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ザ・プロディジー、“手抜きなDJ”に痛切な批判も…EDMシーンに叩きつけたアルバムとは?

ザ・プロディジー、“手抜きなDJ”に痛切な批判も…EDMシーンに叩きつけたアルバムとは?

J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:藤田琢己)。3月13日(水)のオンエアでは、Licaxxxとのコンビでお届けしました。

注目の新譜・いま注目すべき名盤・話題の来日アーティストなど、週替わりで1組のアーティストを4日間かけて掘り下げていくコーナー「FEATURE TOPICS」。この週は、イギリスのエレクトロ・ロックバンド、ザ・プロディジーを特集しています。

先日、フロントマンのキース・フリントが49歳で亡くなったというニュースが、世界中を駆け巡り、ミュージシャンや音楽ファンにショックを与えました。90年代にロックとダンスミュージックを融合した、革新的なサウンドを生み出したザ・プロディジー。昨年リリースされた『No Tourists』までの7枚のアルバムは、世界で通算3000万枚以上のセールスを記録しています。キース・フリントはその独特のファッションや、オーディエンスの感情を煽っていくエモーショナルなパフォーマンスで、バンドのアイコン的存在として絶大な人気を得ていました。

特集1日目から2日目にかけて、2ndシングル『Charly』、3rdアルバム『The Fat of the Land』の大ヒットまでをお届け。3日目はその続きから。

【1回目】キース・フリントが逝去…ザ・プロディジーの歴史を振り返る
【2回目】DAOKO「子どもがお腹にいるとき、聴かせる音楽はプロディジー」


■大ヒット、世界ツアーの末、休息期間に

3rdアルバム『The Fat of the Land』(通称“蟹盤”)は、世界22カ国で初登場1位を獲得。1000万枚以上を売り上げるメガヒットアルバムに。このアルバムを引っさげて2年間の世界ツアーを敢行しました。

しかし、長期間のライブ生活で疲労がピークに達して、バンドは休息期間に入ります。その間、リアムのミックスアルバムやマキシムのソロアルバムなど、メンバー単▪️での活動が活発となっていきます。そしてこの頃、ダンサーのリロイ・ソーンヒルが脱退。3人組となりました。


■制作中のアルバムを廃棄

2002年、前作から5年ぶりに4枚目のアルバムへとつなぐ位置づけとなるはずだったシングル『Baby's Got a Temper』を発表。ヒットこそしたものの、「前作の焼き直し」とメディアに袋叩きにされてしまいます。半分以上完成させていたという4枚目のアルバムを全て廃棄。改めて一から作り始めました。

そして2004年、前作から7年ぶりに4枚目のアルバム『Always Outnumbered, Never Outgunned』を発表。これまでの路線から脱却するため、レコーディングはメンバーであるマキシムとキースは参加せず、オアシスのギャラガー兄弟、ジュリエット・ルイスなど、多くのゲストボーカルを招いて制作されました。


■「俺は何をしてるんだ」

実はこの頃、アルバム制作に参加しなかったマキシムとキースは、バンド以外の活動に再び力を入れ始めます。キースは後のインタビューで、2004年頃にバンドが解散寸前だったこと、自分のソロ作品をつくろうとしていたことを明かしています。リアムが次のアルバムを書こうとしていたときに、キースは自分のソロ曲を作っていました。しかし、リアムが作った『Spitfire』を聴いて、キースは「俺は何をしてるんだ」と考え直したそうです。

10年以上メンバーが一緒にレコーディングにしていないことをファンが気にしていると感じたメンバーは、完全なバンドアルバムを作ることを決めます。その後、デビューから17年間所属したレーベルを離れ、自主レーベル「テイク・ミー・トゥ・ザ・ホスピタル」を設立。

ついに2009年、『The Fat of the Land』以来、10年ぶりにマキシムとキースが参加して、5枚目のアルバム『Invaders Must Die』を発表。長期間活動するということは、いろんな試練を経験してバンドが興味深いものになるということ。2003年、2004年にバンドが解散しそうになったことを乗り越えて作られたアルバムは、タイトル通りの挑戦的な作品だと、トラックメイカーのリアム・ハウレットは語っています。


■EDMシーンに叩きつけたアルバム

2015年、6年のブランクをおいて発表されたのは『The Fat of the Land』を思わせる、ロック色の濃いエネルギッシュな6枚目のアルバム『The Day Is My Enemy』。世界中がEDMサウンドで盛り上がっているなか、ザ・プロディジーがシーンに叩きつけたアルバムです。リアムは、ボタンひとつで音楽を流し、それに合わせて手を降っているだけの DJを痛烈に批判するコメントも残しています。

ザ・プロディジーのステージについて、Licaxxxは、こう話します。

Licaxxx:ザ・プロディジーのステージはマジで熱量が高いから! 前に出てる二人がものすごく踊るんです。めちゃくちゃ動くから、ツアーをやってたら本当に疲れると思う。

当時のEDMシーンを批判したリアムによる攻撃的なブレイクビーツサウンドに、キースとマキシムが煽りまくるプロディジー節全開です。アルバム発売と同じ2015年には、「SONICMANIA 2015」にヘッドライナーで出演しました。

【4回目】急逝したザ・プロディジーのキース・フリント…最後に参加したアルバムは「ライブ」で創り上げた

【番組情報】
番組名:『SONAR MUSIC』
放送日時:月・火・水・木曜 21時ー24時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/

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