背中を押してもらえる作品から親子の熱い物語まで…「年末年始に観るべき映画」を有村昆が紹介!

2018年12月31日

J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ・寺岡歩美)のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」。12月31日(月)のオンエアでは、映画コメンテーターの有村 昆さんをゲストに迎えて、「年末年始に観るべき映画」を紹介していただきました。

■『アリー/スター誕生』

ブラッドリー・クーパーの初監督作品であり、レディー・ガガを映画初主演として起用した作品です。

有村:『ボヘミアン・ラプソディ』と比べるなら、『ボヘミアン・ラプソディ』のライブシーンは、すべて観客から観たフレディ・マーキュリーになっているんですね。なぜならラスト21分間にいくまでは、フレディの目線でずっと描いてきているからなんです。だから最後の「ライヴ・エイド」は、観客がクイーンをどう観ているかという目線で統一しているんです。でも、『アリー/スター誕生』は、スター側から観た観客なんです。
サッシャ:たしかにカメラがステージ上にある。
有村:たとえば、アリー(レディー・ガガ)が初めてステージに上げられたときに「歌っていいのかな」ってドキドキしている表情、そして歌う姿を撮っているんだけど、観客席側からはほとんど撮られていないんですね。アリーの肩越しから観客を撮っています。あと、ジャクソン・メイン(ブラッドリー・クーパー)が酒とドラッグに溺れていく姿、奥さんが売れるのは嬉しいけど、自分がどんどん落ちぶれていく様、だけど歌わなければいけないというジャクソン・メインの目線から撮られている。これが『アリー/スター誕生』の一番の発見かなと思います。

さらに、本作は「レディー・ガガの半生でもある」と有村さんは続けます。

有村:彼女が本当にバーでプロデューサーに見つけられて、どんどんステップアップしていった。それをそのまま投影しているという意味では、半分ドキュメンタリーに近い映画です。さらに、ブラッドリー・クーパーが監督として“スター誕生”の瞬間を観たなと思いましたね。
サッシャ:初監督作品ですもんね。
有村:レディー・ガガにとっては初主演、ブラッドリー・クーパーにとっては初監督で、ふたりのケミストリー。処女作って1度しかないから、その初々しさで「お互いどう出るんだ」っていう感じが、ドキドキするよね。しかも、ワンカット長回しで、ふたりが歌うシーンとかは、ほぼほぼカットを割らずに撮るっていうね。これが非常に、地に足のついた作品かなと思います。

■『アイ・フィール・プリティ!人生最高のハプニング』

続いては、12月28日に公開されたこちらの映画。主演は、エイミー・シューマーです。

有村:エイミー・シューマーは、「アメリカの渡辺直美ちゃん」みたいな女優さんなのよ。
サッシャ:ちょっとぽっちゃり系なんですか?
有村:そう。コメディエンヌとしても、いまナンバーワンなんです。この子が「私なんてどうせかわいくないし、彼氏もできないし!」って言うんだけど、ある日、痩せようと思って、日本でいう「FEELCYCLE(フィールサイクル)」(暗闇バイクエクササイズ)みたいなところで、わーっと運動をするんですね。テンション高くエクササイズをしていたら、ペダルから足がバカーンと外れちゃうわけ。それで頭を打って運ばれてしまって、ハッと目が覚めて鏡を見たら、「私、超きれいになってる!」って、スーパーモデルに変わっちゃうわけです。
サッシャ:え!?
寺岡:それは自分が思っているだけで、周りから見た彼女は変わらないんですよね。
有村:そうです。頭を打っちゃったから、自分だけが自分がスーパーモデルのように見えてるんだけど、周りから見たらまったく変わらないレネー(エイミー・シューマー)なわけですよ。
サッシャ:なるほど。実際は変わってないのに、自分が見えている世界だけ変わっているということ?
有村:自分自身の姿だけね。だから、友だちとかに「気付かないと思うけど、私、レネーなの!」とか言っちゃうんです。友だちは「うん、そうだよね」って反応なんだけど(笑)。
サッシャ:なんだ、この作品!
有村:今までは、たとえば『愛しのローズマリー』とか、鈴木おさむさん脚本の『ハンサム☆スーツ』とか、なんでもそうなんですけど、変わった時点で役者が変わるんですよ。でもこの映画は、役者が全然変わらないんです。ところが、自分はイケイケだと思っているから、たとえば、パン屋さんで並んでいて、番号が30番だったとして、うしろの男性から「何番ですか?」って訊かれたら、「やだ〜、私の電話番号をそんなに訊きたいの?」って、全部いいふうに勘違いするんです。そうすると男性は、「いやいや、そうじゃなくて、パンの番号は何番?」って訊くんだけど、「090の〜」とかレネーが言い始めて、それがきっかけで彼氏もゲットしちゃう。さらに、高級路線の化粧品の受付嬢にもいきなり決まっちゃうんです。
サッシャ:本人のマインドが変わっただけで!?
有村:そうしてサクセスストーリーをのぼっていくんです。ところが、また頭を打っちゃうんですね。
サッシャ:あらら……。
有村:さあ、どうなるか! っていう話です。これ、レネーがどんどん可愛く見えてくるんです。「CG加えた?」って思うくらい。だから、気の持ちようで人生はいくらでも変えられる。すごく背中を押してもらえるいい作品です。
サッシャ:来年はいい年にしたいという人は、この映画を観て「気持ちを切り替えよう」ってなりますね。

