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2007年03月08日
「サン・ジャックへの道」★★★★☆

春になると思い出すのが小学生の遠足。低学年の時は江ノ島に行くことが多かったのですが、何せ私の家からすぐ近く。子供心に「つまらないなぁ」などと思ったものでした。でもね、春の海ってとってもキレイ。風が強くて、母が気合いを入れて作ってくれた、あざやかなお弁当に砂が入ってしまうのが、難だったけど…。

サン・ジャックの道」を見ていたら、久しぶりにお弁当を持ってどこかに行きたくなりました。ウォーキングをしながら自然と戯れる。気持ちよさそうだなぁ、と。だからといってこの映画、別に遠足の話じゃありません。もっと大変なんです。だって、徒歩で1500kmにも及ぶ巡礼の旅をするのですから。

会社経営者の兄ピエール。失業中の夫に変わって家族を支えるおばさん教師、妹のクララ。そして、アルコール漬けで家族に見放された弟クロード。母を亡くしたこの3兄弟に、ある日、遺産相続の条件が提示されます。それは、キリスト教の聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラまでの1500kmの巡礼路を一緒に歩くこと。無心論者で歩くことも大嫌い、顔を合わせればケンカばかりという仲の悪い3兄弟が、果たしてその条件を果たし、遺産を相続することが出来るのか。

2ヶ月はかかるこの長旅を先導するのは、ベテランガイドのギイ。険悪3兄弟と一緒に旅をするメンバーは、カミーユエルザのお気楽コンビ、カミーユを追って参加したサイッド、イスラムのメッカに行くと思い込んでいるラムジィという学生4人組。そして頭にターバンを巻いた訳あり女性マチルドという面々。

3兄弟は出発したそばからケンカを始めます。このやりあう姿が、可笑しいんです。凄まじい毒舌バトル! もちろんその姿に周囲は呆れ顔。「3人は母親を亡くしたばかりだから」と彼らをかばうラムジィのほうがよっぽど大人です(笑)。それに加えて、皆、現代社会の申し子。携帯電話も車もない自然であたふたする姿は滑稽で、携帯の電波をキャッチしようと、牛の群れに突進するわ、森の真ん中でぐるぐる回るわ、笑わせてくれます。

けれども、不平たらたらの3兄弟も、この長い道のりで少しずつ変化していくんですね。心が健やかになれば、体も健やかになる。人に対する優しさというものを少しずつ取り戻していくのです。大変なのは3兄弟だけじゃありません。他のメンバーだって、内には色んな問題を抱えている。それを互いに解いていく姿が、美しい自然と共に描かれていくのです。素晴らしい景色に見向きもせず、ぶつかり合っていた人たちが、少しずつ歩調を合わせはじめる。心が通じ合っていくから、言葉も少なくなっていく。そして自然の美しさに立ち止まることが出来る・・・。

出発地点のノートルダム大聖堂で、メンバーが書いた願い事の数々を裏でチェックする修道女や、巡礼の途中で出会う陽気なアメリカ人3人組などのエピソードも面白いです。そして何より、1500kmという巡礼路で登場する、自然と文化的遺産の美しさと言ったら! 終盤に登場する、巡礼者のミサ・ボタフメイロの儀式も必見です。

監督は「赤ちゃんに乾杯!」や「女はみんな生きている」のコリーヌ・セロー。登場人物のダメッぷりをシニカルに描きながらも、優しさを忘れません。亡き母が託した思いを3兄弟が知ったとき、私たちの心も、幸せな気持ちに包まれます。旅を終えた後の彼らの姿に、思わず涙が溢れるはずです。

最近、私が見たフランス映画の中でも、秀逸な作品。皆さんも、ぜひ、ご覧あれ。

| 17:44 | カテゴリー:映画
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