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かつて10分もかかった体温測定、なぜ今は20秒で測れるの?

かつて10分もかかった体温測定、なぜ今は20秒で測れるの?

J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ・寺岡歩美)のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」。1月29日(火)のオンエアでは、体温計にまつわる疑問について、体温計メーカー、テルモ株式会社の平塚貴子さんに訊きました。


■体温計は、江戸時代にイタリアで発明

かぜやインフルエンザが流行する今の時期は、1年の中でも体温計の売上げがあがる時期だと平塚さん。進化し続けている体温計ですが、まずはその歴史について訊きました。

平塚:1609年、江戸時代初期に、イタリア人のサントーリオさんが世界で初めて体温計を考案したと言われています。空気と水を閉じ込めたガラス管で、片方が球体になっていて、それを口に含むとガラス管の中の空気が温度で膨張して水を押し上げ、増えた水かさで温度を計ります。長さが30センチ以上あったと言われています。その後、江戸時代末期にドイツ人が空気や水の替わりに水銀を使った体温計を考案しています。

日本では1921年(大正10年)に、北里柴三郎さんがテルモの前身となる赤線検温器株式会社を設立しました。それまでドイツから輸入していた体温計が第一次世界大戦の影響で輸入が途絶えたことで、良質な国産の体温計を製造しようと設立されたのが、体温計のパイオニア、テルモという会社なのだそうです。


■予測データに基づいたもの

かつて水銀の体温計では、計測時間が5分から10分かかったものが、現在はなぜ数秒で測れるようになったのでしょうか?

平塚:体温計には実測式と予測式のふたつの種類があります。実測式は測定部位のそのときの温度そのものを測定するもので、水銀は実測式にあたります。電子体温計でも実測のものは脇で10分、口中では5分かかります。20秒ほどで計ることができる体温計は予測式と呼ばれるもので、10分後の体温はどれくらいかを短時間で演算しています。弊社では、多数の体温上昇データから独自の演算アルゴリズムで解析することで、10分後の体温を正確に予測しています。

予測の正確性、誤差は、脇の下だと+-0.2度。もととなる体温のデータはどのように集めているのでしょうか?

平塚:体温は色々な年齢の方が測定するので、赤ちゃんから高齢者の体温上昇データを集めています。健康な人の体温上昇データだけではなく、熱がある人、季節の影響を確認するために、春夏秋冬のデータを集めています。


■上手な体温の測り方

体温計で上手に体温を計る方法を教えてもらいました。

平塚:脇で測定する場合は、脇の下のくぼみ中央に体温計の測定部である先端部分がしっかり当たるようにしてください。上半身に対して体温計を下から30度くらいになるように挟んで、脇をしっかりと閉じます。片手を添えると安定します。上半身に対して横向きや上の方から下向きに挟むと、先端部分が脇から出てしまったり、脇の中心に当たらないことがあります。そうなると正しく体温を測定することができないので気をつけてください。

体温計を使用する際には、正しい計測方法をぜひ実践してみてください。

2月4日(月)からの「BEHIND THE SCENE」のコーナーは、資産運用、転職、習い事、移住生活など、今から始めたい、挑戦したい新たなチャレンジやその方法を4日間にわたり紹介します。お楽しみに!

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【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/

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