音楽、映画、エンタメ「ここだけの話」
サカナクションが、映画『バクマン。』に起用された理由は? 監督・大根 仁が明かす

サカナクションが、映画『バクマン。』に起用された理由は? 監督・大根 仁が明かす

J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。9月1日(土)のオンエアでは、映画『モテキ』『バクマン。』など、常に新しい映像表現と音楽センスで話題をさらう演出家で映画監督の大根 仁さんをゲストにお迎えし、音楽との出会いや、監督最新作『SUNNY 強い気持ち・強い愛』などについて伺いました!


■ドラマの再放送が自分の価値観を形成した

小さい頃からテレビが大好きだったという大根さん。当時は『傷だらけの天使』『探偵物語』など夕方に放送するドラマの再放送にハマりました。

大根:そういう番組に小学3年生から5年生くらいにハマっちゃったので、そのあたりから「まっとうではない人生の方がカッコいい」と思えてしまいました。
クリス:それが自分の価値観を形成したところはあるんですかね。
大根:間違いなくありますね。小学校高学年のときに、サラリーマン的な生き方じゃない方が面白いかなって思えてしまったというか。

そこから映像に興味を持ちはじめ、中学生になると「3本立て500円」のような映画館に通い出すようになりました。

大根:映画とか音楽とかテレビとか、1980年代はポップカルチャーというかサブカルチャー的なものが一気に花開いた部分があるじゃないですか。それにどっぷり漬かりました。音楽はYMO(イエロー・マジック・オーケストラ)を入口にRCサクセションを聴きはじめ、それをきっかけに雑誌『宝島』を知りました。


■お笑い+プロレス+音楽に衝撃を受けた少年時代

小学校6年生のときに音楽番組で見た、忌野清志郎+坂本龍一『い・け・な・い ルージュマジック』に衝撃を受けたと大根さん。

大根:この曲と同時にRCサクセションにハマっていきました。中学3年生のときに放送された、糸井重里さん司会のNHKテレビ番組『YOU』の正月スペシャルのゲストが、ビートたけしさん、アントニオ猪木さん、RCサクセションだった回がありました。
クリス:それ、すごいですね。
大根:僕が好きな人がその回のゲストでそろったんです。お笑いとプロレスと音楽っていう違うジャンルがそろうことが本当に衝撃で、全く交わると思っていなかった他ジャンルのものが、ひとつのものに納まることはすごいことだし、「こういうことってあるんだな」って感じたその番組が、自分のやっていることの根っこになっているような気がしますね。今は映画とテレビドラマの制作を中心にやっているけど、なるべくそこに音楽を絡ませたり、別ジャンルのものを入れたりしています。


■サカナクションは「絶対に映画音楽ができるな」と



そんな大根さんは、映画の企画が立ち上がると、脚本やキャスティングより先に音楽を考えます。

大根:映画における音楽は空気みたいなものだと思うので、「まずは空気を決めよう」ってなります。
クリス:(映画の主題歌など)アーティストに曲の書き起こしなどを頼むときは、そのアーティストの過去の曲が基準になってるんですか。
大根:例えば映画『バクマン。』でサカナクションを起用したときは、サカナクションは昔から聴いていて、単純に楽曲を聴くこともできるけど、職業病というかちょっと仕事のスイッチが入ると、その曲を頭の中で分解しちゃうんですよね。「打ち込みでこういう音を作れるのか」とか「こいうったギターフレーズがあるのか」とか分解して、「この人たち絶対に映画音楽ができるな」って思いました。


■小室哲哉は「やっぱりすごい」



大根さんが脚本・監督を担当した映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』が8月31日に公開をスタートしました。この映画は韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』が原作になっています。

大根:この映画が素晴らしくて、現代に生きる女性がかつて女子高生時代に仲良かったメンバーを探し出して、再開できるかどうか、というストーリーです。それと、かつて青春時代に聴いていた音楽が見事に絡み合っていて「よくできてるな」って。

日本でこの映画のリメイクを依頼された大根さんは、物語の舞台を1990年代のコギャル世代に置き換えました。

大根:J-POPという概念が生まれた頃のヒットチャートの曲をたくさん流しながら、小室哲哉さんの曲を中心に、映画を制作したら面白いんじゃないかなと思ってこの映画を作りました。
クリス:音楽は小室哲哉さんが担当していますよね。
大根:正直、90年代のTK(小室哲哉)ブームの頃は、サブカル育ちでストリートから生まれた音楽が好きだったので、そういったヒットチャートにのぼる曲は鼻白んでいた部分がありました。でも、小室さんってすごいですよね。90年代って邦楽が洋楽コンプレックスから解き放たれて、自分たちが作る音楽でも洋楽に負けてないって思えた時期。そのメジャーフィールドにおいて先頭を走っていたのが小室さんじゃないかなと思います。

番組では他にも大根さんにエレファントカシマシを聴き続けた19歳の頃の話や、好きな映画音楽について、これまでで特に印象に残るライブについてなど、たっぷりお話を伺いました!

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【番組情報】
番組名:「SAPPORO BEER OTOAJITO」
放送日時:土曜18時-18時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/

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