米津玄師と比べなさい!? 初めて「音楽を作るとき」に大切なことを、いきものがかり・水野良樹が解説

2019年01月29日

J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:藤田琢己)。1月24日(木)のオンエアは、いきものがかりの水野良樹とのコンビでお届けしました。

日替わりナビゲーターがお送りするコーナー「DAILY SESSIONS」。この日は、「初めて歌を作るあなたに伝えておきたい5つのこと」を水野が伝授しました。


■1:聴くのではなく歌おう

まず、「最初にとりかかるべきポイント」から。

水野:「たくさんの音楽を聴きなさい」と言う人が多いと思うんですが、僕は「歌うこと」をおすすめします。ほとんどの人は真似から始めると思うし、僕もそうだったし、だから「たくさん聴きましょう」と言う。でも、ディスってるわけじゃないんですけど、たくさん音楽を聴いている音楽評論家がいいものを作れるわけではないじゃないですか。“聴く量”と“作ること”は、もちろんリンクしているけど、実はそれを“歌うこと”が大事なんです。

水野は玉置浩二さんの曲を、中学生の頃に延々と歌っていたのだそう。

水野:好きな曲を10曲ぐらいでかまわないので、何度も何度も歌っていると、コードも覚えたりして、みなさんの癖になっていくと思うんです。その人が何を選ぶかで個性が出てくるから、何度聴いても大丈夫っていう曲を数曲選んで、何度もコピーして歌う。それが血となり肉となって入っていくので、そこから始めるのがいいと思います。


■2:コードという「補助輪」を手にしよう

続いては、少し専門的なお話です。

水野:鼻歌で作る人もいますが、全く基準がないままメロディーを作るのは難しい。だから、ギターでも鍵盤でもいいんですけど、コードを覚えましょう。すると、その伴奏に合わせてメロディーを作ることができます。それこそ、自分の好きな曲で好きな部分があるとしたら、そのコード進行を真似して、そのコード進行でメロディーを作り出すのがいいんじゃないかと思います。いきなりコード進行を作り出すのは難しいから、自分の好きな曲の好きなところを引っ張ってきて、そのコード進行にメロディーをつけるところから始めるんです。コード進行に合わせて何度も何度もやっていくと、だんだん出てきます。
藤田:同じコード進行であっても、そこから自分のルーツとかも含めて、オリジナルメロディーになっていくんですね。
水野:コード進行が同じでも何万もの曲があるということは、何万パターンも道があるということなんです。もちろん似たものもあるけど、細部に宿っていくので、それをやっていくのが一番いいんじゃないかと思います。


■3:行き詰まったらメロディーじゃない、リズムだ!

ずっと好きなものを聴いていると、自分の癖ができてくるそうです。

水野:僕の癖は、メロディーにシンコペーションが多いことです。歌を作るときはメロディーに意識がいくけど、行き詰まったら単純に長さを変えたり、リズムを変えたりすると、譜割りが変わっていきます。これは理論じゃなくて感覚的なことが大事です。メロディーだけで考えると行き詰まるので、リズムで考えていくといいんじゃないかなと思います。
藤田:なるほど〜。
水野:あとは、頭打ちでメロディーを歌わなくてもいいんです。僕の曲は「アウフタクト」といって、前に食ってるメロディーが多くて、いきものがかり『ありがとう』も、「ソ」が頭なんですけど、その前にメロディーが始まっています。これは僕の癖なんですけど、もしも煮詰まったら、「自分は頭からメロディーを始めていないかな」「小節の前からメロディーを始めてみようかな」と考えてみる。あとは、コードでいえば、たとえばFの構成音は「ファ、ラ、ド」だけど、その構成音からメロディーを始めてしまいがちなんです。そこで敢えて違う音からメロディーを始めるんです。定型から外してみると、理論がわからなくても、いろいろなアイデアが浮かびます。


■4:100曲のアイデアより、1曲の完成品

曲作りは「完成させる」のが難しいものです。だからこそ、どんなに下手でもいいから、一曲を完成させることで学べることがあります。

水野:みんな、鼻歌でワンフレーズを考えることはできます。僕もサビのワンフレーズなら何十個も出てくるんです。でも、それを3〜4分の1つの完成した歌にまとめて、そこに起承転結があって、メリハリがあるように作るのが、すごく難しい。どんなに下手でも1曲完成させてみましょう。それを人に聴かせたり、自分で録音して聴いてみたりと、客観的に評価する時間が実はすごく大事です。難しいのは“作ること”ではなく“いいものを作ること”なので、完成しないと次の一歩に進めません。

いいワンフレーズが思いつくと、「名曲ができるかも」と思ってしまいますが、水野によると「曲作りはその可能性を閉じていく作業」とのこと。

水野:僕も、次のメロディーを選ぶたびにこの曲の可能性を閉ざしていくことと闘っています。完成したときに、自分の理想に近いところにたどりつければいいけど、ほとんどの場合は、僕も含めて能力がなくて、どんどん可能性を閉じちゃって、つまらない曲になっていく。つまらない曲になるか、ならないかで闘っていくのが、曲作りというもの。まずは1つの完成品にたどりつくことが大事です。


■5:米津玄師と比べなさい

最後は、米津玄師さんを例に出して解説しました。

水野:要するに、米津さんとか星野 源さんのように、自分が憧れるアーティストと対バンをしたりして、米津さんのあとに出てきて「この曲でいいのか」という想像をしたほうがいいと思います。僕は高校生のときに『ミュージックステーション』(テレビ朝日)に憧れのアーティストがたくさん出ていて、『ミュージックステーション』で流れても大丈夫な曲を作ろうと思ってました。初めて作るときから、自分が聴いてるものとか、自分が目標とするものと比べてみてください。そこと同じぐらいのものを作ろうとしても大抵は作れないけど、そこから始めないと、なかなか進まないんじゃないかと思います。妄想するのは簡単なので、基準を自分で勝手に下げないで、自分が好きなもの、憧れているものと同じ土俵に立ったときに大丈夫なものを、最初から作るようにしていると、自分の可能性を広げていくことになると思います。

番組では、水野が高校時代に作った曲『赤いかさ』をオンエアしました。

水野:音楽は勉強すればするほど広がっていくのは確かです。理論によってやっていくのもまっとうな道。だけど、手探りで、鼻歌で歌ったものがよかったり、誰もがフランクに進めるのも音楽の面白さです。高校生や大学生のみなさん、音楽に興味がなくても、一歩を踏み出す勇気を持つと前に進めると思うので、やってみてください!

音楽をやっている人、これから始めようと思う人は、ぜひ水野のアドバイスを参考にしてみてください。

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【番組情報】
番組名:『SONAR MUSIC』
放送日時:月・火・水・木曜 21時−24時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/
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