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2005年10月06日
「ブコウスキー:オールドパンク」★★★★☆
7年前、私は「死にたいほどの夜」という映画でビートニクを知った。その影響で、映画の主人公ニール・キャサディがモデルになった本、ケルアックの「路上」を買いに行ったのだが、その本屋でもう一冊、私の目に飛び込んで来た本があった。タイトルは「町でいちばんの美女」。バーカウンターで気怠そうにする女性が表紙になっていて、妙にその写真に惹かれたのを覚えている。悩んだ挙句、結局、次の機会にとあきらめたまま、読むことはなかった。その本が、チャールズ・ブコウスキーの作品ということを、この映画「ブコウスキー:オールドパンク」で知ることになる。 私はブコウスキーの作品を、今まで一度も読んだことがない。しかし映画の解説には、「町でいちばんの美女」の他にも、ブコウスキーに興味を抱くキーワードがいくつかあった。昔ミッキー・ロークが見たいだけで借りた映画「バーフライ」の脚本家。そして、ブコウスキーを語ると言うショーン・ペンとU2のボノ。この作品で私の知らないブコウスキー・ワールドが、また発見できそうだ。

映画は、冒頭から驚きの連続だった。私が初めて見る「動く」ブコウスキーは、サンフランシスコの朗読会で、ビール瓶の転がる机に肘をつき、もっと酒を持って来いと、野次を飛ばす。それを見る観客は、拍手喝さい。何、これ? このおやじ、強烈…。映画を見る限り、彼の傍らには、常に、お酒、煙草、もしくは女がいる。彼が書き続けてきた作品の如く。だけど、生前の貴重なインタビュー映像や、彼を取り巻く人々の言葉から、ブコウスキーの裏に隠された本当の姿が見えてくる。作品を読まなくとも、彼の破天荒な生き方は容易に知ることは出来る。だけど、生活の為に、そして、いつまでも書き続けていられるようにと、長年、郵便局で働いていたというのは意外だった。もちろん、勤務態度は褒められるものではなかったけど、局が度々行う「郵便物の仕分けテスト」の練習もしていたという真面目さも垣間見える。

幼い頃、ドイツ人の父に虐待を受けたことを「父は文学の師。俺に理不尽な痛みを教えてくれたから。」とクールにコメントしながらも、その頃、住んでいた家に足を踏み入れ、言葉すくなにハイネケンを飲む姿。一晩で6人の女を相手にしたと豪語する男が、自分の元を去っていった若い恋人を思い、自らの詩を読みながら咽び泣く。無骨な中に、時折、見え隠れするピュアな姿に、私の興味はさらに強くなっていった。

中でも、映画「バーフライ」にまつわる逸話の数々は、映画好きにはたまらない。映画のために脚本を書いたブコウスキーだが、ミッキー・ロークがミス・キャストだったということは、ブコウスキー自らセリフを言ってみせるシーンでよくわかる。なにより「バーフライ」の映画化にてこずっていたバーベット・シュローダー監督が、「バーフライ」撮影中に撮りためていたブコウスキーの映像のほうがよっぽど面白い。(映画には「RAY」のテイラー・ハックフォード監督の映像も登場する) さらには、「バーフライ」の脚本に夢中になり、主役をやりたいと申し出たものの、却下されたことから始まったショーン・ペンとブコウスキーの友情。年を重ねる度、ヒリヒリするような演技を見せるショーン・ペンに、ブコウスキーの影を感じずにはいられない。

酒とタバコと女を愛し、死ぬことよりも書けなくなることが怖いと言いながら、魂の自由を求めて叫び続けた男、チャールズ・ブコウスキー。映画の最後を飾る「青い鳥」の詩が、胸にしみる。

この秋は、ブコウスキーの本を読んでみよう。

| 16:32 | カテゴリー:映画
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