ぼくのりりっくのぼうよみが痛感したこと「音楽と自分の人間像が全く切り離せない」

2018年12月17日

J-WAVEで放送中の番組『INNOVATION WORLD』(ナビゲーター:川田十夢)。12月14日(金)のオンエアでは、2019年1月でアーティスト活動を終了するぼくのりりっくのぼうよみ(略称、ぼくりり)さんが登場。「天才をやめる」という発言でも話題になった彼が、終了する理由を語りました。自らエンターテインメントとして見せる、冷静な判断とは。


■ぼくりり、AIが性格分析「知的好奇心と変化許容性が高い」

現在20歳のぼくりりさん。2019年1月を持ってアーティスト活動を終了(辞職)すると発表し、話題を集めました。先日、ニューアルバム『没落』とベストアルバム『人間』をリリースし、2019年1月にはラストライブ「通夜・葬式」を開催します。

まずは、同番組のAIアシスタント・Tommyに、ぼくりりさんの性格分析をしてもらいました。

Tommy:ぼくりりさんは表現に富むタイプで、哲学的なタイプです。また、リスクを取ることで高揚し、忙しくないと退屈に感じます。自分自身に高い目標を持ち、それを達成するために熱心に取り組みます。自主性があなたの行動に大きな影響を与えています。知的好奇心と変化許容性がとても高いです。

この分析結果に「なるほど。なんか理想の自分って感じですね」とぼくりりさんは感想を述べました。


■ぼくりりを消滅させる必要性とは

ぼくりりさんは、テレビ出演で「天才をやめる」と語り、大きな話題となりました。

川田:テレビに出てあの発言、ということで話題を集めましたね。ぼくりりをやめることは本当なんだよね。
ぼくりり:本当です。天才をやめるのも本当と言えば本当です(笑)。ははは。
川田:軽やかな笑いがおもしろいけども(笑)。それで世間も音楽業界もざわついているけど、なんでやめちゃうんですか?
ぼくりり:やめたほうが面白いかなってことと、僕が最後に完成させた作品『没落』を、よりよいかたちで届けるために、ぼくのりりっくのぼうよみが消滅することが必要でした。
川田:11月にTwitterでも書いていたけど、『没落』を聴いてくれるとわかるだろうと。
ぼくりり:わからないかもしれない。「わかってほしいな……」くらいの感じですね。



川田:でも、音楽が嫌いになったわけではないんでしょ?
ぼくりり:めっちゃ好きですよ。『没落』をずっと聴いていてるけど、すげえいいんですよ。
川田:ただ、2019年1月で「天才」「ぼくりり」の看板を下ろすのは間違いないじゃないですか。それをなぜ選択したの?
ぼくりり:ちょっとややこしい話になるんですけど……。今年の6月くらいに、落合陽一先生と水曜日のカンパネラのケンモチヒデフミさんと鼎談する機会があって。そのときに「ぼくりりは、“ぼくのりりっくのぼうよみ”ではなくて、“みんなのりりっくのぼうよみ”になってるよね」とケンモチさんに言われて、「なるほど」と思ったんです。かみ砕いて話すと、僕が僕自身の感情を歌うことからどんどん変化していって、普遍的なものというか、自分ではなく多くの人が共通して持っているだろう感情を歌っている状態に変化しているんだよ、ってことを言われました。

普遍的な方向に進んでいる理由として「音楽と人格をすごく切り離したかったんです」とぼくりりさんは続けます。

ぼくりり:自分の作品に、自分の振る舞いや容姿、言動が影響しないようなものを作りたかったけど、それは難しいなと思いました。そういう意味で、自分を消すことに特化してやってみた作品が3枚目のアルバム『Fruits Decaying』です。そうすることによって、その効果とその限界がいろいろわかりました。アーティストとして音楽と自分の人格、自分の人間像が全く切り離せないことを痛感させられたので、であれば、出す作品に自分の人格をチューニングしていこうという風になりまして。それで最近、いろいろやっているんです。
川田:なるほど。
ぼくりり:その一環として、僕はぼくのりりっくのぼうよみをやめます。「消失するんだ」ってことを踏まえて聴くアルバムと、「これから先もやっていくんだろうな」って人のアルバムでは、聴く感じ方がちがうじゃないですか。そういう意味で、やめることにしました。


