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【特集】チャットモンチー、ドラム・高橋の脱退に「どうしよう」…“変身”した軌跡をたどる

【特集】チャットモンチー、ドラム・高橋の脱退に「どうしよう」…“変身”した軌跡をたどる

J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:藤田琢己)。6月27日(水)のオンエアでは、Licaxxxとのコンビでお送りしました。

注目の新譜・いま注目すべき名盤・話題の来日アーティストなど、週替わりで1組のアーティストを4日間かけて掘り下げていく「FEATURE TOPICS」のコーナー。この週は7月に“完結”するチャットモンチーを特集。橋本絵莉子さん(Vo./Gt.)、福岡晃子さん(Ba.)が登場し、バンドの歴史を語ります。

1日目は、チャットモンチーがデビューするまで、2日目はデビュー後の慌ただしい日々と「転機」を振り返りました。3日目となる今回は、2011年にドラムの高橋久美子さんが脱退し、チャットモンチーが2人組で活動を始めた頃の話からスタートします。

【1回目】バンド名はノリで決めた? チャットモンチーが自ら振り返る歴史
【2回目】初テレビ出演でスタッフに怒られたワケ「けっこう衝撃だった」


■ドラマー・高橋の穴は誰にも埋められない。だから…

橋本:くみこん(高橋久美子さん)が「作家になる」と。「えっ、どうしよう」ってなったけど、その1週間後にあっこちゃん(福岡さん)から驚くべきひと言が投げかけられました。
福岡:「えっちゃん(橋本さん)、私がドラムやるってどうかな?」。
橋本:「めっちゃ、いいやん!」
福岡:こんな感じだったよね。
橋本:そうだね、再現だね。

その2人のやりとりは「忘れもしない羽田空港のシーンだっだ」と福岡さんは言います。

福岡:くみこんが脱退するって言ったのはツアー中で。その後のツアーは、もやもや・ふわふわした感じでやってるわけじゃないですか。でも、1週間もやもやして「久美子が抜けた後どうしよう」と思ってたときに、1週間めっちゃ考えたけど、替わりのドラマーみたいな、全然わからなかったんですよ。もちろん「こういう人もいいかな」っていろいろ候補を考えたけど、久美子のドラムの替わりは誰もきかないじゃん。
橋本:そうだね。
福岡:だから、「これは誰かを入れるっていう発想ではダメかもしれない」と思ってました。飛行機で沖縄かどっかに行くために、羽田空港に向かう電車の中で「私がドラムをするってありかな」って思って、それを羽田空港に着くまでの30分くらいずっと考えてました。羽田空港に着いたらえっちゃんがいて、空港のソファーでそのことを言ったら、えっちゃんが大声で「えー!」って言って(笑)。
橋本:空港中に響き渡る「えー!」が出ました。でも、「すごくいいな」と思って、「あっこちゃんがドラムならみんな納得するんじゃないかな」と思ったの、誰がドラムを叩くよりも。
福岡:そうだね。私もそう思った。でも、えっちゃんに言ってすぐ「けっこう、大変なことを言ってしまった」と思いました。

ドラムをやると決意した福岡さんは、DETROITSEVENのドラマー・山口美代子さんに教えてもらうことに。

福岡:(それまで)ツーピースバンドってものをあまり知らなかったじゃないですか。ザ・ホワイト・ストライプスのジャック・ホワイトとかツーピースバンドをやってたけど、2人でバンドをやってる人をあまり知らなかったから、「どういう人がいるんだろう」とか探したり、1人で全部の楽器をやってる人のユーチューブとかめっちゃ見たよね。
橋本:「1人でもこんなにできるだから、2人いたらもうちょっとできるかも」とか言って、とりあえずスタジオに入って、できることを探す日々が続きましたね。
福岡:それで、私が2カ月くらいドラムだけに集中させてもらって、ずっとドラムを練習して、その後、えっちゃんと再開しようってなって。再開してからさらに何カ月かツーピースの音作りをひっそりと地下のスタジオでやってたんですよね。
橋本:やりましたね。

2人体制になったチャットモンチー。当時のライブではひとつの楽器にとどまらず、曲によって2人が入れ替わり立ち替わりにいろいろな楽器を演奏するという、ユニークでクリエイティブな活動を展開しました。


■ツーピースをやりきり「男陣」を迎える!

