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2006年10月05日
「カポーティ」★★★★★
今年のアカデミー賞でフィリップ・シーモア・ホフマン主演男優賞をもたらした映画「カポーティ」。去年、初めてポスターを見たときから、間違いない!と思っていた作品でした。作家や画家、音楽家など著名人を描いた映画は数多くあるけれど、この作品はここ10年で一番面白いといってもいいくらい。思わず興味をそそられるトルーマン・カポーティという題材はもちろん、そのカポーティを見事に演じきったフィリップ・シーモア・ホフマンが素晴らしい。

カポーティといえば、オードリー・ヘプバーン主演で映画化された「ティファニーで朝食を」が有名ですが、今回の映画「カポーティ」は作家カポーティのもう一つの傑作「冷血」が、いかにして生まれたのかをドキュメンタリータッチで描いています。1959年11月、カンザスで起きた一家四人惨殺事件。新聞の小さなスペースに書かれていたその事件に惹かれたカポーティは取材を始めます。時に自分の名声を武器に頑なな事件担当の保安官から情報を掴み、現場や遺体写真を見てまわり、ついには犯人の2人組に接触。結果、カポーティは5年という長い先月をかけ、「冷血」を完成させるのです。

中でも、カポーティは犯人の一人、ペリー・スミスに特別な興味を持ち、面会を重ねていきます。そんなカポーティに心を開き始めるスミスですが、事件についての核心はなかなか明かさない。予想以上に創作活動は長引いていくんですね。新たなジャンルを開拓しようという野心が大きいだけに、苛立ちは募っていく。何よりも、この2人が死刑を受けるという結末がないと、作品は完成しないわけです。しかし、彼はスミスに惹かれてしまった。憂いを帯びたルックス以上に、今まで疎外され続けてきた哀れな生い立ちに、自分自身を重ね、同情の念を強くしていきます。しかし、死刑執行がなければ作品は完成しない。そのジレンマに悩まされていくのです。彼にとっては「冷血」を完成させたいという欲望の方が勝っていて、その為ならどんな卑劣なこともできるというカポーティこそが、冷血な心の持ち主じゃないかと感じるほど。そこまでやって生まれた傑作。でも、その代償は大きく、その後、彼は作品を一つも書き上げることがなかったのです。

甲高い声で自慢話をし、自らゲイであることを公言。最高級の物を身につけ、身振り手振りの話術に皆が虜になってしまったといわれるトルーマン・カポーティ。そんな彼が、荒涼としたカンザスに立つ姿。そして、最後に見せる本来の人間としての姿。その全てを、全身全霊で演じるフィリップ・シーモア・ホフマンは必見。カポーティの取材を手伝うネル・ハーパー・リー役のキャサリン・キーナーもさすがの演技。カポーティと友人だった彼女は、後に絶縁状態になってしまうんだけれど、その片鱗を垣間見る言動が興味深い。最後に彼女がカポーティに言い放つ言葉にゾクッと来ました。監督はこれが初長編作品となったベネット・ミラー。主人公のスキャンダラスさよりも、主人公の心の機微を丁寧に描いていて良い仕事しています。

読書の秋、本のかわりにぜひ「カポーティ」を。見終わったら、原作の「冷血」にもチャレンジしてください。

| 15:18 | カテゴリー:映画
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