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目でも指でも読める! 未来の点字で世界とつながる

目でも指でも読める! 未来の点字で世界とつながる

J-WAVEで放送中の番組『SUNRISE FUNRISE』(ナビゲーター:レイチェル・チャン)のワンコーナー「TANAKA KIKINZOKU GROUP SWITCH FOR 2021」。9月9日(日)のオンエアでは、点字と目で読む文字「墨字」をミックスさせた新しい点字「Braille Neue(ブレイル ノイエ)」に注目しました。

点字は読み方を学ばないと読むことができませんが、Braille Neueは点字の背景に文字が表示されているため、点字を知らなくてもスラスラ読めます。文字と点字を組み合わせてデザインされているというわけです。今回は開発者の高橋鴻介さんに話を伺いました。

レイチェル:そもそも、点字に注目したきっかけは?
高橋:仕事で視覚障害者の施設を訪れることがあって、僕と同じぐらいの年代の子が点字を読んでいたんですけど、驚くほどの速さだったんです。僕は点字が読めないけど、点を線で繋いだら読めるようになるんじゃないか、と思って考えながら書体を作りました。

「Braille Neue」という名前は、駅などでよく使われている「Helvetica Neue(ヘルベチカ ノイエ)」をもじっているのと、 「Braille」は英語で点字という意味から、「ベーシックな書体になったらいいな」という思いで付けたそうです。

文字のデザインも高橋さんが手掛けました。高橋さんの現在の仕事はプランナーですが、デザインが好きで、大学時代はデザインの勉強をしていました。しかし、Braille Neueの開発には苦労もありました。

高橋:そもそも点字と墨字とではルールが全く違うんです。どんな形を点の上に当てはめたら文字としてしっかり読めるか、ということについてかなり苦労しました。特に日本語は形が複雑なので、どのようにしてあてはめていくといいかと試行錯誤して、文字の外側をなぞる形で書体を作るのが一番いいんのではないかと思って作りました。
レイチェル:遠くから見ると文字が浮かび上がってみえますが、触ってみると点字が感じられますね。すごくおしゃれなデザインですね。

高橋さんは開発を始めて2ヶ月ほどで英語版を開発したものの、「英語だけではダメだ」ということから、さらにカタカナ版を開発しました。特に英語版は海外の反応が非常に大きく、高橋さんは「やはり、英語は世界共通の言語なんだ」と驚いたそうです。

レイチェル:双方にとって読みやすくするのは、けっこう難しいバランスですよね。
高橋:「浮き出し文字」といって、文字全体を浮き上がらせる方法もあって、エレベーターのボタンなどでよく使われています。しかし、話を聞いてみると、浮き出し文字は長い文章を読むのには適していないらしいです。スピードを考えても点字のほうがいいという人もいました。ただし、点字は視覚障害者の中でも読める人が15パーセントくらいだと言われていますが、スピードなどを考えると点字のほうがいいんじゃないかという話になりました。
レイチェル:世界の全ての点字がBraille Neueだったらいいですよね。
高橋:同じものを共有できるのは素敵なことだと思うし、同じツールを使うだけでコミニケーションが生まれると思うんです。僕は英語が苦手なんですけど、英語が読めるようになったら、海外の人と一緒のものを読めるようになるし、同じツールを使えるというだけで、コミュニケーションが生まれるのを、この書体で目指しています。

最後に、このプロジェクトを通じて実現したい未来について「違う世界の文字や違う世界の言語を一つにできるもの、”未来言語“のようなものを作れたらいいなと思います。今は点字と墨字のプロジェクトですが、英語と日本語とか、手話と日本語といったような、今まで関わることのなかった二つのコミュニティを、こうしたツールで繋いでいけたら」と語りました。

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【番組情報】 番組名:『SUNRISE FUNRISE』 放送日時:毎週日曜6時ー9時 オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/sunrise/

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