その後、チャットモンチーはいろいろな変身を遂げていきました。

橋本:ツーピースになって、ツアーをやって、その後にサポートメンバーを入れるっていう選択をしました。
福岡:そうそう。1度、えっちゃんの出産によってバンドをお休みできたんですよね。チャットモンチーで初めてお休みできたね。その後、復活するときに「ちょっとバンドが変わってた方が面白いな」と思って。ツーピースでは、ジェットコースターみたいなことをやってたから、「今度は音楽的に良いものを作ることを目指してみよう」ということで、まずはツネさん(恒岡 章さん/Hi-STANDARD)がサポートメンバーになって。ツネさんがツイッターで「性転換したらチャットモンチーに入れるかな」って投稿をしてくれたんですよ。それを私は逃さずに(笑)。
橋本:さすが(笑)。くみこんのときもだけど、あっこちゃんはすごい。 福岡:ツネさんに「まだ、その思いは続いているのか」って定期的にジャブを打ってて、いよいよってなったときにツネさんにドラムをお願いしたら「いいよ」って言ってくれて。えっちゃんにしたら、Hi-STANDARDは初めてコピーしたバンドですよ。
橋本:そうなんだよ。だから、最初に(恒岡さんと)スタジオに入ったときは「ウソかな」と思ってた。何回も振り返ったもん。そんな思い出がありますね。

恒岡さんがチャットモンチーのサポートメンバーになったことをきっかけに、キーボードなど他のサポートメンバーを入れたら面白いかも、という流れになっていきました。

福岡:ツネさんと面識があって、もちろん私たちも知っていたシモちゃん(下村亮介さん/the chef cooks me)にキーボードで入ってもらったけど、結局ギターとかもいろいろやってもらって(笑)。
橋本:(下村さんには)いろんなことやってもらいました。


■「乙女団」もつくり、10周年を迎えて…

橋本:それで(恒岡さんと下村さんとの)「男陣」ができたから、女の4人編成もいいんじゃないってことで「乙女団」をつくりました。
福岡:つくりましたね。せぶちゃん(世武裕子さん)と愛子さま(北野愛子さん)との「乙女団」はぴったりだったね。めちゃくちゃ、しっくりきましたね。チャットモンチーがデビューして初めて「男陣」で男っぽいテイストの激しめな曲ができて、「乙女団」は女同士で息が合うポイントがあって。
橋本:そうですね。
福岡:何かって言ったらお菓子を食べてましたね。そういうポイントも合ってた。すぐ休むし。
橋本:4人みんなが西の生まれだったから、めちゃくちゃしゃべって楽しかったですね。

「乙女団」とチャットモンチーの10周年を迎えた後に、橋本さんと福岡さんは燃え尽きてしまったと言います。

福岡:「やりきっちゃったな」ってなった。
橋本:だけど、チャットモンチーはサポートメンバーを経験したから、これを踏まえて「もう1回、2人で何かをやってみたい」という思いが沸き上がって、「チャットモンチー・メカ」をつくりました。
福岡:また、「何かにチャレンジしたい」という気持ちになりました。

再スタートを切ったチャットモンチー。そこから7月に“完結”を迎えるまでのストーリーは……。

【4回目】チャットモンチーの完結に、いきものがかり水野が「同じ“グループ”として悔しい!」理由は…

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【番組情報】
番組名:『SONAR MUSIC』
放送日時:月・火・水・木曜 21時-24時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/

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