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BUMP・藤原は、響きと意味をリンクさせる歌詞作りの天才! 阿部真央が熱弁

BUMP・藤原は、響きと意味をリンクさせる歌詞作りの天才! 阿部真央が熱弁

シンガーソングライターの阿部真央さんとミュージシャンでもあるグローバーが「歌詞」の魅力を掘り下げ、リスナーからの「前向きになれる曲」「グッとくる歌詞」を紹介しつつ、その魅力に迫りました。


■『君の唄(キミノウタ)』は、映画の撮影現場から生まれたパワーワード

まず、阿部さんが5月8日(水)にリリースするシングル『君の唄(キミノウタ)/答』の楽曲『君の唄(キミノウタ)』の歌詞に注目しました。

阿部:タイトルにある「君の唄」っていうワードがおすすめポイントで、この言葉をサビのいちばん最後に言っています。これは映画『チア男子!!』の主題歌として書き下ろした曲なんですけど、練習を見学したとき、主演の一人、中尾暢樹さんに「(阿部さんの楽曲を)僕の歌だと思って頑張ります!」と言っていただいて。中尾さんはみんなに「おまえだけの歌じゃないよ」とツッコまれてましたが、私は「僕の歌だと思って」という言葉がパワーワードだと思いました。じゃあ、あなたの歌を作りますねということで、タイトルを『君の唄(キミノウタ)』にしました。

撮影現場の雰囲気をくみつつ、阿部さんはこう考えたそうです。

阿部:(俳優さんたちに)曲作りに参加してもらっている気にもなったし、映画の作り手として私が参加させてもらえている気持ちになったので、私にとって「君の唄」ってワードが大切な言葉になりました。

そんな新曲『君の唄(キミノウタ)』を番組でオンエアしました。 【radikoで聴く】阿部真央『君の唄(キミノウタ)』


■影響を受けたアーティストは?

阿部さんが詩を書くうえで影響を受けたアーティストは、アヴリル・ラヴィーンと椎名林檎。「この2人は影響を受けたシンガーソングライターの二大巨頭」と話します。

阿部:アヴリルはシンガーソングライターという職種を教えてくれた人でした。中学1年生のときに、こんなにアイドルみたいにかわいくて、歌がカッコよくて、しかも自分で曲を作っているなんて!と衝撃を受けました。アヴリルはずっと大好きで、ひな鳥が親鳥を見たときみたいな(笑)。
グローバー:そういう存在の人っていますよね(笑)。
阿部:椎名林檎さんに関しても同じで「こんな世界観があるんだ」って。曲は知っていたけど、深掘りすればするほどこのオリジナリティは何だろう、とそういう意味での親鳥みたいな存在です。

一方、グローバーが影響を受けたアーティストは桑田佳祐。

グローバー:小学生のときにテレビで桑田佳祐さんの年越しライブを見て、衝撃を受けて「これになろう!」みたいな。心の中にずっといてくれるヒーローとかヒロインですよね。
阿部:そのアーティストを見て聴いて元気をもらったり、あの瞬間を思い出させてくれたりする感じに近いかもしれないですね。


■今はソングライティング自体を楽しんでいる

続いては詞の書き方についての話題に。

阿部:昔は感情に振り回されながら詞を書くスタンスだったけど、今はソングライティング自体を楽しむ時間とか自分が出てくるようになったので、変わってきましたね。
グローバー:僕は英語の詞も好きで書いたりしていたんだけど、ずっと響き優先だったんです。
阿部:気持ちよりも先に響きだったんですね。
グローバー:そう、トーンが先だから、言葉の意味とかより、ここで「あ」とか「う」とか言えないと、自分の気持ちがのらないってことがあるから、音が譲れなかったんです。でも、徐々に変わってきたことで言えば、言葉の意味としてすごく気に入ったフレーズが出てきたら、音を捨てても言葉の意味を取る部分も増えてきました。そこが変わったところかな。


■「バンプ的倒置法」って?

番組ではリスナーからの「前向きになれる曲」「グッとくる歌詞」を紹介しました。あるリスナーは「大学受験のときにランニングをしながら聴いていた」として、BUMP OF CHICKEN『虹を待つ人』を選曲。

阿部:この曲はめちゃくちゃ音と歌詞がリンクしているなという印象です。
グローバー:テンポを含めてね。このリスナーは足が速かったと思うよ。けっこういいテンポだから。
阿部:そうですよね。BUMP OF CHICKENの藤原(基央)さんは、響きと意味がリンクする歌詞を作る天才だと思います。あとこの曲は「バンプ的倒置法」って個人的に呼んでいるんですけど、「うわ、そうだよね!」みたいな、ずっと耳が話せない状態で聴いて、最後にくる(歌詞の)突き放され方と答えの出され方がすごく藤原さんっぽいなって。そのやり方が絶妙で、バンプファンとしてはグッと心臓を捕まれる感じですね。


■自分の身を削って書いていると感じる、SIA『Chandelier』

最後に阿部さんが、「グッとくる歌詞」としてSIAの『Chandelier』を選曲しました。

阿部:SIAは大好きで全部聴いています。英詞なので解釈の違いはあるかもしれないけど、私がいちばん好きなのは2番のAメロの後半部分。その部分の意味についてグローバーさんが「ちょっと後ろめたいとか、こんなことをしていていいのかなって、虚無感いっぱいの夜を経たあとに浴びるお日様って、逃げ出したくなるじゃない?」と教えてくれたんですが、「そう、その感じ!」と思いました。つまり、恥ずかしいとか、自分は情けないとかみっともないってことを、この部分に封じ込めて繰り返すSIAが愛しい。
グローバー:なるほど。
阿部:日本語だからかもしれないけど、「恥ずかしい」って言葉はあまり曲で言わないじゃないですか。書き手としてすごく苦しいことだから。でもSIAは自分との向き合い方がすごくて、自分の身を削って書いているこの曲自体もすごく好きなので、ぜひ聴いてもらいたいですね。

【radikoで聞く】SIA『Chandelier』

ぜひ歌詞に注目して聴いてみてください!

J-WAVEとキュレーションアプリ「antenna」では、毎日の通勤・通学、移動の際の電車空間を音楽の力でもっと豊かにするキャンペーン「ENRICH YOUR LIFE WITH METRO SONGS」を行なっています。東京メトロ全線の中吊りにJ-WAVEがチョイスした「グッとくる歌詞」を掲出し、楽曲をJ-WAVEでオンエアしていく企画で、第6弾が4月21日(日)まで実施中!

今回は、あいみょん、THE YELLOW MONKEY、Suchmos、スガ シカオ、平井 堅、フジファブリックの全6組のアーティストとタイアップ。歌詞の一部が中吊りに掲出されます。こちらもチェックして、歌詞の魅力をぜひ感じてください!

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