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作家・漫画家の小林エリカ、『アンネの日記』から影響を受けた言葉とは

作家・漫画家の小林エリカ、『アンネの日記』から影響を受けた言葉とは

J-WAVEで放送中の番組『GOOD NEIGHBORS』(ナビゲーター:クリス智子)。12月20日(木)のオンエアでは、漫画家・作家の小林エリカさんをゲストにお迎えしました。


■アンネと父の日記を遡る旅

物心がついた頃から自分で小説を書くなど、文章を書くのがとても好きだったという小林さん。そんな小林さんの執筆に大きな影響を与えたのがアンネ・フランクです。

小林:10歳のときに『アンネの日記』を初めて読んで、そこで「作家になりたい」と、強い思いを抱いて大人になりました。30歳を過ぎたときに父の80歳の誕生日で実家に帰ったら、父が16歳と17歳、第二次世界大戦中と敗戦直後に書いていた日記をたまたま見つけまして。

お父様の生まれは1929年。アンネ・フランクと同じ年に生まれており、「アンネ・フランクが生きていたら80歳になっていた可能性があったんだ」ということに、とても驚いたと小林さんは話します。

小林:そこで『アンネの日記』と父の日記の両方を読みながら、アンネの死から生に遡るように旅をして、日記を1日ずつ読んでいくという作品を作りました。

その作品が2011年に出版された『親愛なるキティーたちへ』です。アンネが遺した日記の中に「私の望みは死んでも生き延びること」と書かれており、10歳のときにそれを読んだ小林さんは「書けば生き延びることができるんだ」と、とても感動したと振り返ります。

小林:アンネ・フランクが「将来の夢は作家かジャーナリストになりたい」と書いていたのが、とても影響していて。でも、父の日記を発見したときに、かたやアンネはユダヤ人の少女だし、父は大日本帝国のユダヤ人を殺す側と同盟国だったひとりの子どもで。その辺もどういうふうに捉えていいのかなどを考えながら、ずっと旅をして日記を読んでいました。

そして今年11月、小林さんはアンネ・フランクの人生を辿るビジュアルブック『アンネのこと、すべて』の翻訳をされるなど、アンネとの縁は続いています。ご興味のある方は『親愛なるキティーたちへ』と合わせてチェックしてみてください。


■「目に見えないけれど今の自分につながる何かを探りたい」

小林さんは、どんなことに興味を持って書くことのテーマや内容を決めているのでしょうか?

小林:アンネ・フランクもすごく長く取り組んでいるテーマですし、今の自分につながる過去の歴史だったり、今の自分の周りにある、目に見えない放射能のことだったり。目には見えないけれど確実に存在していて、今の自分につながるなにか、みたいものをすごく知りたいという気持ちがあります。自分の半径1メートルほどの話なんですけれども、そこをどこまでも深く探りたいという気持ちで小説を書いたり、漫画を描いたり、リサーチをしたりしています。

現在、小林さんの漫画『光の子ども』がwebで連載されています。19世紀末に放射能という言葉が生まれ今に至るまで、さまざまな人たちがときに魅了され、ときに残酷な目に遭ってきた、ということが描かれています。こちらもぜひチェックしてみてください。

【番組情報】
番組名:『GOOD NEIGHBORS』
放送日時:月曜-木曜 13時-16時30分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/neighbors/

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