:よく考えると、音楽ももともとジャンルを超えてセレクトするところがあるので、マスイさんがやっていることは、誰もができることではないけど、自然な流れではあると思います。
ケン・マスイ:そうですね。音楽だけでいうと、米津玄師さんがヒットした理由とか、ブラッド・メルドーが日本に来た理由とか、そういったことって全部繋がってるんです。食の問題からストレスがたまって、「ファーム・エイド」というライブができて、そのライブプラットフォームで中継しようということになって、VRで中継することになったのが「コーチェラ・ヴァレー・ミュージック・アンド・アーツ・フェスティバル」だったり。0のことを1にする人は、アンテナを非常によく張って捉えていて、それをアウトプットすることを繰り返してるんじゃないかと思います。
川田:そのひとつの形が「EDGEof」ということですね。

さらにここから、現地の人の家を借りられるサービス「Airbnb」の話に移ります。

ケン・マスイ:「Airbnb」は、ある男性が友だちの家に行くから泊めてほしいといったところ、「その日はいないから貸してあげるよ。写真はこんな感じ」っていうところから始まりました。今では世界最大のホテルチェーンの売り上げを超えたわけです。「disruptive innovation(破壊的改革)」といって、既存のものを破壊して便利なことを提案するのが「EDGEof」です。それを提案し続けるには、人が会わなければなりません。その場所をつくりたかったんです。新しいメディアの形だと思ってやってます。


■一時的な盛り上がりで終わらないために…

最後に、ケン・マスイさんが学生からの質問にこたえました。

「『EDGEof』を知らない層に対してオープンなイベントをする予定はありますか」

ケン・マスイ:鋭い質問ですね。僕たちの創業者のなかに、「TEDxTokyo 」設立者のひとりであるトッド・ポーターがいます。「TED」は、カンファレンスでしゃべって、みんながギフトを持ち帰って変えようとするけど、1週間もすると忘れてしまうんです。それだとダメ。まさにオンゴーイング(進行中)な「TED」のように、いつも議論や投資をしていたり、アイデアが出たり、ワクワクすることがある場所が「EDGEof」です。それを継続させるために経済活動などをして、シュリンク(縮小)しないようにしています。
川田:なるほど。
ケン・マスイ:あとは、コワーキングスペースとは違って、スタートアップも中にいる人間も、我々がセレクトした人が入っています。たとえば、100万払うからといって、風俗雑誌しか書いていない人がいても困るわけです。1円も払わないけど、川田さんのようにAR上でバック転できるソフトを作る人がいてくれたほうが、僕たちのプロジェクトではワークするんです。だからコワーキングのやり方はアリだけど、僕たちはそちらをとらずに、クローズドなクラブハウス的なアプローチをとっています。
川田:多くの人が知っているというより、「EDGEof」は僕らの界隈はみんな知ってるんです。クリエイターは映像を撮るにしても、社会と接続しなくてはできなくて、まずは話を聞いてもらえる場所として機能しています。コワーキングスペースというよりはセレクトショップ的なところが近いかもしれませんね。
ケン・マスイ:目指すところはスタジオジブリ的なもの。「これをやろう」というのがクリアになっていて、何でもかんでもやるというわけではないし、いろいろな人がいるということをやりたいです。

ケン・マスイさんの話を振り返って、川田は「すごい人には、すごい教えがあるよね」と感心していました。

【番組情報】
番組名:『INNOVATION WORLD』
放送日時:毎週金曜日 20時-22時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/innovationworld/

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