音楽、映画、エンタメ「ここだけの話」

音楽ジャンルと寿命の意外な関係性

J-WAVE平日(月〜木)昼の番組「BEAT PLANET」のワンコーナー「BEHIND THE MELODY〜FM KAMEDA」(ナビゲーター:亀田誠治)。5月21日のオンエアでは、音楽ジャンルとミュージシャンの寿命の関係を紹介しました。

音楽プロデューサーの亀田誠治さんが、さまざまな音楽ニュースを徹底的に掘り下げる新企画「亀田リサーチ」。第1回目のテーマは「音楽ジャンルと寿命」。ジャニス・ジョップリン、カート・コバーン、ジム・モリソン、ジミ・ヘンドリックス、エイミー・ワインハウスなど、27歳という若さでこの世を去った伝説的ミュージシャンたちを、アメリカでは「27クラブ」と呼ばれていることをご存知でしょうか?

そこで、アメリカのエンターテイメントサイトが、音楽ジャンル別のミュージシャンの平均寿命をグラフで発表したトピックに注目。このグラフは、アメリカ人のアーティストと一般人の寿命の違いをグラフで表したもの。同グラフによれば、歴史の古いジャズ、カントリー時代、ゴスペル時代のミュージシャンは、一般人よりも平均寿命が長いそう。しかし、リズム・アンド・ブルース時代、フォーク時代あたりから、一般人の平均寿命を下回り、ロック時代から、平均寿命が急降下。女性アーティストにいたっては、65歳から45歳まで、20歳も平均寿命が下がっていることが分かりました。もっとも寿命が短いジャンルが、ラップ、ヒップホップ。なんと女性は平均寿命が35歳以下、男性は30歳以下なのだそうです。

ミュージシャンの死因について分析しているデータによれば、ブルースやジャズに関しては、心臓関係やガンが少し目立つものの、寿命を全うした人がほとんど。しかし、パンク、メタルに関しては、「不慮の事故」(交通事故、溺死、ドラッグなど)が30%~36%とダントツで、ラップ、ヒップホップに関しては、「他殺」が50%を超えています……。
※ラップ、ヒップホップは誕生してから30年ほど。最年長世代がまだ50代という背景もあります

この結果に、亀田さんは「音楽とアメリカの時代背景が、アーティストの死因に少なからず関係している」と考え「1960年代以降の、ROCKミュージックを世界に拡散していったレコード産業のハンパない商業主義路線は、当時のアーティストの早死に拍車をかけている」と話します。

亀田さんによれば、もともと繊細なアーティストは、ツアーやレコーディングの日々に追われ、体調を崩したり、アルコールやドラッグに依存するなど、死亡のリスクが高まる結果になってしまったそう。1970年代のパンクなど攻撃的な音楽も、自分の気持ちや大衆の気持ちを代弁するために体を張って戦ったため、心と体に負担があったはず。1970年以降の音楽は、エレクトリック、デジタルなどのテクノロジーの進化と共に成長してきましたが、この機械的、電気的な環境が、人間の潜在能力を超えてアーティストに負荷をかけてしまっているかも、と考察。人間ができる範囲の音楽をやっていたジャズやブルースの時代から、テクノロジーの力を借りて、音楽を作り込むロックやヒップホップの時代になってからミュージシャンの寿命が短くなっていることに注目しました。

「ジャズやブルースはロービートな上、ビートの中にスイングという揺らぎがある分、音楽を奏でるという行為そのものに、浄化作用があるのかもしれません。音楽自体が長生きの薬になっているんですね」(亀田さん)

この考察から、亀田さんは「ロービート」「スイング」「アコースティック」の3本柱が、アーティストの長生きのポイントだと結論を出しました。ということは、これらの音楽には、聞き手側にも長寿の効果があるかもしれませんよ!?

【関連サイト】
「BEAT PLANET」オフィシャルサイト
https://www.j-wave.co.jp/original/beatplanet/

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