■存在そのものをエンターテインメントとして見せる

この理由を聞いた川田は……。

川田:現代ほど、作家であることと書いている言葉が緊密なことってないよね。ぼくりりくんも自分の声で自分の書いている詞を歌うから、そこは切り離せないよね。
ぼくりり:そうですね。声は肉体性がすごく強いから。
川田:その密度が、瞬間的な爆発的な表現力を持って伝わることもありますよね。
ぼくりり:そう思います。だから特性を最大限に生かしてみようと思ったというか。僕はどちらかというと、同じ音楽をやっている人に挑んでいるというよりは、小説家とか映画監督とか、そういう人たちに対して「ぼくのりりっくのぼうよみというエンターテインメントはどうですか?」「これ、面白くない?」っていうふうな、新しいフォーマットを作ろうとしているイメージですね。
川田:ぼくりりをやめて、もう一度音楽をやりたくなったらどうするの?
ぼくりり:どうにでもなるのかなって思います。ぼくのりりっくのぼうよみが死ぬだけなので。ただ、今はその先のことは考えていないというか、想像だけど、漫画家が自分の連載作品のラストスパートを描いているときに、次回作のことをあまり考えていないだろうと思います。もちろん構想はあるかもしれないけど、それが描きたくてしょうがないのであれば、今連載している漫画のほうが面白くなくなる感じがします。だから今は僕なりに、ぼくのりりっくのぼうよみを終了させることにすごく熱心ですね。


■「ぼくのりりっくのぼうよみ」の名前をオークションする?

2019年1月を持って活動を終了するぼくりりさん。その後、「ぼくのりりっくのぼうよみ」という名前はどうするのか、と川田は問いかけます。

ぼくりり:僕の枠組みのなかのひとりになっている、ぼくのりりっくのぼうよみっていうキャラクターは廃棄されるんですけど、名前は使ってもいいのかなと思います。オークションしたらおもしろいかなとか(笑)。
川田:おもしろいね。人なのか法人なのかわからないけど、2代目ぼくりりが生まれるとかね。
ぼくりり:どこかの企業がこの名前を買ってくれたりしたらいいのかなみたいな。どう使うのかは全く想像がつかないですけど。


■最近ハマっているゲーム

川田が「音楽以外に何が興味があるの?」と問うと、ゲームをプレイしているという話に。

ぼくりり:最近は『デトロイト ビカム ヒューマン』をやっています。
川田:めっちゃよかった! ゲームってすごいよね。
ぼくりり:すごいですよね。ゲームは何かを伝えるフォーマットとして非常に優秀ですよね。映画は「2時間だし没入感はあるけど責任感はない」って、どこかのレビューに書いてあって。
川田:僕は完全にゲームをライバル視しています。どうすれば拡張現実の世界に感覚を持ち込めるかを考えているから。『デトロイト ビカム ヒューマン』は、ファンと時間が止まるシステムがあるよね。空間的な根拠の点在を探して、時間を再生するという。あれはすごくいいよね。

川田がゲームに添えられているメイキングを見たところ、制作費に驚いたとか。

川田:映画の制作費は100億円ですごいと言われていたのに、ゲームの予算ってもっとすごいからね。1本の映画を仕上げるのに約100ページの台本が必要になるのに対して、このゲームは4000ページも書いているんです。
ぼくりり:それくらいはありますよね。映画はひとつの道が決まってしまっているけど、ゲームはそれが分岐するから。
川田:この話を小説家にすると「とてもじゃない」って、作家がこういう世界だって導いた話を戻る行為って、すごく疲れるんだって。なるべくひとつの流れで済ませたいのに、そんなにも分岐を考えるなんて、考えられないみたいです。

ディープなゲームトークで盛り上がるぼくりりさんと川田。「暇になったらゲーマー同士で会話しない?」との提案に「ぜひ!」と快く返答するぼくりりさんでした。

ぼくりりさんの『没落』、ぜひお聴きください。ラストライブとなる「通夜・葬式」のチケットはソールドアウトしましたが、2019年1月28日(月)の「葬式〜前夜祭〜」は、12月22日(土)にチケット発売予定です。こちらもぜひチェックしてみてください!

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【番組情報】
番組名:『INNOVATION WORLD』
放送日時:毎週金曜日22時−22時55分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/innovationworld/
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