■『クリード 炎の宿敵』

2019年1月11日(金)公開の『ロッキー』シリーズの最新作。『クリード』シリーズとしては、これが第2弾の作品となります。

有村:『ロッキー』って、ずっと話が繋がっているんですね。もともと1976年、サッシャと僕が生まれた年に、最初の『ロッキー』が公開されました。
サッシャ:そうか。あの映画って42年前なんですね。
有村:あれは、シルベスター・スタローンが演じるロッキー・バルボアが、アメリカのチャンピオンを倒して、一夜のうちにスターになるという話でしたよね。重要なのは、『ロッキー3』から『ロッキー4/炎の友情』をちゃんと観ておくことです。ロッキーのライバルでもあり友だちでもある、アポロ・クリードという人がいるんです。本当はロッキーと対戦をする予定だった、ソ連のイワン・ドラゴ(演:ドルフ・ラングレン)とアポロが、当時アメリカと「ソ連」は冷戦状態にあったから、代理戦争をしようってことになり戦うことになったんです。そして、このふたりが対決して、リングの上でアポロが殺されてしまうんです。「自分が白いタオルを投げればよかった」というロッキーの後悔から33年が経ち、アポロの子ども、アドニス・ジョンソン(演:マイケル・B・ジョーダン)をチャンピオンにするのが前作『クリード チャンプを継ぐ男』なんです。そして今回、ドラゴに子ども、ヴィクトル・ドラゴがいたということで、アドニス・ジョンソンに再戦を申し込みます。アドニス・ジョンソンはお父さんを殺されているわけだから、その復讐をしたい。

復讐劇かと思いきや、有村さんは「これは親子の話」といいます。

有村:ロッキーとドラゴが対決して、ドラゴが負けてからドラゴの奥さんは逃げて、子どもはいるけどソ連だからみんなから冷たい目で見られてしまって、食うや食わずの生活をしてきたんです。奥さんと名誉を取り戻すために、息子をチャンピオンにさせて復讐したいという思いが、ドラゴにはあるんです。
サッシャ:2世対決になるんですね。
有村:そのセコンドに立つのが、ロッキーとドラゴなんだよね。この因縁の対決が息子の時代に受け継がれて戦うという、すごい話なんです。やっていることは『ロッキー4』なんですけど、ただ、ひとまわり、ふたまわりすると、やっぱりあついよね。そもそもストーリーがよくできている。シルベスター・スタローンが脚本も書いています。
サッシャ:『ロッキー』シリーズ1から全部観直したくなっちゃいますね。
有村:アカデミー賞で、なんらかのカタチで『クリード 炎の宿敵』が入ってきてくれたらいいなという思いです。
サッシャ:年が明けたら、ぜひ観たいですね。


■2018年映画シーンを振り返る

最後に、2018年映画シーンの印象を有村さんに伺いました。

有村:大きく分けるとふたつありました。ひとつは、『グレイテスト・ショーマン』からはじまり、『ボヘミアン・ラプソディ』、『アリー/スター誕生』など、ミュージカル映画、音楽映画がすごくあつかったですね。すごい勢いだった。
サッシャ:映画館で歌うことが多かったですね。応援上演みたいなね。
有村:いま映画館が大きく変わろうとしています。たとえば、「ドルビーシネマ」にしても、応援上映にしても、「集う」ということがひとつのカルチャーになってきています。いまはスマホとかiPadで映画が観られちゃって、小さな画面でひとりで観る機会が増えたんですよね。そうなると、大画面の「IMAX」のシアターで、みんなでペンライトを持ってクイーン『We Are the Champions』を歌いたくなるんです。デジタルになればなるほど、アナログがほしくなる。昔はDVDやBlu-rayを所有することに幸せを感じていたけど、いまは「体験すること」に幸せを感じるようになっているんです。
サッシャ:だからこそ、応援上映に駆け付けたいということですね。
有村:これが、映画館が生き残る術になっています。だから、「4DX」とか「MX4D」とか、今後どんどん進化します。2019年の映画館は大変なことになると思います。
サッシャ:そうなんですね!
有村:もうひとつの特徴は、「マイノリティ」がひとつのテーマになっていました。『ボヘミアン・ラプソディ』はLGBT、『グレイテスト・ショーマン』は「ともすれば外見から見られてしまうマイノリティ」というように、「マイノリティだけどひとつの個性である」ということを訴える作品が相変わらず多いです。
サッシャ:たしかに。
有村:「私は私」という考え方。「隣の芝生と比べない」ということが、ひとつのテーマかなと思います。

まだ観ていない作品がある人は、この機会に観てみてはいかがでしょうか。

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【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時−13時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/
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